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第3章 南陽式農業スタイル

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このページを印刷する最終更新日:2016年2月5日

ページID:78339

第3章 南陽式農業スタイル

稲刈りの様子

司会:

ところで、最近変わってきているとおっしゃっていましたが、どんなところが変わってきているのでしょうか。

山田さん:

うん、今は自然環境というか気候が変わってきてて、気温が高くなってるでしょ?

これも、僕らの地域からいうと良くない。果実もそうなんだけど農作物を作るには寒暖差が大事ということが昔から言われていますね。生育過程の中でよい品物を作るためには環境への対応を含めて研究しながら行わなければならないと思う。

農業の振興をしている経済部の人たちは専門的に仕組みを考えるんだけど、やっぱり農家の人にも協力してもらうのが大事。それには、前提として「米がいい価格で売れるような体制づくり」をしていかないかんということ。こういう考えで、土地改良区は水の管理とその区画の関係の仕事を行っていただいている。

まとめると、生産者から委託をされ、作業をしながら商品化をして、少しでもお米が高く売れるような体制作りをしてくことが私たちの仕事。

司会:

今、陽娘(ひなたむすめ)の商標登録をしてみえてたりとか、いろいろと仕組みづくりをすすめていますよね。これまでは、陽娘というのはなかなか手に入らなくて「どこに買いにいけばいいの?」って聞かれるぐらいだったんですけど。

山田さん:

販売しているところはJAなごやの全支店です。支店は33店舗の中に陽娘はみな販売できるようになった。もう一つは南陽町のAコープにも置いてあるね。そういうところで一般の人に買っていただきたい。

司会:

今後は増産していこうということですか?

佐藤さん:

すぐに、とは言わないですけどね。

商標登録のこともありますが、最初の時点ではブランド米の話がカタチになって、旧南陽町農協の時代に「陽娘」という愛称が決まって、合併後もそのまま売り始めました。当初は、ほんとうに売れない状況で…。なぜかというと、当然、まずは生産圏の消費者の方に対して優先的に売ることになってるんで、限界がありますよね。それがJAなごやと合併したことによってマーケットが広がってきたんです。

陽娘のパッケージ

(画像:陽娘のパッケージ)

佐藤さん:

ターゲットは誰かと言ったら、まずはJAなごやの組合員さんになっていきます。今、発信をすすめて販売量が3,000俵近くになっており、そうなったときにブランド名の浸透を目指すと同時に模造されないように商標登録を行います。

まあ開発に費用も手間もかかりましたのでまずは、商標登録して、今は米価の価格も下がっていますから、正式に名前を登録して「JAなごやのオリジナルの商品です」としたい。パッケージも今年刷新したのでこれを機に商標登録をさせていただきました。

こういう考え方のもとで数を増やしていけたらいいなと思って動いてます。

寺西さん:

要はプライベートブランドで、「PB米」という言い方をするのですけど、JAなごやの地域でつくったお米をJAなごやが名古屋市の組合員に売るというシステムを作っているんです。

司会:

お客様は組合員中心なんですね。

寺西さん:

スーパーに一般者向けに置くとかはしてないですけど、名古屋の子どもたちに地域の米を食べていただきたいので、学校給食用にこちらの方から提供しているんです。

山田さん:

普通のスーパーで売っている米はいわゆる愛知米として売っております。

愛知経済農業協同組合連合会が県レベルであるんですけど、ここで品質を認められたものを「パールライス」として売っている。つまり愛知県下で作っている米の全体を統一した商標で売っています。ただ、私どもの「ブランド米」として、JAなごやの「陽娘」があって、特にJAなごやの組合員を中心に販売しとります。

このブランド米の基準というのが、一般的な慣行栽培と昔から農薬をいくつか使ってやっとる作業のうちで「認証された減農薬又は特別栽培によるもの」ということになった。そこで、そういう栽培の体系を作ったのが愛知経済連と20ある県下の農協です。それぞれの農協がPB米を作っているなかで、私どもでは「陽娘」、海部郡では「水郷米」とか色んな形になる。その辺の仕組みはね、一般的に聞かれると理解が難しいかな、とは思うのですけど…。

司会:

そうなのですね、先ほど減農薬栽培とおっしゃってましたけど、私がスーパーで買うときなどは何が使われているのか気になってしまうのですが…。

山田さん:

肉は特にそうですが、普通はスーパーで買うと米や野菜の一部も何が使われているのか分かるようになっています。

今はみんな生産履歴がわかるようになってますので。(笑)

南陽の農家の方

(画像:夏場に手作業で除草する南陽の農家の方)

司会:

トレーサビリティの関係で生産者の方が野菜を持ってる写真なんかを見ることがありますね。

山田さん:

共同出荷の場合はそうです。そういう条件で出荷していますからね。

寺西さん:

米に関して言えば、愛知米は豊橋から海部のほうまで大体のスーパーで売ってる。ただ、本当は自分のところで取れた米は「地域の中でできましたよ」ってPRしたいわけですよ。「丹精こめてつくった米ですから、間違いないですよ。」ってことを主張したいですよね。

司会:

何かハードルがあるのですか?

寺西さん:

実際は全国的なブランドとして売りたいんなら「愛知県の米」として出したほうが売りやすいため、ずっとそういう売り方をしていますよ。そのために大きな機械を入れて、農協から集めて、同じ商標で統制かけてスーパーに卸している。そうやって規模を大きくしないとなかなか皆さんに安く提供できないので。

こういう仕組みなんで、少し残念なことは、値段で考えるとどうしても均一化してしまうことですね。苦労してる地域の米もあれば、意外と水が簡単に入ってくるところもあったりしますけど、全部同じような価格帯になる。そういうジレンマはありますけど、やっぱり、まずは米を食べてもらうのが一番なので、頑張っています。そもそも米の消費は右肩下がりだからね。

 

次章へ続きます。第4章 米は日本の精神だ!

目次

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