意見書(4)教員管理職登用に関する件

報告書に記載した調査・検討結果を踏まえ、次の点について教育委員会が是正・改善のための方策を検討するよう要望する。

1. 管理職登用のルートが基本的に教務主任に限られている現状を見直し、教務主任を含みながらも多様なルートによる管理職登用の仕組みを検討されたい。
2. 管理職への登用が、当該教員の経歴評価に基づく校長による推薦方式だけに限られている現状から、管理職に必要な資質を明確に示し、経歴評価のみならず、客観的な試験成績評価も加味した合理的かつ公正な評価システムの構築を検討されたい。
3. 現在、女性教員の管理職登用の割合はきわめて低く、この数年間で若干の改善はみられるものの、その増加の速度は遅々としたものにとどまっており、多くの政令指定都市の現在の水準に追い付くだけでも、今の速度では長い時間を要することになることは明らかである。こうした現状を改善するために、登用促進のための目標数値を設定して、計画的に改善し、結果を点検する仕組みを設けることを検討されたい。
4. 女性教員の管理職登用がきわめて少ないという現状は、この問題に対する管理職および女性教員の消極的な意識や姿勢を醸成している。こうした意識や姿勢を克服することをめざして、女性教員を管理職に積極的に登用するための前提となる意識や姿勢を改革する研修プログラムを、管理職および女性教員のために用意することを検討されたい。
5. 上記の是正・改善のための方策を検討するに際しては、これまでの制度、慣行等名古屋市のあり方だけにとらわれることなく、あるべき制度や運用はなにかという姿勢にたち、他の政令指定都市の経験にも積極的に学んで検討されたい。また、こうした方策づくりに際しては、教員だけではなく、広く社会の意見も反映させるために、教育関係者以外の外部の有識者や市民の意見を募ることも検討されたい。