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名古屋市文化芸術推進基本条例

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このページを印刷する最終更新日:2024年6月4日

ページID:173620

名古屋市文化芸術推進基本条例について

この条例は、名古屋のまちを魅力と活力にあふれるものとすることめざして、文化芸術の推進に関する基本理念を定めるとともに、市の責務や文化芸術活動を行う者・事業者の役割を明らかにし、名古屋市の文化芸術の推進を総合的・計画的に実施するために制定されました。

名古屋市文化芸術推進基本条例の全文

 文化芸術は、人々の日常に溶け込み、生活に彩りと潤いをもたらすとともに創造性をはぐくむものであり、国際化が進展する中にあって、自己認識の基点となるものである。更に、文化芸術は、他者と共感し合う心を通じて、多様性を受け入れることができる心豊かな社会の形成に寄与するほか、新たな需要や高い付加価値を生み出すことで、質の高い経済活動の実現に寄与するものである。

 名古屋は、日本の中央に位置し、古くから、多くの街道が通る交通の要衝であるとともに、発展した港を有する舟運の拠点となっており、全国から人や物が集まった。江戸時代には名古屋城の城下町として発展し、能や狂言、茶華道など武家のたしなみとされる文化芸術が花開くとともに、町民にも芝居や踊りなどが広まった。活発な人の往来や物資の流通と、今も生きる「芸どころ名古屋」の気風は、常に新しい価値を創り出そうとするものづくり文化をはぐくみ、明治時代以降の本市の産業の発展の源泉となった。

 このように、本市において長年にわたり受け継がれた独自の文化芸術は、社会に活力を生み出し、これが更に文化芸術それ自体に活力をもたらしてきた。今後も本市が都市の求心力を高めながら、持続的に発展していくためには、文化芸術により生み出される様々な価値の重要性を十分に認識して、この文化芸術と社会との相互作用を維持していく必要がある。

 ここに、文化芸術のたゆまぬ創造を促し、併せて誰もが等しく文化芸術を享受できるような環境の整備を図るとともに、文化芸術と様々な分野との有機的な連携を促進することで、文化芸術の多様な価値を好循環させ、もって名古屋のまちを魅力と活力にあふれるものとすることを決意し、この条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、文化芸術の振興及び文化芸術により生み出される価値の関連分野への活用の推進(以下「文化芸術の推進」という。)に関し、基本理念を定め、市の責務並びに文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う者及び事業者の役割を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、もって魅力と活力にあふれるまちづくりに寄与することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 文化芸術活動を行う者 市内で文化芸術活動を行う個人又は法人その他の団体をいう。
(2) 事業者 市内で事業を営む個人又は法人その他の団体をいう。
(3) 市民等 市民(市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。以下同じ。)、文化芸術活動を行う者及び事業者をいう。

(基本理念)
第3条 文化芸術の推進は、次に掲げる基本理念に基づき行われなければならない。
(1) 文化芸術活動を行う者の自主性及び創造性が十分に尊重されるとともに、その地位の向上が図られ、その能力が十分に発揮されるよう考慮されること。
(2) 文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み、市民がその年齢、障害の有無又は経済的な状況にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができるような環境の整備が図られること。
(3) 文化芸術活動が活発に行われるような環境を醸成することを旨として文化芸術の発展が図られるよう考慮されること。
(4) 多様な文化芸術の保護及び発展が図られること。
(5) 市民等が誇りと愛着を持って継承してきた本市の特色ある文化芸術の発展が図られること。
(6) 本市の文化芸術が国内外に発信されるよう、文化芸術に係る交流の推進が図られること。
(7) 文化芸術活動を行う者に対する支援が行われるとともに、文化芸術を担う人材の育成が図られること。
(8) 文化芸術の固有の意義と価値を尊重しつつ、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業その他の各関連分野における施策との有機的な連携が図られるよう配慮されること。

(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念にのっとり、文化芸術の推進に関する施策(以下「推進施策」という。)を総合的かつ計画的に策定し、実施するものとする。
2 市は、推進施策の実施に当たっては、国、他の地方公共団体、文化芸術活動を行う者、事業者その他の関係者との連携に努めるものとする。

(文化芸術活動を行う者の役割)
第5条 文化芸術活動を行う者は、その行う文化芸術活動が文化芸術の推進に資するものであることを認識し、自主的かつ主体的に、文化芸術活動の充実を図るよう努めるものとする。

(事業者の役割)
第6条 事業者は、その実情を踏まえつつ、その事業活動を通じて、文化芸術の推進に貢献するよう努めるものとする。

(推進計画)
第7条 市長は、推進施策を総合的かつ計画的に実施するため、文化芸術の推進に関する基本的な計画(以下「推進計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、推進計画を定めるに当たっては、あらかじめ名古屋市文化芸術推進評議会の意見を聴かなければならない。
3 市長は、推進計画を定めるに当たっては、市民等の意見を反映することができるように適切な措置を講ずるものとする。
4 市長は、推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前3項の規定は、推進計画の変更について準用する。

(情報の収集及び提供)
第8条 市は、市民等による文化芸術の推進に関する取組に資するよう、当該取組に関する情報の収集及び提供を行うものとする。

(広報及び啓発)
第9条 市は、文化芸術の推進の重要性に関する市民等の理解と関心を深めるとともに、市民等による文化芸術の推進に関する主体的な取組を促進するため、広報及び啓発を行うものとする。

(関係者の連携)
第10条 市は、推進施策を実施するに当たっては、文化芸術活動を行う者、事業者その他の関係者の間の連携が図られるよう努めるものとする。

(名古屋市文化芸術推進評議会)
第11条 市長の附属機関として、名古屋市文化芸術推進評議会(以下「評議会という。)を置く。
2 評議会は、市長の諮問に応じ、推進計画及び文化芸術の推進に関する重要事項について調査審議し、その結果を市長に答申する。
3 評議会は、文化芸術の推進に関し必要と認める事項について調査審議し、市長に対し、意見を述べることができる。
4 評議会は、委員15人以内をもって組織する。
5 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、評議会に臨時委員若干人を置くことができる。
6 委員は、学識経験のある者その他市長が必要と認める者のうちから、市長が委嘱する。
7 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
8 臨時委員は、学識経験のある者その他市長が必要と認める者のうちから、調査審議事項を明示して市長が委嘱する。
9 臨時委員は、当該事項に関する調査審議が終了したときに解嘱されるものとする。
10 評議会には、必要に応じ、委員(その調査審議事項に係る臨時委員を含む。)の一部をもって部会を置くことができる。
11 前各項に定めるもののほか、評議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(財政上の措置)
第12条 市は、推進施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

附則
この条例は、令和6年4月1日から施行する。

このページの作成担当

観光文化交流局文化歴史まちづくり部文化芸術推進課企画事業担当

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