水素エネルギーとは?

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ページID1050277  更新日 2026年10月1日

水素エネルギーとは

水素(H2)は、常温・常圧では無色透明で、地球上で最も軽い気体です。

水素は、酸素と反応する際に生じるエネルギーを電気や熱として取り出して利用できます。水素そのものは炭素を含まないため、利用する際に二酸化炭素を排出しません。

水素は、水、化石燃料、バイオマスなど、多様な資源から製造できます。また、太陽光発電や風力発電などの電気を使って水素を製造し、貯蔵して必要なときに利用することもできます。

このため、水素は、エネルギーをためて運ぶ「エネルギーキャリア」としても注目されています。

今後、水素は、発電、モビリティ、産業用の熱、化学製品の原料など、幅広い分野での利用が期待されています。また、カーボンニュートラルの実現や新たな産業の創出への貢献も期待されています。

水素サプライチェーン

水素を幅広く活用するためには、水素を「つくる」、つくった水素を「ためる・はこぶ」、そしてさまざまな用途に「つかう」という一連の流れを整備することが重要です。

この一連の流れを「水素サプライチェーン」と呼びます。以下では、水素サプライチェーンを構成する各段階について紹介します。

1. 水素を「つくる」

水素の製造方法

水素は、水や天然ガスなど、さまざまな物質から製造できます。主な製造方法には、水を電気分解する方法や、天然ガス・石炭などから水素を取り出す方法があります。

再生可能エネルギーから水素を製造する

太陽光発電や風力発電などの電気を使って水を電気分解すると、水素を製造できます。再生可能エネルギー由来の電気を使うことで、水素の製造に伴う二酸化炭素排出量を抑えることができます。

また、再生可能エネルギーによる発電量が多いときに水素を製造して貯蔵することで、天候や時間帯によって発電量が変化する再生可能エネルギーを有効に活用できます。

水電解装置の大型化、高効率化、低コスト化に向けた技術開発や実証も進められています。

化石燃料などから水素を製造する

天然ガスなどに水蒸気を反応させる「水蒸気改質」や、石炭などを高温で反応させる「ガス化」により、水素を製造することができます。これらの技術は、既に工業分野で広く利用されています。

また、製造時に発生する二酸化炭素を回収し、地下に貯留する「CCS」を組み合わせることで、二酸化炭素の排出量を削減する取組も進められています。

海外の資源や再生可能エネルギーを利用して水素を製造し、液化水素運搬船などで日本へ輸送する大規模な水素サプライチェーンの構築に向けた取組も進められています。

2. 水素を「ためる・はこぶ」

水素の貯蔵・輸送

水素は常温・常圧では気体であり、そのままでは体積が大きいため、大量に貯蔵・輸送するには工夫が必要です。

水素を高い圧力で圧縮する、低温で液化する、合金に取り込む、別の物質に変換するなど、さまざまな方法で貯蔵できます。

貯蔵した水素は、輸送する量や距離などに応じて、パイプライン、液化水素運搬船、トレーラーやローリーなどの車両を使って運ぶことができます。

高い圧力で圧縮する

水素を高い圧力で圧縮し、専用の容器に貯蔵する方法があります。圧縮した水素は、専用の容器を備えたトレーラーなどで、水素ステーションや利用場所まで運ぶことができます。

低温で液化する

水素は、マイナス253度程度まで冷却すると液体になります。液化すると、気体と比べて体積が約800分の1になるため、大量の水素を貯蔵しやすくなります。

液化水素は、専用の運搬船やローリーなどで輸送できます。大型の液化水素運搬船による海上輸送に向けた技術開発も進められています。

水素吸蔵合金にためる

水素吸蔵合金は、水素を取り込んだり、放出したりする性質を持つ合金です。比較的低い圧力で水素をコンパクトに貯蔵できるため、建物などに設置する定置用の貯蔵設備への活用に向けた技術開発が進められています。

別の物質に変換する

水素は、アンモニアなど、水素を含む別の物質に変換して貯蔵・輸送することもできます。このように、水素を別の物質に変換して貯蔵・輸送する方法では、変換した物質を「水素キャリア」と呼びます。

アンモニアは、既存の輸送・貯蔵技術を活用できる可能性があり、水素を運ぶ方法の一つとして技術開発が進められています。

パイプラインで運ぶ

水素をパイプラインで連続的に輸送する方法もあります。製造拠点や貯蔵設備から、工場や発電設備などの利用場所へ水素を供給する方法として、技術開発や安全性の評価が進められています。

3. 水素を「つかう」

熱利用、発電利用、燃料利用、原料利用

水素は、熱や電気をつくるほか、モビリティの燃料や、化学製品などの原料として利用できます。水素の主な利用方法を、「熱利用」「発電利用」「燃料利用」「原料利用」の4つに分けて紹介します。

熱利用

水素を燃焼させることで、工場などで必要となる高温の熱や蒸気をつくることができます。

産業分野には、電気だけでは対応が難しい高温の熱を必要とする工程があります。こうした分野で水素を利用することで、化石燃料の使用に伴う二酸化炭素排出量の削減が期待されています。

水素は天然ガスなどとは異なる燃焼特性を持つため、水素を安定して燃焼させる技術や、窒素酸化物の発生を抑える技術の開発が進められています。

発電利用

燃料電池は、水素と酸素を化学反応させ、その際に生じるエネルギーを電気として取り出す装置です。発電時には二酸化炭素を排出せず、主に水が生成されます。

燃料電池は、家庭用のほか、工場、公共施設、病院などの業務・産業用設備でも利用されています。発電時に生じる熱を給湯や暖房などに利用することで、電気と熱を有効に活用できます。また、機器の仕様や燃料の供給状況などの条件が整えば、停電時の電源として活用することもできます。

このほか、水素を燃料とするガスタービンなどを用いて、大規模に発電する技術の開発や実証も進められています。

燃料利用

水素は、さまざまなモビリティへの利用が期待されています。

燃料電池自動車(FCV)は、水素と空気中の酸素から燃料電池で電気をつくり、その電気でモーターを動かす自動車で、走行時には二酸化炭素を排出しません。FCVには、乗用車のほか、バスやトラックなどもあります。外部への給電機能を備えたFCVは、災害や停電時の非常用電源としても活用できます。

このほか、水素をエンジンで燃焼させて動力を得る技術や、鉄道車両、船舶、航空機などへの水素利用に向けた技術開発や実証も進められています。

原料利用

水素は、アンモニアやメタノールなどの化学製品を製造するための原料として利用されています。また、製鉄分野では、鉄鉱石から酸素を取り除く工程に水素を利用する「水素還元製鉄」の技術開発も進められています。

水素を産業用の原料や還元剤として活用することで、電気だけでは脱炭素化が難しい産業分野における二酸化炭素排出量の削減が期待されています。

このページに関するお問い合わせ

経済局 イノベーション推進部 次世代産業振興課 産業技術支援担当
電話番号:052-972-2419 ファクス番号:052-972-4135
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