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令和5年度被災地支援リポート‐陸前高田市‐
令和5年9月22日(金曜日)
みなさん、こんにちは。
陸前高田市での勤務がはじまり、5か月が経過しました。
こちらでの業務や生活にもだいぶ慣れてきました。仕事のリズムもつかめてきて、休日など余暇の時間には、方々へ出かけることが多くなりました。
さて、今回は、私の担当している業務やこちらでの生活についてのご報告だけでなく、陸前高田市と岩手県の名所についてもご紹介いたします。
まずは、私の業務について。
5月のリポートでも触れましたが、私の所属している防災課は、職員4人のみ。この人数で市の防災業務全般を担当しておりますので、一人ひとりの担当する業務の範囲はかなり広いです。私も一年目ながら、責任ある仕事をいくつも担当させていただいており、非常にやりがいを感じております。
ご報告したい内容はいくつもあるのですが、今回は、「陸前高田市津波避難計画策定アドバイザリー会議」についてご報告します。
令和4年3月、岩手県から「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく最大クラスの津波の浸水想定が公表されました。この想定では、中心市街地も津波浸水想定区域に設定されるなど、陸前高田市においても大きな被害が予想されるものでした。これを受けて、陸前高田市では、津波から市民の命を守るため、新たな津波避難計画を策定することとしました。
この計画が実効性を伴った計画となるよう、津波対策に関する専門的な見識や豊富な経験を有する識者から意見をもらうため、設置したのが、「陸前高田市津波避難計画策定アドバイザリー会議」です。
第1回の会議を9月22日に行い、私も関わらせていただきました。
陸前高田市では、「再び津波による犠牲者を決して出さない」という強い決意のもと、津波避難計画の策定に向けて動いていきます。私も微力ながら、役に立てればと思っています。
続いて、私の生活についてご報告します。
と言っても、前回とほとんど変わりはないのですが…。あ、そういえば、夏が過ぎましたが、東北とはいえ、夏は暑いです。蒸し暑さは名古屋より感じませんでしたが、それでもクーラーなしでの生活は考えられませんでしたね。
私自身について言えば、生活に慣れてきたため、旅行によく出かけるようになりました。この5か月で東北6県はすべて回りましたが、なかでも山形県で念願だった即身仏を拝観することができたことは、私の人生の宝ですね。ちなみに、村上春樹さんの小説でも触れられていましたが、山形県は特に多くの即身仏が安置されており、日本に18体現存するうちの8体が安置されています。
毎月旅行しているのですが、まだまだ行ってみたいところが盛りだくさんです。
次は、陸前高田市、それから岩手県の名所をご紹介します。
まずは、陸前高田市から。今回ご紹介するのは、「清水の湧き口」です。岩手の名水20選にも選ばれているおいしい水の湧き口で、市民だけでなく、県内、県外からもこの水を求めてファンが押し寄せてくる有名なスポットです。
口当たりがまろやかで、そのまま飲んでももちろんおいしいのですが、料理やコーヒー、お酒が好きな人だと水割りなんかにも使うと、世界が変わります。
私もこの水でコーヒーを淹れてみたのですが、普段飲んでいるのとはまた別の新たな扉が開けました。雑味やえぐみがさっぱり奥に引っ込み、心地よい苦みと甘み、そしてコクが表現された極上の一杯となりました。
あと、あまりのおいしさに何杯もおかわりしていたら、夜眠れなくなりました。
清水の湧き水(橋の上にて)
清水の湧き水(飲み場付近)
続いてご紹介するのは、岩手県の名所。今回は、世界遺産「橋野(はしの)高炉(こうろ)跡(あと)」(世界遺産登録名は、橋野鉄鉱山)です。ここは、岩手県釜石市に位置し、陸前高田市からは、約一時間のドライブで到着します。
橋野高炉跡は、現存する日本最古の洋式高炉跡で、今から165年前の1858年ごろ(江戸時代、幕末ですね)に建設されました。幕末、欧米の脅威に対抗するため、鉄製の大砲が必要になり、日本各地に反射炉がつくられましたが(中部地方だと、静岡県に韮山反射炉がありますね)、橋野高炉では、鉄鉱石を溶かし、その材料となる鉄をつくっていました。現在では、3基の高炉跡が見られますが、こういう人類の英知と努力の結晶を見ていると、胸が熱くなりますね。僕らも心に高炉を持っているんですね!
早いもので、既に年度の半分が過ぎようとしています。少しでも陸前高田市の復興と発展に貢献できるよう、心の高炉に火をくべて、鉄の意志で業務に臨みたいと思いました。
橋野高炉跡
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