現在名鉄名古屋本線は岐阜-豊橋間に通じている。大正6年(1917年)始めは神宮前(熱田)-笠寺間、続いて有松まで開通。当時愛電(愛知電気鉄道)と呼ばれ、この線は有松線といわれた。この計画の時、有松界隈では絞り商が土地の斡旋などをして協力した。井桁屋、橋本屋が大株主になり、笹加は取締役であった。自分の土地の中を電車が走る往時の絞り問屋の繁栄ぶりが伺い知れる。
桶狭間の武路の長池から有松裏を流れ扇川に合流する。昔から有松の人々は藍染川と呼び、上流に染め屋 (紺屋)があり、日によっては川の色が変った。
東海道の藍染川に架かる橋で有松の東の外れにあった。昔は筋違橋(すじかいばし)と呼ばれ川を斜めに渡るところから少し東海道が南北にずれていたためこの名があった。
現在街道は知立から豊明、落合を経て有松までは国道一号線に交差平行し、鳴海からは北へ離れ三王山、天白橋、笠寺観音、戸部神社、山崎川を渡り八丁畷からまた国道一号線に平行し、熱田湊跡まではほぼ辿ることができる。
有松を一望する高根山 (記念碑山)に昭和30年に日清、日露、第二次世界大戦で戦死した人を祀るため、新しく社殿を造った。「征清戯捷碑」「忠魂碑」の碑がある。桶狭間合戦のとき、この地で今川の軍勢が鳴海の善照寺砦など織田軍の動きを物見をしたといういい伝えがある。
市の民俗有形文化財に指定されている「布袋車」「唐子車」「神功皇后車」の3台の山車があり、昭和63年(1988年)に建設された。館内では3台のうち1台を交互に陳列展示している。
有松には昭和48年 (1973年)に名古屋市有形民俗文化財に指定された「布袋車」「唐子車」「神功皇后車」の3台ある。それぞれ東町 (橋東町)、中町(清安町)、西町(金龍町)の所属で庫に納められ、3町が祖先から受け継いだ宝として保管している。毎年10月の第1日曜日の天満社秋期大祭に東海道を引き廻される。「布袋車」には麾振り人形、文字書き人形、唐子人形、布袋人形の四体のからくり人形がある。また文化9年(1812年)に製作された大幕は山本梅逸下絵といわれ、正面に鳳風、右に蟠龍と亀、左に麟麟の刺繍がなされた豪華なもので、見送り幕には書家の柳沢吾市の筆による詩文が書かれ、水引幕には金糸、銀糸、色糸で雲に鶴が刺繍されている。さらにこの山車に限り夜祭り用に緋に白地で、梅鉢と橋東町と五三の桐の紋が刺繍された幕が用意されている。
「唐子車」は天保年間(1830年から1844年)に内海の豪商廻船問屋の前野小平治が、20年もかけ黒檀、紫檀などの唐木、珊瑚や象眼を使用したり、輪掛けには青貝をうめた螺鈿で造った豪華な山車を明治8年(1875年)に譲り受けたもの。人形は麾振り人形、文字書き人形、唐子人形の3体のからくり人形がある。大幕は緋の無地、水引幕は白羅紗に金糸で波に鯉の縫い取り、下がる房には珊瑚が使われている。また後ろの天井柱に沿って毛槍を二本立て、冷泉家縁の書の詞文が緑羅紗地に縫い取りされた見送り幕が特徴である。
「神功皇后車」は明治6年(1873年)に名古屋の久屋町大工久七に依頼し造ったもの。この山車の人形の最初は中国の武将の関羽、項羽の人形であったが、日清戦争後に中国の故事ではなく日本の伝説に変わり、カラクリの名工土井新七が製作した神功皇后と武内宿禰の鮎釣り人形に置き換えられた。前人形は麾振り人形、神官が御幣を左右に振ると舌をペロリと出す独特のカラクリである。大幕は緋の無地で、水引幕は渡辺崋山の次男小華の下絵になる牡丹、杜若、芙蓉、水仙の花が白地の羅紗に刺繍された見事なものである。
東海道とお天王坂の辻に常夜燈があった。天明4年(1784年)の大火後、火伏(ひぶせ)の神、秋葉社の常夜燈で町内の安全を祈願したもの。前面に秋葉山、左右には村中安全と寛政11年(1799年)己未9月吉日の銘があり、またこの付近は昔伊勢神宮の遥拝所があって、同じように太神宮と村中安全の火袋の欠落した常夜燈があり、近々昔の位置に戻される予定。(現在天満社境内)
駅前から東海道を交差して通じる坂道をいい、新しく広い道路ができて昔の面影はなくなったが、坂の途中に津島社(疫病の神様の牛頭天王)があったことによりこの名がある。またこの坂は江戸時代には高札場があった。
江戸時代の中頃から有松の人々の氏神で、元は祇園寺の境内に天神を勧請し、寛政10年 (1798年)頃寺の後山の頂上に移され、文政7年 (1824年)に現在の社殿が当時の絞り商たちの寄進により造営された。絞り商が富裕な財力で建てただけに屋根の装飾は精巧で見事なものであり、現在にもその姿を伝えている。山頂には社殿が建てられる以前に数千人の人々により捧げられた詩・歌・文章を埋納したので文章嶺もしくはフミノミネと称されている。境内には筆塚や役行者石仏があり、毎年厄年の人々の寄進により諸施設が整えられている。
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