名古屋市役所 郵便番号:460-8508 愛知県名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 電話番号:052-961-1111(代表) 所在地、地図
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- (現在の位置)粒子線(陽子線・重粒子線)治療とは
がんの治療方法
現在、中心となっているがんの治療は、1.外科療法、2.放射線療法、3.抗がん剤による化学療法の3つであり、粒子線治療は放射線療法の一種です。
がんの治療では、これらの中から治療法を選択する場合や、これらの治療法を効果的に組み合わせた集学的治療をする場合などがあります。
種類 | 外科療法 | 放射線療法 | 化学療法 |
---|---|---|---|
治療方法 | 手術でがん病巣を切除する。 | 放射線でがん細胞を破壊する。 | 薬でがん細胞を破壊する。 |
具体例 | 開胸・開腹手術 内視鏡手術 他 | リニアック(X線・電子線)治療 粒子線治療 他 | 抗がん剤 分子標的薬剤 他 さまざまな薬剤が開発中 |
粒子線の特徴
粒子線治療は、水素や炭素などの原子核を加速器で高速に加速した粒子線をがん細胞に照射する治療法であり、現在、がん治療には陽子線と重粒子線(炭素線)が用いられています。
陽子線は良好な「線量集中性」という特徴をもっています。X線は、身体表面に近いところで放射線が強く、病巣に届くまでに減弱し、病巣の後ろも止まらずに突き抜けていきます。このため、がん以外の正常組織にまで影響を与えることになります。これに対して陽子線は、任意の深さにおいて線量のピークが得られる特性を持っており、身体の表面に近いところでは弱く、病巣で急激に強くなり、病巣の後ろで止まるため、正常組織への影響を最小限に抑えて、効果的な治療ができるという優れた性質があります。
このような優れた性質を持つ陽子線治療は、治療に伴う痛みがなく、身体の機能と形態を損なわないなどの特徴があり、治療と社会生活の両立や、治療後の社会復帰に支障をきたしにくいなど、生活の質(QOL)に優れた治療法です。
さらに、身体への負担が少ないため、手術の負担に耐えられない高齢者の治療が可能であり、従来のX線では治療が難しいがんに関しても効果があります。また、病巣が重要器官に近く、手術が困難な症例にも適応できる治療法です。
陽子線治療の適応疾患
陽子線治療の治療できる主ながんとして、前立腺がん、肝臓がん、肺がん、頭頸部腫瘍、骨軟部腫瘍などが挙げられています。そのうち、条件に適合したがんが治療対象となります。
白血病など全身に広がったがんや、胃がんなどは適応ではありません。
名古屋陽子線治療センター
名古屋市では、クオリティライフ21城北において陽子線を用いた治療施設を整備して、平成25年2月より治療を開始しています。令和3年4月1日より名古屋市立大学医学部附属西部医療センターの一部門として名古屋市立大学へ運営を移管しています。
詳しくは、名古屋陽子線治療センターのウェブサイトをご覧ください。
国内の粒子線治療施設
令和6年4月1日現在、国内には、次の26箇所に粒子線治療施設があります。
- 北海道大学病院 陽子線治療センター(北海道 陽子線)
- 札幌禎心会病院 陽子線治療センター(北海道 陽子線)
- 札幌孝仁会記念病院 札幌高機能放射線治療センター(北海道 陽子線)
- 山形大学医学部東日本重粒子センター(山形県 重粒子線)
- 南東北がん陽子線治療センター(福島県 陽子線)
- 群馬大学医学部附属病院 重粒子線医学センター(群馬県 重粒子線)
- 筑波大学附属病院 陽子線治療センター(茨城県 陽子線)
- 量子科学技術研究開発機構 QST病院(千葉県 重粒子線)
- 国立がん研究センター東病院(千葉県 陽子線)
- 神奈川県立がんセンター(神奈川県 重粒子線)
- 湘南鎌倉総合病院先端医療センター陽子線治療室(神奈川県 陽子線)
- 福井県立病院 陽子線がん治療センター(福井県 陽子線)
- 相澤病院 陽子線治療センター(長野県 陽子線)
- 静岡県立静岡がんセンター(静岡県 陽子線)
- 中部国際医療センター 陽子線がん治療センター(岐阜県 陽子線)
- 名古屋陽子線治療センター(愛知県 陽子線)
- 成田記念陽子線センター(愛知県 陽子線)
- 京都府立医科大学附属病院 永守記念最先端がん治療研究センター(京都府 陽子線)
- 大阪陽子線クリニック(大阪府 陽子線)
- 大阪重粒子線センター(大阪府 重粒子線)
- 兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県 陽子線・重粒子線)
- 兵庫県立粒子線医療センター附属神戸陽子線センター(兵庫県 陽子線)
- 高清会陽子線治療センター(奈良県 陽子線)
- 岡山大学・津山中央病院共同運用 がん陽子線治療センター(岡山県 陽子線)
- 九州国際重粒子線がん治療センター(佐賀県 重粒子線)
- メディポリス国際陽子線治療センター(鹿児島県 陽子線)
粒子線治療にかかる治療費
現在、治療部位や病状などにより保険診療になる場合、保険外診療(先進医療等)になる場合があります。
保険診療の場合
令和6年6月1日時点において、下記の疾病に対する粒子線治療については公的医療保険の対象となっています。粒子線治療に係る費用、診察や検査、投薬、入院に係る費用は、国が定めた診療報酬に対し、患者さんは一部負担(3割など)となります。また、「高額療養費制度」など自己負担額を軽減する制度も設けられています。
【保険診療となる疾病】
- 前立腺がん(転移のない限局性・局所進行性のもの)
- 頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)
- 骨軟部腫瘍(手術による根治的な治療が困難なもの)
- 小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍のもの)注陽子線治療のみ
- 肝細胞がん(長径4センチメートル以上の手術による根治的な治療が困難なもの)
- 肝内胆管がん(手術による根治的な治療が困難なもの)
- すい臓がん(手術による根治的な治療が困難な局所進行性のもの)
- 大腸がん(直腸がんなどの大腸がんの手術後の再発で、手術による根治的な治療が困難なもの)
- 肺がん(早期肺がん(1期から2A期)で、切除不能のもの)
- 子宮頸部腺がん(手術による根治的な治療が困難な局所進行性のもの)注重粒子線治療のみ
疾病 | 粒子線治療に係る費用 | 自己負担額 |
---|---|---|
前立腺がん | 160万円 | 粒子線治療に係る費用 × 一部負担割合(3割など) |
頭頸部悪性腫瘍 骨軟部腫瘍 肝細胞がん 肝内胆管がん すい臓がん 大腸がん 早期肺がん |
237万5,000円 | |
小児腫瘍(陽子線治療のみ) | ||
子宮頸部腺がん(重粒子線治療のみ) |
注粒子線治療に係る費用は、粒子線治療(一連につき)、粒子線治療適応判定加算、粒子線治療医学管理加算の合算の費用になっています。施設によって粒子線治療適応判定加算、粒子線治療医学管理加算の有無により粒子線治療に係る費用が変わる場合もあります。
保険外診療(先進医療等)の場合
【例:名古屋陽子線治療センターの場合】
先進医療としての陽子線治療料は、一つの治療部位につき『288万3,000円』。陽子線治療に係る費用は保険適用外のため、全額、患者さんの自己負担となります。陽子線治療中に受ける診察や検査、投薬、入院に係る費用は、公的医療保険の対象となり、患者さんは一部負担(3割など)となります。
注施設によって治療料は240万円から350万円までとなっています。
名古屋市内に1年以上お住まいの方を対象とした患者支援制度
患者支援制度を受けられる対象者は、名古屋陽子線治療センターで、保険外診療(先進医療等)の陽子線治療を受ける名古屋市民の方です。同センター以外の施設での治療や保険診療を受ける方は対象外です。
1.陽子線治療料の減免制度
名古屋陽子線治療センターで陽子線治療を受ける市民の方について、陽子線治療料を減免します。
減免額
20万円(治療料:288万3,000円→268万3,000円)
提出書類 注名古屋陽子線治療センターで申請の受付をしています。
- 減免申請書
- 住民票
2.陽子線治療資金の利子補給制度
名古屋陽子線治療センターで陽子線治療を受ける市民の方について、患者本人やご家族が、本市と協力協定を締結している金融機関から治療費を借り受けた場合、その利子の一部を市が補助する制度です。
対象者
陽子線治療を受ける患者、患者の親族(注)または患者と同一の世帯に属する者
注親族:6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族
対象借入額
268万3,000円を限度とします。
対象利子
年利率6%を限度とします。
利子補給対象期間
5年間(60か月)を限度とします。
本市と協力協定を締結している金融機関(50音順)
愛知銀行、岐阜信用金庫、十六銀行、中日信用金庫、名古屋銀行、百五銀行、碧海信用金庫、三菱UFJ銀行
手続きの流れ(概要)
1.陽子線治療の決定。金融機関から治療費の借入(申請者)
注金融機関からの借り入れには別途、金融機関の審査を通過する必要があります。
2.市へ利子補給金の交付申請書類の提出(申請者→市)
【必要書類】
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付申請書(様式第1号)
- 金銭消費貸借契約書(写し)
- 金融機関が発行する返済予定表(写し)
- 陽子線治療を受けることの同意書(写し)
- 申請者が「患者の親族であること」又は「患者と同一の世帯に属すること」を証する書類(患者以外の者が申請者となる場合)
3.市の利子補給の審査、交付・不交付の決定、申請者への通知(市→申請者)
4.金融機関への利子等の支払い(交付決定者)
5.市へ交付請求書兼実績報告書類の提出(交付決定者→市)
注4月から翌年3月までの支払った利子の実績等を、翌年度4月末までに提出
【必要書類】
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付請求書兼実績報告書(様式第3号)
- 金融機関で発行する利子支払証明書(様式第4号)
6.市の利子補給額の確定、1年分の利子補給金の支払い(市→交付決定者)
添付ファイル
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付申請書(様式第1号) (DOC形式, 28.50KB)
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付申請書(様式第1号) (PDF形式, 105.15KB)
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付請求書兼実績報告書(様式第3号) (DOC形式, 20.50KB)
- 名古屋市陽子線治療資金利子補給金交付請求書兼実績報告書(様式第3号) (PDF形式, 93.74KB)
- 金融機関で発行する利子支払証明書(様式第4号) (XLS形式, 64.50KB)
- 金融機関で発行する利子支払証明書(様式第4号) (PDF形式, 63.79KB)


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