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緑のまちづくりフォーラム(令和元年10月14日)

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このページを印刷する最終更新日:2020年2月27日

ページID:122699

開催内容

開催日時

令和元年10月14日(月曜日・祝日) 午後1時30分から4時00分

場所

中区役所ホール

参加人数

280人

テーマ:みどりで名古屋の魅力を高めるー緑の基本計画改定に向けてー

講演:「グリーンインフラと公園緑地―環境革命の時代。地域の中核として―」

講師:涌井史郎さん(東京都市大学特別教授)

講演:「公園が変わると、まちが変わる!」

講師:佐藤留美さん(NPO法人NPO birth事務局長,NPO法人Green Connection TOKYO代表理事)

パネルディスカッション:「みどりで名古屋の魅力を高める」

コーディネーター:涌井史郎さん
パネラー:佐藤留美さん
       千頭 聡さん(日本福祉大学教授,名古屋市緑の審議会部会長)
       町田 誠さん(千葉大学園芸学部/横浜市立大学国際教養学部非常勤講師,SOWING WORKS代表)
       古川愛李さん(イラストレーター,絵本作家,SKE48卒業生)

講演:「グリーンインフラと公園緑地―環境革命の時代。地域の中核として―」涌井史郎さん

涌井史郎さんの写真です。

はじめに

 自然災害というのは非常に大きな規模で拡大しつつあります。その側面と皆さんの暮らしの側面との両方から、公園緑地に対する期待というのが非常に高まっている。この時代の変化というものを環境革命という言葉に置きかえてご理解いただければ幸いです。


みどりの効果

 公園や緑地は他の社会資本施設(インフラ)とは違い、存在することに大きな効果があります。CO2の削減、景観の特性の維持、生態系の維持等、普段は気がつかないけれど存在することに意義があります。それからサードプレイス(自宅、職場・学校ではない、心地のよい第3の居場所)としての効果。心身が癒される、快適な施設・カフェがある、花好き・写真好きの人たちがたまたま出会うことでできるコミュニティの形成等があります。そして、グリーンインフラという考え方です。これまで下水道や道路といったインフラに集中して便利さを追求した結果、はみ出た部分に都市問題や環境問題が起きてきました。夏はやたら暑い、洪水流量がやたら増える、災害があったときどこに逃げるのか等、こういう点でグリーンインフラが欠くことができない要素になろうとしています。

将来の危うさ

 地球的規模の環境問題や、ライフスタイルの変化等によって、公園緑地に求める機能が拡大をしてきています。社会構造的に日本が脆弱になる少子超高齢化。都市の高齢化で都市が危うくなります。それから、都市が労働生産年齢人口をかき集めることで起こるストロー現象によって地方が危うくなります。地方は都市を守ってくれる自然資本財の宝ですが、中山間地に人が住まなくなり、森の手入れ不足のために放置された材木が川を下って都市に大被害をもたらしています。さらに、デジタル社会によってアナログ人間が不適合を起こし、ストレスをためてしまう。人の心が危うくなります。これら危うさに対して、緑が非常に重要な役割を果たすという認識が必要です。

 経済面で見ると、日本のGDPは2050年には世界第4位に落ちると言われています。働き手の人口が少なくなるからです。人口面で見ると、現在の1,800市区町村のうち896市区町村は消滅危機になります。523市区町村は人口が1万人を割り、女性が増えるのは15の市区町村しかない。生産年齢人口の減少に危機感が持たれています。

インフラの維持管理

 戦後復興のために社会資本施設である公園緑地、下水道、道路等を急いで整備をしてきました。しかし、財政破綻によって新規投資が絞られていく。一方で、この時代につくった維持管理や更新費用がものすごい勢いで増えていくわけです。2012年12月2日、笹子トンネルで天井板が崩落し、多くの犠牲者が出ました。営造の社会資本施設(グレーインフラ)といえども安泰ではないのです。

 スーパー・メガリージョン構想で地方から東京―名古屋―大阪圏に人を集めて一生懸命働いてもらうということをやればやるほど、地方は縮退をしていってしまいます。日本人の従来の知恵であった自然にある程度盾になってもらうという方向性が崩れてしまいます。

地球環境とSDGs

 地球環境が追い打ちをかけてきます。大気中のCO2濃度、世界の平均気温、生物多様性の危機です。生産者・消費者・分解者という生物の機能分担があって地球は機能しています。生物多様性は人間が生き続けることができるエコシステムであり、これが破壊されようとしている。絶滅危惧種は人間そのものだと考えなければならない状況が来ています。

 地球を持続可能にしながらも経済発展させ、2030年までに誰もが取り残されない世界をどうやったら実現できるか1から17のゴールを示し、これを市民も企業も実現していこうというのがSDGsです。

いなし・レジリエンスについて

 名古屋に想定されている災害のひとつである南海トラフが起きたときにどうなるのか。陸前高田の市民たちが「私たちは悔しいんです」と書いています。自分たちの土地や自然について何も知らないで今日まで生きてきた。前の災害ではこんなことが言い伝えられているという話に対して耳を傾けなかった。もしも、そこに自分たちの目をやっていればこんな大きな被害は出なかったはずだということです。

 日本人は伝統的に自然と共生し、小さな自然災害はある程度受け入れながら、甚大な影響からうまく逃れてきました。日本人の「いなし」という知恵です。これを英語では「レジリエンス」と呼び、世界でこの知恵を学ぼうという流れからグリーンインフラの概念が広がるようになりました。

グリーンインフラの位置づけ

 閣議等でグリーンインフラを社会システムとして位置づけたことで、世界や国民に対し、営造物のみで災害を防ぐのではなく、自然を味方につける形で取組むという条件が整いました。日本人がかつてからやってきた柳に風、緩和戦略です。自然や人間社会のあり方を調整するという適応戦略としては、グリーンインフラは極めて意味があります。自然の恵みを最大化して災害を最小化するのです。

ライフスタイルにおけるグリーンインフラ

 人間は生命現象に支えられています。0と1の数学的でコンピュータ的な社会では、人間は不適合を起こしやすい。近未来ではお金がたくさんある社会を幸せな社会とは言わない。心が豊かな社会をもって幸せな社会と言う。これが成熟型社会です。だから、癒しと安心に加えて、新たなライフスタイルの導入をどれほど暮らしの中に持ち込めるのかということが大事です。新たなコミュニティを構築するということも重要です。ボランティア活動が人の役に立ち、自分も豊かになる。高齢化社会の中で引きこもらないで、誰かの役に立っている喜びを感じ、日常で歩くことを心がけ、適度な運動で心身の健康を維持するような、心身両面での健康管理が必要になります。

 産業社会においても、物をつくるという社会ではなくなります。今後お金を稼ぐのは、クリエイティブ、イノベイティブな新産業群であり、これにはストレスが最大の宿敵となるのです。また、ポートランドやシンガポールのように環境を優先した住みやすいまちが投資を呼び、都市間競争に勝っています。だから、グリーンインフラは極めて多面的な価値を持っているということです。

グリーンインフラの社会実装に向けて

 「経済財政運営と改革の基本方針」、「未来投資戦略」、「まち・ひと・しごと創生基本方針」等でもグリーンインフラの推進が重要だと示され、グリーンインフラが政策の中枢に入ってきました。つまり、緑豊かで自然豊かであることが皆さんのコミュニティを育て、お金がなくても楽しい豊かな生活になる世界が可能になったということです。

 ポートランドは、世界で最も住みやすい都市1位です。全米で最も環境に優しい都市でも1位です。全米で最もサステナビリティのある都市でも1位です。省エネ努力をしている都市も1位です。世界の人は名古屋をどう思っているのか?初めて環境万博である愛・地球博を行ったのは名古屋。COP10で愛知目標を定めたのは名古屋、その次に、ESD ユネスコ世界会議(持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議)を行ったのは名古屋。世界の中のみんなが、名古屋は最も環境先進都市だと理解しています。ブランドはポートランドに匹敵するのです。

 日本の下水道は時間降雨量50mmに対応できる下水管です。仮に75mmに下水管を入れかえると、数十兆円のお金と70年の年月がかかります。ポートランドも同じような苦しみに立っていました。ポートランドの街路樹は地上面から1m下がったところに植わっていて大雨になると道路が川になるのです。その水を街路樹の植える枡で吸収し、地下に浸透させる。自宅の庭に降った雨の3分の1を地中に浸透させる。このレインガーデンの努力を重ねているのです。公園でも雨水を集めて、それを地下に浸透させる機能を持たせていった。1999年に豪雨マネジメントマニュアルをつくっています。ビルから何から基準を持ってまちをつくってきたことが今日の評価につながっています。

グリーンコミュニティについて

 グリーンインフラは入り口で、一番重要なものはグリーンコミュニティです。緑に関心を持った市民が各々の利害を超えて、企業も市民も行政も一体となって緑を愛する。グリーンコミュニティをつくって自分たちもグリーンインフラの維持管理に協力していく流れをつくるということです。世田谷区では、住宅地の個人の庭に対して補助金を出して宅地内レインガーデンをやろうとしています。

里山SATOYAMAについて

 皆さんやインバウンドの人たちが日本全国を旅行したとき、日本の景色は美しいと感じる。これらは全て人手をかけた景色です。自然と共生するために、自然をいなして、自然の特質を殺さないで、自然が反乱を起こさない範囲の中で、人間が手づくりでつくり上げてきた景観です。人が適度にかかわってこそ、その本領を発揮し、その美しさを磨き、感動する風景になります。たゆまず人々が手を入れることで20年から30年たったら元の林が戻る。土地と自然をマネジメントすることを日本人はずっと心がけてきました。これがSATOYAMAシステムです。COP10でSATOYAMAシステムは世界中に認められ、愛知目標の策定につながっています。

これからの都市の構造について

 世界は、環境保全のために都心をコンパクトシティ・機能集約型都市にする、ものづくりの都市から幸福を実現する都市にするという方向に向かっています。都心に集約して、周りの緑を大事にするということが重要だという考え方に変わってきました。

これからの幸福感について

 工業化社会では幸福=経済力でした。豊かさを追い求め、利益結合型、メリットがないとつき合わない、スピードが重要、何でも金に換算する。これでは疲れます。人間というのは、自分らしく生きていくことが重要です。自分の人生の時間を使うことができる、そういう空間やまちであってほしいと思います。豊かさが深まるものや、その土地にゆかりがあるものとともに、スローライフで自分らしく生きてくことが重要です。

新たな時代と公園緑地

 持続的でリバブルで快適な都市を目指すことが世界的な大きな傾向です。これからはグリーンインフラを取り入れて、コミュニティを充実させるようなまちづくりが必要です。物をつくるのではなく、知的創造で経済を担っていく。地方と都市を人間が行き来する対流型国土がこれからの特質になります。このような新たな時代の中で、一番活躍できるものは、新たな公園緑地ということだろうと思います。

講演:「公園が変わると、まちが変わる!」佐藤留美さん

佐藤留美さんの写真です。

はじめに

 いま世界の先進都市では、「緑」と「市民」の力で、さまざまな都市問題の解決につなげようというアクションが始まっています。ニューヨーク、ロンドンなどが先進事例です。NPO birthは、そのような「緑のまちづくり」をすすめるNPO法人です。東京を中心に、まちなかに花と緑を増やすコミュニティガーデン事業、雑木林や里山など貴重な自然を守る活動、子どもたちへの自然体験教育、地域との連携でのマルシェなど、緑と人、人と人をつなげる活動を行っています。例えば現在、東京オリンピック・パラリンピックを控え、会場の近くをお花でおもてなししよう、花壇を市民の方々と一緒につくってガーデンサポーターを育てようというプロジェクトを行っています。花壇が駅前にできると皆さん身近に感じてくれますし、チョウチョ等の生きものも訪れます。涌井先生のお話にあった、グリーンコミュニティを創出するという観点で、活動の輪を広げています。

 また、2005年の愛・地球博では、NPO・NGOの出展による「地球市民村」で「まちに地みどり館」という身近な緑の価値を伝えていくパビリオンを運営していました。地球温暖化や気候変動の危機が言われはじめた中で、都市における緑の価値、大切さを知ってもらおうというものです。森に住む妖怪を瀬戸の粘土でつくって、種を植えつけて、植えると発芽するシードロ(シードと泥を掛けた妖怪)づくりをしました。

 さて、私のプレゼンテーションの表紙の写真は、ニューヨークの「ブライアント・パーク」です。1970年代には2日に1回犯罪が起きるところでしたが、いまは年に数回あるかないかだそうです。ニューヨークではみどりと市民の力でまちが蘇えり、安全安心な都市に変貌しました。

 公園や緑には色々な力があります。その力を引きだすことで、まちの魅了もぐんとアップします。NPO birthには、人と自然をつなぐレンジャー、人と人、人とまちをつなぐコーディネーター、自然の力を引き出すマネジメントチームがあり、産官学民、さまざまな主体とともに緑の力を引き出す取組みをしています。それはSDGsの達成につながり、持続可能な都市づくり、社会づくりを実現する有効な手立てとなるのです。

これからの公園づくり

 NPO birthでは、都心の公園や緑の多い公園等の様々な公園、合わせて70の都市公園の指定管理者を担っています。都市部の住宅に囲まれた公園では小さいと15m2、長机2つぐらいの公園から、里山の公園では大きいと200haまで、面積も特性もさまざまな公園をマネジメントしています。

 私たちが目指すのは、「人、自然、まちが元気になる公園づくり」であり、そのために「Chance in the Park」という視点で取り組んでいます。公園にはさまざまなチャンスがあります。多くの人と新たな連携をつくっていくチャンス、公園を活用してコミュニティを広げるチャンス、次世代につなぐ誇りと愛着を地域の方々と育んでいくチャンスなどです。そのチャンスを活かすことによって公園利用の可能性が広がり、都市のブランド力が上がっていきます。

 大切なことは、公園にはそれぞれ個性があるということです。公園とその周辺の地域の特性を掴み、地域の人々が主体となって、公園のオリジナリティを伸ばしていく。それにより、さらに公園も地域も活性化して、みんなが元気になっていく。そのコーディネートを実践しているのが私たちです。

『あったらいいな』の実現

 公園は、なんでも禁止で、なにもできない、という声も聞きます。実際に、市民がなにかやってみたいと思ったときにはさまざまなハードルがあるのも事実です。そこで、公園管理者である私たちが仲介し、市民と一緒に企画をつくる『あったらいいな』をみんなでつくる公園プロジェクト」という事業を行い、成果が上がっています。この事業を促進する役職が、「パークコーディネーター」です。パークコーディネーターは、公園と地域の人々をつなぐ窓口として活躍しています。

佐藤留美さんのパネルです。「あったらいいなをみんなでつくる公園プロジェクト」
 いくつか例を挙げましょう。国分寺市にある「都立武蔵国分寺公園」は、史跡に隣接する10haほどの公園です。武蔵野美大も近くてアーティストなどクリエイターが多い地域です。この公園は、歴史ある地域の中で、昔と未来をつなぐ新たな「むさしのパークライフ」を創出していこうという目的を掲げて、さまざまな『あったらいいな』を実現しています。例えば「ピクニックヘブン」というイベントは、お父さん達が子どもと公園に来た時に、もっと面白いことをしたいという気持ちから生まれたイベントです。DJを呼んで音楽を楽しみながら、地元のスポーツインストラクターによるスポーツイベントを行うなど、親子でワクワクするようなプログラムを行っています。「ぷっぷフェス」は、お母さんたちによる企画です。毎日のお掃除、ご飯づくりといった生活の一部をアトラクションにして楽しもうという子育て応援イベントです。「てのわ市」は、地元のアーティストや店舗が100以上も集まり、作品の展示や販売、さまざまなワークショップを行っています。「Sunday Park Cafe」は、近くにお店のない公園で、一人暮らしの人も来られるようなコミュニティカフェを作ろうと、地元パン屋さんの発想で始まりました。春と秋の毎週日曜日に開催。おしゃれなテーブルと椅子を置き、地域の方がアートやヨガなどワークショップの先生をするなど、公園にさまざまな人が集い交流する場が実現しています。
佐藤留美さんのパネルです。「PICNIC HEAVEN」
佐藤留美さんのパネルです。「Sunday Park Cafe」

 このように、公園管理者だけではできないことも、地域のみなさんと一緒に企画することで、さまざまな『あったらいいな』が実現しています。占用許可や安全管理などは公園側がサポートすることで、市民ならではのアイデアや行動力が発揮されます。さらに、この企画をきっかけに、プロジェクトチームのメンバーで本当のカフェを駅前に開店したり、同じシリーズのイベントをまちの中で開催したりなど、公園での活動が地域ににじみ出て、まちを変えていく原動力にもなっています。

ボランティア活動について

 ボランティア活動の課題として、高齢化や、参加者が集まらないといった悩みがあると思います。そこで私たちは、気軽にボランティア体験ができる「ちょいボラ」というプログラムを行っています。既存のボランティアグループに体験的に参加することで交流が生まれ、新しいメンバーの入会につながっています。また道具や手袋を揃えておけば、通りがかりの人でも気軽に花の植え替えなどに参加できます。子どもに土を触らせたい親子にとても好評です。また地元の企業もCSR活動としてちょいボラに参加し、それをきっかけに毎週、草とりや落ち葉掃き、イベントの準備などに来てくるようになりました。また、夏休みには「ちょいボラWeek」として、期間中、毎日受付をしています。これは花壇の草むしりをするボランティアで、道具を貸出しています。ラジオ体操のようにカード式になっていて、活動をするたびスタンプを押して、それが集まるとプチプレゼントがもらえるという仕組みです。子どもたちや、ボランティア活動が夏休みの宿題になっている中学生にとても人気です。またうつ病やひきこもりなどの方の治療の一環で、クリニックに通う患者さんたちも毎週、公園でボランティア活動をしています。公園には花壇管理やイベントの準備等のいろいろな仕事があり、来園者やスタッフに感謝の声をかけられたり、子どもたちの喜ぶ姿を見て、自分たちの活動が人の役に立っていると実感できると好評です。
佐藤留美さんのパネルです。「ちょいボラWEEK」

コミュニティの核となる公園

 東久留米市にある「都立六仙公園」は、小学校の跡地にできた公園です。学校は地域の拠点となっていて、住民が集まる場でもあります。それがなくなったことで、卒業生からもなにかコミュニティがつながる場がほしい、イベントや防災などの取組みができないかとの相談をいただいていました。私たちもぜひそれを実現させたいと思い、公園周辺の住民と懇談会を開き、話し合いを重ね、いまは二つの大きなイベントが開催されています。

 ひとつは防災がテーマですが、防災訓練とするとなかなか人が集まらないため、楽しく学べるイベント「防災キャラバン」を行っています。これは住民や自治体などによる実行委員会形式で行っており、去年はアウトドアメーカーとコラボして、テントを受付や授乳所、救護室に活用しました。パークコーディネーターが調整し、市民、自治体、事業者が一緒になって行うイベントは、それぞれのつながりができて、地域防災力を確実に向上させています。

佐藤留美さんのパネルです。「防災キャラバン」

 またもう一つは「麦の収穫祭」です。地元の地場穀物、柳久保小麦の文化を守りたいという市民が実行委員会を結成し、地元のパン屋、小麦農家などが企画出展をしています。小麦の石臼挽き体験、麦の穂でクラフトをつくるなど、小麦をテーマにさまざまなワークショップがあり、地元のクチコミで昨年は2,000人、今年は3,000人を超える来場者がありました。管理所もなく、駅も遠くて駐車場もない公園に、この数の人々が参加するのは驚くべきことです。まさに公園が拠点となって、コミュニティが育っていることを実感しています。

佐藤留美さんのパネルです。「麦の収穫祭」

市民の力で公園が変わる、まちが変わる

 公園と地域のポテンシャルを引き出すことで、人々が力を発揮し、物や事が生み出されて循環し、情報が共有・発信され、時間が活かされ、お金も生み出されていく。それは持続可能な地域づくり、まちづくりにつながります。その原動力となっているのが、市民です。市民の力と公園が掛け合わされることで、まちが変わっていくことを実感しています。名古屋市をはじめ、各地でそのような公園づくりが始まっています。

佐藤留美さんのパネルです。「公園づくり」

パネルディスカッション:「みどりで名古屋の魅力を高める」

【涌井さん】

 公園が変わるとまちが変わる。自然が変わると人が変わるというのもあります。公園というのは唯一自らの意思で参画できる社会資本だと思います。

 まず町田さん、古川さん、千頭さんの順番で主張していただきたいと思います。

町田誠さんの写真です。

【町田さん】

 昨年まで国土交通省で公園緑地計画課長をやっておりました。一昨年、都市公園法や都市緑地法、農地関係の法律、都市のオープンスペースや緑に関する法律を大改正しました。民間の方々と仕事を進めることで、どれだけ都市の価値を上げていくかというところに主眼を置いたものです。

 国土交通省を辞めてからは、地域に出かけて活動しています。まちづくり系の方々が多くいらっしゃって、公園系の方はほとんどいないです。まちづくり系の方々は、公園に対してすごく魅力を感じていらっしゃいます。役所の公園うるさいことばっかり言うから、もう自分たちで公園をつくるよという感じなんです。

 豊田市の「新とよパーク(新豊田駅東口駅前広場)」は、2つの駅に挟まれた駅前広場で人がいないようなところでしたが、スケートボードができるようになりました。秩序が保たれて、やんちゃな人も、小さな子ども一緒になって遊べる空間になっています。先日オープンした「とよしば(豊田市駅東口まちなか広場)」も、暫定的な土地の利用ですが公園のようなっています。まちの中で色々なことを楽しめる空間ができています。広島の駅下のまちづくりでも、道路を使ったり公園の一部使っていたりして、公園のようなことを行っています。甲府のリノベーションまちづくりでは、甲府のお城を広げて広場をもっといい公園にしたいということで、ワークショップをやろうとしています。旭川では、まちの中の小さい一区画の土地で自分の理想の公園をつくろうという企みをしています。

 みんな公園に向いています。アクティビティの積み重ねが、まちの魅力を上げるということに気がついているんです。公園は全国で11万か所、13万haもあるのに、何故使ってくれないのかというのが私の問題意識でもあります。

 名古屋は進んでいると思いますが、全国的にいうと公園では何もやれない。ワンちゃん駄目、ボール遊び駄目、自転車乗り入れちゃ駄目、テント駄目、テーブル・椅子駄目というような駄目駄目看板を立てています。駄目の根拠を条例から分析すると「公園の目的、用途外の利用」、「管理上の支障のある行為」という条文に行き当たりますが、こういう言葉では納得できないと思います。みんなでもっと楽しく、仲良く、遠慮もしつつ、使いこなしていく。公園をそういうまちのためのスペースにしないといけないと思っています。

 名古屋にはオアシス21があります。実は立体的な公園の制度ができたのはオアシス21が完成してから十数年経った後です。ぜひ新しいチャレンジをしていきましょう。

 公園のパークマネジメントとエリアマネジメントは別物ではありません。エリアマネジメントという意識で統一して、都市やまちのためにやりましょう。図書館は、社会教育施設ではなくて地域の施設・コミュニティ施設だと思います。公園と図書館というのは親和性の高い空間ですから、同じような気持ちで地域づくりに向かっていくものだと思います。本も公園も生活時間を切り出していくものです。空間だけではなくて、そこでいい時間を過ごせるように考えていこう!という意識です。

【涌井さん】

 公園はコミュニティを形成していく上で一番身近で、税金を払って良かったと思えるような場所ですね。古川さんお願いします。


古川愛李さんの写真です。

【古川さん】

 子どもが今1歳10カ月になるので、公園で緑と触れ合うことが多くなってきました。子育てしながら公園に行ったときに気づいたことをお話しします。お花があると子どもが反応するのです。お花がいっぱいあったり、季節のお花があったり、いろんな種類があったりすると、あのお花を見に行こうとなって、たくさんの緑に触れたくなります。

古川愛李さんのパネルです。「花のある公園」

 芝生も魅力的です。子どもが怪我をしにくいので、遊ばせやすいです。転んでも安全なので、芝生の公園を調べて行ったりもします。

 最近の子どもは昆虫に触れ合う機会が少ないです。公園に昆虫がいれば、昆虫のことを学べると思います。私の父は孫と一緒に公園に行ってそういうことをしたいそうなので、そんな場が増えたら嬉しいです。

 公園に行った際に、雑草が生い茂っていることがありました。走り回ると足に怪我をしてしまうとこともあるので、遊ばせにくいと感じています。雑草が生い茂らない状態を頑張ってつくっていけたらなという気持ちがあります。子どもと公園に行くようになって気づけたこともあり、私たちでもできるボランティア活動があるということも知ったので、参加していけたらいいなと思っています。

 公園にあったらいいなと思っているものは、オムツをかえる場所です。公園に行って、すぐにオムツを替えなければならなくなったとき、お家に帰らないといけません。結局公園で遊べずに帰ってしまうということがあります。色々なお出かけするときに、まず確認するのがオムツをかえる場所があるかということです。

 あとは、時計が置いてあるといいですね。子どもが門限に帰ってこなかったときに、時計が置いてないから時間が分からなかったと子どもに言われた、ということを聞きました。

 最近気になったのは、一部の公園で灰皿が置いてあったことです。色々な場所が禁煙になってきているので、吸われる方にとっては重要かもしれませんが、公園に置いてあるのはちょっとな…と感じてしまいます。そういうところも、今後変わっていってほしいと思います。母親目線の意見も反映していただき、公園の魅力につながるといいなと思います。

 【涌井さん】

 非常に率直で素直なお話で、イラストもありがとうございました。千頭さんお願いします。

千頭聡さんの写真です。

【千頭さん】

 会場の皆さん、講演者の方々の今日のお話を聞いて、どんな公園を想像して聞かれていましたか。今日のお話を名古屋にどう落とし込んでいくのかが重要だと思います。

 名古屋の東部には東山といった樹林地があります。西部には農地や藤前干潟があります。街中には大きな公園やにぎわいの広場があったり、シンボルとなるような街路樹があったりします。名古屋の街路樹はすごいのですが、皆さんどれぐらい思っていらっしゃるのかということも実は気になっています。

 中区を歩いてみて感じているのは、どんぐり広場がたくさんあることです。マンションの合間に空き地があって、子どもたちのためのどんぐり広場がたくさんあります。どんぐり広場をもっと街中で活用できたらいいなと思っています。どんぐり広場には管理していらっしゃる市民の方のお名前が書いてあるんですよ。

 緑の基本計画の議論の一つに、緑は広い意味で環境的な価値をいっぱい持っているけれど、なかなか市民に気付いてもらえないということがあります。言われたらそうだよなと思うけれど言われなかったら気がつかない、気がついていてもふーんで終わっている。そういった緑の価値を、こんな価値があるんだよと見える化すること、市民の中で共通認識を持てるようにすることが必要だと考えています。都市システムに組み込むということが、グリーンインフラにつながると思います。

 もう一つ議論の中で盛り上がっているのは、緑の経済的な価値です。首都圏と関西と名古屋の3つを比較したときに、首都圏では緑が明らかに経済的な価値を持っています。大きな開発をしても意図的に緑を残すことによってその価値が高まっています。さて名古屋はどうでしょうか。名古屋でマンションを建てようとした際に、敷地面積を削る代わりに、素敵な緑を残したり、つくったりしたら、そのマンションが高く売れるでしょうか。皆さんだったら買うかどうか、ぜひ考えていただきたいと思います。

 名古屋の今後10年間をどうしようかという議論をする中では、どんな指標や視点で評価するかということも重要です。緑を空から見たときに何割かということを緑被率と言います。目の前に何割ぐらいの緑が見えるかということを緑視率と言います。名古屋駅の駅を出たときにどれだけ緑が見えるか、ぜひ確かめてみてください。まだまだ緑が意識できていないのではないかなと思います。

 皆さんは、毎日フルーツパークや名城公園に行かないですよね。まとまった緑も素晴らしいですが、どんぐり広場やお庭の緑に毎日接しているわけです。だから、そういった緑も大切にしたいと思っています。それから、生物多様性も大事なキーワードです。緑によって私たちの生活がどんなに豊かになっているのか、改めて実感してみることも大事だと思います。

 名古屋駅前の大きなビルの屋上は草地になっています。なごや環境大学で数年前に自然観察会をやったこともあります。

 緑あふれる名古屋はどんなまちだろうかということを、もっと議論しないといけないと思います。計画だけつくっても駄目だということを痛感しています。今日もいい機会だと思いますし、緑があることって素敵だよねということが井戸端会議の話題に挙がったらいいなという思いです。

【涌井さん】

 緑の価値の見える化や経済的な価値をどうするのか。緑をもっと増やすことの取り組みに関すること。そして、緑のサードプレイスとしての役割についてお話しいただきました。

 遠くにあるまとまった緑と身近な小さな緑、これは相互に価値があり、両方実現しなければいけなくて、結果として生物多様性が確保できるといったお話もありました。ぜひ頑張っていただきたいですし、今日のご意見を計画に取り入れていただければと思います。

 今日は多くの方々が会場にお見えになって、緑に関心がある人が名古屋にこれだけいるということは大変幸せだなと思います。ここにいらっしゃる方々一人一人がステークホルダーとして、どのようなことができるのか提言をいただければと思います。

【千頭さん】

 公園の管理と言われても、他人事ですよね。でも、佐藤さんや古川さんのお話は自分事ですよね。他人事から自分事というのは大事なことだと思います。自分事の先にみんな事になってほしいと感じています。自分だけのことではなく、それがご近所のみんな事として、例えば小さな緑をどう活用していくかということが井戸端会議のネタになったらいいなと思っています。旧東海道に花を植えたいということで、緑区片平学区の方々が頑張って取り組まれています。そうやって自分たちの学区やコミュニティのみんな事になったら、劇的に変わっていくと思います。そんなことを一緒に考えられたらいいなと思います。

【涌井さん】

 自利他利という言葉あります。自分のことを考えるなら、まずは他者の利を考えろという意味です。昔は公・共・私だったんです。共は、公権力から圧迫されないように緩衝地帯をつくった。匿名性のある団体みたいなものが共です。公権力から睨まれないように、下水、川、堤防、道路等、手入れをしていたのです。それが戦後、公が共を取り込んで、公共になってしまいました。その結果、自分事だと考えていたことが、税金を払っているから役所事だと割り切るようになってしまった。共が少なくなって、公共と私の関係になってしまいました。これでは行政が肥大化するだけです。自分のまちでやりたいこともできなくなってしまいます。自分たちが自分たちの自己責任で、役所も一緒になって取り組んでいく。公園でまちの魅力づけをしたい人がいて、経済投資家もいるから、仲間になって取り組んでいくという時代になってきました。共の復権ということです。公の財政も厳しい中で、民間資本が乗り寄せてくるなら歓迎すべきという考え方に移りつつあります。

 世の中がだんだん変わってきていますが、公園で何かやるとしたら、ビジネスでも遊びでも、パネリストの方々は何をやりたいですか。

【古川さん】

 たくさん人が集まって、コミュニケーションをとれることが一番いいなと思います。音楽フェスで人がたくさん集まったり、私はものづくりが大好きなのでつくったものを発表したりできたらいいなと思います。

 あとは、子育てのママさんで集まるのもいいと思います。私自身今は機会がないので、そういったイベントがあれば足を運びたくなります。

【涌井さん】

 普段は全く縁のない人と一緒に何かできるということが、公園コミュニティの特質だと思います。何かやりたい人同士が一緒に取り組んで仲良くなれるということです。

【佐藤さん】

 愛知県で以前放送されたテレビ番組で、愛知県民1,000人に「あなたは花や緑のある暮らしがしたいですか。」とアンケートをとったそうです。したいという人が、20代から34歳は46%。35歳以上は49%。50代以上は50%でした。若い人たちが意外に多いですね。そして実際にやっている、これからやりたいという人たちは6割以上という結果が出たそうです。市民菜園も人気があるとのこと。花や緑にふれたい、やりたいという方々は多いんですね。けれど、やりたいけれど、情報がない、機会がない方は多いと思います。きっかけを提供することが大切だと思います。お手元に、公園がある暮らしを楽しもうという趣旨で私たちがつくっているフリーペーパー「PARK-LIFE MAGAZINE」を配布しました。今回のテーマは「デビュー」。親子でデビュー、イベントデビュー、企画デビュー、ワークショップデビュー、ボランティアデビュー等様々な公園デビューの情報を記載しています。なかなか、既存のグループに入ってボランティア活動をするというのは、ハードルが高いのが実情です。入口として、フェスや何か楽しそうなことに参加してもらうことが大切で、今日ご紹介したちょいボラに参加したり、イベントに来てみたりするうちに、公園との関わりが生まれます。次は自分たちでなにかワクワクすることを企画できたら、どんどん人の輪が広がります。近くに公園があることで、暮らしが豊かになっていく。まちが生き生き輝いてくる。そんな公園づくりが、これからはどのまちでも必要になってきていると思います。

【涌井さん】

 ごみ非常事態宣言から20年です。市民が自分たちの生活スタイルを変えてまでごみを減量し、藤前干潟を残してきました。その後、愛・地球博が開かれ、COP10が開かれた。名古屋の歴史というのは、環境に対して市民一人一人が立ち上がったという輝かしいものであると思います。名古屋でこそ実現できることがたくさんあると思います。

【町田さん】

 愛知県は花き生産量1位なので、花や緑があることに気持ちの親和性が高いのかもしれませんね。愛・地球博等のイベントでモチベーションがグーッと上がって、それが下がらずに粘り強く持ちこたえているという実感があります。名古屋だったらもっと先に行きましょう。

 モチベーションが高くない方々に、環境とか、自然とか、昆虫とか言っても駄目ですよね。我々が持っている言語を向こうに合わせる必要があります。美味いもんでも食おうやみたいな気持ちで環境へのモチベーションを上げて、緑とか公園っていいなと思わせるような取り組みが日本全国に必要だと思います。名古屋はもともとモチベーションが高いので、全国の都市の中で模範を示してもらいたいと思います。

【涌井さん】

 この会場の方々からアイデアシートを97枚もいただきました。名古屋の関心の高さを感じます。「近くにスーパーがあって、公園で一休みして、ママ友の交流となるようなスペースが欲しい(民間の資金も)」。「空き地を草地にしてほしい・小動物の放し飼いができる公園が欲しい」。「みんなで防災ピクニックに公園を活用して、防災力をアップ」。97枚のうち3つを皆さんにご紹介しました。

アイデアシートです。1枚目

【町田さん】

 バーベキューは公園の中で一番儲かる仕事です。習慣的にバーベキューやピクニックをやることで、いざというときの体力が上がると思います。広場、草地、気持ちいい林の中でバーベキューやピクニックを行う習慣をつくってもらいたいです。

 【涌井さん】

 スポーツメーカーの人がうちの製品を買ってくれたら確実に生き残れますと言っていました。コッフェルがあったり、ガスバーナーがあったり、防寒具があったり、テントがあったりと、まさにそうだと思います。

アイデアシートです。2枚目

【佐藤さん】

民間の資金ということでは、市民企画のイベントでは、地域の事業者から協賛を集めてきたり、自分たちで販売をして事業費をまかなっています。パークコーディネーターが窓口となることで、さまざまな人や情報がつながります。公園に人が集まるようになれば、自然といろいろなリソースが集まってきます。時間はかかりますが、資金を公園に呼び寄せるには、地域とのつながりを丁寧に創っていくことが、一番有効な手立てです。

 【涌井さん】

 三井不動産がジョイントベンチャー(JV、共同企業体)を組んで、久屋大通公園に投資を行い、魅力的な場所に変えようとしています。そのぐらいの価値があるから、投資をしてもビジネスになります。公園には潜在的な魅力があるということだと思います。

アイデアシートです。3枚目

【千頭さん】

 ウサギとリスもいいんですが、ヤギを飼いませんか。草の中には食べられる草もあります。裸の土より草の方がずっといいと感じています。日本で草地を維持管理するには湿度の高さとかで難しいと思いますが、大賛成です。そこにヤギさんも飼えば最高かなと思います。

 【涌井さん】

 子ども動物園というものがあります。生物多様性の秩序を崩壊させることなく、リスやウサギにハンズオン(手で触れて体験学習すること)できるものです。また、イートインというものもあります。ニューヨークの高級なレストランでは、ビルの屋上で採れた野菜を提供するのも流行っているんですよ。

 【古川さん】

 私も子どもと一緒に動物園に行ったときに、動物に触るのが楽しいです。そういう場所がたくさん増えたら子育ても楽しくなっていくと思います。これからの公園が楽しみです。

 【涌井さん】

 今日の意見をぜひ緑の基本計画に反映していただければと思います。

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