6月定例会は、6月14日から7月1日までの18日間にわたって開かれ、補正予算、条例案や人事案件など市長提出案件16件、議員提出議案7件についての審議などを行いました。
6月定例会の日程
6月定例会の日程月日 | 会議 |
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6月14日 | 開会 本会議 市長提出案件について市長より提案説明 |
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6月19日から6月21日 | 本会議 個人質疑 議案外質問
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6月24日から6月28日 | 常任委員会 市長提出案件などについて審査 |
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7月1日 | 本会議など 市長提出案件などについて議決 閉会 |
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補正予算の撤回を承諾‐名古屋城天守閣木造復元の木材保管庫設置工事‐
名古屋城天守閣木造復元の木材保管庫設置工事に関する補正予算である「令和元年度名古屋市名古屋城天守閣特別会計補正予算(第1号)」及び「令和元年度名古屋市公債特別会計補正予算(第1号)」については、市長より撤回の申し出があり、いずれも全会一致により承諾しました。
議案の概要
名古屋城天守閣木造復元の柱、梁、土台に使用する、主要な構造部材となる木材などを保管・加工するための施設を、特別史跡外(名古屋城北側名城公園南遊園)に設置するため、400万円の予算を計上するとともに、工事が2カ年にわたるため3億1,300万円の債務負担行為を設定するものです。
ひとくちコラム 債務負担行為とは?
複数年度にわたる契約の締結などにより、翌年度以降に債務を負う内容をあらかじめ予算で定めておくものです。
撤回の承諾に至るまでの経緯
6月14日
本会議において、市長より提案説明
6月19日
本会議において、個人質疑
6月21日
文化庁に提出していた名古屋城の現天守閣の解体に係る現状変更許可申請に関し、「引き続き第三専門調査会において審議する必要があるため、本日の文化審議会において議題とならなかった」ことが明らかとなる
6月24日及び26日
経済水道委員会において、「令和元年度名古屋市名古屋城天守閣特別会計補正予算(第1号)」について審査
下記の指摘・意見を踏まえ、6月26日の経済水道委員会において、観光文化交流局より議案を取り下げたいとの意向が示される
経済水道委員会における主な指摘・意見
- 木造復元に係る現状変更許可の見通しが立ってから、木材の調達やその保管庫の設置は進めていくべき
- 木材の保管については、本当に希少なものを厳選し、それ以外はいったん売却するなど保管料を低減させる方法も考えるべき
- 工期優先ではなく、特別史跡の本質的な価値を持つ石垣の保全を優先して行うべき
- 現天守閣の解体先行によって、天守閣のない状態が何年も続く事態も考えられるため、原点に返って、解体と復元の許可申請を同時に進めていくべき
- 現天守閣の解体先行は、天守閣のない状態が続く恐れがあることを市民に知らせ、アンケートで民意をとってほしい
- 木造復元のめども立たない中、市民の憩いの場である名城公園内に保管庫を据え置くことに市民の理解が得られるのか
- 現状を踏まえ、再考が必要と市長に申し入れてほしい など
6月26日
市長より、議長に対し、両議案の撤回の申し出
7月1日
本会議において、市長より以下の撤回理由説明があり、両議案の撤回を全会一致により承諾
7月1日の本会議における市長の撤回理由説明
名古屋城の現天守閣の解体に係る現状変更許可申請につきまして、去る6月21日の文化審議会文化財分科会において許可の答申が得られず、第三専門調査会で継続審議となっているところでございます。
文化庁からは、できるだけ速やかに結論を得たい旨の発言もいただいており、臨時の第三専門調査会の開催についても日程調整を行っていただいていると伺っております。
また、今定例会における経済水道委員会での議論を重く受け止めまして、今後、竹中工務店、文化庁、地元の有識者と協議を進め、改めて再度、提案してまいりたいと考えているところでございますので、いったん延期をさせていただく趣旨で、名古屋城天守閣特別会計補正予算を取り下げさせていただきたいと存じます。
併せて、名古屋城天守閣特別会計補正予算の財源として所要の起債額を計上しておりますことから、公債特別会計補正予算を取り下げさせていただきたいと存じます。
ひとくちコラム 第三専門調査会とは?
国史跡における現状変更許可申請については、文化審議会文化財分科会において審議されますが、その中でも詳しく審議する必要のあるものについては、文化審議会文化財分科会の下に設けられる第三専門調査会で審議されます。
名古屋城の現天守閣解体に係る現状変更許可申請は、この第三専門調査会に諮られています。(7月1日時点)
Q.議案の撤回には、どんな手続きが必要なの?
A.議題となった議案を撤回しようとするときは、名古屋市会会議規則第15条の規定により、市会の承諾を必要としています。
Q.議案の撤回は、よくあることなの?
A.市長から提出された議案の撤回は、河村市長就任以降、平成21年度に2回、平成22年度に1回の計3回ありました。しかしながら、いずれも条例案などで、今回のような予算の撤回は初めてのことです。