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1 概要
エムポックス(サル痘)は、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる感染症です。
感染症法上の類型では、4類(動物等を介してヒトに感染し、国民の健康に影響を与える恐れがある感染症)に指定されています。
1970年にヒト感染が発見されて以来、主にアフリカの10か国程度で報告されていました。
2022年5月以降、従前のエムポックス流行国への海外渡航歴のないエムポックス患者が世界各地で報告されており、2022年7月23日、WHOは感染の拡大が続いているとして、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
その後、世界的には感染者数が減少しているとして、WHOは2023年5月11日に前述の緊急事態の終了を宣言しました。2023年5月23日時点のWHOの発表では、2022年5月以降の流行で87,000人以上の感染例が報告されています。
国内では、2022年7月25日に、エムポックスが感染症法上の4類感染症に指定されて以降初めての患者が報告され、2023年6月16日時点で累計181例の症例が確認されています。
注 2023年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」へ感染症法上の名称が変更されました。
2 症状
通常、6日から13日(最大5日から21日)間の潜伏期間後に発症します。
症状は発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが多いです。発熱1日から3日後に発疹が出現します。
多くは軽症で、2週間から4週間で自然治癒します。
3 治癒、予防法
対症療法が行われます。日本における特異的な治療薬はありません。
天然痘ワクチンが治療や予防に有効であることが示唆されています(我が国では1976年以降、天然痘ワクチンの接種は行われていません。)。また、流行地では感受性のある動物や感染者との接触を避けることが大切です。
4 感染経路
アフリカに生息するリスなどの齧歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触によりヒトに感染します。
感染した人や動物の皮膚の病変・体液・血液との接触(性的接触を含む。)、患者が使用した寝具等との接触等による接触感染や、患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露等の飛沫感染により感染します。
5 関連情報(詳細な情報は次のページをご覧ください)
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