シバンムシ類

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ページID1015327  更新日 2025年10月17日

[学名] Anobiidae
[分類] 鞘翅目(コウチュウ目),シバンムシ科

小型の甲虫で、日本から50種以上が知られている。そのうち家庭害虫となる種は10種内外。

シバンムシ類は基本的に食植性で、食材性、食菌性とに分けられる。家屋害虫となるのはすべて本来は食材性の種で、種子食やゴール食に適応した種もある。

名古屋市内でもジンサンシバンムシ、タバコシバンムシ、マツザイシバンムシなどが害虫として注意が必要。

ジンサンシバンムシ

[学名] Stegobium paniceum (Linnaeus)
[分類] 鞘翅目(コウチュウ目),シバンムシ科

写真:ジンサンシバンムシ成虫

体長2-3.5mm。
全体赤褐色。黄褐色の細毛でおおわれる。

多くの乾燥動・植物質を食害する。
とりわけ漢方生薬、園芸用油かすなどの肥料、ペットフード、植物質の乾燥食品などに被害が多い。

『ジンサン』は人参のことで、朝鮮人参など乾燥生薬の大害虫であることから『薬屋泣かせ』といわれている。


写真:ジンサンシバンムシ幼虫

名古屋市内では年に2-3回の発生を繰り返し、暖房のあるところでは年間を通して成虫が見られる。

本種には、シバンムシアリガタバチ(刺傷被害を起こす)が寄生する。
本種が発生した場合、シバンムシアリガタバチの発生にも注意が必要である。

タバコシバンムシ

[学名] Lasioderma serricorne (Fabricius)
[分類] 鞘翅目(コウチュウ目),シバンムシ科

写真:タバコシバンムシ成虫

体長2-3mm。
赤褐色で光沢がある。
全体は上方から見ると長楕円形。
頭部は大きいが、前方に強く曲げているので上からは見えない。

食性はジンサンシバンムシとよく似ており、多くの乾燥動・植物質を食害する。
乾燥葉タバコの害虫であることからこの名が付けられた。
畳のワラ床にもよく発生する。


写真:タバコシバンムシ幼虫

名古屋市内では年に2-3回の発生を繰り返し、暖房のあるところでは年間を通して成虫が見られる。

本種には、シバンムシアリガタバチ(刺傷被害を起こす)が寄生する。
本種が発生した場合、シバンムシアリガタバチの発生にも注意が必要である。

マツザイシバンムシ

[学名] Ernobius mollis (Linnaeus)
[分類] 鞘翅目(コウチュウ目),シバンムシ科

写真:マツザイシバンムシ

体長3-6mm。
細長い円筒形。
茶褐色で、全体が単色の微毛でおおわれる。


写真:マツザイシバンムシによる建材食害例

成虫は5-6月に出現する。

マツ材の害虫として知られており、アカマツ、クロマツ、エゾマツ、カラマツなどの樹皮下を食害するが、ラワン材に桜の樹皮を貼り付けた化粧材を食害した例を観察している(右画像)。

本種には、クロアリガタバチ(刺傷被害の原因となる)が寄生する。

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