緑区制60周年の盛り上げに向けた緑区長:長嶋利久の日々の活動や、一緒に盛り上げていただいている方々とのコラボの様子をお届けしていきます。
こんにちは、区長の長嶋(注:令和6年3月まで)です。
今回は、緑区でも最も古くから人々が暮らしていた記録が残る地で古民家スタジオを営む、株式会社弥生の丘の加藤さんにお話しを伺いました。
東海道鳴海宿の西端「丹下の常夜灯」近く、東海道沿いの趣ある門構えをくぐると「古民家スタジオ NARUMI弥生の丘」が静かにその姿を現します。
加藤さんは、約2000年前の弥生時代に始まり積み重ねられた人々の暮らしの記憶が残る地に縁を感じ、ごみの撤去・清掃に始まり、野放しだった植栽も整え、残された古民家を再生し、再び人が心地よく過ごせる場所として蘇らせました。
長嶋 まず、本業のお仕事について教えてください。
加藤 現在は、テーマパークの床材や駐車場の景観材を開発・製造・販売している会社が母体です。
以前は設計コンサルタントとして国内外の農業土木に携わっておりましたが、独立し日間賀島の環境整備事業などにも参画するようになり、その後愛知県の第一回目のベンチャー企業募集をきっかけとして本格的に始めたのが今の景観コンクリート商材関係です。家業でもなかったですし、景観材という物作りは未経験だったので色々苦労しましたが、気がついたらこの分野では日本で一番の会社になり、緑区へ事務所を構える事ができました。
そうした中で、ある時に事務所の近くの高台にあるこの土地を面倒みてもらえないかと声がかかりました。長い間放置されたその土地は、当初は鬱蒼としていて粗大ごみを勝手に捨てていくような場所もあったほどで、高台の上にある古民家も半分傾き、庭も荒れ果てている状態でした。しかしそれでも、土地の神々しいオーラのようなものを感じ、所有者の方に土地の由緒などもお聞きするうちに、おもしろい場所だなと思うようになりました。
長嶋 所有者の方のお話を聞いて、即決したのですか、それとも迷ったのですか。
加藤 周りの人から「そんなに大きな土地を管理するのは大変だよ」とも言われ迷いもしましたが、ある時「あなたはこの土地を守り活性化させ、次の人へバトンタッチするため選ばれたということだから、それは光栄なことかもしれないね」と言われて、「ああそうか、選ばれたんだな」と前向きに考えるようになりました。
最初の1~2年くらいはずっとゴミの撤去を行い、今では一切ゴミがなくなりました。また、古民家は元々の材料を極力使いつつ、建物の基礎は今の建築や耐震で長く残せるようにしっかり作りました。
今後はこの土地を、人々が集まる場所にしたいと思っています。この古民家は、愛知県三河に縁のある「ムシカマド」を展示しギャラリーにもなっておりますので、地域の人にギャラリーを観に来ていただいたり、古民家で結婚式を挙げたり、庭園でシルバーの方の思い出撮影を行ったりと様々に活用しております。
この空間で楽しむカルチャーみたいなものを、緑区・鳴海のお年寄りから子どもまで、この地域の人に愛されるように、「楽しいな」「ワクワクする」という雰囲気になっていければと思います。
長嶋 地域の方にこの空間を使ってもらおうというお考えが素晴らしいです。一方で維持するための費用の確保も必要かと思いますが、その辺りのバランスはどのようにイメージされていますか?
加藤 これまでは、仕事中心の生活をしてきましたが、今後は社長から顧問のような形になり少し余裕ができるので、より一層こちらへ力を注ぎたいと思っています。
今、有形文化財の建物でもどんどん劣化が進みメンテナンスや補修が行われていないものも多くあるというのが現状です。ですので、最低限自分たちで自立して費用を捻出することをやっていかないと、後世に残せずここで終わってしまうと思います。この場所をみなさんに使ってもらって喜んでいただき、なおかつ何かあればすぐに補修ができるような余裕を持たせるための運営をしていきたいと考えています。
長嶋 緑区は歴史的な見ていただきたい・感じていただきたい場所がたくさんあります。鳴海は以前から鳴海宿・東海道の宿場として有名ですが、いろいろな建物が消失していく中で、何となく鳴海の核になる場所が欲しいなと感じています。こちらの場所は、静謐な空間であることの魅力やビジネスで使われることと、たくさんの方に見てもらいたいということのバランスが難しいと思いますが、この地域の宝として大きなポテンシャルを持っていると思います。
長嶋 加藤さんがここまで形にしたことで、この場所のポテンシャルが目に見える形になりましたよね。これからいろいろな形で協力する方が出てきて、もっと新しいものを皆さんの手で作るような、そんな空間になっていくかもしれませんね。そうすると、つながりの拠点になっていきますし、この場所がどんどん良い形で広がっていけばいいなと思います。
加藤 有松・鳴海絞りといえば、鳴海にも拠点となる絞りの工房を作ってほしいという声もあります。地域でいろんな活動をしている若い人たちや作家さんに場所を貸すなど、この場所を文化や芸術の拠点にできるといいなと考えています。
自分一人だけじゃなくて、協力してくださる人たちと一緒に賑やかにしていきたいので、そういう構想やプロジェクトがありましたら、ぜひ声をかけてください。
長嶋 ぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。
見晴らしの良い高台に、よく手入れされた庭、居心地の良い古民家。
鳴海での散策の終着点としてはもってこいですね。
緑区には、人知れず地域で頑張ってくれている人々がまだまだいるんですね。区役所としては、そういった方々をもっと紹介して応援していきたいと思っています。
2023年3月、「徳重だいこん」が名古屋市のものでは5番目に、あいちの伝統野菜に選定されました。これから区制60周年という時期に非常に喜ばしい出来事となりました。
今回は、12月11日に「徳重だいこんの日」を迎えるということで、「徳重だいこん」の復活に向けて、栽培農家の皆さんとともに先頭に立って尽力された、JAみどり代表理事組合長の小島さんにお話を伺いました。
JAみどり代表理事組合長の小島さん
徳重だいこんに注目したきっかけはなんですか。
小島様:市街化区域内の農地は「宅地化すべきものから、あるべきもの」へと法律が改正されました。都市農地(農業)をどう維持するかが課題です。若い農家も農業を継続できるようにするには、特産品を作ることが重要とかねがね思っていました。ある緑区内の小学校の先生が徳重だいこんについて調べているが見つからないという知らせを受けて、これは私たちがやらなくてはいけないと思いました。
選定されるまでどのような苦労がありましたか。
小島様:最初は種を探すことから始まり、私や職員から、組合員さんの中で当時生産していた農家さん始め、ほうぼうに連絡を取り探しましたがなかなか見つかりません。それでもあきらめずに探していたところ、ある農家さんの農業用冷蔵庫に、もしかしたら徳重だいこんの種ではないか、と思われる種が保管されていることがわかりました。
その種は徳重だいこんの種でしたか。
小島様:それを確認するためにその農家さんに種を蒔いてもらいました。収穫してみると、徳重だいこんの特徴の出たものが何本かでき、徳重だいこんの種だと確信しました。
そこから選定されるまでは順調だったのでしょうか。
小島様:他の品種との違いを明らかにするために、種を名古屋市農業センターに持ち込み試験栽培(比較栽培)を依頼しました。農業センターで比較栽培し、特徴の出ているものを選抜し、種採りという流れを6年繰り返し、だんだん本数を増やすことができました。
その作業を経て選定されたんですね。
小島様:いえ、比較栽培はうまくいきましたが、文献による後押しが必要でした。これまでお世話になった方、お知り合いになった方、いろんな方に文献の調査をお願いし、最後の最後で、徳重だいこんのルーツ、特性が記載されている文献が見つかりました。
いろんな方の協力があって今日に至るんですね。
小島様:農家、JA愛知中央会、役所など、人のネットワークが繋がることでうまくいきました。徳重だけでなく桶狭間のほうでも徳重だいこんを育ててくれる方も見え、JAみどり管内全域で広がりが出来ました。
(左)小島さんと(右)区長の対談様子
小島さんの熱意に皆さん動かされ、ドラマのように感じます。徳重だいこんのこれからの目標は。
小島様:徳重だいこんを特産品として確立するため、JAみどりがバックアップし、安定した生産ができるようにしていかなくてはいけないと思っています。
小島さんはJAみどりの経営者として、大胆な経営改革を進められています。
小島様:新しい要望に応えるためには旧態依然とした体制では難しいため、改革が必要だと思っています。改革を行うにあたり、自分たちの強みをどう活かしてステップアップするのかというのを原点としており、軸をしっかりと持つことで職員のブレもなくなると考えます。
現在、「農業所得の向上」「デジタル化で効率UP」「人材育成強化で業務の質を向上」「経営基盤の強化」の4本柱を掲げており、小さいところからの積み上げを心掛けていますが、この4本を同時に行っている農協は他にないかもしれません。
デジタル化の例だと、職員やパートさん全員にスマホを貸与し、朝礼や会議もスマホが主体となっています。また、お客様の申請手続きにもデジタル化を取り入れており、お待たせする時間を減らしています。
全国の中でトップクラスの取り組みだと思いますが、JAの中央組織などからの反応はいかがですか。
小島様:いまは各農協にあったやり方でやってくださいと言われていますので、好きなように取り組んでいるのですが、取組内容を説明したら、「これはスピード違反です、あんまりスピード出さないようにしてください。」って言われてしまいました(笑)
最後に地域の農家をどうしていきたいか教えてください。
小島様:農家が継続的に農業に取り組むためには、次の特産品を作ることが大事だと思っています。次は、温暖化に対応でき、女性のニーズがあり、高単価品目である「アボカド」です。令和2年度に13人の農家が107本の苗木を定植し、冬を2度越した今年、数本の木に数個から十数個の実が付きました。来年はさらに個数も増やし、「名古屋森のバタープロジェクト」を盛り上げていきたいです。
ありがとうございました。小島さんは休みの日にはDIYや畑仕事に汗を流すだけでなく、にっぽんど真ん中祭りに参加している「鳴海商工会猩々チーム」の大道具係として活躍されています。いつも明るく優しい一方、凄腕の経営者としての一面を持つ小島さん。私も一緒にお話しをして元気になりました!
入口看板にて(左:区長 右:小島さん)
圃場にて(左:小島さん 右:区長)
こんにちは。区長の長嶋です。
今日は、ご長寿のお祝いのため、緑区内で“満100歳”を迎えられた、川本さんのご自宅を訪問し、健康の秘訣を伺いました。
健康の秘訣は「体を動かすこと」だそうです。
以前は週1回実施されていた介護予防の体操に行っていましたが、コロナの影響で開催されなくなってしまい、残念に思われたそうです。現在は、散歩に行ったり、ご夫人と2人で買い物に行って「歩く」ことで体を動かしているそうで、買い物が大好きなご夫人の買い物が終わるのを待って、優しい川本さんが買われた商品を持って、坂を上って帰ってくるそうです。
お話をさせていただいて、非常にお元気な様子が伺えましたが、今も仲良くご夫婦で一緒に買い物に行かれたりしているのが、「家族円満の秘訣」であり、「元気の秘訣」でもあると感じました。
これからも末永く元気にお過ごしくださいね。
川本さん(左)と区長
こんにちは。区長の長嶋です。
今日は、10月28日開催予定の緑区区民まつりにて、来場者さんに配布する小物入れの作成をお値打ちな価格で引き受けていただいた障害福祉施設『ハッピースマイル24』(注1)を訪問し、管理者の砂川さんにお話を伺いました。
――――この度は区制60周年事業へのご協力、ありがとうございます。こちらでは、こういった軽作業だけではなく、農作業もやっていると聞きました。農作業を始めたきっかけを教えてください。
ハッピースマイル管理者 砂川様(以下、砂川様):わたしは常々、利用者さんには、とにかく外に出て、人とふれ合ってほしいと思っています。室内で集中して取り組む仕事ももちろん大切ですが、農作業は外へ出て、教え合ったりしながら、人と力を合わせないとできません。そういう人とのふれあいから得られるものがたくさんあると思っています。また、私自身、農作業が好きだというのもあります。
――――何か利用者さんに変化はありましたか?
砂川様:私以外とはほとんどコミュニケーションをとることができなかった方が、農作業を通じて他の人とも接せることができるようになり、接客の仕事をしたいと話してくれるようになりました。そして今では、夢だった接客を任されています。僕もたまに、「しっかりしてよ」と言われたりして、別人のように自信をつけられましたよ(笑)。
――――事業所は、2階が作業場、1階はお弁当屋さんなのですね。
砂川様:8月に沖縄料理のお弁当やお菓子、小物を販売する『ゆいまーる』を新規オープンさせました。『ゆいまーる』は、沖縄の方言で『助け合い』という意味です。沖縄らしい演出にもこだわりました。絶対にこの名前にしたかったので、営業許可が正式に下りる前に、フライングで『ゆいまーる』の名前で看板だけは作ってしまいました(笑)。
――――リーダーには必要な情熱かもしれませんね(笑)。地域の反応はどうですか。
砂川様:オープン当日は予想の数倍のサーターアンダギーをお買い求めいただき、朝からキッチンは大忙しでした。また、収穫された野菜は、コンビニや飲食店へ卸販売していて、もっと売って欲しいというリクエストをもらっています。直売会で野菜をお買い求めいただいたお客さんの喜ぶ顔を見られることも、利用者さんの自信や喜びにつながっています。
――――本日は貴重なお話をありがとうございました!
管理者の砂川さんは、障害の有無に関わらず、「人とつながる」ということを大切にして、障害のある方も安心して過ごせるような笑顔あふれる居場所を作ろうと邁進されていました。地域の方とのふれあいもたくさん生まれているようです。
情熱あふれる地域福祉の担い手として、これからもずっと、よろしくお願いします!
(注1)ハッピースマイル24…就労継続支援B型事業所に分類される障害福祉施設。一般企業等での就労が困難な人が、働きながら、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。
『ゆいまーる』店内には、沖縄料理のお弁当屋やお菓子、小物がズラリ。
管理者 砂川様(右)と区長(左)
ハッピースマイル24の皆さんと区長、区役所職員との集合写真
(画像は一部モザイク処理してあります。)
こんにちは。区長の長嶋です。
今日は、ありがとうチームと一緒にみどりっちと、ありがとう大募集のための広報動画を撮影しました。
撮影を繰り返しながら、皆さんに伝わりやすい動画となるように、部署の垣根を越えて、活発に意見を出し合って完成に向けて活動するメンバーの様子が印象的でした。
動画の中では、緑区の皆さんに向けたメッセージをありがとうチームと、お話ししています。
60周年公式インスタグラムでその様子をぜひご確認ください。(メイキング動画も掲載中です。)
また、本日からありがとうがずーーーっとプロジェクト『緑区ありがとう超連鎖』の「ありがとう」写真大募集も始まっています。ぜひ、お気軽にみなさんの「ありがとう」をお寄せください。
こんにちは。区長の長嶋です。
緑区は皆さんのおかげで区制60周年を迎えることができました。
皆さんへの感謝を胸に、緑区の宝を未来につなげるために、今年度は区制60周年を彩る3つのメモリアルプロジェクトを展開していきます。(各プロジェクトについては、下記のページで詳しくご紹介しています。)
また、この区長の活動日誌では60周年に関する事業、皆さんとのコラボの様子を幅広くご紹介していきます!
加藤 昨年、緑区ルネッサンスフォーラムの散策会に出席をしたんです。地域を散策する中で、「ここにも昔の名残があります」と色々ご紹介いただきました。でも、ちょっと寂れたり崩れたりしていて、もったいないな、寂しいなという感じがしました。
お寺などは別として、みんな昔の名残や歴史的なものを保存はしたいと思っているけど、土地や資金の余裕などもなく最低限のやれることをやっている状況なのだと思います。できればこの場所へそういったものを、部分的でもいいので移築できればと考えています。保存するだけでなく、見ていただいた方に最低限のお志をいただけるような形になればいいですね。また子どもたちのための音楽教室だとか絵画教室など、ここに何か人が集まることができるような場所づくりをすることにも興味があります。
先ほどの緑区ルネッサンスフォーラムの方にも、「保存に困っている建物で協力してもらえるところを探している」という話があれば連絡してくださいと言っています。ここは弥生時代の土器が出たので「NARUMI弥生の丘」と言っていますが、鳴海に点在している昔の名残や歴史的なものを集約して、「この中で鳴海の古いものをざぁっと並べて展示しています、お茶でも出すのでくつろいでいって下さい」なんて場所になれたらと思います。緑区役所にもそういう音頭を取っていただけると、とても動きやすいと思っています。
長嶋 いろんな時代のものがここに残っているということですから、それは地域の皆さんにとってみてもすごいことですね。
加藤 ここの北側にある千句塚公園には芭蕉存命中唯一の碑がありますが、ああいうものも見ていただきたいですよね。由緒あるお寺を回りながら、ここにきてお茶と地元のお菓子で一服していただいてね。
鳴海のように一か所でいろんな時代の歴史で取り上げられる場所ってそんなにないですよね。だからここは「文化の交差点」だと思っています。脈々とこの地域で歴史が積みあがっていると。そういうことを知ることができる古いものを移築したり復元したりして、プチ明治村みたいなものができたら面白いですよね。
緑区役所区政部企画経理課
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