名古屋城金鯱に関する新しい研究成果の発表について
報道発表日時: 2026年8月24日 午前10時30分
名古屋城調査研究センターでは、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所、国立科学博物館との共同研究グループにおいて、名古屋城の金鯱について研究をすすめ、その成果を令和8年8月24日にJournal of the Physical Society of Japan(日本物理学会誌)にて発表しました。
この論文成果も踏まえて、新たに判明した名古屋城金鯱の歴史や製作法について、令和8年8月27日に記者会見を行いますので、お知らせします。
また、これらの研究成果を紹介するシンポウジウムおよび関連する展覧会を開催しますので、あわせてお知らせします。
1 概要
名古屋城の金鯱は、江戸時代を通じて天守にそびえていた唯一の金鯱として全国的にも有名です。尾張・名古屋の人々にとって、地元のシンボルとして身近な存在であり続けたがゆえ、真偽不明な俗説や噂もたくさんあり、なかには定説となったものもあります。名古屋城の金鯱は、昭和5年(1930)には、天守の一部として当時の国宝に指定されましたが、昭和20年(1945)の名古屋空襲で大部分が焼失してしまいました。
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所、国立科学博物館、名古屋城調査研究センターでは、この謎に包まれた名古屋城の金鯱について、残された文献資料の調査や、わずかに伝世されてきた金鯱の鱗の実物資料の分析を通して、金鯱の本当の姿を明らかにするために令和4年度より共同で調査・研究を進めてきました。その結果、下記のことが判明しました。
(1)金鯱鱗の金の品位には個体により大きくバラつきがあり、文献で記されていたように実際に改鋳が行われたと考えられること
(2)一方、江戸時代に尾張藩の財政に供するために、金鯱を鋳直したという現在の定説には根拠がなく、保存修理目的で修理・改鋳が行われた可能性が高いこと
(3)金鯱を改鋳する際などには、金鯱の金色を輝かせるため、表面に特殊な技法で処理がなされていること
このうち、(3)については、J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)において、世界最大強度の負ミュオンビームを金鯱の鱗にあてて分析し、非破壊のもと重要なデータが得られました。本分析結果については、Journal of the Physical Society of Japan(日本物理学会誌)に論文が掲載されました。
2 論文情報
- 論文タイトル
Negative-Muon Depth Profiling Reveals Near-Surface Gold Enrichment in Historical Shachihoko Scales from Nagoya Castle - 著者
Motonobu Tampo, Takahiko Kutsuna, Misako Asahi, Masashi Sakai, Keisuke Murakami, Keitaro Nihashi, Izumi Umegaki, Soshi Takeshita, Shogo Doiuchi, Akiko Hashimoto, Souta Suzuki, Koichiro Shimomura, and Yasuhiro Miyake - 雑誌名
Journal of the Physical Society of Japan(JPSJ)Letters - 掲載日
令和8年8月24日(月曜日)
論文の内容については下記の高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所のプレスリリースをご参照ください。
3 記者会見
(1)日時
令和8年8月27日(木曜日)午後1時30分から午後2時30分
(2)場所
名古屋城本丸御殿 孔雀之間
(注)オンラインでの参加も可能です。詳細はお申込み時にお知らせします。
(3)内容
上記論文の内容およびそこから提起される名古屋城金鯱の鱗の製作に関しての新たな見解について共同研究者による説明を行います。
なお、会見会場には、科学分析に用いた本物の金鯱鱗を展示いたします。
(4)会見参加予定研究者
名古屋城調査研究センター:朝日美砂子(元学芸員)、酒井将史
大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所:下村浩一郎、反保元伸
国立科学博物館:沓名貴彦
(5)取材申込
8月26日(水曜日)までにEメール(a2311700-07@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp宛)に社名、取材人数、連絡先を記載のうえお申込みください。
4 展覧会およびシンポジウムの開催
(1)西の丸御蔵城宝館開館5周年記念特別展「黄金をまとう鯱」
令和8年度は、アジア・アジアパラ競技大会が開催され、国内外の多くの観光客が名古屋を訪れることから、名古屋城を象徴する「金鯱」の特別展を開催します。全国から貴重な資料をお借りし、金鯱の歴史や江戸時代の金工品、最新の調査研究により判明した金鯱の製作法などを紹介します。
- 会期 令和8年10月1日(木曜日)から令和8年11月29日(日曜日)(会期中は無休)
- 時間 午前9時から午後4時30分(最終入館午後4時)
- 会場 名古屋城 西の丸御蔵城宝館(名古屋市中区本丸1番1号)
(注)入館には別途名古屋城観覧料1000円(市内在住65歳以上300円、中学生以下無料)が必要 - 主催 名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター、一般財団法人 名古屋城振興協会
(2)シンポジウム「名古屋城金鯱を読み解く-歴史と科学が拓く新たな地平-」
令和4年度より、高エネルギー加速機研究機構、国立科学博物館、名古屋城調査研究センター共同で実施してきた名古屋城金鯱の調査成果等について、市民の皆様に分かりやすくご説明します。
- 日時 令和8年10月25日(日曜日)午後1時から午後5時(開場は正午)
- 会場 鯱城ホール(名古屋市中区栄一丁目23番13号伏見ライフプラザ内)
- 参加料 無料
- 参加人数 500名(事前申込制、応募多数の場合抽選)
- 主催 名古屋城総合事務所 名古屋城調査研究センター
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報道発表に関するお問い合せ
観光文化交流局名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センター
担当者:瀬川、酒井
電話番号:052-231-2481
ファクス番号:052-218-5335
Eメール:a2311700-07@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp