本町通を象が歩いた
ページの概要:松原小学校・名城小学校・御園小学校のトワイライトスクールで披露した「本町通を象が歩いた」の紙しばいです。
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「本町通りを象が歩いた」
作 堀川文化を伝える会
絵 むらおか さちこ
皆さん、象を見るならどこへ行きますか。そう、東山動物園ですね。今東山動物園には4頭の象がいるそうです。それでは、300年近く前の名古屋で象を見ることができたでしょうか。その頃にはもちろん動物園はありませんでした。信じられないかも知れませんが、300年ほど前に本町通を大きな象がのっしのっしと歩きました。象を見た昔の人はどう思ったのでしょうか。これは侍がいた時代に、ベトナムという遠い南の国からはるばる日本にやってきた象のお話です。
侍のなかでいちばん偉いのが、江戸(今の東京)にいた将軍です。象がわざわざ日本にやってきたのは、そのときの将軍(吉宗)が象が見たいと命令したからです。その頃、外国の船は九州の長崎という港にしか入れなかったので、象は九州から東京まで長い時間をかけて歩いて行ったのです。名古屋の本町通を象が歩いたのはそのときのことです。象はとても大きく、重い身体です。だから、象が通るために道路の幅を広げたり、橋を丈夫に架け替えたり、大きな川ではわざわざ特別な船を用意しました。またその頃の日本人は、象が何を食べるのかよく知らなかったので、食べ物を用意するのも大変で、象が通る町ではわらや竹の葉、野菜、米、果物など、象が食べそうなものをたくさん準備しなければなりませんでした。
どうしても象を見たかったのは、町の人や村人だけではありませんでした。いつもは威張っている侍も、町の人の中に紛れ込んで象を見にきていました。いちばんおかしいのは、なんとお城の殿様までが茶屋町というところにあった大きな商人の家(茶屋家)に隠れて、出窓からじっと象を眺めていたことです。殿様も内緒で城を抜け出してきたのでしょう。二度とないチャンスだから、どうしても象を見たかったのでしょうか。それにしてもおもしろい殿様ですね。この象は、本町通を南に下り、大須・橘町を通って熱田へ向かい、そこから東海道を東京まで旅を続け無事将軍と対面しました。どこも見物人でいっぱいでした。動物園がなかった200年、300年前でも、この象のほかにラクダやアザラシ、ヒョウなど、珍しい動物が名古屋へやってきた記録が残っています。
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