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BCP策定企業の事例紹介(高砂電気工業株式会社)

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このページを印刷する最終更新日:2014年3月12日

ページID:55410

BCP策定に取り組まれた企業の事例紹介(高砂電気工業株式会社)

高砂電気のみなさん

企業名 高砂電気工業株式会社
設立 1959年
業種 電気機械部品製造業
従業員数 約200名
資本金 9000万円

Q.BCPに取り組まれたきっかけは何ですか。

高砂電気のみなさんと本社3号館

 当社は以前から、サプライヤとしての供給責任を強く感じており、まずは従業員の命を守るということについて、強く取り組んで参りました。毎年一回開かれる社員総会では、社長が阪神大震災の事例を引き出してBCPの必要性を説明するなど、3.11よりも前からその意識は高かったと思います。
 一番大きな取り組みとしては、本社3号館に免震構造を導入したことです。2010年に着工し、2011年7月に竣工しました。「震度6の地震が起きても、コップの水がこぼれない」という免震構造は、従業員に安心感を与えています。
 BCPの作成についても2年前から取り組んでいましたが、わからないことがとても多く、担当する人数も少なかったのでなかなか進捗が得られませんでした。そんな時に名古屋市の専門家派遣制度の案内をいただいたので、ぜひ活用してみようということになりました。

Q.BCPの目的は何ですか。

高砂電気の宇宙向け製品

BCPは事業継続計画ですから、目的はお客様に対し供給責任を果たすことです。
私達の製品の中には、JAXAやNASAの宇宙実験装置に採用されているものから、人々の健康や環境保護のための分析や測定に欠かせない精密な部品があります。これらの製品の供給が止まると社会に迷惑がかかりますので、供給を止めないということはとても重要なことです。

 そのための手段として、

  1. 従業員とその家族の安全や生活の確保
  2. 生産設備の確保、緊急時の連絡体制の確保
  3. 材料などの確保

と続きます。

Q.どのようにBCPに取り組んだのですか。

 最初は担当一人で取り組みました。知識のインプットに1年かかり、なかなか進みませんでした。「3日講習受ければBCPができる」というセミナーにも参加したことがありましたが、全体像がイメージ出来ませんでした。また、セミナーを聞いて分かったつもりになっても、実際に自社に反映するときになると、どうしたらよいかわからなくなったりしました。

 また、BCPは知識を吸収し、プランを策定し、展開してこそ意味がありますが、一人でやっているときには、最も重要な「展開」がなかなか出来ませんでした。現在は、総務部門や安全衛生委員会、改善活動などと協力しながら進めているので、少しづつ展開が出来ています。

 会社全体のことをよく知っている人が担当になったことも大きいです。会社全体のことがわかっていると、ものごとの決定に優先順位がつけられますね。

 また、BCPに詳しい中小企業診断士に、名古屋市の専門家派遣を利用して来ていただきました。コンサルタントが来てくれるのとそうでないのは大きな違いです。助言はBCP作成に大きな力になりますし、進めて行く上での不安が払拭できます。また、社内を説得する上でも、説得力が増します(笑)。

Q.BCPを作る中で一番難しかったところはどこですか。

 どこまでやっていいかわからない、というところが本当に難しいところです。今でもそこは悩んでいます。自然災害はいつやってくるかわからないし、とても現在の状態では万全とはいえない。じゃあ、万全になる時があるのかと言えば、それがあるのかも分からない、というところですね。

Q.今後の課題は何ですか。

 まずは、年間スケジュールを明確にして、継続して取り組んでいける体制を作ることです。内容ももっと濃くしていかなくてはなりません。

 また、今回のBCPの策定にあたって、各部署へアンケートを取ったりヒアリングをしたりしましたが、その中で、従業員の意識の度合いを知ることができました。まだまだ意識の低い部分があるので、これから積極的にBCP活動を広めていきます。

Q.BCPに取り組んでよかったことは何ですか。

 最大の効果はお客様の安心感を得たことです。もちろん従業員も大地震が来ても安全な建屋が社内にあることで大きな安心感を抱いています。

 個人的には面白い仕事でした。BCPは大きな観点を持ったり想像力を働かせたりしないと出来ない仕事なので、気持ちの切り替えになりました。

 想像力という面では、よく考えるようになりました。会社がこうなったらどうなるだろう、地域だったら、家庭だったらどうなるだろうと、色々想像することで、震災に対する考え方や、自分の立場の見方が決まってきました。今回得たことで少しでも自分の知識が会社にとって役立てばと思っています。

Q.今後BCPに取り組む方々に何か一言いただけますか。

 まだ、BCPに取り組んでいない企業が多いということを聞いて、意外に思っています。とにかく早く取り組んでいただきたいと思います。いつ大災害が来るか、わかりません。

 BCPはやればやるほど、大変です。これだけやっても、本当に効果があるの?そもそも地震はいつ来るの?とも思います。絵に描いた餅だし、大変だなぁという気持ちが先行して取り組めないという気持ちもわかります。しかし、BCPは取り組めば取り組むほど、問題意識が芽生えます。ですから、とにかく始めてみることです。始めてみて、問題だと思わない、費用対効果が合わないというのであれば、やめてしまっても結構ですから、とにかく始めてみることです。きっと、何かが変わると思います。

このページの作成担当

経済局産業労働部中小企業振興課経営支援係

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