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令和2年度被災地支援リポート‐陸前高田市‐
令和2年7月13日(月曜日)
今泉地区から見た陸前高田市の景色
今年からの新規ポストということで、大変意気込んで陸前高田に入ったのはいいものの、新型コロナウイルス感染症対策のため、二週間の自宅待機を余儀なくされました。とはいえ、この間にインターネット等を通じて、陸前高田の観光交流施策だけでなく、市政一般について広く調べ、有益な知識やデータを得ることができました。そのことは、今現在仕事をする上での土台としても大変役立っています。
6月19日から岩手県でもすべての都道府県との移動の自粛が解除され、道の駅高田松原を始めとした観光地でも、少しずつ人のにぎわいが戻ってきている印象を受けます。
もともと陸前高田市はまちの規模に比して観光客の多い地域で、震災前の平成22年度には945,719人と、100万人近い観光客が訪れていました。そこに東日本大震災があり、平成30年時点で488,434人と、約半分まで激減してしまいました。東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)・道の駅高田松原が令和元年9月にオープン、わずか6日間で1万人が来場するなど、主に幹線道路を利用する観光客の往来でにぎわいが増すことで、観光交流施策の起爆剤となるはずでした。東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)・道の駅高田松原外観
道の駅高田松原内観
しかし、新型コロナウイルス感染症対策に伴う不要不急の外出自粛や休業の協力要請による観光交流施策への影響は大変大きく、出鼻をくじかれた格好になりました。一方、観光交流課でも、6月補正予算として「観光施設新型コロナウイルス感染症対策事業」30,000千円、「観光誘客促進事業」10,000千円を計上し、6月24日無事に市議会にて可決いただきました。これからは、国の観光需要喚起策と連動しながら予算を有効に活用し、観光施策を推進していくものと思います。
陸前高田市では、市民の方々の努力はもちろんのこと、いろいろな形で思いを寄せてくださった内外の人々の力添えもあり、10年という歳月を経て、まちの復興は着実に進んでいます。
一方、陸前高田の「自然」「食」「人のあたたかさ」といった、もともとの魅力というものも当然にあり、こちらの仮設住宅に住まい、日々生活していると、東日本大震災という未曽有の大災害の前から、陸前高田は陸前高田として、本当に様々な魅力あふれた良いまちなんだなあ、ということがわかります。
また、今年4月には市民文化会館が、 6月6日には一部ながら高田松原運動公園がオープンしました。ナイター設備を備えた野球場、人工芝のサッカー場です。これに野球場がもう一面と、天然芝のサッカー場が整備される予定です。
陸前高田市民文化会館「奇跡の一本松ホール」外観
高田松原運動公園第一野球場「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」外観
高田松原運動公園第一サッカー場(人工芝)外観
来年には博物館がオープンする等、市民の方々の暮らしを支える基盤となる公共施設の整備は順調に進んでいます。また、来年3月にはワタミ(株)によるワタミオーガニックランドがオープン、令和4年にはホテル「ドーミーイン」が建設される等、民間からの投資による都市機能も充実しつつあります。
「令和3年4月7日」で名古屋市が陸前高田市を支援することを決定してからちょうど10年になります。国の復興・創生期間が終了しても、復興に向けた道のりはまだまだ続くだろうな、という思いはあるものの、このような状況の中で、観光交流課に派遣された私の役割は、「10年」を一つの契機に、この陸前高田の今の姿を、その素晴らしさを、より多くの人々、特に名古屋の方々に知っていただきたい、そのための広告塔としての役割を果たすこと、と考えています。1年という短い派遣期間でできることは限られていますが、陸前高田・名古屋の方々の助けもいただきながら、令和3年からの次の「10年」が陸前高田市・名古屋市双方にとってより良い実りをもたらすよう、日々職務に精励したいと思います。
令和2年7月27日
みなさんこんにちは。建設課に派遣されている職員です。
2度目の派遣ということで前回(平成25年、26年)より街の様子が随分と変わっていることにビックリしています。中心市街地は嵩上げされ、スーパーやお店も徐々に出来上がっていますが、私ども職員が派遣されるということは、まだまだやらなければならないことがあるのだと実感しています。
【中心市街地の嵩上げ】建設工事がいろいろな場所で行われています。
さて、業務についてですが、主に震災により壊れた橋の復旧工事と、津波により寸断された道路を浸水区域外に新しく造る工事に携わっています。
橋の工事は、本体部分の構造物はほぼ完成し、照明や舗装工事、橋に添架する電気や水道管などの工事を残すのみとなっており、前後の道路も急ピッチで施工をしています。また、この付近にはワタミによるテーマパークが計画されており、造成工事を行っているため調整しながら工事を進めています。
【姉歯橋の状況】
【取付道路の状況】
【ワタミによる造成工事】奥の建物は道の駅です。
道路の工事については、名古屋市派遣の前任者より引き継いだ「高田米崎間道路」を担当しています。延長2kmといった大規模な新設道路のため、工事区間をいくつかの工区に分け、事業を進めています。
【高田米崎間道路工事】
山あり谷ありと起伏に富んだ地形となっているため、高いところを削り低いところに土を盛るなど勾配の緩やかな道路にしています。そのため、谷筋の水が流れる所には排水管やボックスカルバート(四角いコンクリートの箱)を施工したり、盛土が出来るように擁壁を造ったりしています。また、農業用の排すい路が道路の下になるために入れ替え等の工事も行っています。橋梁も2か所新設するなど、工事の種類も多岐に渡っています。
【ボックスカルバートの施工状況】
【昨年度の工事区間】アスファルト舗装を残すのみとなっています。
【盛土区間】擁壁設置のための整地をしています。
【切土区間】地層が現れています。土、レキまじり土、砂利、見た目に違いがはっきりとわかります。
【橋梁の新設】既設の市道を通すために橋を架けています。
今年度は、コロナのため全国各地で様々な行事が中止となっていますが、陸前高田市でも例外ではありません。今回の派遣は家族と一緒に来ているのですが、娘の通学している中学でも職場体験や名古屋の中学生との交流会も中止となっているとの事でした。そこで、高田第一中学の先生に「せっかく名古屋からお父さんが来ているので話をしてもらおう」と言う事になり、「名古屋と高田と働くことを知る」と言う題目で、名古屋や陸前高田の良い所や仕事について、ビデオメッセージという形で少しだけ話をする機会がありました。後日、生徒さんより心温まるお手紙を頂きました。本来の業務以外でも貢献できたのは良かったと思います。
【2年生3クラスの皆さんに】
あっという間の4か月間、2回目の派遣と言う事で少しは余裕があるかと思いましたが、課題が山積み。天候もすっきりとしない日が続いていますが、体調管理をしっかりとして、残りの派遣期間を頑張りたいと思います。
このページの作成担当
防災危機管理局 危機対策課広域連携担当
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