橘町と橘座
ページの概要:松原小学校のトワイライトスクールで披露した「橘町と橘座」の紙しばいです。
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「橘町と橘座」
作 堀川文化を伝える会
絵 むらおか さちこ
皆さんは、橘町の「橘」という意味を知っていますか。みかんによく似た果物の木のことで、その花は白くて小さいのですがとてもいい香りがします。これが橘です。11月3日の文化の日には立派な人が勲章をもらいますが、その勲章は橘の花の形をしています。橘は桜と並んで、1,000年以上も前から日本人がおめでたい花として大事にしてきた花です。
松原小学校の東側は今でも橘一丁目、橘二丁目といいますが、その辺りは昔から橘町と呼ばれてきました。でも橘の木がたくさんあったのではありません。新品ではなく、誰かが前に着ていた古い服を売る古着屋という店がたくさんありました。橘町の人は古着を売ってもいいと許可が与えられていました。古い服には、前に着ていた人のにおいが残っています。古い服には思い出もたくさんあるでしょう。「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」という、1,000年も前に詠まれた古い歌があります。その歌は、「橘の花の香りがすると、古い着物の袖に残されたにおいのように、好きだった人のことを思い出します」という意味です。古着のにおいから橘の花の香りへ、古い歌をもとに2つを結びつけて考えて「橘町」という名前がつけられたのです。
その名前をつけたのは誰か知っていますか。名古屋城に住んでいだ2番目のお殿様で、徳川光友さんという方です。400年近く前に生まれた人です。お殿様が自分で書いた「橘町」という文字が今でも残っていて、松原学区の人たちが宝物として大切に守っています。
この光友さんというお殿様はお芝居が大好きで、橘町にお芝居のできる小屋を造って、古着屋と同じようにここで芝居をやってもいいと許可を与えました。昔は今のように、テレビや映画はなかったので、普通の人が家でお芝居を見ることはできませんでした。橘町の芝居小屋は、名古屋で初めて芝居が見られるようになった場所で、みんなとても喜んで芝居見物に出かけるようになりました。
この芝居小屋は「橘座」という名前でした。東別院の西側に、愛知産業大学付属工業高校という学校があります。この学校の中には、「橘座」という昔あったそのままの名前をつけた舞台ホールがあります。昔の橘町のことを忘れないでほしいという願いが込められた名前です。ここは、お芝居や落語など、昔ながらの演技が行われることで知られています。お父さんやお母さんに尋ねてみてください。松原小学校の皆さんなら、きっと橘座で行われる演技を見ることができると思います。
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