第4章 町のにぎわいに陰りが…
司会:
町が衰退したきっかけはあるのですか?
髙羽:
築地から稲永、金城に船が移っていって、人があまり来なくなって…。それからガタッと行ったね。
司会:
今はもう飛島まで港湾機能が移転しちゃってますもんね。衰退の兆しが見えてきたころの様子を教えてください。
髙羽:
もともと築地で働いとった人を金城に集めるもんだから、最初にワリを食ったのは酒屋だわ。もう、3、4割も売り上げが減ったみたいだな。
司会:
そんなに減るものなんですか?
髙羽:
当時は酒屋と言っても立ち飲みができるようなカウンターが作ってあったんだよ。夜に荷役やっとる人たちが帰り際にカウンターで立ち飲みできるから、朝8時から並んどったわ。
そこで飲むものと言えば、焼酎と、「赤玉ポートワイン」っていう1升瓶に入ったワインだったな。ワインといってもちょっと甘くて安いんだわ。そういうのを飲みにきてたな。
あと、それから飲酒運転の取り締まりが厳しくなったことも大きいわな。結局、飲んで帰ることが減るもんだで、だんだん居酒屋も少なくなり、料亭も少なくなり、だな。
 
司会:
それで、この辺の雰囲気がどんどん変わっていったんですね。
髙羽:
このあたりは大地主が多いでな。店がつぶれて空地になったところはみんな駐車場だ。
大地主は大きな土地もっとるけど、発展させる意思があまりないんだな。土地を遊ばしておくより駐車場の方が儲かるから。
司会:
結果として、盛り場から住宅地に転換していったということですよね。
髙羽:
住民はここのところ増えとるわな。というのもマンションが建っとるでな。
実際には、昔からの人が住んどるところは借地か借家。で、子どもが港楽とか南陽に家を建てて出ていくんだわ。
じいさんやばあさんは、「ここで育った以上はここで死にたい」と言っとるもんで、昔やっていた商売をせずにシャッター下ろして住んでいる。
司会:
衰退した商業地にありそうな話ですね。やっぱり商売は難しいんでしょうか?
髙羽:
船が来なければ誰も買ってくれんもん。
今は停泊時間が短いのがネックだな。もう少し停泊時間が長ければ、免税店なんかでいろいろ買ってくれるだろうけどね。
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