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なごやの公害とその歴史

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ページID:177143

最終更新日:2025年2月7日

1960年(昭和35年)頃から1970年代の日本では、大規模工場の増加や自動車台数の増加などによって「空気の汚れ」や「川・海の水の汚れ」などの公害が全国各地で発生し、多くの人が健康被害や生活被害を受けました。

名古屋市内でも公害に関する苦情や相談が数多くあり、病気になる人々もいました。

公害とは

工場などの人の活動による空気の汚れなどが、人の健康や生活環境に被害を及ぼすことです。

公害には、7つの種類があります。

  1. 大気汚染:工場・自動車から出る排出ガスなどによる空気の汚れ
  2. 水質汚濁:工場から出る排水などによる川などの汚れ
  3. 土壌汚染:工場から漏れた有害物質などによる土の汚れ
  4. 騒音:工場・自動車・鉄道などによる音
  5. 振動:工場・自動車・鉄道などによる地面の揺れ
  6. 地盤沈下:地下水の汲み上げにより地面が沈むこと
  7. 悪臭:工場などから出るいやなにおい

名古屋市内であった主な公害問題

名古屋市内で発生した主な公害問題は以下のとおりです。

公害発生箇所の地図

名古屋南部大気汚染問題

名古屋市の南部地域では、臨海工業地域としての発展と国道23号の開通に伴い、1960年(昭和35年)頃から急速に硫黄酸化物による大気汚染が進行し、多くの人がぜんそくなどの病気になりました。

また、騒音・振動による健康被害も発生しました。

1975年(昭和50年)以降、窒素酸化物・硫黄酸化物・PM2.5などによる市内の大気汚染の状況は、大気汚染防止法や県・市環境保全条例による工場等の排出ガス・燃料規制、国による自動車排出ガス規制及び自動車NOx・PM法による車種規制により、改善してきています。

大気汚染の推移
南区の様子

出典:南区の公害史年表編(南区公害病患者と家族の会)

2001年(平成13年)からは、防音壁の整備や他ルートへのう回などの対策が進められています。

また、大型車に中央寄り車線の走行をお願いする「国道23号通行ルール(名古屋南部地域)」を定めて協力を呼びかけています。

国道23号通行ルール(名古屋南部地域)
年表
年代ことがら
1960年代前半名古屋南部臨海工業地域として発展。
空気の汚れが大変ひどく、南区柴田地区でぜんそくが多く発生。
1972年(昭和47年)四日市と名古屋を結ぶ国道23号が全線開通。
自動車の交通量が増加し、騒音・振動・排出ガスによる健康被害にあう人が増加。 
1989年(平成元年)名古屋南部地域の公害病認定患者が、工業地域の工場からの煙、国道1号・23号の幹線道路からの自動車排出ガスに対して、1978年(昭和53年)以前の環境基準をこえる排出ガスの差止めと、損害賠償を求める裁判を起こす。 
2001年(平成13年)から和解が成立。
国道23号沿いの防音壁の整備、伊勢湾岸自動車道へのう回などの対策。 
2014年(平成26年)から「国道23号通行ルール(名古屋南部地域)」を定めて、協力を呼びかけ。
*国道23号の最も歩道寄りの車線を「環境レーン」とし、大型車に中央寄りの車線の走行をお願いするルール。

東海道新幹線による騒音・振動などの問題

1964年(昭和39年)に開業した東海道新幹線は、最高時速200km/hで東京大阪間を3時間で結びました。

しかし、名古屋市内では住宅地を貫くように線路が設置された地域も多く、周りの住民に騒音・振動被害、高架の影響でテレビの受信障害・日照阻害などをもたらしました。

その後、裁判や話し合い経て、車両や軌道の改良、防音壁の設置等の防音対策、住宅の移転補償、防音・防振工事への助成等の対策が進められています。

新幹線鉄道騒音の推移
新幹線の走行風景

写真提供:名古屋新幹線公害訴訟原告団

年表
年代 ことがら
1964年(昭和39年)東海道新幹線が東京から新大阪駅間で開通。
1974年(昭和49年)沿線の住民が、国鉄(現在のJR東海)を相手に、騒音・振動の被害の解消と損害賠償を求める裁判を起こす。 
1986年(昭和61年)から和解が成立。
新幹線車両の改善や防音壁の設置等の騒音対策。
沿線の住宅の移転、防音・防振工事への助成等の対策。 

その他の公害

この他、鋼材製造工場による空気の汚れ・騒音・振動問題、鉄工所による騒音・振動問題といった公害も発生しました。

概要は以下資料をご確認ください。

その他の公害

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環境について学びたい方は

エコパルなごや(名古屋市環境学習センター)

エコパルなごや(名古屋市環境学習センター)は、環境について、楽しみながら体験し、考え、学ぶ施設です。

バーチャルスタジオやワークショップなどの参加型学習ができるコーナーと展示室があります。

バーチャルスタジオのプログラム「未来に伝えようなごやの公害」では、名古屋市内であった主な公害問題について、公害を体験した方(語り部)のお話を聞き、歴史を振り返ることができます。

また、展示室においても、インタビュー映像等を見ることができます。

名古屋市内の環境

名古屋市内の環境の状況については、下記リンク先のコンテンツでもお知らせしています。

テキスト「環境を守るわたしたち なごやの公害とその歴史」

小学生を対象とした公害環境学習に使用するテキストとして、「なごやの公害とその歴史」を作成しています。

全体版PDFデータはファイルサイズが大きいため、環境によってはファイルを開くのに時間がかかることがあります。

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環境局地域環境対策部地域環境対策課保全担当

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