地下鉄と栄地下街
名古屋市営地下鉄が初めて開業したのは、1957年(昭和32)11月のこと。
日本では東京、大阪、横浜に次いで4番目の地下鉄開通となりました。
当時は名古屋駅から栄町までの区間で、地下鉄の開業に合わせて「栄地下街」も誕生しました。
このページでは、地下鉄開業までの経緯や街の賑わいの変遷をご紹介します。
地下鉄の開業まで
戦前の地下鉄建設計画

第1次計画
名古屋市が、人口100万人を突破した1934年(昭和9)当時は、市内の交通機関は路面電車が主体で、広小路線、大津通線など道路の混雑ぶりが問題となっていました。
東京や大阪では既に地下鉄が走り機能していたこともあり、名古屋市も調査を行い、1936年(昭和11)、7路線約52キロに及ぶ地下鉄路線網計画(第1次)を発表しました。
しかしこの計画は、総工費約1億3千万円という当時としては膨大な金額で、1937年(昭和12)の名古屋汎太平洋平和博覧会の開催、民営バスの買収などに追われていたため資金確保が難しく、計画は一時見合わせとなりました。
第2次計画
1937年(昭和12)に日華事変が勃発し、名古屋市は国内有数の軍需工業地帯となっていきました。
そのため、急激な人口の増加と集中があり、工場通勤者などが通勤地獄に陥り、社会問題となりました。
これによってふたたび地下鉄の建設計画が持ち上がり、「臨時名古屋市並近郊交通網調査会」が発足し、1940年(昭和15)基本4路線約29キロの路線網計画が発表されました。
しかし、まもなく太平洋戦争が本格化し、計画の実現には至りませんでした。
戦後の地下鉄建設計画

太平洋戦争により市域の約23パーセントが焦土と化し、人口は約60万人にまで落ち込んだ名古屋市は、1946年(昭和21)市に、「名古屋市復興計画の基本」を発表し、交通の項目に、「市内に高速度鉄道を南北1本、東西1本設置し、衛星都市との連絡を能率的にたらしめんとす。」と掲げました。
これによって、「名古屋市高速度鉄道協議会」が設置され、上の路線の名古屋、八田間約6キロを除いた約49キロの「名古屋復興都市計画高速度鉄道路線」が発表されました。
地下鉄の工事始まる

1953年(昭和28)にようやく政府起債の割り当てによって、建設予算が成り立つ見通しとなり、その後「市会高速度鉄道特別委員会」が設置されました。
1954年(昭和29)8月、名古屋から栄町間の地下鉄建設工事が始まりました。
地下鉄と地下街の建設
地下鉄の工事では、名古屋駅と栄町駅は、地下1階、地下2階の構造で、地下2階が地下鉄が走る軌道、その真上となる地下1階は地下鉄の利用者が地上交通の雑踏をさける通りとして建設され、その通りの両側には店が並ぶ商店街となりました。
こうして、地下鉄の建設と並行して地下街の建設も行われ、地下鉄の開業と同時に地下街も開業となりました。
地下鉄開業

1957年(昭和32)11月15日名古屋駅1番ホームにおいて、「祝」開通の花飾りと五色のリボンがかけられた初電車の発車式が行われました。
初電車は、ホームに集まった人々の拍手と万歳のあらしの中、午前9時48分に栄町に向けて発車し、ここに名古屋の地下鉄が誕生しました。
写真左:名古屋駅発車式 写真右:栄町駅、運転士、車掌への花束贈呈
地下鉄の開業と同時に地下街の商店もオープンしました。
初乗りを待ちわびた市民が押し寄せ、午後5時過ぎには通勤者も重なり、3分間隔で発車する電車はすべて満員で、名古屋、栄の地下街も人波があふれ、夜遅くまで混雑をしたそうです。
この日の乗客の数は、予想の5万人を超える約13万人だったそうです。
栄地下街
地下街の賑わい
地下街開業の当初は、地下鉄に乗って物珍しさなどで買い物を楽しむ人が訪れて賑わいがありました。
しかし、月日の経過とともに利用客の数が減り続け、経営不振に陥る店舗も現れるようになりました。
その後は、1960年(昭和35)6月、栄駅から池下駅までの延伸、1963年(昭和38)4月、東山公園駅までの東山線の延伸によって利用者が増えてゆき、賑わいを徐々に取り戻してゆきました。
栄北地下街

- 1957年(昭和32)11月15日開業 地下鉄開業と同時に開業した地下街。
- B1が改札口と栄北地下街(森の地下街)、B2が栄町駅(栄駅)のプラットフォーム。
栄中・南・地下街
- 1965年(昭和40)9月8日、中・南地下街開業。
- 翌月に地下鉄2号線(名城線)市役所駅から栄町駅が開通。
- 中・南地下街のB2に名城線が走っています。
- 翌年、中日ビルが開業しました。
- 同年6月、栄町駅は栄駅、伏見町駅は伏見駅に改称しました。
- 1969年(昭和44)9月15日、東地下街開業。
サカエチカ

- 1969年11月11日、開業。
- 栄の交差点を中心に広小路通と大津通へ広がっている地下街。
- クリスタル広場(大同特殊鋼pherix)スクエア)は、待ち合わせの名所となっています。
セントラルパーク
- 1978年(昭和53)11月2日開業。
- 久屋大通公園、テレビ塔の地下に整備された地下街。
- セントラル広場(メディアヒロバ)という吹き抜けがあり、開放的で、地下街、名鉄瀬戸線・地下鉄名城線の改札口からも地上へのアクセスがしやすく、防災上でも利点があります。
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地下街の概要(名古屋市)
名古屋市内の地下街の概要についてお知らせします。 -
地下街に関する方針・基準(名古屋市)
平成16年に制定された「名古屋市地下街基本方針」などの説明
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