白鳥御材木場・御船蔵跡
ページの概要:白鳥公園一帯には江戸時代から続く貯木場がありました。
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熱田区内の埋もれた見どころを発掘し、紹介しています。
1610年に福島正則によって開削された堀川は、名古屋城築城の資材を搬入する中心的ルートとして利用されました。また、材料置場・船置場として大池が掘られ、これを福島正則の官名である左衛門太夫にちなみ「太夫堀」と呼んだと伝えられており、この大池周辺が白鳥貯木場の始まりです。
白鳥貯木場では余剰材が商人に払い下げられ、この地域は木材の一大集散地になるとともに、製材・木製品工業も発展しました。これらの技術の進展や木材供給の容易さなどが、近代に至って自動車などの車両や航空機の製造業発祥の大きな要因となりました。
しかし、1959年の伊勢湾台風では流木による被害が多く発生し、防災上の見地からも市外に木材港や工業地帯の建設が進められました。そして、1989年に世界デザイン博覧会白鳥会場となった後、現在は、名古屋国際会議場、白鳥公園、白鳥庭園などに利用されています。
なお、白鳥公園内には太夫堀の名を残す堀が設けられているほか、「白鳥御材木場・御船蔵跡」を示す看板が設置されています。
白鳥御材木場・御船蔵跡(白鳥公園内 太夫堀南側)
藩政時代、尾張藩領地の木曽や飛騨の山々で伐採された木材は木曽川を流送され、白鳥貯木場まで26里(約102キロメートル)300日を要したといわれています。
貯木場や堀川周辺には千軒近い木材事業者が軒を連ね、神具・仏壇・建具等の地場産業へと受け継がれる高度な木材加工技術が発展したことから、この地は「名古屋木材産業発祥の地」とも言われています。
堀川と貯木場をつなぐ水門は北・中・南の3か所あり、唯一残る中水門には、橋桁の下の庇や門扉の一部が見られ当時の面影をしのぶことができます。その水門を通じた木材の出し入れは、潮の干満の水位差を活かして、水門を開けた時の水の流れを利用していたそうです。
この中水門(太夫堀東側)をより多くの方に知っていただくため、大正・昭和時代の写真を掲載した歴史案内板が現地の白鳥公園内に設置されています。
歴史案内板「熱田区まちかど発見!」(白鳥公園内 太夫堀東側)
平成27年3月22日
除幕式を行い地域の方へお披露目をしました。
平成29年11月18日(土曜日)NHK総合で放送された「ブラタモリ」名古屋編で、タモリさんが白鳥公園に訪れました。
太夫堀や中水門の跡を見て、貯木場であった頃に思いを馳せていただけたかと思います。
訪れていただいた際は、ぜひ、歴史案内板の内容も参考にしながらご覧ください。
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