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- (現在の位置)ダニが媒介する感染症について
ダニ媒介感染症とは
ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニに刺されることによって起こる感染症のことです。
人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。
ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、刺された人が病気を発症することがあります。
主なダニ媒介感染症として、重症熱性血小板減少症候群、日本紅斑熱、つつが虫病、ライム病、ダニ媒介脳炎などが国内では挙げられます。
詳しくはダニ媒介感染症(厚生労働省)(外部リンク)
重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)について
概要
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、2011年に中国で初めて報告された感染症です。
野山に生息するマダニの一種に刺されることでSFTSウイルスに感染し、引き起こされる病気です。
SFTSウイルスに感染すると、6日から14日間の潜伏期間を経て、38度以上の発熱や消化器系への症状が発生するなど多様で深刻な症状を引き起こし、重篤化すると死亡することもあります。
2025年7月現在、有効なワクチンはなく、日本における致死率は27%と推定されています。
発生状況
中国では2009年以降、主に7つの省(河南省、山東省、湖北省、安徽省、浙江省、遼寧省および江蘇省)で症例が報告されています。また、台湾、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマーなど、東アジア、東南アジアで発生の報告があります。
日本国内では、近年は年間100件前後の報告があり、直近の2024年は年間で122件の報告がありました。2025年現在、西日本を中心に感染が広がっており、愛知県内でも感染が確認されています。
愛知県内での発生事例
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者の発生について(豊田市):令和7年7月23日報道発表 (PDF形式, 245.39KB)
- ダニ媒介感染症患者の発生について(豊田市):令和7年6月25日報道発表 (PDF形式, 294.78KB)


感染経路
SFTSは、ダニ媒介性ウイルス感染症であることから、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染します。
また、SFTSを発症したイヌやネコからの感染や、SFTSを発症したヒトの体液に触れることなどによる感染も報告されています。
マダニは、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3ミリメートルから4ミリメートル)のダニで、主に森林や草地などの屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。
日本では、フタトゲチマダニやキチマダニといったマダニ類が媒介することが分かっています。これらのマダニが活動的になる春から秋を中心に、患者が発生しています。
SFTSウイルスを媒介するマダニ類は全国的に分布しているため、SFTSは全国どこにおいても発生しうる感染症と考えられます。
予防方法
野外でマダニに刺されないように注意することが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。
これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。
野山などへ入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して肌を露出しないようにするなどの一般的なマダニ対策を徹底することが重要です。
また、ペットからの感染を予防するためには、ダニ駆除剤の使用が有効です。また、ネコについては完全室内飼いも推奨されます。
治療方法
対症療法が主体となりますが、国内では抗ウイルス薬(ファビピラビル)が2024年6月に承認されており、病状の進行が予期される場合には使用することもあります。
日本紅斑熱について
日本紅斑熱は、紅斑熱群リケッチアの一種であるRickettsia japonicaを病原体とする感染症です。
主な感染経路は、病原体を保有するヤマアラシチマダニ、キチマダニ、フタトゲチマダニなどに刺されることによります。
紅斑熱群リケッチアによる感染症は広く世界に分布しており、その一種である日本紅斑熱は日本特有の疾患です。
西日本を中心とする沖縄から東北南部までの地域で、 媒介ダニの活動が活発化する4月から11月に発生がみられます。
名古屋市では年間で0件から数件程度、愛知県内では10件弱の報告があります。
潜伏期間は2日から8日程度。発熱、発疹、刺し口が主要な三徴候であり、ほとんどの症例にみられます。症状ではつつが虫病との鑑別は困難です。
治療はテトラサイクリン系などの抗菌薬が使用されます。本症を早期に疑い適切な治療を受けることが重要です。
また、予防はマダニに刺されないことが重要で、忌避剤の使用や肌の露出を避けるといった対策が推奨されます。
つつが虫病について
つつが虫病リケッチア(Orientia tsutsugamushi)を保有するつつが虫に刺されることで感染します。
つつが虫とはダニの一種で、幼虫だけが脊椎動物を刺します。幼虫の大きさは0.2ミリメートル程度なので肉眼で確認することは難しいです。
媒介するつつが虫の種類によって寄生する時期が異なり、全国的には秋から初冬と、春から初夏にかけての二峰性の発生ピークがみられますが、愛知県内では秋から初冬の発生がほとんどを占めています。
名古屋市では年間0件から数件程度、愛知県内では10件から20件程度の報告があります。
潜伏期間は5日から14日で、症状は40℃にも達する発熱や頭痛から始まり、3日から4日後に体幹を中心に発疹が出現します。また、日本紅斑熱と同様に発熱、発疹、刺し口が主要な三徴候としてみられます。
テトラサイクリン系の有効な抗菌薬による治療が適切に行われると劇的に症状の改善がみられます。
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