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令和2年度被災地支援リポート‐陸前高田市‐
令和2年11月16日(月曜日)
陸前高田市復興局市街地整備課、今泉地区の区画整理担当です。
11月、立冬を迎え少しずつ寒くなってきました。内陸の岩手山では、初冠雪の報道も聞こえてきました。陸前高田市など沿岸部は、降雪量が少ないのですが、今年はどのようになるか・・・?
さて、今泉地区の区画整理事業は、7月19日かさ上げ1、9月6日かさ上げ3の宅地の宅地引渡しを行いました。残りは、かさ上げ12、平地部の引渡しを12月から年明け1月に行います。また、公園、緑地、避難路が12月末の工事完了後、市役所内部の管理者引継ぎを行い完了予定です。
今泉地区土地利用計画
今泉地区内で、去る7月24日に造成前の愛宕山山頂にあった「愛宕神社」が再建され例祭が行われました。この再建された社は、旧御園座にあったものだそうで、それを名古屋錦ロータリークラブが補修・寄贈したものです。
愛宕神社
愛宕山
また、旧気仙中学校と旧道の駅タピックも震災遺構として、内部見学が出来るよう改修工事が始まりました。来年度、見学できるようになるそうです。
高台から旧道の駅や旧気仙中学校を望む景色
旧気仙中学校
旧道の駅高田松原、東日本大震災津波伝承館
10月31日土曜日のお昼に、名古屋市の中学生が「絆協定」で陸前高田市を訪れました。陸前高田市の中学生との交流を深め、また津波被害、復興事業、産業等、この町のことを勉強していってくれたでしょう。
名古屋市と陸前高田市の中学生の交流事業の様子1
名古屋市と陸前高田市の中学生の交流事業の様子2
そして同じ日に、三陸花火大会が開催されました。高田松原運動公園をメイン会場に、高田松原防潮堤で約1万発が打ち上げられました。
三陸花火大会
報告内容は変わり、岩手県立高田高校女子バレーボール部が春高バレー岩手県予選で優勝しました。全5試合1セットも取られないストレート勝ちです。7年ぶりの出場ですが、平成30年には、インターハイにも出場しています。
名古屋の皆さん、新年1月5日から開催される春高バレー、愛知県代表とともに応援しましょう。
陸前高田市役所で掲げられた横断幕
令和2年11月24日(火曜日)
こんにちは。陸前高田市防災局防災課に派遣されている職員です。
派遣開始から、早くも半年が過ぎました。本当に気づいたらもう11月という感覚で、あっという間に過ぎてしまったように感じます。
今回は、先日実施致しました、防災分野における名古屋市民交流団派遣事業について、報告したいと思います。
東日本大震災から10年という節目を迎え、我々名古屋市と、陸前高田市との今後の関係において、これまでの「支援」から「交流」へとシフトさせていくべく、今年度はその足掛かりとして、「防災」「スポーツ」「産業」「文化」という4つの分野において、名古屋市民と陸前高田市民との交流を図ることとなりました。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、事業自体の実施が危ぶまれ、各分野のできる範囲でやっていこうということで、私が担当する防災交流も、できる限りの対策をしたうえでの実施となり、名古屋からは防災ボランティアの方等33名の市民が参加しました。
私が携わった、交流2日目の午前中には基調講演ということで、陸前高田市防災課の中村課長、戸羽市長、震災当時に市立米崎中学校で校長先生をされていた阿部さんから、講演をしていただきました。震災当時の大変な状況や体験談は、胸にグッとくるものがあり、少しでも、悲しみを減らせるように、いかに日頃からの備えが大切であるかを学ぶことができました。名古屋から参加された方の中からは、鼻を啜るような声も聞こえ、講演していただいたお話は胸に響いているように感じました。陸前高田市防災課 中村 吉雄 課長
元米崎中学校校長 阿部 重人 先生
陸前高田市 戸羽 太 市長
震災時、市長としての責任と一個人としての思いとの葛藤などについてお話しいただきました。
午後からは、今回のメインである、名古屋市民と高田市民との交流ということで、本来であれば、陸前高田市からも名古屋と同じくらいの方にも参加していただきたかったところでしたが、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク等を踏まえ、年齢等を限定した上で、参加者を募集したところ、10人の陸前高田市民の参加となりました。
交流会では、密を避けるため、ワークショップ形式の交流を中止し、両市それぞれ2名の代表者に日頃の防災活動事例や、震災の体験談等を発表していただき、発表を踏まえての参加者の皆さんからの質疑応答等意見交換を通して、交流してもらいました。
陸前高田市の発表者の震災当時の避難所での生活、支援活動などのリアルな話を聞き、有事のために日頃からどんなことを意識しておくべきなのか、また、どんなに準備をしていても、想定どおりにいくとは限らないということを深く学ぶことができました。意見交換会の様子1
意見交換会の様子2
意見交換会の様子3
意見交換会のあとは陸前高田の観光スポットの一つである道の駅から高台までの避難路を歩いていただき、海岸の近くに行くときには、万が一の際にどこに逃げればよいか確認しておくことの重要さ、自分の足で安全な場所まで避難するのに、どれくらいの時間が掛かるのかを実際に体験していただきました。
津波避難体験の様子
名古屋から参加された方々は、日頃からボランティアとして、積極的に活動してくださっている意識の高い方々ですが、実際に大きな被害を受けた陸前高田に来て、当時の状況を肌で感じ、さらに防災意識を高めるきっかけになったのではないでしょうか。
私は、本来市民交流とは役所を介さず、市民団体同士や個人がすることと考えます。今回その一歩として両市役所同士が「交流」をコーディネートしましたが、いずれは本当の意味での交流が活発になり、お互いWin-Winの関係となれればと思っています。 間もなく2020年も終わりを迎え、年が明ければ残りの派遣期間があっという間に過ぎていくと思いますので、やり残しが無いよう、一日一日を大切に過ごしたいと思います。
令和2年11月30日(月曜日)
こんにちは。4月から陸前高田市観光交流課に派遣されている職員です。
陸前高田に来て8か月が経過しました。本来であれば、夏は七夕まつりや盆踊りに彩られる幻想的な夏の夜、秋は産業まつりや各地域の鮎まつり、大漁まつりといった食の恵み豊かな秋、になるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症防止対策のため、すべて中止となりました。観光交流主査としても、陸前高田のアクティビティを知識でしか知らない、けれどそれでも観光や交流の推進をしなければならない、という状況を心苦しく思う時もありました。「結局見たことないんだろ、何がわかるんだ」と言われればそのとおりです。
一方で、岩手県の新型コロナウイルス感染状況は、10月末時点で27例だった新規感染者数の報告が11月29日公表時点で191例に激増という状況となりました。陸前高田市内での新規感染者はこの原稿を書いている時点(11月30日)でいまだ報告されていませんが、感染状況の収束が見通せない状況に変わりはありません。しかし、そのような状況下でも、陸前高田市ではまちの新たな胎動が起こりつつあります。
今泉地区というところで、商業施設「CAMOCY(カモシー)」の建設が進んでいます。この地区は地名が示すとおり、地下水がこんこんと湧き出ており、江戸の時代から醸造業が盛んでした。その伝統を土台に、発酵をキーワードとする食やサービスを楽しく美味しく提供する施設です。現在パン、チョコレート、クラフトビール、惣菜、飲食店等7店舗の入居が決まっている他、キッチン付のアトリエ/テラスも用意しており、ポップアップストアやワークショップ等、自由に利用できるスペースも準備、提供します。12月にはオープンする予定です。
CAMOCY(建設中)の外観
続いては、日本初のオーガニックテーマパークである「陸前高田市農業テーマパーク・オーガニックランド」です。循環型エネルギー、有機農業等、「命のつながり」をテーマとし、令和3年3月の一部開業を目指しています。農業・加工・販売の6次産業や自然エネルギーの活用、水の循環などを行うモデルエリアを令和2年度に着工した他、新国立競技場等を設計した隈研吾氏による日本最大級の自然共生型野外音楽堂の設計も進む等、約23haという広大な土地における整備が進みつつあります。
オーガニックランドオープンの案内看板
全壊した陸前高田市立博物館の再建も中心市街地において進んでいます。同じく被災した「貝と海のミュージアム」との合築とし、令和2年度末の完成をめざし整備を進めています。展示では、5億年前に赤道直下の大陸の一部として誕生した陸前高田の「大地の成り立ち」、水産日本のルーツと称される三陸沿岸の縄文貝塚にみる漁撈文化とそれを支えた「奇跡の海三陸」など11のコーナーでさまざまな陸前高田の自然・歴史・文化を総合的に発信していく予定です。
また、館内で学芸員らが標本などの資料を修復したり管理するための「作業室」を一部ガラス張りにし、博物館再建後も続く被災文化財の保存修復作業の様子を見られるようにするなど、「文化財レスキュー」の過程や構築された「安定化処理」技術を発信、市内外の方々に知っていただく施設となる予定です。
陸前高田市博物館(建設中)の外観
中心市街地に開業予定の店舗
工事が各所で進む中心市街地の様子
三陸花火大会の模様(影になっているのは松原総合運動公園のナイター照明)
この街で日々過ごしていると「今日から3年、5年経ったら、もう一回陸前高田に来てほしい。復興が進んで、もっといい街になっているから」という、私がとある被災者の方から聞いた言葉を思い出します。この言葉には、震災、津波の被害から粘り強く復興を進めてきた陸前高田の人々の力強さをひしひしと感じます。10年経って切りよくすべてが完成するわけではありませんが、陸前高田の人々は、この先も逞しく着実に歩みを進めていくことと思います。
あと4か月という僅かな派遣期間でできることは限られていますが、陸前高田市の人々の力に少しでもなれるよう、日々職務に精励したいと思います。追記:ご紹介した商業施設「CAMOCY(カモシー)」が、12月17日無事オープンしました。オープン初日に見学に行きましたが、当日は陸前高田でめったに見られない雪模様にもかかわらず、多くの方々が訪れ、ショッピングや食事を楽しんでいました。醸造業が盛んだったこの地区の伝統と、体にやさしいというコンセプトの下、味噌や醤油、麹の発酵食品を使った料理を提供する食堂や惣菜店、クラフトビール醸造所、ベーカリー、オーガニックチョコレート工房といった店舗が入居。店内も地元産の木材を活用し、暖房も薪ストーブとするなど、環境にも配慮しています。陸前高田にまた一つ新たな魅力拠点が生まれたことを実感しました。
商業施設「CAMOCY(カモシー)」の外観
商業施設「CAMOCY(カモシー)」の店内の様子。家具も地元財産を使用。
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