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BCP策定企業の事例紹介(株式会社フジチュウ) 

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このページを印刷する最終更新日:2014年3月12日

ページID:55418

BCP策定企業事例紹介

株式会社フジチュウの外観

企業名 株式会社フジチュウ
創業 昭和24年
会社設立 昭和29年
従業員数 35名
資本金 3000万円
業務内容 エレベーター部品製造(薄板板金加工)

Q.BCPに取り組まれたきっかけは何ですか。

株式会社フジチュウ加藤常務

 東日本大震災を目の当たりにして、我が社の地震対策について考え始めたのがきっかけです。しかし、何から手をつけたらいいのか、どのように進めたらいいのかよく分かりませんでした。震災後、マスコミの報道などで「BCP」という言葉が注目されるようになりましたが、当初は、何のことかほとんど知識がありませんでした。しかし、取引先からもBCPに関連した問い合わせを受けるようになり、次第に関心を持つようになりました。
そんな折、名古屋市が主催するBCP基礎セミナーがあったので、勉強のために参加しました。やはりこの地域では、かなりの高確率で南海トラフ巨大地震が予想されており、中小企業においてもBCPは必要であることが実感されました。それで、これを機会に本格的に取り組もうと思ったわけです。

Q.BCPの目的は何ですか。

 もちろん、社員とその家族、そして会社を守ることが第一です。
 それと同時に、取引先に迷惑をかけないということも大事だと思います。災害が起きたときに製品供給に影響が出ないように最大限の努力をすることは、お客様の信頼を勝ち取るために必要なことです。
 このことは、厳しい環境に晒されている中小企業にとっては、生き残りのために何よりも必要なことではないでしょうか。

Q.どのようにBCPに取り組んだのですか。

 名古屋市が行っている専門家派遣制度を利用させていただきました。BCPに詳しい中小企業診断士の先生にお越しいただき、個別にご指導いただきながら進めていきました。
 具体的には、「あいちBCPモデル」に基づいて、まずは基本的なBCPを作り上げることを目標としました。このBCPモデルは、ガイドラインに沿って記入していくと、基本レベルのBCPができあがるようになっています。イラストや図解が豊富で、初心者には非常に分かりやすいツールだと思います。7月から取り組み始め、11月には一通りのBCPを完成させることができました。

未固定設備を床面へ固定

固定されていなかった設備は、床面にアンカーを打ち、固定しました。

転倒防止金具取り付け

こちらは、床を固定するだけではなく、棚同士を金具で連結し、転倒防止を図りました。

備蓄品

水、食糧、毛布、簡易トイレ、ラジオ、懐中電灯、救急箱等、必要と思われる最低限のものを備蓄しました。

Q.BCPを作る中で一番難しかったところはどこですか。

 地震の被害をどの程度に想定したらいいのかということで迷いました。南海トラフ巨大地震については、国から新しいデータが公表され始めていますが、名古屋市の詳しい情報については、まだ十分公開されていないところもあるので、自分の会社がどの程度の被害を受けるのかについて、はっきりイメージしにくいところがあります。
 今回は、最悪の事態を想定しながらも、津波や液状化などよく分からないことについては、考慮に入れずに対策しました。これについては、詳しい情報が分かり次第、見直しをしようと思います。

Q.今後の課題は何ですか。

 まだ、今後取り組まなければならない重大な課題がいくつかあります。
 まずは、取引先との連携です。今回は自社だけでBCPを作りましたが、実際に被災したときは、取引先との協力関係なしに復旧活動はあり得ないと思います。今後は、取引先との情報交換を進めてBCPの内容を詰めていく作業が必要になると思います。
 また、建物の耐震補強については、まだ対策が実行できていません。簡単に対策できる内容ではないので、今後、長期にわたって計画的に取り組んで行かなくてはいけないと思います。
 それから、被災後の緊急資金の確保についても、まだ十分な対策が打てていません。緊急資金については、約1か月分の運転資金が確保できることを目標にしておりますが、実際にどのように緊急資金を確保するのかということについては、今後の検討課題です。

Q.BCPに取り組んでよかったことは何ですか。

 いままで、地震対策をしなければいけないと思いながら、何をしたらいいか分からないもどかしさがありましたが、そのもやもやしたものが一気に解消した感じがあります。
いまでは、最低限の対策は一通りできているという安心感があります。
 また、社内で何度も教育や訓練をやるようになったためか、社員の意識にも変化が出てきました。地震について関心を持ち、自律的に考え行動できるようになってきているように感じます。これだけでも、BCPに取り組んだ意義があったと思います。
 それから、協力会社の組合から、「勉強会でBCPの事例発表をしてくれないか」というお声をかけていただきました。
 業界の中でもBCPの取り組みが広がっていくのはうれしいことだと思います。

Q.今後BCPに取り組む方々に何か一言いただけますか。

 BCPに取り組んでみて気づいたのは、これは、私たちが生産現場でいつもやっている改善活動と非常によく似ているということです。改善活動では、以下のような標語が使われることがありますが、これがBCPにもそのまま当てはまると思いました。

  • できない理由より、やる方法を考えよ。
  • パーフェクトを求めるな、50点でよい、すぐやれ。
  • カネをかけるな。

 BCPもできない理由を探し始めたら、永遠に取り組むチャンスはやってきません。それに、初めから完璧を目指すのではなく、まず50%の完成度でも一通りのBCPを作ってみることが大事だと思います。
 そして、お金のかかることばかり考えるのではなく、できることからすぐに実行することが重要なのではないでしょうか。 

このページの作成担当

経済局産業労働部中小企業振興課経営支援担当

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