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と畜検査で検査すべき疾病について

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このページを印刷する最終更新日:2021年6月10日

ページID:6516

ページの概要:と畜検査で検査すべき疾病について

と畜場では『と畜場法』に基づいて疾病の検査を行っています。疾病には『全部廃棄』の対象となるものと『部分廃棄』の対象になるものがありますが、以下にその例をいくつか紹介します。

全部廃棄の対象となる疾病

1.家畜伝染病(牛、馬、豚、山羊、めん羊では22疾病)

  • 炭疽
    Bacillus anthracis(炭疽菌)という菌によって起こる疾病で、代表的な家畜伝染病のひとつです。人獣共通感染症として知られ、ヒトを含む種々のほ乳類に感染します。急性の敗血症を引き起こし、発症するとヒト・動物ともに高率で死に至ります。過去に炭疽菌に汚染された食肉を食べたことによる集団感染の事例が発生したことがありますが、現在ではほとんど発生はみられていません。
  • ヨーネ病
    Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis(ヨーネ菌)という菌によって起こります。牛などの反芻獣において、特徴的な腸炎を引き起こします。本病は人獣共通感染症ではありませんが、ヒトのクローン病との関連が指摘されています。また、撲滅対象疾病に指定されており、撲滅が図られています。
  • 伝達性海綿状脳症
    動物の体内にあるプリオンたんぱく質が異常化し、脳の組織がスポンジ状になり、起立不能などの症状を示す病気です。BSE(Bovine Spongiform Encepharopathy)の名前で知られる牛の疾病は、この病気に含まれます。ヒトが牛の異常プリオンたんぱく質を食べると、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を発症することがあるとされています。詳細はページ下部のリンクを参照して下さい。

2.届出伝染病(牛、馬、豚、山羊、めん羊では52疾病)

  • 豚丹毒
    Erysipelothrix rhusiopathiae(豚丹毒菌)という菌によって起こります。当と畜場で最も多く発見される届出伝染病です。豚において、じんましん・関節炎・心内膜炎といった症状を引き起こします。この菌はヒトにも感染し、発熱・疼痛・リンパ節炎などを引き起こします。ヒトに感染した場合は「類丹毒」と呼ばれます。
皮膚型豚丹毒に罹患した豚の枝肉。肩に菱形のじんましんが現れています。
  • トキソプラズマ症
    トキソプラズマ原虫の寄生による疾病です。トキソプラズマ原虫が妊婦に感染すると、流産などを引き起こすことがあります。

3.その他、厚生労働省令によって定めるもの

  • 黄疸(高度なもの)
    肝機能の低下が起こったり赤血球が大量に破壊されたりすることで、ビリルビンという色素が血中で増加して組織に沈着し、組織が黄変してしまった状態です。と畜検査においては、脂肪や内臓が黄変していることや血中のビリルビン値を検査することで発見されます。
  • 敗血症
    感染した細菌が全身に広がってしまった状態です。全身で細菌が増殖しているため、食用に供することはできません。
  • 尿毒症
    腎不全や排尿困難を起こしたことで、尿中に排泄されるはずの老廃物などが血中に残ってしまう状態です。と畜検査においては、腎臓の検査や臭いを検査することによって発見されます。

部分廃棄の対象となる疾病

  • 豚流行性肺炎
    マイコプラズマという病原体によって起こる豚の慢性呼吸器疾患です。と畜検査で発見された場合は肺を廃棄することになります。
豚流行性肺炎に罹患した豚の肺
  • 寄生虫性肝炎
    豚回虫と呼ばれる寄生虫が感染することによって起こる疾病です。寄生虫が肝臓に侵入することによって、肝臓の表面に白い斑点が現れます。と畜検査で発見された場合は肝臓を廃棄することになります。
豚回虫が寄生した豚の肝臓
  • 肝膿瘍
    壊死性桿菌などの化膿菌が感染することによって起こる疾病で、肝臓に膿(うみ)ができた状態です。と畜検査で発見された場合は肝臓を廃棄することになります。
膿瘍の発生した豚の肝臓
  • 増殖性腸炎
    Lawsonia intracellularisという菌が感染することによって起こる疾病です。腸粘膜が厚くなり、出血を起こすために、血便が見られるようになります。と畜検査で発見された場合、腸を廃棄することになります。
増殖性腸炎に罹患した豚の腸
  • 肝蛭(かんてつ)症
    肝蛭と呼ばれる寄生虫が、肝臓に寄生することによって起こる疾病です。と畜検査で発見された場合は肝臓を廃棄することになります。
牛の肝臓から取り出された肝蛭

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