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千種区消防団の前身である「東山消防組」は、「火の用心」の心を広めるため、昭和8年に「防火宣伝いろは歌留多」を作成し、多数頒布しました。
かるたの調製にあたっては「有志皆さんより多大の御賛助と組員の熱誠により、一万組以上という大成果を収め広く頒布するを得た」との記録があります。
東山消防組組頭の「水野鐘三」氏はご自身で「絵札」と「読み文」を作成し、「火の用心」の思いを込め、各方面に賛助を募り一万組以上を頒布されました。
「水野鐘三」氏は、この「いろは歌留多」のほか、「消防双六」も多数頒布され、火災予防に尽力されました。
「東山消防組」の願いは、今も千種区の消防団に引き継がれ、千種消防署とともに「火の用心」を訴え続けます。
「東山消防組」が込めた想い 「防火宣伝いろは歌留多」添え文
「火の用心」
「火は文化の母である。
人類はこれを支配して今日の燦爛(さんらん)たる世界をなしているが、その反面火によって年々二万回に近い火災を起こし、二億円という膨大なる損害と五百幾名かの人命を失いつつあるので、如何に火の恐るべきかもまた想像せねばなりません。
火災の多くは、マッチ一本の不注意、吸い殻残火の不始末といったちょっとの過失が原因の大部分でありますから、皆がお互いに怠りなく戒めたならば、この惨禍を免かれる事も出来るので、火の用心こそ火事を無くする唯一の方策であります。
火の用心は一家事毎く(一家ことごとく)が為さねばならぬ文化国民の義務で、私たちが節に火災予防の家庭化を唱導するゆえんであります。
今や時局匡救(きゅきゅう)のため官民挙げて非常の努力を払う時、自力更生の一歩をまず火の用心により損害の極減につとめ、儲けるより損せぬ勘考が極めて容易であって効果の大きい事を知らねばなりません。
この歌留多は自画作の極めて拙づい(まづい)ものではあるが、幸いに警火の一助とならば、本懐の至りであります。
終りに望み、これか調製に当り、有志皆さんより多大の御賛助と組員の熱誠により、一万組以上という大成果を収め広く頒布するを得た事を厚く深謝致します。」
昭和八年一月 名古屋市東山消防組頭 水野 鐘三
い・ろ・は・に
- い 「色と食い気を八分で止めて 火の用心を十二分」
- ろ 「労して効なきためしはあれど 火の用心に無駄はない」
- は 「早く追い出せ 大火事小火事 火事はお江戸の花じゃない」
- に 「二世の夫に小頭もって 焼かず焼かれず暮らしたい」
ほ・へ・と・ち
- ほ 「ポンプ火を消す 消す火を人の注意一つでなくてすむ」
- へ 「下手な文字でも かまどの上は火の用心と書くがよい」
- と 「戸には鍵かけ 火に水かけて 火難盗難男除け」
- ち 「ちょっとの油断がこの身のあだで 今じゃ紙こで貧所帯」
り・ぬ・る・を
- り 「悋(りん)気さんすな 妻(わたし)の出先き 火防講演聞きに行く」
- ぬ 「ぬれたホースに 夜かぜがすさぶ 更けし火事場の月すごい」
- る 「留守居さするは 火を片時も お目が放せぬ危険物」
- を 「鬼と呼ばれし 作左衛門も 一筆啓上 火の用心」
わ・か・よ・た
- わ 「わしが国さで見せたいものは 昔しゃ消札 今金馬廉」
- か 「かまど いろりや 火のあるところ 粗末にせぬが火の用心」
- よ 「よいの不注意 夜中の半鐘 明けりゃ家くら灰になる」
- た 「大の男の消防よりも 弱い女の火の始末」
れ・そ・つ・ね
- れ 「練習錬磨の表彰もよいが ほしや無火災 金馬廉」
- そ 「外じゃ消防 夜警のつとめ 内で妻(わたし)は火の始末」
- つ 「月にむら雲 花には嵐 そして家には火事があだ」
- ね 「寝る前 出る前 火の元しらべ 十分用心するが肝心」
な・ら・む・う
- な 「何をおいても買いたいものは 死なぬ薬と火事道具」
- ら 「ランプちょうちん 留守居のコンロ ともに危ない鐘がなる」
- む 「胸をやくとも 家倉焼くな ラムネ氷じゃ納まらぬ」
- う 「内の仕末と お金の仕末 風の吹く夜は火の始末」
ゐ・の・お・く
- ゐ 「家も宝も 焼き尽くされて やっと気のつく火の注意」
- の 「野辺の散歩に出るのもよいが ちょっと見廻れ火の注意」
- お 「親父おふくろ 火を消すつぼは 粗末にすると おこり出す」
- く 「軍人さんはお国を守る 私しゃ火守る消防しゅ」
や・ま・け・ふ
- や 「やめておくれよ寝ながらタバコ もしも火事出しゃ共難儀」
- ま 「丸い卵も 切りようで四角 灰もとりようで火事になる」
- け 「県でけん賞 どど逸標語 募集するのも火の注意」
- ふ 「文化の都市に無くてはならぬ 火災報知器完備せよ」
こ・え・て・あ
- こ 「子供の火なぶり 花火にマッチ 風の吹くときゃ尚注意」
- え 「ヱヱサ悋(りん)気で焼くではないが 火の用心が気にかかる」
- て 「電気工事の素人と無理は 火事をここから呼びおこす」
- あ 「雨は天から涙は眼から 火事はその身の油断から」
さ・き・ゆ・め
- さ 「寒いからとて焚き火をするな 火事は無邪気な子供から」
- き 「きのう住まいし 我家の跡も 今日は焼野の板囲い」
- ゆ 「油断大敵 火の元始末 火の粉出たがる飛びたがる」
- め 「眼元 火の元 油断をするな 色気火の気は恐いもの」
み・し・ゑ・ひ
- み 「見たか新聞 昨日の大火 元は火鉢の残火から」
- し 「真の夜中に半鐘をきいて そっと見廻る台所」
- ゑ 「ゑとう暦に休みはあれど 休みはないぞえ 火の用心」
- ひ 「火の子虫の子 よくふみつぶせ いつか身をさす家をやく」
も・せ・す・ん
- も 「物の勝負は最後の五分 火事は最初の五分間」
- せ 「宣伝ポスター千枚よりも 心一つで火事は出ぬ」
- す 「捨てた吸いがら焚火の始末 山を焼かない世話を焼け」
- ん 「ウンと唄えよ 節おもしろく 防火宣伝 火の用心」
京
- 京 「今日は演習 四つ拍子 注意試練の不時呼集」
千種区には15の消防団があります。
東山消防組が「火の用心」の願いを込めて作成した「防火宣伝いろは歌留多」いかがだったでしょうか?
絵札や読み札から昭和10年(1935年)の世相が感じられます。
当時の「消防組」が市民に「火の用心」の心を伝え、火災を減らすためあらゆる努力をしていたことがよくわかります。
「消防組」は明治22年の名古屋市制施行の年に設置されました。
「消防組」は日中戦争への対処から昭和14年に「警防団」に改組され、昭和23年の消防組織法施行後は「消防団」となり、千種区の先人の歴史を引き継いでいます。
「消防団」は、名古屋市千種区の小学校区ごとに設置され、「東山消防組」の願いを引き継ぎ、地域の防災リーダーとして防火防災の広報や訓練を行っています。
千種区消防団員募集!
「東山消防組」の願いを引き継ぎ、千種区の各消防団は、地域の防災リーダーとして防火防災の活動を行っています。
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