【まちなみデザイン賞】徳川町にある 東海メディカルプロダクツ ゲストハウス

東区徳川町

筒井宣政

株式会社　宇野友明建築事務所

2021年9月

主屋：地上2 階、木造　屋敷門：地上2階、木造

重厚感のある一枚板で構築された堂々たる木組みの門と、伝統的な日本家屋の慎ましやかな様式が色濃く残された中央の主屋との対比が目を引くゲストハウスは、歴史・文化の残る徳川町のイメージに添いながら、全く新しい景観を生み出している意欲的な木造建築物となっている。今後長い年月をかけて木材が経年変化して行くにつれて、この建築はいよいよその価値と美しさを増していくだろう。

〔佐藤直木〕

主屋は、所有者の父親が昭和21 年に建築し、所有者が父親の思いとともに継承し守り続けている。戦前、宮内庁が御用邸を建築する目的で木曽地方等の御料林から集めていた木材を、戦況悪化から御用邸の建築は見送られ、所有者の父親がその一部を取得、市内の空襲に逃れたものであると伝えられている。