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令和2年度被災地支援リポート‐陸前高田市‐
令和3年1月8日(金曜日)
みなさん、こんにちは。昨年度から陸前高田市復興局市街地整備課に配属されている職員です。
12月14日、朝起きたら外は一面の銀世界、今シーズン初めての雪でした。また、1月9日には最低気温が△10.6℃になり、今シーズン最低を記録しました。今年は、寒い冬になりそうです。12月14日朝、派遣職員宿舎駐車場の様子
さて、私は、今泉地区の土地区画整理事業を担当しています。
今泉地区は、気仙川(2級河川)の右岸に広がる地域で、江戸時代には、仙台藩の代官所が置かれ、この地方の行政の中心で、藩政期からほとんど変わらない町割りと、明治期以来の古い商家が立ち並ぶ重厚な街並みが残っていた地域でしたが、東日本大震災によりほぼ全ての建物が全壊し、壊滅的な被害を受けた地域です。
現在、震災からの早期復興を図るため、約112ヘクタールのエリアで土地区画整理事業により宅地整備や道路・公園などの公共施設の整備を行っています。
区画整理事業の進捗状況ですが、道路・公園の整備がおおむね完了し、1月末までにはすべての宅地の引渡しが終了する予定です。
現在、令和3年度に換地処分ができるよう準備を進めています。
また、11月21日には、新国道45号が開通し、さらに12月16日には、東日本大震災で橋桁が流出した姉歯橋の復旧工事がほぼ終わり(歩道の舗装など一部工事が残っていますが)開通しました。
この姉歯橋の開通により、今泉地区から高田地区の中心市街地へ最短でつながり、9年9か月ぶりの利用再開となりました。
開通した国道45号
開通した姉歯橋。
さらに、今泉地区のかさ上げ部に、“食と健康、楽しさの発信基地「発酵パーク・カモシー」”が昨年12月17日にオープンしました。飲食、物販など発酵をテーマとする店舗が入っています。
主な店舗
- 毎日食べたくなるパン屋「BAKERY MAaLo(ベーカリー・マーロ)」
- 発酵食品を使ったおひつ膳と甘味「発酵食堂 やぎさわ」
- 世界中の発酵食品のお店「CAMOCY 発酵 MARKET」
- 世界初の薬剤師が手がけるbean to bar チョコレートの製造・販売「CACAO broma(カカオブローマ)」
- クラフトビール醸造所・ショップ「RIKUZENTAKATA MICROBREWERY(陸前高田マイクロブルワリー)」
- 発酵食品を使ったお弁当と惣菜「gentil(ジャンティ)DELI and BENTO」
開店した「発酵パーク・カモシー」
今泉地区土地利用計画図
公共施設の整備
現在、今年度末完成を目指し、市役所新庁舎、博物館の建設を行っています。
これらの建物が完成すると、東日本大震災で被災した公共施設の復旧工事がすべて完了することになります。
市役所の新庁舎は、1誰にもやさしい、利用しやすい庁舎、2災害時における行政機能の継続、3地球環境に配慮した庁舎などの基本方針のもと整備を行っています。
3月までには建物が完成しますが、新しい庁舎への引越しはゴールデンウィークに行う予定です。
【施設の概要】
- 敷地面積:約 13,000平方メートル
- 構造:地上7階、鉄筋コンクリート造(免震構造)
- 建築面積:約1,300平方メートル、延床面積:約 6,000平方メートル
- 駐車場:120台(来客用)
- 事業費:約50億円
令和2年2月24日撮影
令和2年8月6日撮影。
令和2年12月20日撮影。
陸前高田市のまちづくり
東日本大震災により、岩手県内で最大の被害を受けた陸前高田市では、現在「ゼロからまちをつくりあげ、持続可能な社会を目指す」という、世界でも例のない挑戦をしています。
- まちづくりの総合計画
平成30年度に震災復興計画期間が満了することから、市勢発展のため、陸前高田市震災復興計画を継承し新たな総合計画となる「陸前高田市まちづくり総合計画」を平成31年3月に策定しました。
陸前高田市街づくり総合計画
- まちの将来像
特徴的な拠点が半径1km以内に集積し、新交通で結ばれ、多様でコンパクトな市街地の形成を目指しています。
まちの将来像
- 4つの主要なプロジェクト
「高田松原津波復興祈念公園」、「高田松原運動公園」、「農業テーマパーク・オーガニックランド」、「レッドカーペットプロジェクト」
4つの主要なプロジェクト
- 中心市街地
市の中心として、市民の生活と来街者の交流を両立する拠点を目指しています。
中心市街地
- 今泉地区
歴史を活かした特色あるまちづくりを目指しています。
今泉地区
まちづくりの課題
- 土地利活用の促進
復興事業で整備した高田地区および今泉地区では、特色のあるまちづくりをすすめていますが、かさ上げ部において土地の更なる利活用を促進するため、地権者と土地利用希望者とをマッチングする「土地利活用促進バンク制度」を設けています。
土地利活用促進バンク
また、土地区画整理事業で整備した土地を利活用される方を支援するため「土地利活用促進バンク」を利用して家を建てると固定資産税相当額を地域共通商品券で助成する「土地利活用促進助成事業」を設けています。
対象となる土地及び家屋の固定資産税相当分を「陸前高田地域共通商品券」 で支給する制度で、年間20万円を上限とし、5年間で最大100万円を助成する制度です。陸前高田市の魅力
大野海岸
高田松原
大野海岸は、2018年に8年ぶりに海水浴場(広田海水浴場)としてオープンしました。また、高田松原は、今年海水浴場として、11年ぶりにオープンする予定です。
髙田松原には、かつて約7万本の松がありましたが、震災により「奇跡の1本松」を残しすべて流出しました。現在、松林の再生に向け、植樹を行っています。今年の春ごろまでには4万本の松の植樹が完了する予定です。
箱根山
展望台から広田湾を望む
子供たちの遊び場
震災後につくられたカフェ
中腹には展望台があり、広田湾も大船渡湾も一望できます。震災時には、広田湾からの津波と大船渡湾からの津波が陸(広田半島)を超えてぶつかりました。
震災後には、カフェも作られ、大自然の中、テラス席で安らぐ事が休日の楽しみのひとつです。箱根山は、震災前と変わらない地元の方の憩いの場所です。
気仙川
川面を泳ぐハクチョウ
気仙川は、住田町高清水山(たかすずやま:標高1,013.9m)を源流とし、広田湾にそそぐ延長44Kmの2級河川です。
上流はアユやヤマメ、下流はウグイやハゼが多く生息しています。7月にはアユ釣りが解禁され、県内外から大勢の太公望が訪れます。10月にはサケ漁が始まり、運が良ければサケが遡上する姿が見えるかもしれません。
また、冬には、ハクチョウが越冬のため陸前高田にも飛来します。気仙川の川面にハクチョウが泳いでいる姿を見ることができます。
晩夏の夕日
晩夏の夕日
陸前高田市の中心市街地では、晩夏に美しい夕日を見ることができます。 刻一刻と変わる夕日は、これまで見たことがない色を作り出します。
地元の方によれば、この空の色は震災前と変わらない、数少ない昔からの景色ということです。
このように、陸前高田市は、海、山、川など豊かな自然に囲まれたまちです。
豊かな自然に恵まれた地域での生活を考えている方、起業を考えている方、「奇跡の一本松」がある陸前高田市も候補のひとつに考えてみてはいかがですか!!
奇跡の一本松
- 土地利活用に関する問い合わせ先
【市役所】
陸前高田市建設部都市計画課計画係
電話番号:(0192)54-2111
内線302
電子メールアドレス:tosikei@city.rikuzentakata.iwate.jp
【まちづくり会社】
陸前高田ほんまる株式会社
電話番号080-2842-0209(代表)
電子メールアドレス:rt.honmaru.rcp@gmail.com
令和3年1月25日(月曜日)
こんにちは。令和2年4月から陸前高田市観光交流課に派遣されている職員です。
陸前高田市へ派遣され、まもなく10か月が経過します。私はこの間、陸前高田市で生活するなかで、陸前高田市には多くの魅力があるということを数多く実感してきました。それは、ここで暮らす中で時間をかけ徐々に、そして深く知るようになったからだと考えています。しかし、このリポートを読んでいただいている皆様が、私と同じように1年とはいかないまでも、1か月以上、こちらで生活するという機会はなかなかないでしょう。そこで、今回のリポートでは、短い旅行期間でも陸前高田市の魅力をより深く知っていただく方法として最適な、「パークガイド」をご紹介いたします。
現在、観光交流課では、令和3年度からの運用開始に向け、高田松原津波復興祈念公園ガイド(通称「パークガイド」)の養成を進めています。これは、令和3年度の高田松原津波復興祈念公園の整備完了に合わせ、公園内で陸前高田市の地域特性、東日本大震災の経験・教訓、復興・まちづくり事業の経過などを適切に伝えることのできるガイドを養成するものです。
高田松原復興祈念公園 案内看板
高田松原津波復興祈念公園 現在のようす
「海を望む場」から「タピック45」方向を撮影したものです。左端に見えている通路より右側はまだ整備中で、ほとんど立入禁止エリアです。なお、公園全体は案内図の上側の図のとおりで、とても広いです。
養成講座は、旅行者の受け入れのマナーやおもてなしなどの心構えに関することに始まり、陸前高田市の地理、歴史、文化、産業、特産品等に関すること、東日本大震災の被害状況や復興事業に関すること、旅行者の移動・宿泊の円滑化に関することを習得する内容になっています。また、現場実習をとおし、それらをお客様にわかりやすく伝える技術も学びます。講義終了後には認定試験があり、それに合格することで晴れてパークガイドとなり、お客様を案内できるようになります。養成講座のようす
主に平日の夜間、受講生同士距離をとって密にならないように受講しています。欠席者の補講用に講義の様子はビデオで撮影し、確実にカリキュラムを受講してもらっています。陸前高田市のことを知り尽くした市職員による講義や、外部講師からガイドのスキルを学ぶ講義もあり、受講生のまなざしは真剣です。
これまでも震災の語り部ガイドさんなどが震災時の様子を語り、防災・減災の教訓を伝えてきましたが、今回のパークガイドの特徴はタピック45(旧道の駅高田松原)及び気仙中学校の2つの震災遺構の内部を適正に案内できるようになることです。
震災遺構「タピック45」
耐力壁までも破壊されたことから、津波の威力を伝える遺構です。震災遺構もそうですが、復興祈念公園の整備も進行中です。
震災遺構「気仙中学校」
日ごろの学習と訓練の結果、犠牲者を一人も出さなかったことから、防災教育の重要性を伝える遺構です。こちらも整備中です。
震災遺構とは震災の記憶の風化を防ぎ、後世に教訓を伝えるため取り壊すことなく、保存されている建物等のことで、被災市町村各地にあり、外観だけを見学するもの、内部に入って見学できるものなど、さまざまあります。陸前高田市では令和3年度に2つの施設の内部を見学できるように整備を進めています。震災遺構は津波の脅威を直接伝えるため、できる限り、被災当時のままでの保存を進めています。危険個所もあり、内部の自由見学はできませんが、パークガイドの管理のもとであれば見学していただくことができます。目の前で見る破損した建物の爪あとや、パークガイドの言葉で伝えられた震災当時のエピソードからは、津波の脅威を強烈に感じ、その後の防災意識の向上に役立てていただくことができるでしょう。
観光交流課では、震災後10年の復興創生期を終え次の段階へ移っていくなか、震災を風化させずその教訓を後世に伝えていくために、パークガイドによるガイドを重要な事業と位置付けています。有料ガイドとなる予定ですが、その分、満足度の高い内容をご提供できるように準備をしています。
陸前高田市へお越しになる際は、ぜひ、パークガイドを活用していただければ、震災から復興までの道のりを知識としてだけではなく、パークガイドの言葉により疑似体験していただけると思います。
また、陸前高田市はこの数年で市内の街並みや施設だけでなく、産業や観光分野でも大きく変わっています。この先もしばらくは進化し続けますので、パークガイドによる案内で四季折々の最新の情報を受け取り、まるで、長い間陸前高田市で暮らしている地元の方ならではの楽しみ方で満喫していただけると思います。
アフターコロナの際は、ぜひ、陸前高田市へ足を運んでください。
黒崎仙峡の初日の出
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