ページの先頭です

ここから本文です

所報第39号(2009年)

ソーシャルメディアへのリンクは別ウインドウで開きます

このページを印刷する最終更新日:2012年9月20日

ページID:12974

平成22年3月に発行した、名古屋市環境科学研究所報です。当所で行っている業務や調査研究等の紹介をしています。

名古屋市における光化学オキシダントによる植物被害観察

 名古屋市内11地点において,2008年夏季にアサガオを用いた光化学オキシダントによる植物被害観察調査を行った.その結果,すべての地点で光化学オキシダントによる葉の被害が観察された.6月下旬に行った調査では,市内の平均被害葉率は34%で,被害葉率と光化学オキシダント濃度の日最高濃度平均値,AOT40(40ppbを超えるオゾン濃度の積算値)の分布との間に関連性が認められた.光化学スモッグ注意報発令後に行った調査では,市内の平均被害葉率は50%となり,可視被害が悪化したことが確認された.

添付ファイル

Adobe Reader の入手
PDFファイルの閲覧には Adobe Reader が必要です。同ソフトがインストールされていない場合には、Adobe 社のサイトから Adobe Reader をダウンロード(無償)してください。(外部リンク)別ウィンドウで開く

名古屋市における微小粒子状物質(PM2.5)調査結果

 名古屋市内の1地点において,米国の標準測定法(FRM)による微小粒子状物質(PM2.5)の測定を,2003年度から2008年度にかけて行った.その結果,年平均値は22から26μg/m3の間で推移し,また98%値は50から64μg/m3の間で推移しており,2009年9月に告示された環境基準を超える濃度レベルであることがわかった.また,2006年度に採取したPM2.5の成分分析結果では,硫酸イオンが最も高濃度となり,全体の24%を占めた.次いで高濃度となったのは有機炭素で,全体の19%を占めた.また,4から10月は光化学反応による二次生成によって,11から3月は大気の安定化によって高濃度となることが,成分分析の結果から示唆された.PMF法により発生源寄与率を推定した結果,二次生成粒子が50%以上を占め,ディーゼル排気粒子の寄与は18%であった.また,SPM濃度から推定した一般環境中における市内のPM2.5濃度は15から23μg/m3となり,ほとんどの地点で環境基準を超過する可能性が示唆された.

名古屋市の大気中エチレンオキシド,プロピレンオキシド濃度についての一考察

 名古屋市では平成12年度よりエチレンオキシドの,平成15年度よりプロピレンオキシドの大気中濃度の測定を行っている.大気中のエチレンオキシド,プロピレンオキシド濃度は経年的に減尐傾向がみられ,特にプロピレンオキシドについて,PRTR法による届出大気排出量と同様に大気中濃度が大きく減尐していることから,プロピレンオキシドは特定の固定発生源が大気中濃度に寄与していることが示唆された.経月的には年度の前半に高濃度となる傾向があり,気温や光化学反応関連物質と正の相関があったことから,光化学反応による二次生成の寄与が示唆された.また濃度シミュレーションの結果と実測濃度との比較からも,光化学反応による二次生成の寄与が示唆された.

吸音材の吸音特性測定法に関する研究-排水性舗装の吸音特性-

 吸音材の吸音特性測定法に関する研究として排水性舗装の吸音特性についての検証を行った.本報告では,測定方法として2マイクロホン法1)を用い,排水性舗装のテストコアサンプルに対してその厚みや空隙率と吸音率との関係を調べた.その結果,厚みが増すと吸音率のピ-ク周波数は低域に移行し,空隙率が増加するとピ-ク周波数及び吸音率は増加するなどの傾向を見いだすことができた.

名古屋市内水域におけるノニルフェノールエトキシ酢酸の定量

 非イオン界面活性剤ノニルフェノールエトキシレート(NPnEO)の分解生成物であるノニルフェノールエトキシ酢酸(NPnEC)の定量法の検討を行い,市内水環境中のNPnECをHPLC-蛍光検出器により測定した.環境水中からノニルフェノールモノエトキシ酢酸(NP2EC)や,ノニルフェノキシ酢酸(NP1EC)を検出した.下水処理水の占める割合が大きい地点ではNPnECの値がNPnEOの値より大きく,生分解によりNPnECが生成していることを確認した.

買い物行動における交通手段からのCO2排出量分析と評価

名古屋市内水域における非イオン界面活性剤ノニルフェノールエトキシレートの経年変化

IMPROVE法による大気粉塵およびPM2.5に含まれる有機成分のサーモグラム

発泡苦情に対する分析事例

名古屋市内水域における底質中の重金属の経年変動

マイクロ波プラズマ法によるダイオキシン類除去について

雑誌等掲載

以下の雑誌等に掲載された論文等の概要です。

  • 「河川文化」42,8-10(2008.6)に掲載された「シャチも訪れた堀川の水質-水質の変遷と今-」
  • 「大気環境学会誌」43(5),273-283(2008)に掲載された「PM2.5中元素状炭素の自動車排出係数の推計と
    一般環境における大気中濃度の変動」
  • 「分析化学」58,81-86(2009)に掲載された「名古屋市内底質中におけるダイオキシン類の発生源推定」
  • 「Photo/Electrochemistry & Photobiology in the Environment,Energy and Fuel」147-158(2009)に掲載された「Atmospheric deposition of polychlorinated dibenzo-p-dioxins and
    polychlorinated dibenzofurans in Nagoya City,」

学会発表等

以下の学会等で行った発表等の概要です。

  • 「日本騒音制御工学会2008年春季研究発表会」で行った「名古屋市域における新幹線鉄道騒音振動の変遷と対策」の発表
  • 「第17回環境化学討論会」で行った「LC/MSによる化学物質分析法の基礎的研究(36)」の発表
  • 同上「底質PBDE迅速分析のためのELISAの適用と定量性評価-GC/MSデータとの比較-」の発表
  • 「第49回大気環境学会」で行った「光化学オキシダントと粒子状物質等の汚染特性解明に関する研究(1)
    -2007年6月下旬のOx・SPM高濃度汚染についての一考察-」の発表
  • 同上「名古屋市におけるPM2.5高濃度時の成分組成」の発表
  • 同上「PMF法を用いた大気中重金属類の発生源推定」の発表
  • 同上「名古屋市におけるCO2の濃度変動および地域特性」の発表
  • 同上「PMF法を用いた名古屋市内のVOC発生源寄与率の推定」の発表
  • 「第11回水環境学会シンポジウム」で行った「水質指標を超えて-ため池の場合-(生き物から水環境をみる)」の発表
  • 「環境科学セミナー」で行った「5-ジヒドロテストステロンの分析法開発」の発表
  • 同上「カルベンダジム,ベノミルの分析法(水質)」の発表
  • 「第43回日本水環境学会年会」で行った「ため池における植生の変化が水質に及ぼす影響」の発表

その他

その他、所報に記載されている内容です。

このページの作成担当

環境局地域環境対策部環境科学調査センター企画管理担当

電話番号

:052-692-8481

ファックス番号

:052-692-8483

電子メールアドレス

a6928481@kankyokyoku.city.nagoya.lg.jp

お問合せフォーム

お問合せフォーム

ページの先頭へ