榎学区（西区）の紹介

　押切二丁目にある白山神社は、毎年夏休み前の7月17日・18日の2日間お祭りが行われるので、よく知られております。
　なんでも昔、この地へどこからともなく1羽のキジが、飛んできたことがあるそうです。そのキジはどうしたことか、急に落ちて死んでしまいました。そこで人々は、大変かわいそうに思って、地に埋めてあつく葬ってやりました。ところが、不思議なことに、地に埋めたキジの腹から1本の「榎」が芽を出して、すくすくと育っていったそうです。
　それからずっと後のことですが、清洲城に斯波義廉（しばよしかど）という人が住んでいて、この地方を治めていました。文明9年（約500年ほど前）に、深く信仰している白山権現のお告げを夢に見て、「押切」の沼地に神社を建てて、その榎を神木としておまつりしたのが、榎権現ともいわれる白山神社です。
　昭和20年5月の空襲により本殿、宝物を焼失し、榎の大樹も枯れて面影を見ることはできません。

　平成22年10月16日(土曜日)夕方から夜にかけ、名古屋開府400年祭「なごや・きよす夢まつり『清須越・夢歩き』」が開催されました。
　榎学区の中央を名古屋城に抜ける枇杷島街道(美濃街道)を仮装した1200名の参加者による提灯行列が、この地域武将の信長隊・秀吉隊・家康隊の3班に別れ、枇杷島から名古屋城へ枇杷島街道(美濃街道)を練り歩きました。提灯のあかりは街を灯し、時代絵巻の様相に学区住民も感動しました。
　榎学区は、この街道沿いにある白山神社の境内に榎の大樹を擁したところから「榎権現様」と呼ばれ、これがこの辺りの地名の語源になったとされています。
　またこの街道は、名古屋の城下町から、押切、八坂、枇杷島、下小田井、新川より清須、稲葉、萩原、岐阜県垂井まで続く路です。かつて武将達が駆け抜けたといわれる、名古屋城から清洲城の区間は『遊歩百選』にも選出され、『清須越』の行われた400年前に想いを馳せながら“歴史と伝統の西区”を一度歩いてみてください。