新修名古屋市史 資料編「近代3」
昭和恐慌・満州事変から敗戦までを対象時期とする、資料編「近代3」の概要等
『新修名古屋市史』資料編「近代3」 概要
資料編「近代3」の特徴
平成14年度から編さんを続けてまいりました『新修名古屋市史』資料編の最後の巻となる「近代3」は、平成18年3月に刊行しました「近代1」及び平成21年3月に刊行しました「近代2」に続くもので、昭和恐慌・満州事変から敗戦までの時期の貴重な資料とその解説を掲載しています。本書の構成としては、昭和12年の名古屋汎太平洋平和博覧会までの時期を第一編、その後の日中戦争から敗戦までの時期を第二編とする二編構成とし、さらに最後にそれら資料の解説を配置しています。
本書について
B5版 本編952ページ(上製本) 定価4,500円 平成26年5月20日(火曜日)販売開始
『新修名古屋市史』資料編「近代3」 目次
第一編 百万都市名古屋の発展 名古屋汎太平洋平和博覧会の開催に向けて
第一章 国際的大都市を目指した都市基盤整備
- 第一節 名古屋汎太平洋平和博覧会の開催へ
- 第二節 都市計画の推進
- 第三節 交通機関の整備
第二章 都市の膨張と名古屋市の行財政
- 第一節 特別市制促進運動と市域拡張
- 第二節 大岩勇夫市政と市会
- 第三節 積極財政と市債依存
第三章 都市の膨張と社会事業・市民生活
- 第一節 都市の膨張と社会事業の伸展
- 第二節 市民生活の多様化
第四章 恐慌からの回復過程と名古屋市経済
- 第一節 工業
- 第二節 商業
- 第三節 電力・ガス業
第二編 軍需工業都市名古屋とその解体 日中戦争から敗戦まで
第一章 軍需工業都市の形成と都市計画
- 第一節 戦時体制下の都市計画
- 第二節 戦時体制下の交通機関
第二章 戦時動員と名古屋市の行財政
- 第一節 戦時動員と名古屋市制
- 第二節 縣市制と大政翼賛会名古屋市支部の結成
- 第三節 戦時体制と名古屋市財政
第三章 戦時動員の諸団体と運動
- 第一節 戦時動員と町内会
- 第二節 佐藤市政と翼賛選挙
- 第三節 配給機構と市民生活
- 第四節 戦時下の社会事業と市民生活
第四章 戦時経済
- 第一節 工業
- 第二節 商業
- 第三節 電力・ガス業
- 第四節 農業
- 第五節 漁業
第五章 防空と空襲
- 第一節 防空
- 第二節 空襲
- 第三節 東南海地震
- 解説
『新修名古屋市史』資料編「近代3」 本文抜粋
解説より 第一編第一章第三節 交通機関の整備(P866-871)
本節の対象とする時期は、名古屋の市内交通において、新興のバス事業を軸とした激しい競争が市営に統合される過程であった。大正10年(1921)10月稲沢操車場の新築工事からはじまった名古屋駅の改良工事は、昭和12年(1937)2月の新旅客駅開業をもって終了した(ただし2階以上は継続工事)。これに伴う三私鉄の名古屋駅前乗入れは、日中戦争下の資材入手難により、工事着工の早い遅いが竣工時期に多大な影響を与えた。(中略)
3 三私鉄の名古屋駅前乗入れ
昭和5年(1930)頃大規模な名古屋駅改良工事の進捗に合わせて、三私鉄即ち名岐鉄道、愛知電機鉄道、伊勢電気鉄道は名古屋駅前への乗入れを目指していた。名岐は枇杷島から、愛電は神宮前から、伊勢電は桑名からである。三社別に実現までの資料を採録した。
C 伊勢電気鉄道・関西急行電鉄
伊勢電気鉄道は地元三重県の地方鉄道である。名古屋と神都宇治山田を連絡することを目的にして、既設線津・四日市間から南北に着々と路線を伸ばしていた。大山田村(桑名駅)・南平野町間は、工事中の桑名・四日市間の延長線として申請し昭和3年(1928)11月免許を得た。線路の終点名古屋市中区南平野町は旧名古屋貨物駅南付近になる。(中略)
伊勢電鉄の整理案は種々検討されたが、大阪電気軌道(現近畿日本鉄道)及びその系列の参宮急行電鉄が引き受けることに決まった。大阪電気軌道の主導のもと11年1月関西急行電鉄が設立され、桑名・名古屋間の建設はそこに引き継がれた。(中略)
関急名古屋停車場の地下出入口は、名古屋鉄道の新名古屋駅と共同使用する協定であるが、新名古屋駅の工事がまだ未着手の状態であるので仮出入口の設置を願い出ている。関急名古屋駅は三線二ホームで三私鉄の中では一番早く、昭和13年6月開業した。その後関西急行電鉄は昭和15年1月参宮急行電鉄に合併された。大阪電気軌道は16年3月この参宮急行を合併して関西急行鉄道と改称し、同社と南海鉄道が合併して19年6月近畿日本鉄道が誕生した。
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