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名古屋コーチンの復活と普及への農業センターの取り組み

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このページを印刷する最終更新日:2020年7月10日

   「名古屋コーチン」(品種名:名古屋種)の復活と普及への名古屋市農業センターの長年の取り組みをご紹介します。卵肉兼用種である名古屋コーチンは、明治38年に国産実用品種第一号に認定された後、全国に普及し、昭和30年頃には毎年100万羽以上のひながふ化されるほどでした。しかし、昭和37年以降に生産効率に優れる外国鶏の輸入が始まると、名古屋コーチンは次第に活躍の場を失い、飼育羽数が激減して消滅危機を迎えてしまいました。そして、昭和40年代後半、昔の美味しいかしわ肉を復活させて!という要望が農業センターに届いたことがきっかけになり、農業センターは昭和47年から名古屋コーチンの復活と普及への取り組みを開始しました。


昭和時代の取り組み

関係者の組織化

 まず最初に行ったのが名古屋コーチン関係者の組織化でした。養鶏家、食鳥処理場、ふ化業者、料理店などによる研究会を組織し、育種、飼養管理、経済性などについての研究に取り組みました。その後、何度か組織改編をしながら、また愛知県の協力・助言を得ながら、名古屋コーチンの改良と増殖に、そして普及にも努めました。

農業センターでの飼育・研究・普及推進事業

名古屋コーチンの種鶏の確保と研究

 富山県や岐阜県、岩手県など、いくつかの土地から名古屋コーチンを導入し、より効率的に増体する名古屋コーチンの研究・開発を行いました(開発事業は平成2年度に廃止し、その役割を愛知県に一本化しました)。また、飼育条件の違いによる成長速度や肉質などの試験・研究などを行いました。

実用ヒナの生産と分譲

  優れた系統の種鶏からヒナをふ化させ、そのヒナを養鶏農家や愛好家に分譲して名古屋コーチンの飼育を奨励することで、名古屋コーチンの普及に努めました。なお、農業センターが分譲したヒナは、昭和56年度は約1万8千羽、昭和63年度は約3万8千羽でした。

普及

 昭和56年度に設立された「名古屋コーチン普及協会」と協働で、名古屋コーチンの料理講習会や即売会の開催、宣伝印刷物の発行などを行いました。なお、同協会の事務局は、平成20年まで農業センター内に置いていました。

名古屋コーチン料理教室の写真

名古屋コーチン料理教室

名古屋コーチン料理の試食会の写真

名古屋コーチン料理の試食会

平成時代の取り組み

ブランド化の推進

 名古屋コーチンのブランド化を推進するため、「純系名古屋コーチン」という文字や名古屋コーチンの番の写真などで構成される商標を登録しました(登録者は名古屋コーチン普及協会)。

一般社団法人名古屋コーチン協会の設立指導

 平成17年の愛知万博への名古屋コーチン普及協会の出展など、名古屋コーチンの知名度向上に取り組んだことが契機になり、その後、名古屋コーチン鶏肉の消費量が増加しました。しかしながら、平成19年度に名古屋コーチンの偽装疑惑が発生したことを受け(後に、偽装はなかったことが判明)、愛知県は、名古屋コーチンに関係する全事業者が参加する新しい組織の設立を提案しました。その後、愛知県や名古屋市の指導を受けながら関係事業者が検討を続け、平成21年に一般社団法人名古屋コーチン協会(外部リンク)別ウィンドウが設立され、名古屋コーチン普及協会は発展的に解散しました。

農業センターでの飼育・研究・普及推進事業

名古屋コーチンの種鶏の飼育と実用ヒナの生産・分譲

  愛知県から種鶏を導入し、種鶏から生まれたヒナの分譲をすすめました。しかし、農業センターのヒナの分譲事業は、平成5年度の約8万7千羽が最多で、その後、分譲羽数は減少していきました。これは、名古屋コーチンの民間ふ化場が成熟したことと、名古屋市内やその周辺の養鶏農家が減少したことによるものです。そのため、平成20年度に農家向けのヒナの分譲事業を廃止し、平成23年度には愛好家向けの分譲事業も廃止しました(現在は、農家向けの種卵分譲事業のみ実施)。なお、実用ヒナの全国の出荷羽数は、平成16年度に100万羽を超え、その後、同程度で推移しています。

名古屋コーチンの原種鶏の飼育保存(県協力事業)

  平成24年度からは、愛知県が保存している名古屋コーチンの原種鶏の一部を農業センターでも保存しています。これは、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生に伴う原種鶏の消失を防ぐために行っているものです。

普及

   一般社団法人名古屋コーチン協会(外部リンク)別ウィンドウや愛知県などとも協働して、また、平成25年に愛知淑徳大学の学生たちによる「名古屋コーチンもりあげ隊」も設立させ、教室やイベント等を通じて名古屋コーチンの普及活動を行ってきました。また、同協会、社会福祉法人、大学、民間企業などとも協働して、名古屋コーチンの商品の開発・販売も行ってきました(殿様コロッケなごすけクッキーなど)。平成24年度には、農業センターのキャラクターとして、「なごっぴー」(名古屋コーチンのヒヨコがモデル)を誕生させ、このキャラクターを使って大学生に紙芝居を作ってもらう取り組みも行いました。出来上がった紙芝居は、一般社団法人名古屋コーチン協会(外部リンク)別ウィンドウが印刷し、市内の市立保育園や市立図書館に1部ずつ同協会から寄贈していただきました。


最後に

  名古屋コーチンの作出に関する通説では、尾張藩士であった海部兄弟の血のにじむ努力で作出されたと言われていますが、名古屋コーチンの復活に対しても、農業センターの養鶏関係の職員も、同じような努力をしたのではないかと思われます。復活に取り組み始めた当時、残存していた名古屋コーチンは、卵用で体重が軽いものとなっていたので、肉用にするには、効率的に増体する系統を開発する必要がありました。新しい系統の開発には、育種の専門知識と多系統の鶏を収容する施設が必要ですが、愛知県に比べて名古屋市のそれは充分な状態であったとは言えませんでした。このような状況下でも、名古屋コーチンの復活に農業センターが取り組んだのは、「名古屋」と名がつく名古屋コーチンを名古屋の名物にしたい!!という強い意気込みがあったからと聞いています。今後は、引き続き普及推進事業に取り組むとともに、名古屋コーチンの作出に関わった郷土の先人達の偉業や名古屋コーチンの復活に果たした農業センターの役割を次世代に伝えることで、「名古屋」という都市の魅力をさらに高めていけるよう尽力していきます。


参考:用語の解説

 養鶏農家が飼育する鶏を「実用鶏」といい、その実用鶏を生産するための親鶏を「種鶏」、種鶏を生産するための親鶏を「原種鶏」といいます。種鶏や原種鶏は、それぞれが異なる特長(体が大きい、卵をよく産むなど)を持つように育種改良された集団から生産された鶏で、これらを適切に組み合わせて交配することで、元の集団以上に優れた能力を持つ実用鶏を効率良く生産することができます(ハイブリッド効果)。この効果は一代限りのものなので、優秀な実用鶏を生産するには、常に種鶏・原種鶏の確保が必要になるのです。

このページの作成担当

緑政土木局 農業センター畜産普及係

電話番号

:052-801-5221

ファックス番号

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