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レジオネラ症情報

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このページを印刷する最終更新日:2024年7月19日

ページID:103182

レジオネラ症とは

 レジオネラ症とは、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)を代表とするレジオネラ属菌による感染症で、病型は重症例の多い肺炎型(レジオネラ肺炎)とポンティアック熱型に分類されています。レジオネラ肺炎では主に肺炎など呼吸器疾患を引き起こしますが、重篤化した場合に死亡することもあります。近年、患者報告数が増加傾向にあり、入浴施設等においては集団感染事例や死亡者の発生も報告されています。感染症法においては四類感染症に分類され全数把握疾患に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健センターへの届出が義務づけられています。

レジオネラ属菌

 レジオネラ属菌は土壌、河川や湖沼など広く自然界に存在する菌ですが、36℃前後で最もよく増殖することから、循環式浴槽、シャワー、冷却塔、加湿器などの温水や水が循環・停滞する設備が感染源として危惧されています。これらの設備では、循環配管等に生物膜が形成され、レジオネラ属菌が増殖する環境になりやすいためであるとされています。

感染経路

 感染経路は、レジオネラ属菌を含むエアロゾルや塵埃(じんあい)を吸入することによる経気道感染で、ヒトからヒトへの感染はありません。

病型・症状

 レジオネラ症の病型は、重症例の多い肺炎型(レジオネラ肺炎)とポンティアック熱型に分類されます。

 レジオネラ肺炎の潜伏期間は2日から10日で、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛などの症状で始まり、高熱、乾性咳、胸痛、膿性痰、呼吸困難といった呼吸器症状が現れます。また、四肢の振せん、意識混濁などの神経症状が現れることもあります。

 ポンティアック熱型は、5時間から66時間の潜伏期後、発熱、悪寒、筋肉痛、倦怠感など風邪症状を示しますが、3日から5日で回復する場合が多いです。

 レジオネラ肺炎は市中肺炎の約5%を占めていますが、症状のみで他の肺炎との鑑別は困難であるとされています。

 高齢者、新生児、糖尿病患者、慢性呼吸器疾患者、免疫不全者、多量飲酒者、多量喫煙者など、免疫力の低下した者はレジオネラ症のリスクグループであるので注意が必要です。

治療

 治療には、ニューキノロン系、マクロライド系などの抗菌薬が用いられます。

予防および設備管理

  • 家庭用加湿器のタンクの水は、毎日新しく入れ替えるとともに、タンク内を定期時に洗浄しましょう。
  • 循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂など)は、定期的に洗浄および消毒をしましょう。
  • 庭仕事や農作業などの土壌で作業をされる際は、マスクなどで鼻と口を覆い、土ぼこりなどを吸い込まないようにしましょう。

入浴設備等の管理の方法については、レジオネラ対策のページ(厚生労働省)(外部リンク)別ウィンドウで開くに指針、要領、マニュアル等が掲載されていますのでご覧ください。

名古屋市におけるレジオネラ症の発生動向

患者報告数の年次推移(2006年から2023年)

年次推移

 2023年(令和5年)のレジオネラ症の患者報告数(速報値)は名古屋市32例、全国2288例で、名古屋市では前年より患者報告数が減少しました。また、人口10万人あたりの患者報告数では名古屋市は全国を下回っています。

 なお、本年の患者報告数については、1類から5類感染症(全数把握)の発生状況をご覧ください。

性別、年齢群別報告数

性別年齢群別

 2019年から2023年までに名古屋市に患者報告のあった179例を性別、年齢群別に分類すると、男性が144例、女性が35例で男性が80%を占めています。患者の平均年齢は71.2歳で、50歳以上が95%以上を占めています。中高年の男性で患者報告数が特に多くなっています。

病型、症状の割合

病型症状

 病型は肺炎型(レジオネラ肺炎)とポンティアック熱型に分けられますが、2019年から2023年までに名古屋市に報告された179例のうち、肺炎型が96%(171例)と大部分を占めており、ポンティアック熱型は3%(6例)と少ないです。無症状病原体保有者は2例のみでした。

 患者の症状の割合では、病型のほとんどが肺炎型であることから、発熱、肺炎が約70%の患者でみられており、咳嗽は約30%、呼吸困難は約25%の患者でみられています。

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