名古屋市役所 郵便番号:460-8508 愛知県名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052-961-1111(代表) 所在地、地図
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荒子川水質改善に向けた取り組み
1 汚染の経緯
- 公共用水域の水質常時監視においては、平成5年度から1,2-ジクロロエタンの測定が行われています。平成10年度の測定で、荒子川の環境基準点である荒子川ポンプ所において1,2-ジクロロエタンが環境基準(0.004ミリグラムパーリットル)を超過(0.0064ミリグラムパーリットル)しました。
- 平成11年度の汚染原因究明調査により、1,2-ジクロロエタンの汚染の上限は北中島橋(国道1号の北)付近であり、この付近に汚染源があることが判明しました。
- 平成12年度の北中島橋付近の底質調査において北中島橋の南北50メートルの範囲で底質の汚染が確認されたため、平成13年度末に緑政土木局が汚染箇所を浚渫しましたが、浚渫後も依然として高濃度の底質等の汚染が残っていました。
「荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について」参照 - 平成14年度に北中島橋付近で行ったボーリング調査において、河川右岸の地表下2メートルから4メートルに高濃度の1,2-ジクロロエタンで汚染された廃棄物の層が発見され、これが荒子川の汚染源と推定されました。
「荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その4)」参照
2 北中島橋付近の土地の概況
- 土地の履歴
周辺住民及び周辺区画整理組合関係者からの聞き取りによると、北中島橋の右岸付近には、かつて池があり、ごみ捨て場として使用されていました。
昭和40年代には2つの池がありましたが、この池は荒子川運河予定地のため掘られ、深さは一定でした。池の周囲は田でした。
池の周辺では区画整理が実施されており、昭和45年の航空写真では池の南側半分程度が、昭和50年8月の航空写真では池のすべてが埋め立てられていました。
昭和36年から昭和45年の間は名古屋市の公園用地でしたが、昭和57年に換地処分されました。
航空写真からは、池の跡地の面積は概ね2,248平方メートルと推定されます。 - 現在の状況
池の跡は道路及び宅地となっており、民家、店舗が建っています。
3 北中島橋付近の環境調査結果
これまで、下記の周辺調査を実施しており、現状では直ちに健康被害のおそれはないと考えられます。
- 周辺の既存井戸調査(平成14年度から平成17年度実施)
すべての井戸で地下水の環境基準以下でした。その後、平成17年度まで毎年実施しましたが、井戸がすべて廃止されたため、以降は実施していません。なお、飲用井戸は確認されませんでした。
「荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その2)」参照 - 表層土壌の重金属等の含有量調査(平成15年度実施)
北中島橋右岸において30m格子4区画に区切って調査しました。すべて土壌含有量基準以下でした。
「荒子川北中島橋周辺の表層部土壌含有量調査結果について」参照 - 有害大気汚染物質調査(平成14年度実施)
北中島橋右岸の2箇所で揮発性有機化合物を調査し、すべて環境基準以下でした。
「荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その3)」参照
4 浄化対策の検討
汚染源での掘削除去等の対策は現実的ではないため、河川への汚染物質の流出を防ぐ手法について、市環境科学調査センターや名古屋大学等の協力を得て、浄化について調査研究してきました。
1.鉄粉を用いた化学的処理
- 平成20年度から、特殊鉄粉を用いて現地試験を行ってきました。現地の汚染地下水が浄化可能なことは確認されましたが、実用化に向けては鉄粉の耐久性等に問題があります。
2.微生物による浄化
- 平成18年度から、名古屋大学未来材料・システム研究所(旧エコトピア科学研究所)と市環境科学調査センターが共同で研究しており、荒子川の底質から1,2-ジクロロエタンを分解できる菌を確認しています。
- 平成20年度から、現地で浄化対策試験を実施し、現地の汚染地下水が底質中の微生物によって浄化できることが確認されました。実用化のためには、低温時の浄化性能の向上等が必要となるため、栄養剤等による浄化促進について研究しています。
- 平成27年度から、微生物による浄化能力を評価するための実証実験を行い、水温15から20℃の条件下で浄化性能が最も高くなることが判明しました。
5 令和5年度までの対応
- これまで、河川における水質改善を図り、低コストで効果的な浄化方法の確立を目指して調査研究、試験を行ってきました。
- 令和元年度からは、効果が見られた微生物による浄化を現地で実施するために必要な条件を確認する調査(観測井での水位、水温の連続測定、事業所からの排水量、降雨量等の関係調査)を行うとともに、これまでの調査試験の整理検証を行いました。
- その結果、微生物による浄化の効果は確認されたものの、低温下における分解速度の低下という課題から、それだけでは不十分と考えられたため、河川側だけでなく右岸側も含めた他の対策方法の情報収集を行いました。
- 令和4年度は、その情報をもとに今後の対策の立案に向けた調査を行うための準備調整を行いました。
- 調査にあたっては、懇談会等において学識経験者等からの意見を聴取し、様々な方法から有効な対策を立案するための調査を行うこととしました。
- 令和5年度は、複数の地点でボーリング調査を行うのと同時に観測井戸を設置して、対策立案に必要な基礎情報を把握するほか、継続して地下水を調査しました。
6 今後の対応
これまでの河川側での1,2-ジクロロエタンの浄化対策の検討に加え、河川への流入防止や汚染源での浄化も念頭に、市環境科学調査センターと他の研究機関等とで共同して、有識者懇談会から意見を聴きながら、調査・実証試験を実施し、有効な対策方法を検討します。
有識者懇談会の資料(一部非公開)
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荒子川1,2-ジクロロエタン流域調査結果
平成9年度以降の荒子川ポンプ所における1,2-ジクロロエタン濃度及び平成11年度以降の北中島橋付近の河川・地下水における1,2-ジクロロエタン濃度について、添付ファイルにまとめています。
1,2-ジクロロエタン濃度の推移
また、北中島橋付近の環境調査結果については以下のページをご覧ください。
- 荒子川北中島橋周辺井戸水調査結果(平成17年11月9日)
- 荒子川北中島橋周辺井戸水調査結果(平成17年4月11日)
- 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その6)
(周辺の既存井戸調査) - 荒子川北中島橋周辺の表層部土壌含有量調査結果について
- 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その5)
(周辺の既存井戸調査及び荒子川の河川水質調査) - 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その4)
(北中島橋周辺の土壌地下水調査) - 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その3)
(北中島橋周辺の地下水調査及び有害大気汚染物質調査) - 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について(その2)
(周辺の既存井戸調査) - 荒子川における1,2-ジクロロエタンの追跡調査結果について
(荒子川の河川水質調査及び底質調査)
このページの作成担当
環境局地域環境対策部地域環境対策課有害化学物質対策担当
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