弥富相生山線の折衷案に関する説明会における説明資料

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ページID1047176  更新日 2026年3月10日

弥富相生山線の折衷案に関する説明会説明資料の表紙スライド

 弥富相生山線の経緯や折衷案の内容、今後のスケジュールなどをご説明させていただきます。

 

都市計画道路弥富相生山線についてのスライド

P.1 都市計画道路弥富相生山線について

 本日説明いたします弥富相生山線は天白区菅田三丁目から天白町大字野並までの892mの区間で、幅員は12-16mと位置付けられております。(3)位置図の赤矢印の区間がその区間ですが、都市計画道路としての弥富相生山線全体で言いますと、(4)整備経緯の通り、起点は瑞穂区の緑ヶ丘交差点(山手グリーンロードとの交差部)、終点は相生山緑地すぐ東の久方交差点、この2点を結ぶ全長3,830mが弥富相生山線となります。

(1)整備目的
 整備目的ですが、弥富相生山線は名古屋都市計画の幹線街路として、都市の骨格を形成する道路であり、都市内におけるまとまった交通を受け持つとともに、円滑な交通処理と良好な市街地環境の形成、さらには災害時の防災性の向上を図ることを目的としています。

(2)本体事業費
 こちらは平成22年1月に工事が中断した時点のものですが、用地取得や測量・調査、工事費等、全体事業費としては約36億円を見込んでおりました。そのうち約8割にあたる約29億円が執行済みの額となっております。

(3)位置図
 位置図をご覧いただきますと、周辺の交通ネットワークの状況がわかりますが、天白川をわたる橋が北から新島田橋、菅田橋、平子橋、野並橋と4か所ございまして、そこから東に向かおうとする場合、現在の道路網では相生山緑地を回避するかたちで野並か島田の交差点を経由して進む必要があることから、この2つの交差点に交通が集中することとなります。

(4)整備経緯
 弥富相生山線のうちの現在共用されている区間の整備に関しまして、図の中の丸数字が下の表の番号とリンクしておりまして、表には区画整理の組合名・事業期間・総事業費がまとめてございます。ここからわかるように、そのほとんどが長い年月と莫大な事業費を費やしながら、土地の区画整理の際に併せて道路の用地も地域の方々から供出されて道路になっており、相生山緑地内の区間が残る都市計画道路として位置づけられているという現状です。

 

弥富相生山線の経緯についてのスライド

P.2 弥富相生山線の経緯について

 弥富相生山線は、天白村の名古屋市への編入など市域の拡大の動きに伴い、交通の分散と集約を図るべく昭和32年に都市計画決定されました。
 平成5年の事業認可取得以降、用地取得を進めていきましたが、工事に着手する前から道路建設を望む方、望まない方の双方から要望書とともに署名が提出されるなど、様々な想いが寄せられていた事業でありました。このような署名活動は、以降も行われており、令和3年度には道路建設を望む方々から、また、令和8年2月17日には道路建設を望まない方々から署名が提出されております。自然環境を破壊するという理由から「道路建設の中止」を求めるご意見もあれば、生活道路に通過車両が進入して危険だから「早期建設」を求める意見、道路も必要だが環境に配慮した構造にすべきであるなど、当時から様々なご意見がございました。

 そこで「環境に配慮した道づくり」とするための専門家会を立ち上げ、意見交換、討議を通じて、より自然環境に配慮した道路計画へと練り上げていくことといたしました。
 平成15年に出された専門家会からの提言書では、自然環境に配慮するための多くの知見をいただくことができ、必要となる都市計画変更を行った上で平成16年に工事着手となりました。この提言書を受けて整備内容に取り入れたものについては次のスライドでご紹介させていただきます。

 その後、河村市長が名古屋市長に着任された後の平成21年9月に地元での対話集会が行われ、市長自ら市民の意見を聞いた後、平成22年1月に工事については一旦中断との指示が出されました。
同時に、中断したこの工事について、「道路とホタルが共存できるのか」という視点から学術的に検証すべく、学識者の方々にお集まりいただき学術検証委員会を開催しました。

 その後の平成26年10月には住民意向の調査を行い、地元住民の方々、市民団体の方々それぞれから市長が意見をお聞きする場を設けました。この意向調査の結果も踏まえ、平成26年12月に市長が道路事業廃止などの方針を表明いたしました。
 その後は「世界のAIOIYAMAプロジェクト」として市長方針の具体化の検討に着手し、平成30年の説明会以降は市民の皆様からも意見交換会の中でご意見を賜ってまいりました。

 令和元年に入りまして、名古屋市総合計画2023を策定する過程において、それまで道路と緑地を一体的に検討してきましたが、議会の中で「道路の存廃と緑地の問題は切り分けて議論すべき」とのご意見をいただいたのを機に、以降は相生山緑地の計画は「相生山緑地 緑地計画検討会」を重ねていき、令和6年度末に「相生山緑地ビジョン」を策定したところです。今後はこのビジョンに基づき緑地事業を推進してまいります。

 一方道路の方はと言いますと、河村前市長が表明した道路事業を廃止するための案を作ることができない中、平成22年の学術検証委員会から10年が経過して、国道302号や名二環が供用開始されたり、地下鉄桜通線が延伸したりと、周辺の交通環境が変化したことを踏まえ、学術的に検証を再度行うこととし、「学術検証懇談会」を開催いたしました。
 この懇談会において、長年この事業に関わってきた委員の方々から「現実的な解として折衷案が必要」とのご意見をいただいたことを受け、市としても折衷案が必要と判断し、折衷案の検討に着手しました。

 折衷案とは、道路建設を望む、望まないなど様々な価値観や想いがある中で、『「当初の計画どおりの道路をつくる」のか「何もつくらない」のかのどちらかではなく、緑地の自然環境に十分配慮し、防災や安全、地域間のつながりや自然とのふれあいなど、期待されている効果を市民の皆様に還元するための案』と考えております。

 令和4年度から予算を構えて折衷案の検討に入っていき、令和5年度には市民アンケート調査、令和6年度には折衷案に関する意見聴取会を実施しました。そして令和7年度は折衷案の検討状況や市民アンケート調査の結果、意見聴取会の結果等を学識者に報告し、専門的な立場から今後の進め方等について幅広く意見をお聞きしました。
 このヒアリングで得られた知見も含め、様々な取り巻く要素を総合的に判断して、令和7年11月に広沢市長より折衷案の方針を表明いたしました。

 

弥富相生山線の事業着手状況を示すスライド

P.3 弥富相生山線 事業着手状況

 ここでは相生山緑地内の区間の整備状況をご説明いたします。緑地内の延長としては892mありますが、真ん中付近の179mの区間が未着手となっております。そして、その東西の538mと175mを合わせた713mの区間、つまり892mの約8割の区間は着手済みとなっております。
 先ほどの経緯のスライドで、平成15年に「環境に配慮した道づくり専門家会」から提言書をいただいたことに触れましたが、この専門家会からいただいたご意見をどのように取り入れているかを少しご紹介したいと思います。
 まずは道路の線形についてです。道路開通による森林やヒメボタルへの影響をどのように低減するか、といった観点から、道路の線形を当初の黄色破線から赤実線の位置へと南にずらす線形変更を行いました。これにより、道路の端部にヒノキ林の帯をそのまま残し、森林との緩衝帯とすることができ、森林への影響を緩和する効果が期待されます。

 続いては構造についてです。

(シェッド部の写真)
 トンネルに似た構造のシェッドを採用し、元々現地に生育していた樹木の苗木をシェッド上部に補植し、植生の早期回復や緑地の連続性の確保等を図ることとしました。ここでは今現在緑が回復し樹木が育っております。

(よう壁部の写真)
 土地の改変をできるだけ抑えることを狙い擁壁を採用することとしており、この擁壁により土を押さえております。もしこの擁壁が無い場合、道路脇の山が崩れないようにするために山を斜めに削って斜面にする必要があるので土地の形状を変える面積が大きくなります。

(橋りょう部の写真)
 ここは道路と沢筋が交わる箇所になるため、土を盛ってしまうと沢筋が分断されてしまいます。この沢筋や水環境の保全を図るため、橋りょう構造を採用することとしました。これによって散策路や沢筋だけでなく、動物の移動経路の確保にもつながります

 全体的に採用したこととしまして、道路自体の幅が全体的に小さく出来れば、その分緑地への影響を低減することができますので、歩道を両側ではなく片側だけに設置するようにしております。

 このように、これまでも環境配慮に対する様々な手法を取り入れながら、工事を進めてまいったところでございます。

 

弥富相生山線における折衷案の検討に関するスライド

P.4 弥富相生山線における折衷案の検討

 ここからが折衷案の具体的な検討経過になります。折衷案を考えるに当たって、まずはどのような方向性を目指していくべきか、を示す「ヴィジョン」を定めることとしました。
 このヴィジョンを考える上で3つの視点を持って検討に着手しました。それが、右上のつなぐ・まもる・ふれあう の3つです。
 「つなぐ」は地域とのつながり、「まもる」は安心・安全の確保、「ふれあう」は人と自然とのふれあい、になります。
 これらの3つの視点を基に導き出したヴィジョンが「自然環境と人の暮らしが共生する相生山のみち」というものです。自然環境だけ重視すればよい訳でもないですし、人の暮らしだけが充実すればよい訳でもない、この両方が共生する相生山のみち、というのが弥富相生山線の折衷案が目指すべきところだと考えました。
 ヴィジョンと3つの視点を意識した上で、未着手区間を具体的にどのようにつなぐかを検討する中で、3つのつなぎ方の案を考えました。

 第1案が「現地の高さになるべく合わせてつなぐ案」です。前後の着手済みの区間に擁壁を用いておりましたが、そこから未着手の区間に向かってそれぞれスロープでみちを地表まで降ろし、現地の地形の高さになるべく合わせるかたちで整備するものです。地形改変が大きいですが、自然とのふれあいを最も感じられる案です。

 第2案が「緑の山をなるべく残してつなぐ案」です。着手済みの区間でも採用しているシェッドと呼ばれるトンネルに似た構造物を未着手区間でも採用し、上部には樹木を回復させるものです。こちらは大型の構造物を設置するため、一時的な地形改変が大きいですが、植物の連続性が確保できる案です。

 第3案が「現地の地形をいっさい触らずつなぐ案」です。この方法は整備済みの所からクレーンで杭を打ち込み、橋桁を架けて、架けた橋桁の上にクレーンが移動してまた次のスパンの杭を打っていく、という工程を繰り返し、未着手区間の全ての区間を橋りょうとするものです。橋の上から施工できるため地形改変が少なく、橋の下に空間があるため、動植物や沢筋の連続性が確保できます。また、ヒメボタルへの影響も小さく抑えられます。

 

市民アンケート調査、地域住民及び市民団体への意見聴取会の結果を示すスライド

P.5-1 市民アンケート調査

 P.4でお示しした3つのつなぎ方の案について、令和5年度に『市民アンケート調査』を実施しました。概要欄に記載の通り、市内のネットモニター1,099人の方にお答えいただきました。調査結果は下の円グラフの通りです。
 まず、回答者の属性として「相生山緑地内に整備途中で中断した道路の計画があることを知っているかどうか」ですが、知っている方と知らない方が混ざったかたちとなっております。この調査では弥富相生山線のことを知っている方・知らない方どちらかに偏った調査の仕方をせず、一般的に市民のみなさんがどのような印象を抱くのかを把握することを目的として調査しているため、それが数値として表れております。

 次に、「折衷案のヴィジョンについてどう思われますか」という質問に対しまして、「良い」から「悪い」までの5段階で回答いただいており、「どちらともいえない」が「良い」や「悪い」に比べると多いのですが、「良い」「どちらかと言えば良い」というような、良い印象を持たれた方が多いのではないかと捉えております。

 次に、先ほどご紹介したヴィジョンを定める上での3つの視点に対し、最も重要だと思われるものは何ですか、という問いにつきましては、「つなぐ」「まもる」という視点が重要だと思う意見が同程度多く見られました。

 次につなぎ方の3案について、各案の印象を聞いております。「第1案から第3案までの、どれが一番いいですか」というような比較ではなくて、それぞれの案をお示しした上で、各案に対する印象をご回答いただいております。これも5段階で回答いただいておりますが、第3案の橋構造を採用して、現地の地形をいっさい触らずにつなぐ案に対して良い印象を抱くというような意見が多かったです。

 そして最後に、「今後、未整備区間をつなぐときに、どのようなことに配慮が必要だと思いますか」という問いに対する回答で、選択肢の多い順に上位3つを上から並べております。動植物への影響、地形への改変をできるだけ少なくというような意見が多く見られました。

 

P.5-2 地域住民及び市民団体への意見聴取会

 また、令和6年度には『地域住民及び市民団体への意見聴取会』を開催し、計11回の意見聴取の場を設け、折衷案に至る経緯、検討経過や結果、アンケート調査結果について説明し、ご意見を伺いました。
 なお意見聴取会ではつなぎ方3案をお示しいたしましたが、つかい方の面ではこの時点の前提条件として、利用できるのは歩行者・自転車・緊急車両のみとし、一般車両は利用できないものを想定しておりました。また、幅員も緊急車両がすれ違える程度の幅(6-8m)を想定としてご意見を伺いました。

 意見聴取会でいただいた主なご意見でございますが、道路建設を望まれている方からは、「当初の計画通りに整備を進めてほしい」という意見、道路建設を望まれていない方からは、「折衷案も道路も反対」という意見、折衷案にご理解をいただいている方からは、「第3案の橋構造を採用した、現地の地形を極力触らずにつなぐ案が良い」といった意見をいただいております。結果として、道路建設を望む方、望まない方の双方からご理解が得られませんでした。

 

学識者ヒアリング結果を示すスライド

P.6 学識者ヒアリング

 意見聴取会の結果を踏まえ、折衷案について再検討するに当たり、改めて学識者の見解を伺うヒアリングを令和7年度に実施いたしました。

 これまでに実施した意見聴取会やアンケート調査の結果、折衷案の検討状況について、学識者の方々へその結果を報告するとともに進め方などについてヒアリングを行いました。

 学識者からいただいた主な意見としては、進め方については「つなぐ以外ない」「政治判断しかない」などのご意見をいただきました。また、つなぎ方については「第3案の橋りょう案が良い」とのことでした。それから、つかい方については、「一般車も通し、ホタルの時期だけ止めたら良い」など、ホタルなど環境面に配慮した運用方法についてご意見をいただきました。そして、ヒメボタルに関しては、「光に配慮した照明」「車両による騒音や振動はホタルに影響ない」など、ホタルの生態系を踏まえた上でのご意見をいただきました。最後に自然環境については、「沢の水に変化を与えないことが大切」などのご意見をいただきました。

 

折衷案再検討の要素と方針の修正に関するスライド

P.7 折衷案再検討の要素と方針の修正

 折衷案の再検討において改めてどのような要素を踏まえるべきかを整理した模式図です。花に見立てておりますが、花びら一つ一つが再検討において考慮すべき要素であり、下の植木鉢がそれを下支えする要素、このすべてを総合的に踏まえて折衷案を修正する必要があると考えました。
 

 まず花びらの部分について左下から時計回りで触れていきますと、令和5年度に実施した市民アンケート調査では3つのつなぎ方のうち、「橋りょう案の印象が良い」という意見が多かったです。その上の令和6年度に実施した意見聴取会では整備を望まれている方・望まれていない方の双方から様々な意見が出されました。この2つは先ほどご説明した通りです。

 その上の広沢市長への要望についてですが、折衷案をとりまとめるまでの間にいただいた要望が2件ございました。まず令和7年11月17日に天白区区政協力委員協議会や天白区を住みよくする会、他1団体の方々から、弥富相生山線について「一般車両も通行できる片側一車線以上の道路幅での整備の早期実施」を求める内容の要望がありました。続いて12月5日には相生山緑地で活動している団体(6団体)から、11月定例会で広沢市長が表明した「弥富相生山線の折衷案の整備を進めていく」という方針に対し、その表明の撤回を求める要望がありました。

 その隣の市会の意思についてですが、これまで弥富相生山線に関して名古屋市の議会に提出された請願のうち、道路整備を求める請願が過去に2回「採択」とされております。請願とは、市民が名古屋市議会に対して意見を述べることができる仕組みであり、提出された請願は議会において審査され、「採択すべきもの」「不採択とすべきもの」などの区分に従い結論を出していくものです。

 平成25年度と令和元年度の審査において、工事の再開を求める内容の請願が議会で審査され、採択されている、という経緯があり、市会としては整備を進めるべきとの意思が議決されている状況です。また、令和7年9月に行われました、令和6年度の決算委員会におきましても、環境面に配慮しつつ、一般車両も通行できる片側一車線以上の折衷案の検討について意見が付されております。

 次の「まだ残る渋滞・入り込み交通」「暮らしの交通の利便性」「防災機能」の3つについては、弥富相生山線に期待されている多面的な効果です。8ページをご覧ください。

 

相生山緑地近隣の主要交差点における渋滞と山根学区入り込み交通状況を示すスライド

P.8 相生山緑地近隣の主要交差点における渋滞と山根学区入り込み交通

 1つ目の「まだ残る渋滞と入り込み交通」の要素は、周辺の交通課題に関するものです。

 「渋滞対策」についてですが、野並と島田という交差点は元々朝晩の渋滞が課題となっておりました。そこで令和元年度から令和3年度にかけて、今ある道路幅の中で交差点付近の車線を増やす交差点改良工事を行いまして、結果として朝に郊外から都心部へ向かう方の交通は渋滞を軽減できました。しかし、左下の写真のように夕方の帰宅時間帯に反対の都心部から郊外へ帰る方向ではまだ混雑が残っているという状況が続いており、交差点改良工事以降も引き続きの課題となっております。

 「入り込み交通」についてですが、山根学区の山根小学校周辺地域では、周辺の主要道路から通り抜けのために入り込む車両によって、お住まいの方々が危険を感じているという状況です。地元の皆様方とは「山根学区交通対策協議会」という協議会の中で議論しながら、狭さくを設置したり交差点を目立たせたりと様々な安全対策を講じてきたところですが、通過車両の通過速度を抑える効果は出ているのですが、通過する車両の数についてはほぼ横ばいの状況が続いており、こちらも引き続きの課題となっております。

 この渋滞と入り込み交通の課題についてはどちらも、弥富相生山線を一般車両が通れるようにしなければ効果が得られないものになります。

 

生活環境について(アクセス向上)を示すスライド

P.9 生活環境について(アクセス向上)

 2つ目「暮らしの交通の利便性」についてですが、令和3年の学術検証懇談会でも使用した資料を掲載しております。言うまでもないかもしれませんが、みちが繋がり、移動時間が短縮できれば、利便性が向上し、通勤・通学・買い物といった生活の様々な場面でその恩恵を受けることができます。例えば、久方の交差点から昭和高校前の交差点まで、弥富相生山線が整備されれば5分弱の時間が短縮できます。老若男女問わずここを利用される多くの方の生活において、プラスの効果となるのは明らかです。

 こちらも弥富相生山線を一般車両が通れるようにすることで得られる効果です。

 

 

生活環境について(避難路)を示すスライド

P.10 生活環境について(避難路)

 3つ目の防災機能についてですが、弥富相生山線は避難路として位置づけられていることから、災害時には避難路としての活用が期待されています。一例として、ハザードマップで想定されるように天白川流域において浸水被害が発生した場合、山根学区・野並学区の方が徒歩で東側の高台にある避難所に避難する際、弥富相生山線があれば避難経路の選択肢が広がりますし、避難に要する時間も概ね半分程度に短縮することができますので、都市としての防災機能の向上に寄与するものと考えております。

 

折衷案再検討の要素と方針の修正に関するスライド

P.7-1 折衷案再検討の要素と方針の修正

 再び7ページをお願いします。
 ここまで申し上げてきた要素(花びらの部分)が整備の必要性や求められている機能ですが、一方で環境への配慮についても深める必要があると考えております。下の植木鉢でお示ししたように、折衷案において具体的にどのように対応するのか、また学識者意見をどのように踏まえているのかについて、ここから説明してまいります。

 

自然環境への配慮方法(工法)を示すスライド

P.11 自然環境への配慮方法(工法)

 自然環境への配慮について、まず橋りょう案の具体的な工法についてですが、施工イメージ図をお示ししております。整備済みの所から大型の重機であるクレーン車により杭を打っていくのですが、杭を打ち込んでその上にデッキを架け、その上を重機が前進し、さらに前方の杭を打ち込んでデッキを架ける、という手順を繰り返して、例えるなら尺取虫のように橋を造っていける工法となっております。そのため、新たに緑地内に工事用の通路を造ったり、大型の重機を緑地の中に降ろして造っていくものではありません。

 

自然環境への配慮方法(ヒメボタル)を示すスライド

P.12 自然環境への配慮方法(ヒメボタル)

 続いて、学識者のご意見を振り返りますと、一般車を通した場合にホタルの繁殖時期だけは通行を止めるとよいとのご意見がございました。そこで、運用方法についても、例えば繁殖期である5月から6月の内の一定期間、夜間の通行を抑制するなどの方法を検討してまいりたいと考えております。
 加えて学識者からは「光に配慮した照明とすることは必要」とありました。それを踏まえ、照明や道路付属物を選定する際は、照明の光や車のヘッドライトの光が緑地に漏れにくいものを採用することが環境への配慮に繋がると考えております。例として光の拡散を抑える遮光ルーバーや、光を遮る遮光パネルといったものの採用を考えております。

 

自然環境への配慮方法(環境影響評価)を示すスライド

P.13 自然環境への配慮方法(環境影響評価)

 それから、環境影響評価いわゆる環境アセスメントに準じた方法で環境への影響評価を実施しました。本事業は規模的に環境影響評価の対象ではないのですが、より自然環境に配慮するため、つなぎ方3案について計画段階の環境影響評価を行ったところ、動植物への影響を始めとして多くの項目において第3案(橋りょう案)が最も影響が小さいことがわかりました。さらに参考として当初計画案とも比較いたしましたが、それよりもさらに影響を抑えることができることが分かっております。

 ちなみに当初計画案がどのような内容だったかと申しますと、散策路や沢筋と交差する箇所(2か所)は橋りょうで飛ばし、それ以外の区間は擁壁を築造して土を盛ったり、山肌を削ったりと、地形の改変もしながら造っていく予定となっていました。今回の折衷案では、先ほどご説明した工法を採用することで地形の改変を極力抑えますので、良い評価に繋がっていると考えます。

 この結果に加え、学識者ヒアリングの結果や市民アンケート調査などの結果も踏まえまして、つなぎ方は第3案(橋りょう案)を採用することとします。

 

折衷案再検討の要素と方針の修正に関するスライド

P.7-2 折衷案再検討の要素と方針の修正

 再び7ページに戻ります。
 このような環境配慮のための対応に加えて、令和7年度に実施した学識者へのヒアリングでは、一般車を通しても騒音や振動はホタルに問題ないことや、ホタルは丈夫であり緑地全体に生息しているので残る、などの見解をいただきました。これらのことを踏まえ、自然環境への影響を極力抑えることができるとの目途が立ってまいりました。

 そこで折衷案を従来の考え方から修正を図ることといたしました。右下の模式図をご覧ください。

 道路建設を望む声、望まない声の両極端の部分を現したのがそれぞれ右端の「当初計画通りの道路を」と左端の「現状のまま何も触らないで」の部分になります。下の軸では、“整備効果”と“自然環境への配慮”をそれぞれゼロと百でお示ししており、右端の考え方ですと、全ての車両や歩行者や自転車が常に通行可能とするもので、ネットワークや防災等の整備効果としては高いです。一方で左端の考え方ですと、通行できるのは緑地の維持管理車両のみとするもので、何も自然に手を加えないので自然環境への配慮としては高いです。この両極端ではなく、両者の間の幅のある範囲が折衷案となります。

 改めてになりますが、折衷案では、「緑地の自然環境に十分配慮し、防災や安全、地域間のつながりや自然とのふれあいなど、期待されている効果を市民の皆様に如何に還元していくか」という考えのもと検討してきました。
 事業着手から今日に至るまで長い時間を要している中、市民の皆様に何も還元できていないこと、ヒメボタルなど自然環境への配慮方法などについて検討し、学識者にもご意見を伺い、自然環境への影響を極力抑えることができると判断したこと、それから、地域における入り込み交通に対する規制や対策による不便・不安の解消を始め、渋滞解消や防災機能など、多面的な効果を発揮させることが必要であることから、自然環境への影響を抑えつつ、一般車を通し、ネットワークや防災等の整備効果を発揮させるため、方針を修正することといたしました。

 折衷案のとりまとめに至るまでの経緯としましてはここまでとなります。

 

市の方針と今後のスケジュールを示すスライド

P.14 市の方針と今後のスケジュール

 弥富相生山線についての市の方針についてお示しいたします。

 折衷案のヴィジョンは「自然環境と人の暮らしが共生する相生山のみち」です。

 そして具体的な内容としては、歩行者・自転車・緊急車両だけでなく、一般車も通行できるようにする、そして、できる限り自然環境に配慮したつなぎ方やつかい方を採用し、整備を行っていくものといたします。

 この使い方の部分が通常の道路とは異なる運用であり、折衷案のポイントの一つでもあります。

 右が完成イメージになります。

 真ん中の絵は散策路目線となりますが、橋りょうを全区間に採用することで緑地の連続性を確保し動植物の連続性を保ち、散策路や沢筋を分断することなくみちを通すことができます。
 一番下はホタル繁殖時期のイメージですが、工事が完了して環境が回復していけばこのような光景も見られるようになると期待しております。

 最後にスケジュールについてですが、左下の表をご覧ください。

 令和8年度からはこの折衷案の実現に向けた検討に着手し、測量や地質調査、詳細設計を進め検討を深めていく予定です。その後、令和9年度以降、現地の施工に着手してまいりたいと考えております。環境への影響把握を目的としたモニタリング調査もしていきたいと考えておりますが、それについては詳細設計の中で学識者へのヒアリングも行いながら検討してまいりたいと考えております。また、検討状況について市民の皆様への広報も何らかのかたちでお届けできたらと考えております。

 

 以上、弥富相生山線の折衷案について、経緯から今後のスケジュールまで説明させていただきました。

 ここからは、弥富相生山線の整備に関しまして、みなさまから寄せられる質問の中でよく尋ねられる事柄についてQ&A形式でまとめさせていただきましたので、引き続きお聞きください。

 

相生山緑地はどうなるのかについてのスライド

P.15
Q.相生山緑地はどうなるのか
A.相生山緑地ビジョンに沿って取り組みを進め、「自然と人が共生する相生山緑地」の実現を目指していきます。

 弥富相生山線と相生山緑地の位置関係をご覧ください。航空写真の赤枠で囲った範囲が、都市計画緑地である相生山緑地であり、広さは120.1haになります。
 一方で弥富相生山線は、相生山緑地の北部区域と南部区域の間を東西に横切る892mの区間で、そのうちのオレンジ矢印の区間が未着手となっている179mの区間です。
 相生山緑地は昭和15年に都市計画決定された、都市計画緑地であり、本市ではこれまで緑地の保全に努めてきたほか、北部においては平成10年から民有樹林地を使用貸借する、オアシスの森づくり事業に取り組み、市民の協力を得ながら身近な自然とのふれあいの場を提供してきました。また、南部の区域においては都市計画緑地の整備に向けて平成30年に事業着手し、民有地の用地取得を進めているところです。

 

相生山緑地ビジョンについてのスライド

P.16 相生山緑地ビジョン

 相生山緑地ビジョンについてご紹介します。相生山緑地ビジョンは、相生山緑地の基本計画として今後の緑地事業の基本的な考え方と目指すべき姿をまとめ、令和7年3月に策定したものです。
 この相生山緑地ビジョンでは、「自然と人が共生する相生山緑地」を基本理念とし、基本理念を実現するために、緑地の土地利用や地形に基づき、「つなぐ」「まもる」「ふれあう」の3つの基本方針を設定しています。

 「つなぐ」は、一定の開発がされている区域や幹線沿いの平坦な土地や農地において、相生山緑地の玄関口として、人びとが交流し、自然とつながる場とするものです。

 「まもる」は、比較的人の手が入っていない樹林地や斜面緑地を対象として、生物多様性の観点からも大切な樹林地などの自然環境を保全することとしています。

 「ふれあう」は、森づくり活動が行われている区域や住宅が点在する区域、樹林地、農地を対象に、人びとが相生山緑地の自然と関り、学べるふれあいの場とするものです。

 将来イメージとしてお示ししたものについては、現場の地形や土地利用を踏まえて計画していくものであり、樹林地を切り開いたり、地形を大きく改変させたりするものではありません。
 本市といたしましても、相生山緑地は自然豊かなまとまりのある緑として、次の世代に繋げていきたいと考えています。

 今後、緑地ビジョンに沿って取り組みを進め、「自然と人が共生する相生山緑地」の実現を目指していきたいと考えております。

 

自然が破壊されたら元に戻らないのではについてのスライド

P.17
Q.自然が破壊されたら元に戻らないのでは?
A.シェッド上部への植栽や、工法の工夫により植生の回復を確認しております

 実際に施工済みの区間を見てみますと、シェッドの上部では施工直後は植生の無い状態でしたが、植栽を行い、その後は草木が生長し、今では緑が回復しております。
 また、今回採用を考えている工法で施工した他都市の現場におきましても、施工直後は自然に対して影響はあったものの、2年経過しますと緑が回復しております。
 これらの実績から、植生は回復するものと考えております。

 

ヒメボタルはいなくならないのかについてのスライド

P.18
Q.ヒメボタルはいなくならない?
A.相生山緑地の広域に分布しており、継続的調査で整備に伴う一時的な減少はあったものの、整備前以上の飛翔数を確認しております。

 ヒメボタルの成虫の飛翔調査を実施しており、工事着手前の平成14年から毎年調査を実施しております。左上の図の通りメッシュで区切り、事業区域を中心として毎年同じ範囲、同じ条件で調査を実施しておりまして、その結果が左下のグラフです。整備中は一時飛翔数が減りましたが、その後整備が中断した後はどんどん増加している傾向となっております。

 この結果から、今後整備していく区間におきましても、整備中は一時影響はあろうかと思いますが、整備が終われば回復していくものと考えております。ヒメボタルへの影響をより小さくするため、先ほどご説明した通り森に光が漏れないように配慮してまいりたいと考えております。

 また、相生山緑地全体でのヒメボタルの分布を調査した結果です。真っ白のメッシュは0匹ですが、それ以外のメッシュでは飛翔が確認できていることから、弥富相生山線の事業範囲に限らず、緑地全体においてヒメボタルが生息していることが確認できております。

 なお、メッシュのない真っ白な範囲はヒメボタルがいないことを表しているのではなく、調査地点ではないということですので、誤解のないようお願いします。

 

ヒメボタルはいなくならないのかについてのスライドその2

P.19
Q.ヒメボタルはいなくならない?(続き)

 先ほどの調査に関連して、成虫の飛翔数だけでなく、ヒメボタルの幼虫や、その幼虫がエサとしている小型貝類の分布についても調査しております。こちらについても相生山緑地内の広範囲に分布していることが確認できております。
 弥富相生山線付近の着色が多いように見えますが、集中的に調査ポイントを設けていることによるものです。
 これらの結果から、今後整備を行っていく際に一時的に減少すると考えられますが、整備終了後は回復していくことが期待できると考えております。
 整備による影響を把握するため、事後モニタリングを実施してまいります。

 

騒音や振動、排気ガスによる影響が心配についてのスライド

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Q.騒音や振動、排気ガスによる影響が心配
A.予測では、まず騒音・振動については、騒音規制法、振動規制法の要請限度を超えていません。また、大気質については環境基準値以内であり、車両の走行による影響は軽微であると考えております。

 共用開始後の車両の走行による影響と工事の際の影響について、それぞれの予測結果を表にまとめました。
 まず騒音と振動についてですが、一般車が通行した場合における緑地との境界部での予測シミュレーションを行ったところ、いずれも要請限度値以下に収まることを確認しております。
 排ガスにつきましても、一般車を通した場合においても大気質の環境基準値未満になると考えております。
 資料にございませんが、工事中においては、杭を打つ工程において騒音・振動が大きいと考えておりますが、これにつきましても住環境に影響があるとされる規制基準値以下になると考えております。

 

新たな交通渋滞や交通事故が心配についてのスライド

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Q.新たな交通渋滞や交通事故が心配
A.交通量の増加は予測されますが、交通容量比は1.0未満であり交通処理能力以内に収まります。

 弥富相生山線が開通しますと、車の流れ方が変わるため、特に「昭和高校前」や「久方」の交差点において渋滞が発生するのではないかとの心配の声も聞こえてきますので、交通シミュレーションの結果をお示しいたします。

 まずは交通量についての結果です。位置図の下の表をご覧ください。弥富相生山線の12時間あたりの交通量は、5,700台と想定されますが、この数字を近隣道路の令和3年の交通センサスの交通量と比較しますと、相生山緑地の西側の弥富相生山線(菅田橋と下山畑交差点を結ぶ区間)のおよそ半分、緑地西側の南北線である高針大高線(島田と野並の交差点を結ぶ区間)のおよそ1/3の値となります。

 続いて、一日の交通量のピークとなる時間帯において、交通状況が現状と比べてどのように変化するのかを確認いたしました。

 まずは昭和高校前交差点についてです。交通量のピークとなるのは通勤時間帯と重なる朝8時です。赤矢印でお示しした方向において交通量が増加、青矢印でお示しした方向において交通量が減少いたします。そのうち特に交通渋滞に対する不安の声が多い南から交差点に進入する方向(A方向)について計算した結果を左下の表にまとめております。

 弥富相生山線が整備されていない場合と整備した場合との比較を見てみますと、交通量は503台から593台に増えます。その上で道が混雑するかどうかについては「交通容量比」という値が目安となります。交通容量比とは、その道路が“安全に・スムーズに”流せると想定される最大の車の数に対して、その道路を通ると想定される車の数が何台か、という考え方になります。値が大きくなるほど混雑すると予測され、1.0未満であれば混雑することなく円滑に通行できることとされております。A方向に進んだ場合、車は左折・直進・右折が可能ですが、そのうち交通容量比の値が最も大きくなる直進方向の場合を資料に掲載しておりますが、弥富相生山線の整備なしの場合0.615であったものが0.75に増えますが、1.0未満であることを確認しております。

 同様に久方の交差点も見てみますと、交通量のピークとなるのは夕方18時で、こちらも方向によって交通量が増えたり減ったりしますが、中でも西から交差点に進入する方向(B方向)について心配される声が多いかと思います。こちらも交通量としては84台から356台に増えますが、交通容量比の値が最も大きくなる直進左折レーンの値を見てみますと、弥富相生山線の整備なしの場合0.308であったものが0.67に増えるものの、こちらも1.0未満であることを確認しております。

 また、久方方面に抜けてくる直進方向の交通量としては、15台から140台に大幅に増えますが、この地域にお住まいの方の交通も含めての台数となっております。

 このような交差点における渋滞対策については、信号の変わるタイミング(信号現示)や右折レーンの設置など交通管理者と協議していく必要があります。また、交通事故防止についての詳細な交通安全対策の検討も含め、今後の詳細設計において検討してまいります。

 

測量や地質調査は緑地に影響ないのかについてのスライド

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Q.測量や地質調査は緑地に影響ないのか
A.測量による杭の設置や地質調査の削孔が必要ですが、影響は軽微と考えております。

 配布資料には一般的な測量作業や地質調査の作業の様子が分かる写真をお示ししております。

 測量では三脚を据えて現地の地形を把握し、目印となる杭を設置したり、また、地質調査では直径約10cm程度の穴を掘りますが、いずれの作業も自然環境への影響は極めて軽微なものと考えております。

 

以上が説明内容となります。

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