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ミナトガタリ第3弾は、築地口―名古屋港エリアで地域のまちづくりを行っている「港まちづくり協議会」の事務局次長を務めている、古橋敬一さんにお話を伺います。
読み応え抜群の濃密な社会論・まちづくり論を存分にお楽しみください!
司会:
今日は港まちづくり協議会の事務局次長、古橋敬一さんにお話を聞きたいと思います。
よろしくお願いします。
古橋:
よろしくお願いします。
司会:
それでは最初に、港まちづくり協議会の活動内容を教えてください。
古橋:
「名古屋中のみんなと楽しめて、全国の皆さんに誇れるみんなの港まちを目指そう!」ということで、「なごやのみ(ん)なとまち」というコンセプトコピーを掲げて活動しています。「名古屋の港まち」というと、「どこにあるの?」とか、「横浜や神戸に比べると淋しいよね」という声を聞くことが多いです。
でも、ないものねだりをしても始まりません。僕たちとしては、名古屋の港まちをみんなでつくりましょう!」ってことで、コンセプトから立ち上げて、いろいろな人たちと力を合わせたまちづくりをしていきたいと考えています。
司会:
それはおもしろそうですね!具体的にはどんなことをやっているのですか?
古橋:
たとえば、「ぶらり港まち新聞」という新聞をつくっています。主人公は、港まちのみなさんです。たとえば、港まちには職住一致で、昔ながらのお店をやっている人が、ちゃんと残っています。企業も多いですから、そういうお店には、馴染みの常連さんがいて、特に居酒屋なんかでは、下町特有の社交場の風景が今も残っています。
こういうのって、よくありそうで、意外と他では失われてしまっている。放っておくと消えてしまう風景です。それはもったいないですよね。だから、そういう港まちならではの風景を切り取って、その魅力が港まちを訪れたことのない人たちにも伝わるカタチに編集し、お伝えしています。(ぶらり港まち新聞)
司会:
なるほど、実際にまちに行かなくても空気感が伝わるような工夫をしているわけですね。
古橋:
そうですね。最近では全国のフリーペーパーをまとめている書籍にもとりあげていただきました。嬉しいかぎりです。今、各地域には魅力的なフリーペーパーが結構たくさんあるようです。それらを見てみるとポイントは、既にあるヒト・モノ・コトといった地域資源の魅力を「見える化」する編集やデザインにあるように思いました。基本的には、その地域に住んでいる方々って、自分のまちの魅力ってなかなかわからないものなんですよね。
また、誇りに思っていることがあっても、それを客観的にとらえたり、魅力的な情報として発信することって中々難しい。そこで、その辺をリサーチして再発見したり、再定義したりしながら客観的にも魅力的な情報として編集デザインしていく専門家が必要になります。情報を「見える化」すると、それがみんなの新たなスタンダードになっていく。つまり見る目が変わってくると思うんですよ。それは、まちをおもしろがるという姿勢への変化ともいえますね。おもしろがれる人が増えれば、新しいことがどんどん受け入れられますし、やがてはまちの側からも新しい提案が出てくるのではという期待もできますよね。
司会:
港まちを追体験するような感じですかね。
古橋
そうですね。こちらがおもしろいと思った港まちのポイントを追体験してもらいつつ、個人でも自由に楽しんでもらえるのが一番嬉しいですね。体験するという意味でいえば、港まちは「踊り」が盛んですが、「踊り」はやっぱり見ている以上に「踊る」という行為を体験することがおもしろいと思っていて、自分たちも参加するし、参加してみたい新しい人たちを地元に受け入れてもらえるような仕組みづくりにもチャレンジしてきました。自分たちが感じた楽しさをどう伝えていくのかについては常に考えていますね。
司会:
なるほど。他にはどんな取り組みをしているんですか。
古橋:
新しい取り組みとして、「POTLUCK School」を始めました。昨年、事務所をこのビルに移して、「Minatomachi Potluck Building(ポットラックビル)」という名前を付けました。「Potluck」には、「持ち寄る」という意味があって、アメリカでは、週末とかにみんなで手作りの料理を持ち寄って気軽なパーティーを開いたりする際に、「ポットラックパーティーしよう!」と言ったりするそうです。僕らのポットラックビルでも、そんなアットホームで親しみやすい雰囲気を大切にしたい。それから、みなさんのアイデアや課題、悩み事なんかも持ち寄って、それをみんなで創造的に解決していけるような取り組みを展開していきたい。そんなことを考えています。で、そんなポットラックビルを活かした企画を考えたときに、ポットラック・スクールのアイデアが浮かびました。
(新たにオープンした港まちポットラックビル。ただの事務スペースから人の集まる場として動き出している。)
古橋:
現代のまちづくりは、非常に幅広い分野の方々の表現の場になっていて、それらを見渡してみると、いわゆる既存の「まちづくり活動」を越える、特にアートや建築、デザインを専門にする方々の活躍が大変刺激的です。そこで、それらの取り組みの最前線で活躍されている方々をゲストにした勉強会を企画しました。
もちろん勉強会といっても、そこはポットラックですから、ゲストも参加者もお互いに学び合えるような進行の工夫、それからオーガニックの美味しい料理を楽しむ時間なんかを設けました。キーワードは、「学ぶ」、「味わう」、「考える」。最初にしては、素敵な場になったように思っています。
司会:
何か変化はありましたか。
古橋:
普段のイベントでは出会えないような人たちがたくさん来てくれましたね。これまでは、港まちに住む人たちが楽しめるイベントが多かったですが、これからはこの港まちを訪れる人たちにも楽しんでもらえるような企画を増やしていく必要があります。まちは、使ってもらってなんぼという側面もありますし、風通しがいいことはとても大切です。
まちが持続可能であるためには、まちを愛する人や使う人が継続的に参入し続けてもらわなければなりません。もともとそういう視点は事業に入れていたつもりですけど、最近は特に「港まちおもしろいね」って声が多く聞こえるようになりました。
スクールに来る人を始めとして、今まで以上に港のことを考える人が増えると、もともとやっている防災や祭なんかの取り組みを見る目も変わってくると思います。この取り組みは、広い意味での社会実験だとも考えていますので、モデルをつくるつもりでやっています。他の取り組みのヒントになるようなことに意欲的にチャレンジしていきたいと思っています。
司会:
具体的に、港まちの取り組みを参考にしたいというような問い合わせはあるんですか?
古橋:
先日も津島市の防災講演会に呼ばれましたし、名駅のまちづくり協議会でもお話しをさせてもらいました。近々では、名古屋都市センターでの企画展(平成27年6月9日から7月2日)も。名古屋都市センターは、名古屋のまちづくり情報を集約しているような機関ですから、非常に光栄です。いろんな人と一緒にやって、名古屋中のまちづくりに貢献していけたらと思いますし、各地域との交流が活発になるといいなと思います。
(名古屋都市センター企画展「なごやのみ(ん)なとまちをつくる展」)
(港区役所も企画展に便乗させていただきました。)
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