令和3年度被災地支援リポート 陸前高田市 9月分の記事

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ページID1013675  更新日 2025年10月16日

令和3年度被災地支援リポート 陸前高田市

令和3年9月15日(水曜日)

みなさん、こんにちは。

陸前高田市に派遣されてから2年半が経とうとしています。

9月の中旬にもなると、東北は秋の気配が感じられる季節になります。

半袖では肌寒く、すでに長袖のシャツで過ごしています。名古屋に比べると半月以上秋の訪れが早い感じです。

さて、私は、現在復興土地区画整理事業を担当しています。

陸前高田市では、高田地区と今泉地区の二つの地区で復興土地区画整理事業を行っています。

高田地区および今泉地区の復興土地区画整理事業の概要は次の表のとおりです。

高田地区および今泉地区の復興土地区画整理事業
地区名 高田地区 今泉地区
施工面積

約186.1ha

  • 高台部 45.1ha
  • かさ上げ部 87.0ha
  • 平地部 54.0ha

約112.4ha

  • 高台部 60.2ha
  • かさ上げ部 38.1ha
  • 平地部 14.1ha
施工期間

平成24年9月26日から令和8年3月31日

  • 清算期間5年を含む
  • 工事完了は令和2年度末

平成24年9月26日から令和8年3月31日

  • 清算期間5年を含む
  • 工事完了は令和2年度末
事業費 766.3億円 891.1億円

両地区とも、現在換地処分に向けて事務を進めています。主なスケジュールは次の表のとおりです。

換地処分のスケジュール
区分 高田地区 今泉地区
換地計画の縦覧 令和3年5月11日から令和3年5月23日 令和3年3月10日から令和3年3月23日
換地計画認可申請 令和3年6月16日 令和3年3月29日
換地計画の認可 令和3年7月2日 令和3年4月13日
換地処分通知 令和3年8月27日 令和3年6月15日
換地処分告示 令和4年1月(予定) 令和3年11月(予定)

東日本大震災で被災した交流施設や学校など、国の災害復旧費を活用した建築系公共施設38か所の復旧が7月30日をもってすべて完了しました。

震災から10年を経て大きな節目を迎えました。

最後に完成したのが「博物館」。です

被災した「博物館」と「海と貝のミュージアム」の合築施設で、展示されるものはほぼ津波被害を受けたのちに修復された収蔵品です。

震災前の「博物館」は東北地方第1号の登録博物館として、昭和34年1月に開設された施設です。

陸前高田市の自然、歴史、民俗、美術資料などを中心に約23万点の資料を収蔵する総合博物館として活動していた施設です。

「海と貝のミュージアム」は平成6年7月に開設され、平成16年12月には岩手県第5号の博物館相当施設として指定された施設です。

貝殻標本を中心に、約6,000種、110,000点の資料を収蔵する施設で、日本有数の貝のコレクションを活かし観光をメインとする遊んで学べる博物館として、展示公開を中心として活動していた施設です。

新しい博物館は、1階には常設展示室、企画展示室や作業室、2階には収蔵庫や機械室、屋上には展望デッキが設けられています。

展望デッキからは復興が進む市街地などが一望できます。

また、作業室では資料の安定化処理や管理などの保存・修復作業の様子をエントランスホールから見えるように一部ガラス張りになってます。

「文化財レスキュー」や「安定化処理」技術の構築など、多くの支援を受けて復興を遂げたことも来館者に知ってもらう施設になります。

さらに、「つっちぃ」の愛称で親しまれ、震災で損傷した全長9.7mの日本最大のツチクジラのはく製なども展示されます。

施設のオープンは、コンクリートなどが放出する、展示品や収蔵品に有害な化学物質の屋内濃度を低減させるため、コンクリート打設後から夏を2度越す期間(「枯らし期間」)を設ける必要があることから来年秋ごろになる予定です。

施設の概要

  • 敷地面積:約6,600平方メートル
  • 構造:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)2階建て
  • 延べ床面積:約2,800平方メートル
  • 建築費:約18.7億円
写真:建設中の博物館(令和2年8月6日撮影)
建設中の博物館(令和2年8月6日撮影)

写真:建設中の博物館(令和2年12月5日撮影)
建設中の博物館(令和2年12月5日撮影)

写真:建設中の博物館(令和3年4月18日撮影)
建設中の博物館(令和3年4月18日撮影)

写真:完成した博物館(令和3年9月12日撮影)1
完成した博物館(令和3年9月12日撮影)

写真:完成した博物館(令和3年9月12日撮影)2
完成した博物館(令和3年9月12日撮影)

博物館の場所が示されている地図
公共施設等整備箇所図

最後に、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、例年8月上旬に東北各地で行われる祭り(盛岡のさんさ踊り、仙台の七夕まつり、青森のねぶた祭、秋田の竿燈まつり、山形の花笠まつりなど)も2年連続で中止になりました。

陸前高田市においても、同様に例年8月7日に開催される「高田町うごく七夕まつり」「気仙町けんか七夕まつり」が2年連続で中止になりました。

「うごく七夕まつり」は、きらびやかに飾られた山車がお囃子にあわせて勇壮にまちを練り歩く幻想的な祭りで、昼と夜では飾りが変わります。

それに対し、「けんか七夕まつり」は豪華に飾り立てた山車同士がぶつかり合い、文字通り「けんか」する豪快な祭りです。

次の写真が、令和元年に撮影した祭りの様子です。

写真:盛岡さんさ踊りの様子
令和元年8月3日に撮影した盛岡さんさ踊りの様子

写真:うごく七夕まつりの様子
令和元年8月7日に撮影したうごく七夕まつりの様子

新型コロナウィルス感染が収束した折には、ぜひ8月上旬に東北各地で繰り広げられる夏祭り見物にお越しください。

このページに関するお問い合わせ

名古屋市被災地域支援本部事務局(防災危機管理局危機対策課)
電話番号:052-972-3584 ファクス番号:052-962-4030
Eメール:a3584@bosaikikikanri.city.nagoya.lg.jp