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令和2年度被災地支援リポート ‐陸前高田市‐ 8月分の記事

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このページを印刷する最終更新日:2020年8月21日

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令和2年度被災地支援リポート‐陸前高田市‐

令和2年8月7日(金曜日)

 みなさん、こんにちは。昨年度から陸前高田市復興局市街地整備課に配属されている職員です。

 

 東北北部では、まだ梅雨が明けていません。今年は、梅雨明けの発表が見送られるようです。すっきりしない天候が続いていますが、最高気温も30度を超える日もみかけるようになってきました。

 名古屋と違い、夏でも35度を超える日はほとんどなく、最低気温も22度前後なので、過ごしやすい日々を過ごしています。

 

 さて、私は、今泉地区の土地区画整理事業を担当しています。

 今泉地区は、気仙川(2級河川)の右岸(西側)に広がる地域で、江戸時代には、仙台藩の代官所が置かれ、この地方の行政の中心で、藩政期からほとんど変わらない町割りと、明治期以来の古い商家が立ち並ぶ重厚な街並みが残っていた地域でしたが、東日本大震災によりほぼ全ての建物が全壊し、壊滅的な被害を受けた地域です。

 

 現在、震災からの早期復興を図るため、約112ヘクタールのエリアで土地区画整理事業により宅地整備や道路・公園などの公共施設の整備を行っています。

 区画整理事業の進捗状況ですが、昨年度末までに9割程度の宅地の引渡しが終了しています。

 7月19日には今年度初めての宅地引渡し会を行い、かさ上げ1のエリアで宅地の引渡しを行いました。写真は引渡し会の様子を写した写真です。

かさ上げ1引き渡し会場の様子

【かさ上げ1引き渡し会場】

宅地引渡し会の様子

【宅地引渡し会】

現在、12月までに残りの宅地の引渡しを行うため、造成工事や道路の工事などを行うとともに、公園・緑地や津波警報が発表された場合に高台に避難するための避難路の整備を行っています。

 平成30年度3月に宅地の引渡しを行った高台7に整備した公園です。
完成した2号公園の写真

【完成した2号公園(三本松公園)】

 令和2年7月19日に宅地の引渡しを行ったかさ上げ1に整備中の緑地です。
整備中の20号緑地の写真

【整備中の20号緑地】

 災害公営住宅から高台4へ避難するために整備した避難路です。
完成した避難路の写真

【完成した避難路】

 整備中の国道45号から今泉地区高台5へ行くことができる避難路を整備しています。

 奥にみえるのが、震災遺構の気仙中学校、新しく整備された気仙川水門、広田湾です。

整備中の避難路の写真

【整備中の避難路】

 また、今年の3月14日には、今泉地区高台にBRT大船渡線の駅として新しく陸前今泉の駅が新設されました。

 盛(大船渡)方面が1日7本、気仙沼方面が1日6本運行されています。写真は新設された陸前今泉の駅と運行されているBRTのバスです。

 いずれも赤を基調としたものとなっています。

陸前今泉駅の写真

【陸前今泉駅】

BRTバスの写真

【BRTのバス】

*「BRT」とは、バス・ラピット・トランジットの略で、連結バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムのことです。

公共施設の整備

 昨年度には、高田小学校,国営追悼祈念施設・東日本大震災津波伝承館・道の駅高田松原が、今年度に入り、今泉地区コミュニティセンター、市民文化会館がオープンし、8月8日には高田松原運動公園の完成記念式典が開催されました。

完成した市民文化会館(奇跡の一本松ホール)

 8月22日には、開館記念コンサートが開かれ、歌手の鳥羽一郎さんらが出演します。当初は、4月11日に名古屋フィルハーモニー交響楽団が出演する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止されました。

 また、8月30日にはNHKのど自慢の公開収録が行われ、9月6日に放映される予定でしたが、こちらも中止になりました。


【施設の概要】

  • 敷地面積:約14,000平方メートル
  • 構造:鉄筋コンクリート(一部鉄骨造)および木造3階建
  • 建築面積:約3,700平方メートル
  • 延床面積:約3,600平方メートル
  • 座席数:640席(固定席625席、車イススペース8区画、親子席7席)
  • 事業費:約29.8億円
工事中のホールの写真

【ホールの工事中の写真】
(令和2年2月12日撮影)

完成後のホールの様子

【ホールの完成後の写真】
(令和2年7月28日撮影)

高田松原運動公園

  6月6日に第一野球場など一部の施設を除いて供用が開始されました。完成記念式典は、新型コロナウイルスの影響で、ようやく8月8日に開催することができました。

 当初は、6月13日に東北楽天ゴールデンイーグルスと横浜DeNAベイスターズとの2軍の公式戦が開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。

【施設の概要】

  • 敷地面積:約21ha
  • 第一野球場(楽天イーグルス奇跡の一本松球場)
    両翼99m、センター122m、天然芝、最大収容人数約4,500人
  • 第二野球場
    両翼90m、センター115m、天然芝
  • 屋内練習場
  • 第一サッカー場
    人工芝、11,800平方メートル、観覧席1,700人
  • 第二サッカー場
    天然芝、14,960平方メートル
  • 駐車場
    990台
  • 事業費:約46億円
高田松原運動公園施設概要の図

【高田松原運動公園施設概要】

第一球場のスタンドの写真

【第一球場のスタンド】

第一球場の電工掲示板の写真

【第一球場の電光掲示板】

第二サッカー場の写真

【第二サッカー場】

 現在、今年度末完成を目指し、市役所新庁舎、博物館などの建設を行っています。これらの建物が完成すると、東日本大震災で被災した公共建物の復旧工事がすべて完了することになります。

市役所新庁舎

 市役所の新庁舎は、1.誰にもやさしい、利用しやすい庁舎、2.災害時における行政機能の継続、3.地球環境に配慮した庁舎、などの基本方針のもと整備を行っています。

【施設の概要】

  • 敷地面積:約13,000平方メートル
  • 構造:地上7階、鉄筋コンクリート造(免震構造)
  • 建築面積:約1,300平方メートル、延床面積:約6,000平方メートル、
  • 駐車場:120台(来客用)
  • 事業費:約50億円
建設中の市役所新庁舎の写真

【建設中の市役所新庁舎】
(令和2年2月24日撮影)

建設中の市役所新庁舎の写真

【建設中の市役所新庁舎】
(令和2年8月6日撮影)

博物館

 博物館に展示されるものは、ほぼ全てが津波被害を受けたのちに修復された収蔵品です。「文化財レスキュー」や「安定化処理」技術の構築など、多くの支援を受けて復興を遂げたことも来館者に知ってもらう施設になる予定です。

【施設の概要】

  • 敷地面積:約6,600平方メートル
  • 構造:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)2階建て
  • 延床面積:約2,800平方メートル
  • 建築費:約18.7億円
建設中の博物館の写真

【建設中の博物館】

建設中の博物館の写真

【建設中の博物館】

公共施設等整備箇所の図

【公共施設等整備箇所図】

令和2年8月17日(月曜日)

 こんにちは。令和2年4月から陸前高田市観光交流課に派遣されている職員です。

 東日本大震災から10年目を迎え、現地では新しい道路や公共施設などの社会基盤の整備が進んでいます。今後、陸前高田市は観光交流分野の強化に取り組みたいということで、今年度、陸前高田市の魅力づくりや魅力発信に関わる業務に従事するため、観光交流課に派遣されることになりました。

 しかし、現在、新型コロナウイルス感染症対策が強く求められる中、イベントの中止や規模の縮小など、全国的に観光交流の分野は厳しい状況にあります。

 そんな中、少しでも陸前高田市の魅力をお伝えできるよう、新型コロナウイルス感染症対策を意識しながら実際に私が体験してきた、陸前高田市の魅力の一部をご紹介したいと思います。

 

 今回お伝えするのは、「みちのく潮風トレイル」です。

 トレイルとは、森林や原野、里山に設定された道を歩き、歩く速さでこそ感じられる自然や歴史、文化を楽しむ旅のことです。屋外ということで、無意識のうちに三密対策できているというのもうれしいところです。

 

 「みちのく潮風トレイル」は東日本大震災で被災した青森、岩手、宮城、福島の太平洋沿岸部を通る全長約1,000kmのコースで、震災後、被災地の復興や観光PRにつなげようと環境省が認定したもので、国内のトレイルコースとしては最長です。

 「みちのく潮風トレイル」の詳細はこちらをご覧ください。(リンク 環境省「みちのく潮風トレイル」(外部リンク)別ウィンドウ

みちのく潮風トレイル標識の写真その1

みちのく潮風トレイル標識その1(みちのく潮風トレイルのコースを示すものです)

みちのく潮風トレイル標識の写真その2

みちのく潮風トレイル標識その2

みちのく潮風トレイル標識の写真その3

みちのく潮風トレイル標識その3

 陸前高田市内のトレイルコースの特長は、初心者にも歩きやすいことと、次々と変わる景色を味わえることです。道自体はわりと整備されていて、ほどよいアップダウンがあります。森林浴になる山の道や潮風を感じる海沿いの道もあります。自然の中だけでなく、集落の中も通るので、そこで暮らす方々の生活も垣間見えます。
草木の生い茂る自然歩道の写真

草木の生い茂る自然歩道

おススメは大野海岸を起点に黒崎仙峡、広田崎、中沢浜貝塚遺跡を回るコースで、寄り道をしながら約4時間かけて歩きます。大野海岸までは陸前高田市中心市街地から車で約15分です。

 大野海岸から15分ほど歩くと自然歩道に入ります。そこではリアス海岸に特徴的な険しい断崖に打ち寄せる豪快な波の音と、太平洋の穏やかな潮風に揺れる優しい木々のざわめきとが同時に聞こえてきて、日常を忘れ、とてもリフレッシュできます。一面木々に覆われた森を抜けると、一気に視界が開け、広大で明るい真っ青な海が目に飛び込んでくるポイントは、とても開放感があり、自然の豊かさを感じます。
海がすぐそこに見える景色の写真

海がすぐそこに

黒崎仙峡も広田崎も陸前高田市の誇る景勝地で、いい休憩スポットになりますが、やはり写真撮影スポットとして最適です。海は季節、時間帯、天候など、ありとあらゆるものの影響を受け、訪れるたびに違う景色を見せてくれます。好みは分かれるでしょうが、私は夕焼けの一面オレンジ色に染まった海よりも、はるかかなたまで見渡せる日中の青々とした海が最も好きです。

黒崎仙峡展望台からの写真

黒崎仙峡展望台からの眺め。遠方に椿島(国指定天然記念物)や青松島が見えます

広田崎からの写真

広田崎から手前の青松島(県指定天然記念物)がよく見えます。岬の先まで降りていけます

中沢浜貝塚遺跡は国の史跡にも指定されている縄文・弥生・平安時代にわたる複数の時代の遺跡で、はるか昔より、人類がこの地で海の恵みを受けて暮らしていたという歴史の長さを感じます。

 その場所から震災後に整備された防潮堤を見ることができます。その防潮堤に登ることもでき、そこから海側と陸側の両方を見渡し、この防潮堤の意味を改めて考えることで、過去の教訓を決して忘れてはならないと強く感じます。また、新しく整備された広田漁港の施設を見ると、復興に取り組んできた方々の力強さを感じます。
中沢浜貝塚遺跡からの写真

中沢浜貝塚遺跡(デッキがあり登りやすいです)から広田漁港や防潮堤が一望できます

漁港を抜け、また15分ほど舗装された道を歩けば、大野海岸に戻ります。このあたりは住宅が密集していますので、地元の方を見かけたら、ぜひあいさつしてください。

以上が初心者におススメのコースです。

 

 

地元の方にとっては、何気ない日常の一部のようですが、どれも名古屋ではなかなか見たり感じたりすることができない、興味をひかれるものばかりです。

4月に陸前高田市へやってきて、まもなく5か月経とうとしていますが、いまだに新しく発見する陸前高田市の魅力に感動しています。

実際に陸前高田市で過ごす中で感じたことは、文字や言葉、写真や映像では伝えられない、伝えきれない魅力が陸前高田市にはたくさんあるということです。新型コロナウイルス感染症が収まったら、一度、陸前高田市へ足をお運びください。ご自身で陸前高田市の魅力を味わっていただきたいと思います。

このページの作成担当

防災危機管理局 危機対策課広域連携担当

電話番号

:052-972-3584

ファックス番号

:052-962-4030

電子メールアドレス

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