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報告書(11)DV被害者への窓口対応に関する件

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このページを印刷する最終更新日:2006年9月27日

ページID:6657

ページの概要:報告書(11)DV被害者への窓口対応に関する件について

1.調査経過

調査検討は、本件の窓口として対応した区民生課担当者からのヒアリング、及びDV被害者に対する市としての相談支援システムについて児童課、保護課、男女平等参画推進室からのヒアリングによって行われた。

2.今回の対応についての問題点

(1)DV被害者の生活保護適用申請について

生活保護を適用するためには、その要保護性についての判断が必要であるが、本件の場合、居住している民間シェルターの場所が非開示のため、実地調査等を行うことができない状況にあった。そのために当該担当が保護の実施責任を負うことができず、保護対象とすることはできないとのことであった。これはDVに限らず、他のケースであっても同様で、居住地もしくは現在地を確認できることが基本となっている。
本市の実情は以上であるが、他都市の中には、DVの特殊性を考慮して、現在地の確認方法等により生活保護適用の決定をしているところもあるので、今後名古屋市においても検討する必要性もあるのではないかと考えられる。

(2)単身のDV被害女性の相談保護体制について

本件のようにDV被害女性への相談受理が積極的になされなかった背景には、単身女性についての対応策が明確に位置づけられていない現状がある。児童虐待を伴う場合は児童相談所につなぐ流れができており、母子の保護については市の関連施設として母子生活支援施設がある。しかし、婦人の保護更生は県の所管であり、県との連絡調整ということで本庁に事務分掌はあるが、窓口としての位置づけはなされていないのが実情である。売春防止法による婦人保護事業にDV被害者が対象として加わってきたが、市では生活保護法を始め既定の法律で対応しているので、婦人の保護更生という視点での相談・支援業務との認識がもたれていないようである。いずれにしても、現実に対応できる体制づくりが急務であり、そのためには福祉的支援を求めて来所する市民への対応を行う事務の分掌を明確化することが必要であると考えられる。

(3)DV対策について

DV法が改正され、福祉事務所にDV被害者の自立支援措置についての努力義務が明確化された。福祉事務所では、生活保護法を始めとする既存の法律での対応を実施しているとしても、DVについて、各区の事務分掌に入っていないために、担当職員への研修が実施されておらず、被害者(相談者)への対応は、窓口の個々の担当職員の知識、経験、スキルに依存しているのが実情であり、対応に差が出てくる可能性は問題である。

3.現状についての調査を終えて

DV被害者の支援については、緊急性及び広域保護の必要性とともに二次的被害を惹起させないための配慮の必要性などの特殊性が要求されることはよく知られているところである。どの関係部署もDVについてのそうした特殊性への認識はもちながらも、事務分掌として役割が明確化されていない現状ではDVについてだけ特別扱いはできない(区民生課保護係)という実状が調査結果から浮き彫りにされた。
また、本件のDV被害者は民間シェルターを持つ団体の支援を受けて同道の上の相談であった。窓口では相談経緯等が文書として提出されたために、改めての口頭での確認が十分になされないままに、上記のような実状による結論が伝えられたいきさつがあった模様である。そのために相談当事者及び支援者にとっては、結果の問題指摘に止まらず、複数の窓口対応についての苦情申出となったと考えられる。
これらの対応の基とするところは、母子ではなく単身女性は本来自らの職務ではない(区民生課児童係)という思いと、同道者がいてシェルターに入っている現状ではDV被害者にとって緊急ではない状態にあるとの認識があったものと推察できる。こうしたことから、DV対応について福祉事務所における事務分掌上の役割明確化と、DVの特殊性を認識できる専門的知識をもつ人員確保の必要性について、本報告とは別に、要望を意見として提出することにする。

このページの作成担当

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