2 選定基準(レッドデータブックなごや2004)

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ページID1008810  更新日 2025年10月17日

(1)動物編

表1に示す評価区分に従い判定し、レッドデータブック掲載種の選定及び評価を行いました。
「絶滅」の評価については、「過去に確実に生息していた種」と判断する文献や標本の整備状況及び移動能力が各分類群毎に異なることから、表2に示す要件により判定しました。なお、評価区分のうち野生絶滅は、原産地や遺伝的混乱の防止体制に疑問があると思われる場合もあり、また個人的に管理されているものもすべて確認することも困難であると判断され、レッドデータブックでは絶滅とあわせ、絶滅・野生絶滅として扱うこととしました。
上記の要件を勘案し、各調査対象種について収集された情報をもとに、名古屋市内の分布の状況等を勘案して総合的に判断・評価を行い、定性的要件に従い絶滅のおそれの程度を判定しました。

表1 評価区分
区分 基本概念
絶滅[Extinct(EX)]+野生絶滅[Extinct in the Wild(EW)] 名古屋市ではすでに絶滅したと考えられる種/野生では絶滅し、飼育・栽培下でのみ存続している種。
絶滅危惧1類[Critically Endangered+Endangered(CR+EN)] 絶滅の危機に瀕している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難なもの。
絶滅危惧1A類(CR) ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。
絶滅危惧1B類(EN) 1A類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。
絶滅危惧2類[Vulnerable(VU)] 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧1類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。
準絶滅危惧[Near Threatened(NT)] 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。
情報不足[Data Deficient(DD)] 評価するだけの情報が不足している種。
表2 過去の生息種の要件
分類群 内容
哺乳類 標本等の確実な生息記録がある種。
鳥類 継続(経年的)確認記録がある種。ただし、迷行的に記録される種など一過性の種は除外。なお、隣接する市町村での生息状況も加味。
は虫類 標本等の確実な生息記録がある種。
両生類 標本等の確実な生息記録がある種。
魚類 継続(経年的)確認記録がある種。
昆虫類 標本等の確実な生息記録がある種。なお、隣接する市町村での生息状況も加味。
クモ類 標本等の確実な生息記録がある種。ただし、調査記録は昭和35年以降。
貝類 標本等の確実な生息記録がある種。

(2)植物編

表3に示す評価区分に従い判定し、レッドデータブック掲載種の選定及び評価を行いました。ただし野生絶滅は、名古屋市では公的な系統保存の体制が整備されておらず、個人的に管理されているものを全ては確認できず絶滅から区別しませんでした。
「絶滅」の評価については、過去に名古屋市に生育しており、しかも最近10年の間に現存が確認されていない種としました。ただし、開発等により生育環境が破壊されて絶滅が確実視される種は、最後に確認された時が過去10年以内であっても、「絶滅」と判定しました。
また、現在存在している種の絶滅が危惧される程度を判定する基準としては、個体数、集団数、生育環境の減少傾向、人為的圧力の程度、県内布の5項目をそれぞれ表4に示す基準により4段階で評価し、更に地域固有性に関する補正を加えて、その合計点をもとに判定しました。

表3 評価区分
区分 基本概念 準定量的要件(表4の評価点の合計)
絶滅Extinct(EX)+野生絶滅Extinct in the Wild(EW) 地域内ではすでに絶滅したと考えられる種。野生では絶滅し、飼育・栽培下でのみ存続している種。
絶滅危惧1A類[Critically Endangered(CR)] ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種。 16以上
絶滅危惧1B類[Endangered(EN)] 1A類ほどではないが、現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、野生での存続が困難な種。 14から15
絶滅危惧2類[Vulnerable(VU)] 絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧1類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。 12から13
準絶滅危惧[Near Threatened(NT)] 存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。 11
リスト外 上記の要件に該当しない種。 10以下
表4 評価基準
項目 評価点 4 3 2 1
個体数 1から2 10未満 100未満 100以上
集団数 1 2から3 4から5 6以上
生育環境の減少傾向 著しく減少 やや減少 増減なし 増加
人為的圧力の程度 極めて強い 強い あり なし
県内分布(名古屋市以外の確認区画数) 0から2 3から5 6から10 11以上

補正項目

  • 固有種/著しい隔離分布:+2
  • 準固有種/全国的に少なく愛知県が分布の限界:+1

このページに関するお問い合わせ

環境局 環境企画部 環境企画課 生物多様性の保全担当
電話番号:052-831-8104 ファクス番号:052-839-1695
Eメール:bdnagoya@kankyokyoku.city.nagoya.lg.jp
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