結核集団感染事例の発生について(令和7年11月13日)

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ページID3003217  更新日 2025年11月13日

報道発表日時: 2025年11月13日 午後3時30分

結核集団感染事例の発生について

1 集団感染事例について

  1. 概要
     令和7年7月、市内在住20代の男性が咳、発熱等を自覚し、医療機関を受診したところ肺結核と診断されました。そのため、接触者健診を実施し、これまでに同居者や同僚等から結核発病者3名、結核感染者6名が確認され、結核集団感染事例(注1)として厚生労働省へ報告したところです。なお、関係箇所の疫学調査は実施しており、市中感染のおそれはないと判断しています。
    (注1)厚生労働省の定義で、同一の感染源が、2家族以上にまたがり、20人以上に結核を感染させた場合をいい、発病者1人を6人の感染者に相当するとして感染者数を計算する(初発患者はこの計算式に含まれない)。
  2. 今後の対応
     発病者や感染者は、医療機関において治療を引き続き行います。
  3. 本市における新登録患者数及び結核集団感染事例数
    年次 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年(注3)
    新規登録患者数(人) 336 283 262 263 196
    集団感染事例数(注2)(件) 0 0 2 0 0

    (注2)初発患者が市内在住の場合を計上
    (注3)10月末速報値

  4. 報道にあたってのお願い
     今回の情報提供は市民の皆様への結核に関する啓発を目的としています。報道にあたっては、発病者等の人権尊重に十分なご配慮をお願いします。なお、個人情報及び会社名等につきましては、プライバシー保護の観点から公表しませんのでご配慮ください。

 

 

 

2 結核とは

 結核は医療や生活水準の向上により、薬を飲めば完治できる時代になりましたが、今でも日本では1日に約30人の新しい患者が発生し、7人が命を落としている重大な感染症の一つです。本市の令和6年の結核発病者は263人、結核罹患率(人口10万対)は11.3で国の8.1と比較すると高値となっており、政令指定都市の中で4番目に高い状況です。
 最初は風邪に似た症状で始まりますが、痰(たん)のからむ咳、微熱、身体のだるさなどが2週間以上続いている場合には、結核も疑い、呼吸器内科などの専門医療機関を受診しましょう。

  1. どのように感染するのか
     菌を出している肺結核患者の咳やくしゃみなどの「しぶき」といっしょに、結核菌が空気中に飛び散り、それを周りの人が直接吸い込むことで人から人にうつります。
  2. 感染するとどうなるのか
     結核菌に感染しても、結核菌が免疫力で抑えつけられ、発病するのは10人に1人から2人程度です。また、発病時期は、吸い込んだ菌の量や感染した人の抵抗力の状況より、感染後数か月から数十年先の場合もあります。
  3. 結核の治療は
     症状や身体状態によっても異なりますが、標準的な治療方法として、数種類(通常3剤または4剤)の抗結核薬を組み合わせて、6か月から1年間程度内服します。
  4. 結核から身を守るには
    ア 予防接種を受けましょう。
     結核の予防法には予防接種(BCG)があります。BCGは結核の発病を抑えるワクチンで、たとえ発病したとしても重症化を防ぐのに役立ちます。特に乳幼児では、感染してすぐに発病し、結核性髄膜炎など、命にかかわるほどの重症の結核になる恐れもあるので、生後5か月から8か月頃にBCGの接種を受けることが重要です。

    イ 年に1回胸部エックス線検査を受けましょう。
     定期的な胸部エックス線検査は、結核の早期発見、早期治療に役立ちますので、年に1回受けるようにしましょう。普段から健康的な生活を送り、免疫力を高めることも発病予防になります。
  5. 接触者健診とは
     結核患者と、長時間にわたり同じ空間を共有するなど、結核に感染する可能性のあった人(濃厚接触者)に対し、感染や発病の有無を確認するための健診を行います。

    ア 血液検査(IGRA検査)
     血液検査により、感染の有無を確認します。この検査は、感染による反応が現れる時期(感染後2か月から3か月)に実施します。

    イ 胸部エックス線検査
     必要に応じ、結核の発病の有無を確認するため、おおむね2年間、定期的に実施します。

報道発表に関するお問い合せ

健康福祉局健康部感染症対策課
担当者:楫屋、竹田
電話番号:972-2633(内線2633)
ファクス番号:972-4203
Eメール:a2631-01@kenkofukushi.city.nagoya.lg.jp