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緑のまちづくりフォーラム(平成28年10月29日)

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このページを印刷する最終更新日:2016年12月21日
緑のまちづくりフォーラムの写真です

開催内容

開催日時

平成28年10月29日午後1時30分から4時15分

場所

愛知学院大学 名城キャンパス

キャッスルホール明倫

(名古屋市北区名城3-1-1)

参加人数

180人

テーマ:緑を楽しみ、守り育てるために

講演1

  • 演題:「地球は大きな貯金箱」-ツリークライミングで木と友達になろう!緑を育む心を育てよう!-
  • 講師:中部大学教授 ジョン・ギャスライトさん

 

講演2

  • 演題:「豊かな遊びが子供を育む」-自然を活用した遊び場づくり-
  • 講師:神戸女子大学教授 梶木典子さん

 

講演1 ジョン・ギャスライトさん

ジョン・ギャスライトさんの写真です

日本が大好き

日本に来て30年。世界のどこよりも、日本が一番大好き。

それは、文化や食事はもちろんだけど、何より日本人が大好きだから。

アメリカで生まれ、カナダで育ち、先祖はスコットランド。でも家族は日本。妻も日本人。カナダで知り合ったけれど、日本で暮らしています。子どもたちは22歳と23歳。そしておじいちゃん・おばあちゃん。ふたりは、ボクにとって貴重な存在であり、子育てのパートナーです。日本の文化など、いろんなことを教えてくれます。

 

地球は大きな貯金箱

貯金箱にはルールがあります。お金を貯金箱に入れて、大切なときにしか下ろさない。入れないと下ろせません。ずーっと入れると貯まってきて、ワクワクしながらどう使おうかと考えます。今は、日本もアメリカもヨーロッパも、貯金箱を持っている子どもが少ない。貯金をするのではなく、お小遣いをもらっています。

地球の貯金箱はどうでしょうか。ボクたちが使っている貯金箱とは少し違います。それは、ボクたちが生まれる前にたくさんの貯金が入っているから。美しい海・森・川・空・空気・・・。ボクたちはその貯金を下ろしています。ですから、ボクたちが貯金をしないと、いつか地球は空っぽになってしまいます。

社会も同じことが言えます。大好きな日本には、先祖が残してくれたものがいっぱいあります。文化、例えば和食。今日は、『次の世代の人たちのために、社会や地球に、どうやって貯金しようか』ということについてお話しします。

 

ツリークライミングで感じたこと

今朝10時から、名城公園で、車イスの人たちとイベントを楽しんできました。普段は木に登れない人が、木に登った!高さは一番高いところで、6メートルから8メートル。朝早くから木にロープをかけて準備をしたんですが、車イスのみなさん全員が、いつもは下から見るだけだった木に登ることができ、涙が出るくらい嬉しかった。登ったみなさんも「嬉しい!公園に連れてきてくれてありがとう!」「いつも見る公園が、違う公園に見えた!」と。さらに「これができれば、何でもできます!」と。登った人だけでなく、まわりのボクたちにも力が湧いてきました。できないことを乗り越えることは嬉しいことなんだと。

 

木と友達になろう

ボクは中部大学 現代教育学部で教えています。大学生は様々で、多様性でいうと人物多様性です。同じ日本人でいながら、子育ても違うし、理解も違うし、経験が多いと少ないとでは全然違います。中には日本語が下手な人もいますし、敬語を上手に使えない人もいます。でもそれは、学生が悪いのではないのです。学生たちはみんな純粋で面白い。逆に日本のことを教え始めると、「あ、なるほど!」と興味を持ち始めます。

日本では一年には四つの季節があり、その四季があるから、豊かな食事があり、豊かな文化があります。そこで、まず木になってみましょう。春になると水を吸い上げ枝の先に葉が伸び、夏はキラキラと輝き、秋に葉を落とし、冬になると寝ます。単純で簡単なことだけど、意識していないと解らないことです。

人と人は友達になるとお互いを理解し合います。理解し合えないと友達にはなれません。ネット上で多くの友達がいたとしても、本当の友達とは言えません。また、きっかけが無いと友達をつくることもできません。それは木と人の関係でも同じです。森へ行ったことがなかったり、木と遊んだことがないと、森の木のことも、地球の貯金が減っていくことも理解できません。友達にならないと、解らないんです。

 

外で遊ぶ楽しさを教えよう

日本は400年くらい前まで木を伐って、ほとんどの森がなくなりました。けれど、植林をしました。だから今の日本には里山という貯金があります。植林されていなかったら、日本の文化も違っていたはず。

日本には美味しいご飯があり、ご馳走がある。それは森や海に貯金がいっぱいあるから。ご飯・みそ汁・わかめ・魚・海苔・納豆・・・。でもその良さは、教えてもらって経験しないと解りません。文化もそうです。たとえば外国人にとっての浴衣や和式トイレなど・・・。

また、同じ日本人でも、緑のあるところに住んでいる人と、ないところに住んでいる人では全然違います。子どもたちも違います。ただ、森のあるところに住んでいても、森へ連れて行く人がいないのも現実です。ボクは今、森の中に住んでいますが、まわりの人はすべてファミリー。アメリカでは他人を「おじさん」「おばさん」とは呼ばないけど、ボクの近所では、おじさん・おばさんと呼び合える環境があり、子育てには最高の環境です。

ゲームは3Dですが、外で遊ぶのは5D・・・五感を使うからです。木に登ったり遊んだり。そして漢字はすごいと思う。それは「親」という字は「木に立って見る」と書いたり、「休」は「人が木で休む」ことを表し、「楽」という字にも「木」があります。木が楽しいのは本当です。

 

ツリークライミングとは

人は、生まれた時から楽しいのが大好き。何が楽しいかを学び、何歳になっても学びます。ボクは木が大好き。そこでツリークライミング。ツリークライミングとは、ロープ1本で木とつながり、木とスキンシップを図ること。木は人に、地球の仕組みや生きる勇気までも、教えてくれます。

ツリークライミングを始めたきっかけは、交通事故で車イス生活を余儀なくされた女性との出逢い、その女性の「子どもの頃のように木に登りたい」という願いでした。

彼女は3年の訓練を積み、高さ80メートル、世界最大級のカリフォルニアの樹木・ジャイアントセコイアに仲間と共に挑戦しました。膝の屈伸1回でわずか20センチメートルの上昇というハンディがありながら10時間かけて登頂に成功しました。そのとき彼女は「私は身体障害者ではない、身体チャレンジャーだ」と言いました。まさに彼女はヒーローでした。

ツリークライミングは、僕たちにとって、もう1回森に入るきっかけだと思います。もともと人間は森にいた、自然の仲間。森の中に入っていくことによって、人も森も社会も元気になっていく。大切なことだと僕は思います。

 

ドリームメーカー

今朝、子どもたちだけでなく、自立したいと思っている人たちが木に登りました。すべての子供たちが、先程の彼女のように海外へ行くことはできないけど、公園こそが大自然への、ホップ・ステップ・ジャンプだと思っています。

現在、大きな問題だなと感じているのは、公園が活かされていないこと。塾や習い事で時間がなく、家族で出かけるのは年に1回の旅行程度。でも子どもたちにとって必要なことは、週に1回以上の家族との時間。子どもの成長期には、それが一番なんです。

皆さんが、いろんな小さな夢を聞いてそれを応援すると、きっと自分の人生も変わってくるはずです。「高いところは怖いけど登ってみたら楽しかったよ」「今度は海へ行こう」そんなつながりを続けていきたいと思っています。

 

大切な多様性と環境

今では、自転車に乗れない子が増えきて30%、小学校1年生で携帯ゲームで遊ぶ子が70%。ゲームも問題解決が早くなるとか、先を読むとか、集中できるとかいいこともあるけど、自然の中で大勢で遊ぶと「お互いどうやって話し合おう」、「どうやってお互いを理解しよう」というソーシャルスキルズが養われます。長い時間集中できるようになります。両方あるのが大切で、つまり『多様性』。うまくバランスをとることができるようにすることが、私たちの大きな役割だと思います。人には人物多様性があり、自然の中には生物多様性があります。人も動物も食べ物もすべてに多様性が必要。『多様性』は、貯金箱と同じように大きなルールだと思います。

そして、もう1つ大切なのは『環境』。人間でも動物でも植物でも『環境』は大切。その『環境』が変われば、人間は変わります。学生たちは、初めて森の中に入るとき、最初は「暗い」「蚊がいる」と言っていやがったけど、一度森に入って、間伐して森を明るくし、木に登ることを教えたら、面白いから、森が好きになった。また行きたくなった。森の中での遊びを覚えると、森が好きになります。

身体チャレンジャーの子どもたちを森へ連れて行くときも、学生は、「経験がないから対応できない」と言っていたけど、一緒に行った福祉大学の学生の活躍に感動し、自分たちもできるようになりたいと言い出しました。学生たちと子どもたちは地球の宝物であり、それはどんな時代でも変わりません。心を動かすことに出逢うと情熱が生まれる。でも心を動かす人がいないと、情熱は湧いてきません。

 

公園を大きな器に

今、公園はちょっと変わってきて、たとえばおじいちゃん・おばあちゃんも楽しめるようにするなど、「多様な人が一緒に楽しめるように」という方向になってきているようです。いろんな人が一緒にできる、公園に行けば、いつでもいろんな人に出逢える、楽しめる、友達が作れる、そんな大きな器の公園が望ましいと。そうすれば、そのアクティビティは無限です。いろんな人がいろんなアイデアを出してつくった公園は、いっぱい人がきます。

そこでポケットパーク。遊休地などを利用した、ポケットに入るような小さな公園です。そこに自然があって、すぐ子どもたちが遊べるようにすると、家族が家から出てくるから、犯罪が減ります。家の近くにあれば、親の目も届くので子どもが安心して遊べる、近所の人が子どもたちの面倒を見ることもできます。

 

温かい気持ちと文化を貯金

いい公園をつくること、いいプログラムをつくること。それはボクたちの責任でもあります。そしてスケジュールがとても大切。ボクは、自分のスケジュールの中に、自然と遊ぶ時間、周りの子どもたちと遊ぶ時間、社会を助ける時間を入れています。

重要なのは、地球の貯金をつくること。貯金できることはいっぱいあります。大きなこと、小さなこと。自分の子供だけでなく、近所の子も一緒に公園へ誘ったり。意識することで社会は変わります。

日本は優しいし、安全だし、助け合う気持ちを持っています。東日本大震災時も、ボクのおじいちゃんおばあちゃんが塩釜に住んでいて、そんな日本人の素晴らしさを実感しました。その心を大切にして、貯金できたらなと思います。

 

<質疑応答>

参加者

松葉公園にご神木のような木があり、精霊が宿っているように感じますが、ギャスライトさんはどう思いますか?

 

ジョン・ギャスライトさん

日本に来る前は大きな木を見ると「素晴らしいな」と思うだけだったけど、日本にきて、だんだん感じるようになりました。ほんとうに神様のような木がいっぱいあります。カリフォルニアでジャイアントセコイアを守るプロジェクトがあるんですが、そのプロジェクトで、そんな日本の考えを教えていたら、みんな、その森に入るときはいつも「おじゃまします」と言っています。

そんな日本の文化を大切にできるといいですね。

 

講演2 梶木典子さん

梶木典子さんの写真です

ブリューゲルの子どもの遊戯

子どもの遊び場について考えるようになったのは、阪神淡路大震災からです。一瞬にして何もなくなったとき、私自身がどうやって子育てをしていったらいいのかと。そして、すべての公園に仮設住宅ができ、子どもの遊び場がなくなったとき、遊び場は子どもの成長にとって大切なんだと気づき、この研究を始めました。

これは、オランダの画家ブリューゲルの「子どもの遊戯」という絵画です。馬跳びだったり、砂場、竹馬など、様々な子どもの遊びが描かれています。1560年に描かれたのですが、遊びの数は約90種類。この絵の子どもたちの表情に注目しますと、私たち大人は、子どもが遊んでいるときは笑顔があふれていると想像しがちですが、実はみんな集中していて真剣な表情ですね。

 

子どもにとって「遊ぶ」とは?

遊びは子どもだけでなく、大人にとっても重要なことです。

1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」では、子どもの基本的人権が保障されていて、その31条に遊びのことが書かれています。

「休息及び余暇についての児童の権利、並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い、並びに文化的な生活及び芸術に参加する権利を認める」

ただこれは残念なことに、忘れられた条文と言われ、もっともっと大切なことがあるだろうと「遊び」が軽んじられていた経緯があります。

IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)では、「遊びは、本能的なものであり、強いられてするものではなく、ひとりでに湧き出てくるものです。遊びは、子どもの体や心や感情や社会性を発達させます。遊びは、子どもが生きていくために必要なさまざまな能力を身につけるために不可欠なものであって、時間を浪費することではありません。」としています。つまり暇つぶしではないと。

子どもは決して暇つぶしをしているのではないのに、大人たちは子どもが遊んでいるとつい「勉強しなさい」と言いがちです。

では子どもが遊べない理由ってなんでしょう。IPAでは2010年に世界専門家会議を開催しました。日本の場合、「他人より良い成績をとらせたいと親が思っている」とか、「子どもに何かあったら訴えられる」、あるいは、「子どもの遊びのハイテク化」などいろんな要因が考えられます。

各国から出されたそれらの要因に対して、国連の子どもの権利委員会は、先ほどの忘れられた条文、子どもの権利条約第31条について、各国が責任を持って子どもの遊ぶ権利を保証し確実に実行するようにとの一般的見解(General Comment No17)を発表しました。

子どもたちには遊ぶ権利があるんだということを理解していただければと思います。

では、どうして子どもは遊ぶのか。

子どもは目が見え始めると、いろんなものに好奇心を示し始めます。まずは、やりたい・やってみたいですね。それは、ワクワク、ドキドキして、とにかく楽しいから。集中できるからなんですね。たとえば、先生に言われたからではなくて、「本を読みたい」と思ったら、子どもにとってそれは遊びです。

遊びは「生きること」そのものであり、それ自体が目的なんです。本棚を作るつもりで釘を打っていると、いつのまにか釘を打つことが遊びになってしまう。そんなとき大人は、「本棚をつくりなさい」と言いがちですが、遊びとは無計画なものであり、子どもが自由に遊べることが大切。子どもは本来勝手に遊ぶものなんです。

ただ最近では、「どうやって遊ばせてくれるの?」と言ってくる子もいますが・・・。

 

子どもの遊びを取り巻く現状

「三間(さんま)」ってご存じでしょうか。それは、遊び時・遊び仲・遊び空。この三つの「」をとって「子どもの三間」と言います。今、この「三間」が確保できていなくて、子どもが遊べないのではと言われています。その三つの間でそれぞれ相互関係はありますが、一番減っているのは、なんでしょうか。

50年前・60年前はどうだったんでしょうか。この写真、昭和30年の「こどものいた街」という井上さんの写真集からとらせていただいたのです。

『遊び時間』では、学校が終わった放課後で、「放課後は楽しい時間。塾もお稽古もない。さあ、子どものいる街に出かけよう。」と、このようなキャプションが書かれていました。ランドセルを置いたまま遊ぶということですね。でも今はダメ。一度家に帰ってランドセルを置いてこないといけない。

『遊び仲間』では、ゴム跳びという遊びがあり、「どうしても仲間に入りたい小さな妹。姉が抱えて越えさせる。仲間はずれはなしだ。」と。

小さい子も遊べるよう、縦の関係の中でルールをつくったものです。

では『遊び空間』はどうだったんでしょう。

「道路や空き地が球場だ。グローブがない子は素手で守備につく。9人も要らない三角ベースで始まりだ。」と。道路で遊ぶこともできた時代ですね。車の数も少ない。そういう遊び空間があった時代です。

今、どうなってきているのか。遊びの方法も随分変わってきました。あの宮崎駿さんが、「うちの子は、トトロを100回観ました」というお母さんに「観るのは1年に1回くらいにして、99回は外で遊んで欲しい」と言われたそうです。トトロが緑の中にいるシーン、その森の、五感で感じる木漏れ日のキラキラとか、温度、匂いとかは、100回観てもわかりません。

神戸市内のある小学校で行った遊びの実態調査では、こんな結果がでました。この10年間で、放課後の遊びについては、文部科学省の制度で放課後教室が始まっています。

まず、『遊び時間』。週に1回でも塾や習い事をしている子が10年前は8割でしたが昨年は9割に増加。小学校1・2年では習い事が多く、3年から塾が多くなっていきます。

『遊び仲間』はどうでしょう。最新のものでは低学年に異年齢が少し増えています。これは、放課後教室ができ、異年齢と遊ぶ機会が増えたのだと思います。また、竹とんぼのおじさんなど「遊びを教えてくれる人」や「モノ」についてですが、この10年間でスマートフォンがでてきて、10年前はほとんどなかったインターネットが増えてきています。

『遊び空間』はどうでしょう。10年前はいろんな遊び場がありましたが、今回二極化が進み、ほとんどが「自分の家」と「近所の公園」です。特に「友達の家」が減っていて、それは、何かあったときの心配があるため、親同士が友達でない知らない家には行かせられない。そんなことが原因のようです。また、屋外も、道路やマンションの周りは苦情が出てくるということで遊ばせられない。今では、屋外では「近くの公園」が、重要な遊び場になっていることがよくわかります。

子どもたちに「外で遊びたくても遊べない理由はありますか?」と。聞くと、「ある、ある。遊びたくても遊べないことよくある。」と。子どもたちが思っている外で遊べない理由は、まさしく「時間がない」です。「塾や習い事がある」から。

実は、空間については、すごく大きな空間が必要なわけではなく、隙間空間で充分遊べるのです。でも隙間時間では遊べないんですね。そこで、その隙間時間にぴったりな遊びが携帯ゲーム。短い時間でも遊ぶことができ、それがスマートフォンへと変わってきています。

また、前回割と多かった、「外で遊ぶと叱られる」という理由は減ってきています。

もうひとつ、子どもが巻き込まれる犯罪について。実は、子どもが巻き込まれる犯罪の数は減ってきていますが、種類が変わってきています。被害者に多いのは、小学校1年生・女子・7歳。これは、小学校1年になると親から離れ、自分で遊びに行くようになるから。誰かに声をかけられ、ついて行き、犯罪に巻き込まれる。そういったケースが考えられます。以前はお金持ちの子が、身代金目的でさらわれるというケースが多かったようですが、最近ではお金を持っている・持っていないは関係なくなってきています。

次に、遊び方法の変化と子どもの体についてです。ゲームばかりしていると、『ストレートネック』になってしまったり、また体を動かさないと、足の『浮き指』や『内反小趾』という症状が出てきます。また『先天性欠損歯』、小臼歯がない子も10人にひとり。腕が真っ直ぐ上がらない、真っ直ぐ立てない、足の裏をつけてしゃがめない、5秒以上片足立ちができない、転ぶときに手が出ない、子供でも肩こり・腰痛などが出てきます。それらはロコモティブシンドローム(運動器症候群)と言われ、子どもたちの間で広がってきています。

逆に運動ばかりしている子、たとえばサッカーに夢中になっている子は、使っているところばかり発達して運動器の機能不全や障害が生じるケースもあります。

子どもの体について、運動習慣、生活習慣の二極化が進んでいると言われています。

たとえば授業中の子どもの姿勢について、片手が机の上になかったり、顔に手をついている子、背中をゆがめている子、そんな子どもたちが普通に見られます。それはなぜかというと、体幹がグニャグニャ。体幹が育っていないことがひとつの原因にあげられます。

体幹が育っていない理由のひとつは、いつまでもベビーカーに乗っているから。ベビーカーは親も子どもも楽だけど、歩かせなければいけない時期は、きちんと歩かせなければいけません。

「でも、公園では自由に遊べないでしょ」とも言われ、実際に調べてみました。神戸市内の子どもの多い区で、街区公園と近隣公園にある看板を調べました。公園で、何らかの行為の禁止看板がないところは49ヶ所、ありは96ヶ所。ありのうち、全てのボール遊び禁止が15ヶ所、ボール遊びに制限のない公園は36ヶ所。特定のボール遊びには制限のある公園が45ヶ所、ボール遊びの制限とは、硬いボールはダメ、中学生以上のボール遊びはダメとか、バットはダメとか・・。このとき、意外とボール遊びできるんじゃないかと思いました。

次に公園の遊具についてです。吊り下げ部が撤去されたブランコがあったり、落書きだらけの遊具があったり。そして替わるようにして、健康器具が多くなってきています。

このように、子どもを取り巻く現状は、犯罪、事故、災害、環境問題、病気、いじめであったり、いろんな危険に囲まれています。親がいつまでも守ってあげられたらいいのですが、いつかは社会に出て、いろんな問題を自分で対応できるようにしなければいけません。そんなときに必要な力はたくさんあります。創造力・判断力・瞬発力・コミュニケーション力・精神力・体力。中でも、私は大震災時に『体力』が大切であると実感しました。外で遊ぶことによって、それらの力がバランス良くついていきます。また、人間としての総合力も同時に学ぶことができます。自由な遊びの中でこそ、こういう力がついてくるのです。

 

自然を活用した遊び場づくり

そこで、子どもに自由な遊び場を保証する冒険遊び場づくりについてご紹介します。それは「自分の責任で自由に遊ぶ」というモットーを掲げ、禁止事項をなくし子どもの“やってみたい”を実現していく遊び場です。そこにはプレイワーカー(プレーリーダー)と呼ばれる大人が配置されています。

そこは、子ども自身が遊びをつくる遊び場。プログラムを用意するのではなく、冒険や挑戦したくなるような要素が散りばめてあります。さらに作り続ける活動ということで、地域の中で遊び場を作り続けていくことが重要になってきます。

大切なことは人の理解と協力支援。人との関係性、子ども同士だけではなく、子どもと大人、大人同士、地域の中で子どもを育てるという意識になります。

この冒険遊び場は1943年、デンマークのエンドラップというところで廃材遊び場としてスタートしました。遊具があるわけではなく、廃材がいっぱいあって、小屋を作ったり、隠れ家を作ったりして遊んでいる。そのうちに、整った遊び場よりも、子どもたちが自由に遊べる要素がたくさんある、こんな遊び場の方がいいのではないかということで、造園家の人がこういう遊び場をつくり始めました。

その遊び場がイギリスに伝わって、冒険遊び場という名前になり世界に広まっていきます。日本には1979年、国際児童年に、東京都世田谷区にある羽根木公園に羽根木プレイパークとして常設の遊び場ができました。さらに全国的に広がり始めたのは1990年代後半から。学校5日制がスタートし、子どもの放課後の遊び、週末の遊びを補償するということで広まり始めました。また、東日本大震災後は、東北を中心に広がり始めました。遊びには子どもの心をケアする力があるということで、運動が広がっていったとのことです。

冒険遊び場の条件としては、全てを満たす必要はありませんが、まず、子どもの生活圏にあること。歩いて、あるいは自転車で行ける距離にあり、親に連れて行ってもらうのではなく、いつでも行きたいときに行けること。誰でも行けること。さらに、自然素材が豊かな社会環境であること。作り替えができる手づくりの要素があること。

運営方法は、地域の住民によって運営されること。儲からないからプレイワーカーの人件費を考えると、行政の関わりも必要です。専門のプレイワーカーがいることで、自由な遊びが実現していくことになるのです。調査によると冒険遊び場の多くは公共の場、都市公園、河川敷、児童館の隣などにあり、近年、私有地も増えてきています。

遊びは、ロープ遊び、リヤカー遊び、ハンモック遊び、手づくりの滑り台、水穴遊びなどなど。子どもたちは真剣です。穴を掘る遊びで落とし穴にしたり。また落ち葉プールをつくったり。火を使って遊ぶこともできるので、火をつけること、使うことも覚えられ、パンを焼いたり芋を焼いたり。

「何歳から遊びに行けますか」と聞かれますが、意外と小さいうちから行けます。私が聞いた一番早いのは、上の子がいたこともあると思いますが、生後40日です。歩けなくても大丈夫なので、ぜひ連れて行ってあげてみてください。

このデンマークの事例では、遊び場づくりが地域コミュニティづくりの拠点にもなっています。リーダーハウスがあったり、畑があったり。家にはない道具がそろっていることもメリットの一つで、小屋づくりも自分の城を作るように真剣です。

愛知県にも天白などいろんなところにプレイパークがあり、現在は17ヶ所です。さきほど紹介したような遊び、あるいはその地域に応じたような遊びが展開されていますので、自然の中で子供さんと一緒に遊ぶということで、ぜひ利用していただけたらと思います。

最後に、子どもと子ども、子どもと大人、子どもと社会は遊びを通して繋がることができます。夢中で遊ぶ子どもの顔は今も昔も変わりません。人生において遊ぶことはとても大切です。みなさんもぜひ、「自分が遊ぶ」という自動詞で、楽しんでいただけたらなと思います。

子どもは、外でしっかり遊んで、たくさん歩いて、しっかり食べて、よく眠る。これが基本です。そして、「つ」のつく年齢、「ひとつ」から「ここのつ」まではしっかり遊ぶということを大事にして欲しいです。

そして大人は、子どもを退屈にさせてあげてください。雲を見たりする、そんな時間が必要なんです。「退屈で死んでしまいそう」、と子どもが思えば、きっと何かが生まれると思います。

子どもがもの思いにふける「退屈な時間」、そんな時間をつくってあげられたらと思います。

 

アンケート結果(回答者数112人)

お住まい・性別・年代

参加者の住まいについてのグラフです

名古屋市内 96人
愛知県内 10人
他県 6人

参加者の性別についてのグラフです

男性 69人
女性 41人
無回答 2人

参加者の年代についてのグラフです

10代 3人
20代 1人
30代 9人
40代 19人
50代 8人
60代 16人
70代以上 54人
無回答 2人

緑のまちづくりフォーラムの開催について、何でお知りになりましたか

フォーラム開催を知った手段についてのグラフです

広報なごや 20人
チラシ 18人
名古屋市ホームページ 7人
知人・友人・家族など 38人
その他 27人
無回答 2人

講演1の内容はどうでしたか

講演1の満足度についてのグラフです

満足している 74人
おおむね満足している 29人
少しもの足りない 4人
もの足りない 1人
無回答 4人

講演2の内容はどうでしたか

講演2の満足度についてのグラフです

満足している 55人
おおむね満足している 32人
少しもの足りない 2人
もの足りない 0人
無回答 23人

講演を契機に、緑を守り育てる活動に参加してみようと思いましたか

緑を守り育てる活動への参加希望度についてのグラフです

ぜひ参加したい 25人
できれば参加したい 47人
あまり参加したくない 3人
参加したくない 0人
わからない 13人
無回答 24人

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