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ダニ媒介性の新しい感染症

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このページを印刷する最終更新日:2014年12月17日

ページID:46039

重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)について

概要

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、2011年に中国で命名された新しい感染性疾患です。

野山に生息するマダニの一種に咬まれることでSFTSウイルスに感染することによって引き起こされる病気です。

SFTSウイルスに感染すると、6日から14日間の潜伏期間を経て、38度以上の発熱や消化器系への症状が発生するなど多様で深刻な症状を引き起こし、重篤化すると死亡します。

現在、有効なワクチンはなく、致死率は10%を超えます。

発生状況

中国では2009年以降、7つの省(遼寧省、山東省、江蘇省、安徽省、河南省、河北省および浙江省)で症例が報告されています。また米国ミズーリ州において、SFTS様疾患の症状を示す患者が2名発生し、患者検体からSFTSウイルスと近縁なウイルスが検出されています。

日本国内では、これまで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告はありませんでしたが、2012年に初めて症例が報告されました。

患者に最近の海外渡航歴はなかったため、日本国内でウイルスに感染したと考えれていますが、詳細な感染経路については分かっていません。

感染経路

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ダニ媒介性ウイルス感染症であることから、中国では、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しています。

マダニは、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3ミリメートルから4ミリメートル)のダニで、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。

中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からウイルスが見つかっています。これらのマダニが活動的になる春から秋に、患者が発生しています。

日本でもSFTSウイルスを媒介すると考えられるマダニ類は全国的に分布しています。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は全国どこにおいても発生しうる感染症と考えられます。

予防方法

野外でマダニに咬まれないように注意することが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。

これは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)だけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。

野山などへ入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して肌を露出しないようにするなどの一般的なマダニ対策を徹底することが重要です。

治療方法

2013年3月現在、SFTSウイルスに有効な治療薬やワクチンはありません。血液の管理などの対症療法が主体となります。

SFTSウイルス検査結果

マダニの採集結果とSFTSウイルス検査結果

市内におけるマダニの採集結果及びSFTSウイルス検査結果は次のとおりです。
平成26年(市内4地点)の調査結果
調査日フタトゲチマダニキチマダニその他合計検査結果
5月7日1214陰性
5月15日0000実施なし
5月19日1113陰性
5月29日0000実施なし
6月2日1001陰性
6月12日0000実施なし
6月16日2002陰性
6月26日0000実施なし
7月15日1001陰性
7月18日0000実施なし
7月24日0000実施なし
7月28日0000実施なし
8月7日1001陰性
8月11日0000実施なし
8月21日0000実施なし
8月25日0000実施なし
9月4日0000実施なし
9月8日0000実施なし
9月18日0000実施なし
9月22日1001陰性
10月2日0000実施なし
10月10日0000実施なし
10月16日0000実施なし
10月20日0101陰性
合計84214 
平成25年(市内6地点)の調査結果
調査日フタトゲチマダニキチマダニ合計検査結果
5月23日から10月28日11213陰性

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