トンカツの衣に黒いものがついている

「トンカツの衣に黒いものがついている。」という苦情が保健センターにあり、衛生研究所に持ち込まれました。
異物は大(長さ2cm)、中(長さ0.7cm)、小(長さ0.6cm)の3つが確認されました。いずれも衣の中に埋もれている状態でした(右写真)。
異物を洗浄して実体顕微鏡で観察したところ、平行に筋があり、端から裂けている部分もありました。また、全体にやや斜めにはしる縞模様と黒い斑点が観察されました。これらの特徴がイワシのひれに似ていると思われたので、スーパーマーケットでマイワシ(生)を購入し、尾びれを実体顕微鏡で観察したところ異物と似た特徴が観察されました(下写真)。

異物、アジフライ尾(対照)、マグロ柵(対照)からDNAを抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により特定のDNA領域を増幅した後、アガロースゲル電気泳動により検出を行いました。異物-中、アジフライ尾、マグロ柵では同じ位置に増幅産物が検出されたことから、異物は魚由来のDNAを含むことが確認されました(下図)。

以上の結果から、異物は魚のひれの断片であると推定されました。しかしながら、どのような状況でトンカツに混入したのかは特定できませんでした。
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