堀尾金助と裁断橋
ページの概要:橋の名の由来には、死者を閻魔大王が裁断する場という説もあります。
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熱田区内の埋もれた見どころを発掘し、紹介しています。(広報なごや平成23年2月号掲載)
大正時代まで熱田区内には精進川が流れ、東海道には裁断橋が架けられていました。また、精進川を三途の川と見立て、橋のたもとには死者の衣服を奪い取る奪衣婆(だつえば)をまつる姥堂がありました。橋の名の由来には、死者を閻魔大王が裁断する場という説もあります。
1926年に川が埋め立てられ橋は撤去されましたが、1953年に近くの姥堂境内に縮小して復元されました。元の橋の欄干の擬宝珠(ぎぼし)は名古屋市の文化財に指定され、名古屋市博物館に所蔵されています。そして、この擬宝珠の一つには、私財を投じて橋の架け替えを行った堀尾金助の母が、亡き子をしのんで書いたとされる和文の銘が刻まれています。
1590年、18歳の堀尾金助は小田原の戦いに出発しましたが、病に倒れ帰らぬ人となりました。裁断橋まで出征を見送った母は、翌年、供養のために裁断橋を架け替えました。その後、33回忌にも再度架け替えを行い、擬宝珠に刻まれたわが子に対する母の想いが人々に語り継がれました。
なお、愛知県大口町に堀尾一族の屋敷があったことから、同町の五条川にも裁断橋と擬宝珠が復元され堀尾跡公園となっています。
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