第2回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 議事録 令和7年7月14日(月)午前10時00分〜正午 〇座長 はい、本日はお忙しい中ご出席いただきましてありがとうございます。定刻になりましたので、只今から第2回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会を始めさせていただきたいと思います。本日は報道の方がいらっしゃいますかね。カメラはない。はい。傍聴の方がいらっしゃってくださっていると思いますが、傍聴の皆さまにおかれましては、受付でお渡しした注意事項をご確認いただき、遵守いただきますようよろしくお願いいたします。 それでは進めさせていただきます。本検討会の性質上、前回の会議と同様、皆様の自由闊達な意見交換を期待しておりますが、人権に関わるデリケートな内容・表現が出てくることも想定されます。皆様には改めて申し上げるまでもないかもしれませんが、表現等には十分ご留意いただきますとともに、本日は限られた時間内で、可能な限り条例内容の具体化を進めていきたいと考えておりますので、お手元の資料を基にしたご審議をお願いできればと考えております。 また、委員には視覚障害をもたれた方がいらっしゃいますので、発言する際は、お名前を名乗ってから発言いただくようご配慮をお願いいたしします。 でははじめに、「名古屋市子どもの権利擁護委員の活動」について、間宮委員よりご説明をお願いいたしします。 〇間宮委員 今日はお時間をいただいてありがとうございます。15分程度、簡単で駆け抜ける形で、擁護委員制度についてご説明をしたいと思います。今日の意見のまとめについては少し皆さんに配布したものとちょっと違う、もう少し論点整理ができるような形で少しスライドを変えておりますがご了承ください。 そもそもですね、なぜこういう救済機関、いろんな呼ばれ方をするんですけれども、政府から独立した人権機関というものを、国連から作るようにということをずっと求められています。これは政府から独立した、ごめんなさい、漢字が間違っておりますけれども、立場で、人権基準の遵守促進のために一定の任務を与えられて活動する機関のことをいいます。1992年に国連人権委員会で国内人権機関の地位に関する原則という、パリ原則というものが採択されて、国連の条約を批准している国々が、自分の国の中で政府から独立した人権機関を作っています。この人権機関がきちんと、例えば独立性が保たれているかなど、このパリ原則の基準に則って 2ページ いるかどうかということをランク付けしている機関があります。ちょっと古いんですけども、2014年の5月時点のランク付けとしては、Aランク71、Bランク25、Cランク10となっています。Aランクの内訳の中に、アジア・太平洋が15、アフリカ18、ヨーロッパ22、南北アメリカ大陸16ということで、なんとなくこう、ヨーロッパだけのイメージかなあと思うんですが、実はアジアでもこの、政府から独立した人権機関を作っている国々がたくさんあるということです。 子どもについてはさらに、子どもの権利救済機関というものが作られるという潮流ができています。この子どもの権利救済機関の主な機能としては、いくつかの捉え方があるんですけれども、私はこの3つということで整理をしています。1つは個別救済機能ですね。例えば差別を受けたお子さんが、これはおかしいと訴えていくというものですね。で、2つ目がモニタリングと制度改善機能です。要するに、どのような権利侵害が行われているかとか、自治体でいけば、条例がおかしくないかとか、制度がおかしくないかということを監督をするというのがモニタリング機能になります。それに加えて、意見表明、これも国々によってちょっと違うんですけれども、例えば機関に対して意見表明ができるとか、その首長に対して意見表明ができるとか、あとはこういうふうに変えた方がいいんじゃないかという助言をしたり、それから勧告などを行ったり、こういう制度改善機能というものを持っています。3つ目が広報啓発機能ということで、子どもの権利に関わる広報啓発を行うと。概ねこの3つが機能となっています。国によって設置の仕方は違っていて、国そのものに設置するパターンと、国と地方に設置するパターン。それから日本はちょっと独自の発展形なので、国に無いけれども地方自治体が頑張って作っているよというパターンになっています。国に設置しても、個別救済機能は持たずに、地方の救済機関が個別救済機能を持ち、そこから情報収集したことで制度改善を行っていくという国もあります。 名古屋市は、2019年に名古屋市子どもの権利擁護委員条例というものを作りました。で、この目的が1条に入っています。今日、活動報告書というものを机上配布させていただいていると思うんですけれども、そちらの後ろの方に、名古屋市子どもの権利擁護委員条例が掲載されていますので、ご参照いただければと思います。目的は1条に書いてあるんですけれども、子どもの権利を守る文化と社会をつくり、子どもの最善の利益を確保するということになっています。やはりこの「文化と社会をつくるというのが私たちの活動の中では非常に重要だなと思っていまして、子どもの権利を守る文化を作っていくということをどのように実現できるか、ということが私たちの活動の指針になっています。そして、国内人権機関の1つではあるので、独立性を有する、世界的に見ると独立性という観点からすると 3ページ ちょっと、法律上なかなか難しいところもあるんですけれども、一応独立性を持つんだということを条例の中に記載されていて、市長の附属機関という扱いになっています。ただ、独立性があるので、市長から何か命令されても、私たちはそれに応じないということになっています。擁護委員の職務は3条に規定をされていまして、4つあります。「相談」、「申立・発意」、「勧告・要請と公表」、「子どもの権利に関する普及啓発」という4つです。この相談と申立というのが、さっきの1つ目の個別救済機能にあたるものになります。それから発意、勧告・要請と公表というのが制度改善機能にあたるものになります。相談をすることでモニタリング機能が発揮されるということをまた後でご紹介したいと思います。 「なごもっか」というのは、子どもの権利擁護委員を支えるために2020年に開設した、名古屋市の子どもの権利相談室のことです。そこに配置されているのは子どもの権利擁護委員が5名、大学教員が3名と弁護士が2名です。そして大学教員がそれぞれ心理、福祉、教育と異なる分野にまたがっているということで、私たちどうしても、弁護士だと弁護士的な思考に陥りがちですけれども、他職種が連携しているということで、子どもの最善の利益の見方というものをさらに深められていると思っています。また、調査相談員、これは会計年度任用職員になりますが、これも15名いるということで、このあたりは全国で1番、ダントツで多い人数を付けていただいています。社会福祉士、公認心理師、保育士、相談業務経験者などですが、この方たちもバックグラウンドが多様ですので、その方たちの専門性をもとに、私たち共に議論しながら子どもたちの最善の利益を図るということをしております。そして事務局は3名おります。これは子ども青少年局の所属ですが、専属でこのなごもっかについていただいている3名ということになります。ここの職員3名の立ち位置というのは非常に微妙なんですけれども、ただなごもっか内でのご相談というのは当然子ども青少年局に関わるものも多数ございますので、相談内容については本庁には一切言わないという約束で働いていただいています。それから参与が1名ということで、やはりこの独立性というところが一番重要な課題になってきます。私はこういう仕事をなごもっかの前からやっているので10年くらいになるんですが、最初はいいんですね、どこの自治体さんも。作ったときには頑張って独立性を保障するんですけど、どんどん事務局が変わっていくと、独立性が侵害されていくっていうことが全国で、いろんなところで起こってきています。そういうこともありまして、独立性というものを重視しなければ、当然信頼を得られる勧告なんかできるわけがない、ですので、独立性をきちんと監督してくれる人ということで、参与という職種をつけまして、その人が独立性の監督をしてくれるということになっています。条例上にはありませんけれども、こういう方がいるということが、やは 4ページ り独立性というものを意識していかなきゃいけないねという、市の職員の方たちへの意識づけになっているかなと思います。それから専門調査員という制度がありまして、私たちのところは、かなり多くご相談いただいておりますので、勧告などをするにあたって、他自治体はどうなんだろうとか、本当にやれることなんだろうか我々が求めることは、ということを悩むことがたくさんございます。ただなかなかそれを調査する時間はないということで、若手の研究者などに依頼をしておりまして、他自治体の調査や法令、判例などの検討というのをしてもらっています。そして最後、てつなぎなごもんずという、当事者である子どもたちが私たちの普及啓発や運営について参加をしてもらうという仕組みもとっています。 「なごもっか」の相談方法なんですけれども、場所はNHK名古屋放送センタービルの6階にあります。オアシス21からすぐのところですので、高校生がふらっと来るというような場所柄になっています。これは行政とは離れた場所に設置するということが、やはり独立性の観点からしては非常に重要なことだと思っています。相談方法は電話、FAX、手紙、面談ということで、今時LINEやらないのかと言われることが多いんですけれども、やはりなかなかLINEの中で子どもから相談を探っていくというのが非常に難しいということで、LINE相談の受付は始めましたけれども、相談そのものには使っていないということになっています。開設時間見ていただくとお分かりになるかと思うんですけれども、火曜日、木曜日、金曜日は午後9時までやっています。そして土曜日も11時から5時まで開設しています。最初はもうちょっと違う時間帯でやっていたんですが、やはり中学生、高校生が学校から帰ってきて相談できるという現実的なことを考えたときに、やはり夜の時間帯、そして土曜日か日曜日どちらかの開設は必要だということでこのような時間帯になっています。 「なごもっか」での相談の主な流れです。まずは初回、多くは電話なんですけれども、面談に来られる場合もあります。毎週週に1回、ケース検討会議という、全員が集まって、この子の最善の利益を図るためには何が一番良いのかということを会議しています。そこに相談をあげて対応を決めていきます。それを続けていくうちに解決に向かうものもありますし、必要があれば学校や施設などに出向いてお話をすることもありますし、保護者とお話をすることもあります。そのような中で、子どもの意見表明権、大人が勝手に、これが解決だ、ということではなく、子どもにきちんと意見を聞きながら、最善の利益を重視して、子どもと共に考えていくということをやっています。それと別ルートというか流れとしては、相談からいく場合もあるんですけど、先ほどの個別救済、そして制度改善につながるものとして、申立てという、当事者が行う制度があります。申立てが行われると、条例上私たち調査や調整の権限を持つということになりますので、例えば名古 5ページ 屋市の機関に関しては資料を提出してくださいとか、そういうことが言えるようになります。名古屋市は義務として出さなくてはいけないということになっています。大体やり取りの中で、こういう制度を変えた方がいいんじゃないかとか、こういうところに問題があるのではないかという指摘をすると、これまでのところ、多くの場合は自主的に制度や仕組みの改善をしていただいています。ただし自主的な改善が見られない場合は、勧告や要請の機能を使うということになります。また、もう1つ重要なのが発意という制度です。今回の制度設計で入れていただいた方が良いかなと思っているんですけども、発意というのは、当事者の申立ては無いけれども、子どもの権利侵害が認められると私たちが考える場合に、申立てと同じ効果を発生させる、調査や調整の権限を行使することができる、そして勧告や要請ができるという制度になっています。また後で事例の中でお話したいと思います。 相談については本当にいろんなものがあります。お話を聞いて整理をすれば終わるようなものとか、子どもたちは言わずに諦めていることが多いので、どうやって、誰に言っていきたいかとか、例えば先生に言うにはどこにハードルがあるんだろうみたいなことをこう、一緒に考えて、子どもをエンパワメントして、それで解決をする、つまり子どもが動いて解決をするというものもあります。ただやはり緊急性・重大性が大きくなってきますと、面談をすることが多くなってきます。面談の場合は親子分離をしてお話を聞くのを原則としています。親の前で子どもは本音を言えないからです。子どもの意見を中心に私たちは動いていくことになります。子どもが求めれば情報収集や調査・調整に入っていったり、必要があれば勧告・要請につながっていきます。多くの場合は傾聴、整理、エンパワメントのところで終わるんですが、面談に進むものも一定数あるということです。 今日配布しております活動報告書を見ていただくと良いと思うんですけれども、申立ての案件から制度改善に至ったものを2つ掲載されています。ひとつは、高校生による出席認定に関するルールについての申立てです。電車が遅れた時の遅延証明を持って行っても遅刻扱いにされる、電車の遅延で単位が取れなくなってしまうというところで申立てをされました。ただこれ学校側がすぐにうんと言ってくださらなくて、個別救済はできなかったんですが、学校と色々子どもの権利の観点から話し合いをして、生徒たちに聞いてほしいとお話をしました。最終的に学校が生徒会と話してくださり、生徒会が動いて様々な取り組みをし、制度を変えてほしいと声をあげて、最終的には制度が変わったというものです。なので個別救済はできなかったけれども予防にはつながったという案件になります。2件目が、名古屋市立の高校生による、学校施設の安全確保に関する申立てです。市立高校の体育館の窓ガラスが落ちてきたという案件があって、で、その 6ページ 窓は修繕されたんだけどその周りが修繕されていないと。でも同じ時代にできてると同じことが起きるんじゃないかまた、とこの高校生は思うんですけれども、でも修繕をしてもらえないということで申立てられたものです。これは申立て人の高校生とともに動いて、概ね解決ができています。ただ、個別救済はできたんですけれども、他にも名古屋市にも同じ問題があるだろうということで、こちらは私たちが発意ということで今対応をしています。また、来週に2024年度の活動報告書が出ますが、これ読み書きが困難な障害がある中学生の高校入試への合理的配慮についての申立がありましたので、まさに障害による差別と重なるところですので、見ておいていただければとおもいます。 相談で寄せられた声を、私たちはモニタリングとして意識をしていて、そこから普及啓発機能の一環である活動報告書で、相談から見えてきた課題を提示したりしています。また、私たち条例に基づく機関ですが、やはり法律のところに問題があるということも感じますので、普及啓発の一環として、国に対して意見を言うといった取り組みもしております。 教員の不適切な対応についても同じで、モニタリング、たくさん子どもたちから相談があって、それを毎年活動報告書に掲載し、そして国にも意見書を送って、制度指導提要というものに一部意見が反映されました。それでも不適切な対応についての相談は続きますので、自己発意をし、教育委員会といろいろやりとりをしているところです。なにか先生に言われた、みたいなことだと子どもたちは申立まで至らないんですね。でもそうすると、ずっと延々同じことが続いていきますので、それを私たちはモニタリングをして、これは制度的にやはり課題があるだろうと判断して、発意をします。発意機能は権利擁護機関に不可欠だと思っています。 普及啓発はあらゆるところでやっておりまして、この普及啓発が次の相談につながっていると思っています。 これをちょっと見ていただきたいんですけれども、今ですね、この人権条例の中で考えられている機関というのは、恐らく個別の事後的救済のことだけを考えられているかなと思うんですけど、やはり予防を全体に向けて何ができるかということもセットで考えていく必要があると思います。そういう意味では権利擁護機関が発意というものを持っていたり、あと普及啓発機能を持っていたりすると、相談を受けてそれをモニタリングして、発意や普及啓発につなげていく、で普及啓発をするとまた相談が入ってくるという循環になってきますので、この個別と事後的救済のところだけ見ていると不十分になってしまう可能性があると思います。なので、何の機能を与えていくのか、それを相談窓口とセットで一緒に考えていくのかとか、そういうことも含めての検討が必要だと思います。 また、これは読んでいただけたらと思いますけど、行政機関以外にも効果 7ページ がある条文を作ることで、行政の穴を埋めるということもできています。具体的に言うと私立学校への対応というのは、今どこも監督機関が無い状況ですので、それらに関しても私たちは効果を発揮することができるということです。 擁護委員の勤務体制なども書いておきましたけど、また議論の際にお使いいただければと思います。 続いて、条例検討の際に必要なことをお伝えしたいと思います。1つは独立性の具体的な確保ということ、2つ目は相談によるモニタリング結果の公表とそれへの対応ができるようにすること、で、普及啓発をどのように具体的に行うかということ、そして申立てがない場合にも、モニタリング等の結果等から、制度的に差別禁止を求める勧告や議会・市長等への意見提出ができるということ、そして協力義務が明記されること、そして、私たち子どもの権利擁護委員制度と重なるところもありますので、そこの連携が必要かなというふうに思っております。すみません、端折りましたが以上となります。 〇座長 ありがとうございました。委員の皆さまから何かご質問等ございますでしょうか。 〇委員 あの、今の発表、本当にもう少し詳しくお聞きしたいくらい重要なことだと思いました。一番思ったのは、やはり起こってからの処置も大事ですけれども、予防という言葉がでてきましたけれども、予防をこれからはしてですね、やっぱりつらい思いをする子どもたちが1人でもいなくなるようにやっていくべきだと思いました。私は知的障害がある人の親と支援者の会ですけれども、息子は知的障害がありまして、いじめは、息子は子ども同士のいさかいはなかったですけど、やっぱり先生とのボタンのかけちがいがありまして、その時に子どもも親もつらい思いをしましたので、そういったことがないように、予防は大事だと思います。以上です。 〇座長 はい、ありがとうございます。その他よろしいでしょうか。お願いします。 〇委員 どうもありがとうございました。相談の年齢なんですけれども、やはり小学校からだと、自分の言葉で相談ができるとは思うんですけれども、例えば赤ちゃんとかそういったところでは、自分で自分の意見を発することができない、そうなると、こちらのなごもっかの方の相談にはなかなかこう、うまくいかないのか、もしくはその代弁者という人がいて相談があるのかどうか、ちょっと実例があれば教えてください。 8ページ 〇間宮委員 はい。えっと、14ページを見ていただくといいかなと思いますけれども、13ページの方はですね、子どもさんが自分で連絡をしてきた場合の内訳になっていて、14ページの(4)が、相談対象の子どもの年代ということになっています。で、未就学が28件ご相談があり、やはりそれは保護者の方からのご相談が中心です。その場合でもですね、0歳ということだとお子さんの意向を聞きながらというのは難しいんですけれども、子どもの場合は大人が子どものことを勝手に決めつけてしまうことがありますので、なるべく未就学児でもお子さんに来ていただいて、遊びながらですね。まとまった意見を聞くというのは難しいので、遊びながら、その子の意向を確認しながら方向性を決めていくということにしています。 〇座長 ありがとうございます。他、よろしいでしょうか。お願いします。 〇委員 ちょっとお聞きしたいんですけど、このなごもっかという、この資料というのは、こういった機関というのは、小学校とか中学校の方には配布したりとか、そういうことはされてるんですかね。なかなかこういった会議に出たりとかもしてる場合だと、こういう機関がある、こういう相談室があるとはわかるんですけど、本当に一般家庭で育っている子どもたちとか親御さんっていうのはどこに相談したらよいのかっていうのが分からないことが多いと思いますけど、こういった周知っていうのはどのようにしているのかなと思って、ちょっとお聞きしたいと思います。お願いいたします。 〇間宮委員 はい、ありがとうございます。カードと機関誌を今日つけておりますけれども、カードと機関誌についてはですね、幼稚園、保育園、小学校、中学校、高校と、全てに配布しています。で、カードは年に1回から2回、機関誌は年に2回から3回配布をしてます。それは私立であろうが国立であろうが、県立だろうが関わらず送っています。ですので、カードを配布した後には一気にお子さんからのご相談が増えてす。機関誌を配布した後は、保護者に渡してるようで、保護者の方からのご相談が増えるという傾向にあります。ですので、周知をしていくことというのは非常に重要だと思います。また、学校などに権利学習といって、子どもたちへの権利についての学習に行くこともあります。そこで、あ、こういう人たちがいるんだなという理解につながり、相談が増えるということもございます。また、多くの子どもに関わる支援者の方々に、無料で講演を実施しておりますので、そこで知った、例えば児童養護施設の職員さんが、中にいる子どもに、もやもやしてるんだったらなごもっかに相談してみたらというふうに声をかけていただくとか、あと小学校1年生のお子さんなんかですと、保護者の方が機関誌を見て、なごもっかに電話してみたらというふうに言って頂くというこ 9ページ とがあります。活動報告書の広報啓発のページを見ていただければいいと思いますけれども、ウェブサイトを含め、地下鉄広告や、ほんとうにありとあらゆるところで広報を行っています。やはり重畳的にやっていくしかないというふうに思っています。それと、子どもたちに非常に実は浸透しているというのは、私たち学校に行くと非常に手ごたえを感じていまして、やはりマスコットキャラクターですね、この子なんですけど、これも子どもたちから募集をして、子どもたちに選んでもらって、子どもたちに名前を募集してっていう、そういうとこから広報啓発って始まっていると思います。「なごもん」っていうんですけど、この子がすごい人気で、これを見ると子どもたち、「なごもんだ」みたいな感じになっています。なので、こういうマスコットキャラクターとか、あとやっぱり相談室の名前もそうで、相談室の名前を覚えてもらいやすい、なんとかセンターとかですね、なんとか相談室っていうのは全然浸透しないので、わかりやすい名前をつけて、わかりやすいマスコットキャラクターとセットにして普及啓発をしていくっていうのが重要なのかなと思っております。 〇座長 はい、ありがとうございました。お願いいたします。 〇委員 私視覚障害の当事者でございますので、2つ質問があります。なごもっかさんの方で受けられた相談関係で、障害者、障害児はどのくらいかとかそういったものが数値で出ているのか、また逆に、子どもは健常者なんですけれど、親が障害者ゆえに子どもたちとか、子どもの親たちから差別とか、そんなものがあったような事例はあるのか。私自身も子育てがだいぶ前に終わったんですけど、やはり両親が目が悪いものですから、後ろ指をさされないような、やはり、かなり神経を使って子育てやってきたつもりでございますので、そんな事例があったら教えてください。以上です。 〇間宮委員 ごめんなさい、もう一度2点目だけお願いしてもいいですか。 〇委員 はい、子どもの親が、例えば片親が障害者、あるいは両親が視覚障害ということで、それが元で何か学校でいじめがあったとか、そういうことの相談を受けたことはありますか、ということです。 〇間宮委員 はい、ありがとうございます。まず1点目ですが、今回お配りしている活動報告書ですと、27ページをご覧いただくと、先ほどのモニタリングの結果として、特別支援教育関連に関しては、非常に私たち課題と思っておりますので、毎年このように別項目を立てて、課題として整理をしています。2023年度の相談は16件ということで、全体の3.8%のご相談を受け 10ページ ています。先ほどお伝えしたとおり申立ても、入試における合理的配慮がなかったということで、対応をしております。それから、2点目の、親が障害者であることで子がいじめを受けているというような相談はあるかということですが、いじめを受けているというご相談はないです。今までのところは無いですが、親が障害者であることを受け止められないみたいな、そういうご相談というのは応じたことはございます。また、来週出る活動報告書には出ますけれども、障害とは離れますが、保護者が外国人であるがゆえに、いろんなところにバリアが出てきてしまっている、ヤングケアラーみたいになってしまったりとか、保護者の方も不安感が多いということで、教育委員会の方に、外国につながる保護者の方が安心できるような取り組みをしてほしいということで、一部制度改善に至っているケースもあります。このような相談窓口の何がよいかというと、広く聞けることがすごくいいと思っていまして、差別なのかどうなのかって分からないご相談も全部吸い上げる中で差別って気づくだとか、そういうことも非常に重要かなと思っています。 〇委員 はい、ありがとうございます。 〇座長 じゃあ、お願いします。 〇委員 あの、あまりお時間をとってはいけないかもしれないんですけど、聞きたくなったので1つ質問です。まず最初に、人権を守る文化を育てるっていうのは本当に大事だなと思っていまして、今世界情勢的にもですね、その逆を行くようなことがですね、いろいろ起こってきたりしておりますので、私も本当にその通りだと思っております。で、そのうえで、相談に来られた方の、ご本人の意見表明権だとか、プライバシー権、知る権利を保障するっていうのを重視しているっていうふうにあるのですけれども、例えばケース検討の会議だとか、相談対応についての方針を議論するときに、その議論する過程の中にご本人が参画するっていうことはあるのでしょうか。よく、決まったものをご本人に伝えて、ご本人の意見を聞いてっていうピストンのようなやり方の場合もあると思うんですけれども、そのへんちょっとお聞きしたいと思います。 〇間宮委員 はい、ありがとうございます。あの、方針っていうのは、どちらかというと、子どもが学校に行きたいって言ってるんだったら、最初は相談員が面談しますので、じゃあ次回擁護委員を入れようかとか、逆にもうちょっとここは聞かないと、ちょっと今の段階で学校に行っていいかわかんないよね、みたいなことだと、もうちょっと聞いてねみたいな、そういう、私たちの活動方 11ページ 針を決めます。大きな方針を立てていくのは子どもと共に、ということになっています。なので、お子さんが学校行きたいねといえば、それを前提に会議が行われ、じゃあ何を聞き取るべきかみたいなことを決定し、そして例えば擁護委員が同席をして、何を伝えて欲しいか、あなたが一緒に行きたいのか、一緒に行きたいならどっちがしゃべるとか、あなたがしゃべるならどういった形で関わってほしいか、それとも私たちだけが行くのがいいか。そういうことも全部子どもと共に決めていきます。 〇座長 はい、いいですかね。恐らくこの話は紛争解決に関する事項のところの参考としてですね、受けとめさせていただけたらと思いますが、議題に入っていかないといけないので、今回検討する条例との関係で、どうしても確認しておきたいことがもしあれば。よろしいですかね。 それでは議題に入ります。資料1、人権に関する条例(仮称)骨子作成に向けた意見等のまとめについて、事務局よりご説明をお願いします。なお、委員には資料の事前送付がされていることおよび委員の審議時間をできるだけ確保する趣旨から、説明は各項目のポイントのみに絞ってお願いしたいと思います。 〇事務局 それでは、資料1「人権に関する条例(仮称)骨子作成に向けた意見等のまとめについて」ポイント等をご説明させていただきます。まず、改めてこの資料の構成等についてです。 資料には、3列ございまして、一番右側の列、「意見等」の欄に、AからDとして、検討会委員の会議中または会議後提出の意見、名古屋城市民討論会の検証委員会提言、あと、各条約国連機関における総括所見や、なごや人権施策基本方針などをもとに、いったん条例の構成にあわせて取りまとめた内容として、一番左の「意見等のまとめ」の列、ここに、1目的、2基本理念、3責務などいわゆる条例の骨子に今後結びついてくる部分をまとめています。 なお、真ん中の列は、その関連する補足情報でして、いただきましたご意見には、手続きだとか個別の施策といった条例へ直接規定しないような内容もありましたので、そうしたことに関連する補足説明などです。 また、通常は、まず市の骨子案というものを、市の中で意思決定・確定してから関係者の皆様にご意見をうかがうという手順になりますが、こちらの資料、まだそうした骨子案と確定したものではなく、そうした市の骨子案を作る前段階に、特に当事者の皆様から実状などうかがって、これからまとめていく段階というものでございます。したがいまして、年度末に向けて、当事者の視点からのご意見をいただきながら、市として、必要な修正等を判断しながら骨子の形にまとめていけたらと考えています。 12ページ なお、人権条例は包括的な条例ということで考えておりまして、子どもや障害など既存の個別分野条例がある場合には個別条例が優先され、その適用外の部分がこちらの対象になるということでございます。 また、第1回の会議でもご意見を少しいただきましたが、文章全体にわたる表現・表記・文体、そういったところは、今後の検討と考えておりますので、よろしくお願いします。 それでは資料1の内容について、説明させていただきます。 1ページ、まず「1 目的に関連する事項」です。条例の項目として規定する「基本理念」や「責務」等を端的に記述する部分になります。したがいまして、次以降に定めることになる「基本理念」や「責務」等の項目の内容と同時に固めていくことになります。 次に「2 基本理念に関する事項」です。人種等の属性が交差する複合的要因への的確な対応はじめ6点、掲げています。特に、人権条例の肝となる「実効性」の担保となる相談機関が機能するための内容として、2におきまして誰もが意図せず差別的な結果を生じさせうることの認識や、対話による相互理解による解決ということを位置付けております。 次に2ページから4ページにかけて「3 責務に関連する事項」です。市、事業者、市民の責務となる内容を位置付けています。なお、市の責務に「職員」との記載もございますが、一般職公務員から非常勤特別職までさまざまな職員がおり、他条例との整合性含めこの詳細につきましては次回以降にまた整理していければと考えております。 次に「4 審議会に関連する事項」でございます。人権施策全般に関して調査審議する審議会について置いています。現在、人権施策に係る有識者懇談会という意見聴取の場を設けておりますが、条例制定と同時に発展的に改めます。 次に「5 基本方針に関連する事項」でございます。現在、本市の人権施策については、「なごや人権施策基本方針」を定めて推進しておりますが、これを条例に位置づけるとともに、年次報告により審議会で条例の進捗管理等を行えるようにするものです。 次に「6 差別等に関連する事項」でございます。不当な差別をはじめとする人権侵害行為及び識別情報の摘示の禁止の2点です。なお、本日の段階では、「不当な差別」などの表現は端的に示しておりますが、条例化の際には、禁止事項の具体的内容がわからないといけませんので、詳細は定義規定または条文内の用語の直下に置くなど詳しく記述していくことになります。現時点では、この資料の11ページに「用語の意味」として記載しておりますので、またそちらも参考にしていただき、用語も、必要に応じて次回以降に確認等、見直し等できればと思っております。 続きまして、4ページから5ページにかけて「7 相談体制に関連する事 13ページ 項」です。条例の実効性の核心部分になると考えているところです。人権全般にかかる相談窓口として行政が相手方との調整を行う仕組みは、現時点で政令指定都市にはなく、都道府県では三重県のみと確認しています。この相談機関の体制によりまして、差別を受ける弱い立場の方が差別を受忍している状況の改善なども図りたいと考えています。一般的には、人権相談では相談件数というカウントをされますが、実際に解決したかどうかは、助言を行った結果としては不明でした。相談窓口が調整により解決までつなげることで、例えば、具体的な差別解消件数といったものがカウントできるようになるなど、実効性の裏付けを担う部分になります。また、相談機関でどう解決したのか細かく分かりますので、具体的な啓発、実例の事例集など、模範的な内容も普及に役立てることができると考えています。特に、差別ではなく、区別、一定の合理性があるのではないかと考えられるようなことであっても、それを的確に判断し、差別として解消した事例がありますと、誤解を解くとか、新たな認識の普及につなげていけるといったような重要なところと認識しています。 次に5ページから6ページにかけて「8 紛争解決に関する事項」です。相談機関での調整によっても解決しない、悪質な差別事例への対応に関する内容です。現段階の内容としては、障害者差別解消推進条例をベースに、第三者性、独立性の部分などは子どもの人権擁護委員条例を反映した形で置いているような形としています。障害者差別については、行政や事業者による差別は、障害者差別解消推進条例の対象となり、個人による差別は新たな人権条例の対象となることから、類似の差別行為で対応が異なると市民にとってわかりにくいと考え、今はこういった揃える形として置いています。 次に6ページから10ページにかけて、「9 基本施策に関連する事項」です。まず「(1)公共の場所における不当な差別的言動への対応」、いわゆるヘイトスピーチに関する内容です。ヘイトスピーチは人権侵害行為であり、あらゆる属性に対して認められるものではありませんが、各自治体の条例解説などを見ますと、条例制定時の地域の状況に応じ、川崎市や相模原市のように本邦外出身者に限定するもの、大阪市のように人種・国籍に限定をしますが、本邦外出身者に限らず邦人も対象とするもの、そして、三重県のように人種・国籍に限らずあらゆる属性が対象となっているものなど、地域の状況によってさまざまとなっています。ここでは、名古屋城の市民討論会差別事案の検証において、障害者に対する激しいヘイトが存在したことも背景に、条例が提言された経緯もありますことから、あらゆる属性ということで置いています。 8ページ「(2)インターネット上における人権侵害行為への対応」です。インターネット上のモニタリングや適切利用に関する教育、プロバイダ等へ 14ページ の削除要請など拡散防止措置のほか、発信者が明らかな場合の勧告や、フェイクニュースによる差別が急速に拡大しヘイトクライムにつながる恐れが高いときには、差別書き込みというよりは、直接フェイクニュースに対する市長声明を出すというような内容を置いています。 以下、9ページから10ページにかけまして(3)人権教育・啓発について4点、(4)民間団体・事業者との連携について2点、(5)情報の質の保障について2点、置いています。また、その他として、前文に関するご意見もいただいていて、最終段階で内容を詰めていくことになるかと思いますが、その要素を掲載しています。 なお、その他全般に渡る確認事項として、表現は、他都市条例や一般的に使用されている用語をもとに記述していますが、当事者目線で、市民から誤解を受けやすいなど市民理解の点でのご意見などあれば、次回以降に改めて皆さんで確認できるよう資料を準備したいと思いますので、そういった意見がありましたら、また出していただきますよう、お願いします。 また、本日は時間も限られているなかで、資料には「主な確認事項」としまして囲み部分も参考に付させていただいているところもございます。主に自治体ごとに人権条例の対象や対応が異なる部分、様々あります。そうした部分を特にピックアップしており、特にご意見いただけたらと考えております。例えば、重点的・効果的に対処するため、人権侵害行為の中でも禁止対象を、不当な差別やいくつか具体的に限定的に数を絞ったり、ヘイトスピーチの禁止対象を、本邦外出身者はじめ属性を「あらゆる」ではなくていくつかに絞ったりするパターン、あと助言・あっせん、勧告などの仕組みに「説示」など異なる区分を持たせるパターン、あと類似事例の予防・注意喚起を重視し、行為者に対する勧告はせずに、事例概要の公表のみをすみやかに行って対応するパターン、また、第三者機関としての独立性を踏まえた場合に、それぞれ勧告を誰が行うのか。行政の差別事例に対しては、第三者機関だとしても、例えばインターネット上の勧告だとかヘイトスピーチへの勧告というものも、こちらに限っては市長がよいのか、または、独立性が薄れていくことがないよう、やっぱり第三者機関が良いのか、いろんな考え方もあると思っておりますので、そうした点も示させていただいていています。 なお、今回の協議資料としては資料1ですが、必要に応じ確認いただきます参考資料を、1〜9まで、提出しております。 簡単に説明しますと、@は、第1回の会議以降、委員からいただいた意見のうち、直接的に条例の条文に反映していませんが、人権全般に関係する内容として回答したもの、2は、他都市の人権条例でいわゆる公表と規定されている場合の、公表がどのように行われているかの実例、Bは、名古屋市の公の施設の使用許可に当たり、毎年度行っているヘイトスピー 15ページ チの防止対応とヘイトスピーチ解消法上のヘイトスピーチの実情、Cは、大阪市のヘイトスピーチ対処に関する条例の合憲性に関する判例、Dは、現在のインターネット上の書き込み対応の国等の内容、6は、前回検討会で意見のありました社会構造的差別の例、Fは、明石委員からの提出で「世界人権宣言」のわかりやすい資料、Gは、現在の本市における人権施策推進の方針となります、基本方針の概要版、Hは、宮前委員からの提出で弁護士会が県内地方公共団体あて提出の人種差別撤廃条例制定を求める意見書の関係資料になります。必要に応じご確認・ご利用ください。説明は以上です。 〇座長 はい、ありがとうございます。それでは、意見交換に入りますが、論点が多岐に渡るため、議事進行の都合上、審議項目の整理をさせていただきたいと思います。具体的には、条例の実効性に関する項目や、自治体ごとに異なる対応がされている部分を中心に、次の5区分に分けたいと思います。1つ目、4ページ「6差別等に関連する事項」、2つ目、4〜5ページ「7相談体制に関連する事項」、3つ目、5〜6ページ「8紛争解決に関連する事項」、4つ目、6〜8ページ「9基本施策に関連する事項」のうち「(1)公共の場所における不当な差別的言動への対応」、5つめ、8ページ 同事項の「(2)インターネット上における人権侵害行為への対応」の順にお伺いしたいと思います。また、それ以外の区分については、原則として会議終了後の意見提出シートでご意見をいただく形で進めさせていただきたいと思いますので、皆様、ご協力をお願いいたします。 それでは、まずは4ページ「6 差別等に関連する事項」について、資料の確認事項をはじめ、委員よりご意見等がありましたらお願いいたします。ここでの確認事項の1つ目のところですが、これは多分趣旨としては、法令用語で、狭い意味で不当な差別というと、変え難い属性に基づいてひどい扱いをするというのが差別とされるわけですけども、それ以外のことによるひどい扱いって言うんですかね、例えばこの人は気に入らないから仲間外れにするとかですね、他の人と違う扱いをするっていうような、変え難い属性に基づかないものも含めてここでは禁止するという趣旨で、広くですね、とらえようかと。つまりは、いじめとか虐待とか諸々のものも入れるかというところが1つ目の確認事項と理解しております。具体的な条例にするときの文言については事務局の方で精査していただくことになると思いますが、より広くですね、禁止の対象とするかどうかということですが、私としては広くするべきというふうに考えているわけですが、いかがでしょうか。 〇委員 差別に関する事項という意味では、私ども被差別部落の人間にとって、自 16ページ 分の出自を表に出されるということは、結婚、就職、それから仕事上の不利益、様々な分野で非常に被害を受けます。場合によっては、結婚などの場合は命を奪われる、そういった場合もございます。ぜひこのあたりはきちっと差別の禁止というのをうたっていただきたいというように、私としては思っております。まだ他にも意見たくさんございますが、とりあえず6のところではそういった意見です。 〇座長 条文化するときの具体的な例示としても入れた方がいいということですか。 〇委員 はい。きちっと入れてほしいということです。あの、もう少し付け加えますと、今誰がアウティングしているかわからないという、そういった深刻な事態がございますので、そういった、私自身もされておりますし、そういったことに対して厳しい内容が必要ではないかと、そんなふうに思っております。 〇座長 アウティングについては2のところ、この表現でいいかってところは条文化するときにご検討いただけると思うんですけれども、アウティングについても併せて禁止ということは盛り込む方針ということで一応まとめさせていただいているということかと思います。他、よろしいでしょうか。 〇委員 今アウティングの禁止ということも非常に大きいと思うんですけど、今あわせてカミングアウトの強要と、逆に、するなという禁止と、これもいけないということが並列でありますので、同意のない個人の秘密の暴露に加えて、強要禁止・・・禁止というと同意のないという修飾語が合うかどうかちょっとあれなんですけれども、カミングアウトしたい人にするなっていうことも差別的なことだと、人権侵害だということになっておりますので、それも踏まえた内容があるといいと思います。 〇座長 アウティングを含むという形で、勝手にアウティングされるんじゃなくてアウティングしろというのも、あるいはするなっていうのも含めてっていうことですね。その点は別にご異論はないですよね。当然のことだと思います。 〇委員 資料のHで人種等を理由とする差別ということで、H-1の上の方ですかね、人種等を理由とする差別を挙げさせてもらいました。これよりももっと広い形で差別の規定をすることについてはまったく、むしろ賛同するところでございますけれども、この後々の、それに対する禁止事項とかですかね、効果を考えたときのことを踏まえて、どこかで定義規定とかをおかれる 17ページ とは思うんですけれども、そういった時にはその効果の及ぼされる行為が明らかにわかるような形での定義をしていただくということを前提にして、とりあえずは広く網を張っていただくというのは賛成でございます。 〇座長 おそらくこういう形で広くした場合、ガイドラインみたいな形で具体的なものが作られていくというと思いますし、後で、それに違反した場合にどうするかとなったときについては、要件を厳格にしていくということが前提になるかと思いますが、まずは前提の前提として、広く禁止していくということで、方向性としてはそれでよろしいでしょうか。 2つ目の確認事項ですが、単に不当な扱いをやってはいけないということだけではなくて、困難を抱えている方に対する合理的配慮だとか、あるいはこう、意識とか、福祉的なものを含めた社会的障壁の除去ということについても、名古屋市にそうしたことを除去するように努める責務を、ここで入れた方が良いかどうかなんですが、いかがでしょうか。私としては、単に理念で語るよりは、一つの流れとしてはですね、名古屋城のいろいろな問題がある流れでこの検討が行われているので、責務としてはっきり名古屋市として書いておいたほうがいいと考えておりますが、いかがでしょうか。個別の事業者に対してまでは、障害者差別解消法などで義務付けられていますが、それ以外のところについてはなかなか議論があるので、少なくとも名古屋市として、そうしたことをなくしていくように、名古屋市として進めていく責務があるんだということを明記しておいた方が良いのではないかという確認なんですが、それについてもしご意見があれば。よろしいですかね。こういう責務、名古屋市にそうしたことを解消していくように必要な施策をとる・・・ 〇委員 とっても単純な質問してよろしいでしょうか。「不当な差別」という言葉ですが、不当でない差別っていうのはあるんでしょうか。資料の11ページには、「不当な差別」の用語の意味ということが書かれてあると思います。人種等の属性を理由とする不当な区別、排除又は制限であって、というようなことが「不当な差別」の意味というふうになっているんですが。前もどこかで、何かしらで読んだんですが、差別に「不当」のないものがあるのでしょうか。 〇事務局 また後日お示ししようかと思いますが、例えば障害者差別解消法ですと、正当な理由があるかないかということで、例えば、ご本人に危険性がある場合とか、どうしても必要時間がかかってしまう場合に、どこまでなら客観的に、他の方より時間を待ってもらうことができるかとか、そういった部分で、いわゆる「やむを得ない」という部分があります。またそのあたりは別 18ページ 途次回に資料等を出させていただきます。 もう一点、社会的障壁につきまして、先程責務として、ということもございました。どこに置くかということにつきましても、実際に具体的にどこまで禁止とか、努力義務を課すかということになりますと、例えば障害者差別解消法におきましても、努力義務を定めるときに、医療だとか店舗だとかいろんな分野について、平成25年に法律ができ、3年かけて具体的にこういうことが差別にあたり得るということで定めました。これが、「あらゆる部分」ということで定めるとすると、どういったところにどういうふうに書くかということも多分出てくるかと思いますので、あわせて、それは皆さまとまたご相談させていただきながらと思っておりますので、よろしくお願いします。 〇座長 あと、個別の事業者に対して義務を課すということになると、かなり具体的に調査をしていかないといけないということなので、この段階でこれはかなり難しいと思っているんですけれども、名古屋市としてそうしたことができるように施策を進めるという意味で、名古屋市に施策をする責務を課していくイメージなのかなということで、はい。よろしいでしょうか。ではおおむね方向性としてはそれで進めさせていただくということで、お願いします。 〇委員 先ほどの不当な差別かどうかというところですけれども、やっぱり差別は禁止なんだっていうことはきちんとどこかで明確にしたうえで、不当な差別に対してはどういう措置をとっていくんだっていう、その二段構造を考えていただいた方が良いのかなと思います。不当な差別じゃないからいいんだみたいな話になってしまうのは違うと思っていて、差別が全てなくなるように、今すぐは難しくても、改善していくっていうそのプロセスを名古屋市は追求していくんだという姿勢は明確にした方が良いと思います。 〇座長 本来、差別に不当性っていうことが入っているわけで、具体的にそれに対してどういうような、おっしゃったいろいろ対応するってところで、一定の相当期間があるかどうかっていうのはあると思うんですけども、そのあたりは要望を最終的にまとめていく段階で、誤解のないような文言を考えていただくということでお願いできたらなというふうに思います。 他、よろしいですか。お願いします。 〇委員 障害当事者として、今例えば不当な取扱いとか、毎日生活している中で、私にとっては全てが不当な取扱いかなと思っております、極端な話。差別っていうのは、皆さんがどのように差別を考えておられるか知りませんが、 19ページ 今は買い物に行っても外国人が多い。その外国人を私は悪くは言いません。日本語をもっと勉強してほしい。そうしないと私たちのような視覚障害者が何を買いたいかって説明してもそれを持ってきてくれない。そういったことも私から見ると、それは合理的配慮がしっかりなされてない、不当な差別かなと。日本語がわかる人が必ず1人いてくだされば、何も支障がなく、バリアなく買い物ができます。こういったことが日常で、もう本当にいたるところであります。じゃあそれを全て、障害の特性によって「差別」と限定してしまうと、本当に生きづらくなる。だから私たち障害当事者というのは毎日我慢しています。これは身体障害だけではなく、精神でも、知的でも、皆さん我慢しておられて生活されていると思います。そういうことを理解しながら、こういった人権条例のところには、やはりしてはいけないものは、しっかりと事例などを入れながら、理念だけで終わるものではなくて、入れ込んでいただかないといけないのかな。 もう一つ、本当に今大事なところでは、視覚障害が、あるいは身体障害もそうなんですけれど、入社試験を受けようとしても、例えば点字とか音声でやってくれるところは少ないです。大学受験もそうです。まだまだ足りません。もうそういったところから、社会から閉ざされています。頑張ってきている中で、そういったこともバリアとなっていくこともいっぱいあります。ここにいる障害当事者も少ないと思うんですけど、そういったことをやはりヒアリングしながらでも、今回の人権条例の中にしっかりと組み入れていかないと、これは生きた条例にはならないのかなと思っております。意見です。以上です。 〇座長 おそらく、後の紛争処理に関するところで政策提言とかいろいろなところをちょっと入れていくかどうかっていうことがあると思うんですけど、そういうところでかなり具体化していくような仕組みというものを入れていかないといけないっていうことと、あと条例にどこまで、趣旨が間違いなく伝わるように書き込むかっていうところが多分重要になるのかなっていうことで、もうちょっと具体化したところで、改めてこれでいいのかっていうことを検討できたらなと思っております。 改めてご意見がありましたら意見シートの方で出していただけたらと思いますが、次に進みたいと思います。 次に7の「相談体制に関する事項」について、ご意見ございましたらよろしくお願いいたします。 〇委員 私どもは部落差別発言があると、当事者が分かっている場合は、まず当事者の方と話し合いをしてまいりました。その結果が、やはり非常に良い結果をもたらすというか。相手の方も部落差別のことを分かっていただ 20ページ き、今度は差別をなくすというところで、地域社会や企業の中で頑張ってくださる、というような体験をずっとしてまいりました。で、そういった意味で、まずは、私は相談に関わってはそういった当事者が分かって話し合いができる場が、まずはお互い当事者同士の話し合いを大切にしたいというように思っております。ただ、そうじゃない場合が一番困るわけで、相手が分からない場合もございます。で、そういった場合にどうするかっていうのが今の私どもの一番悩みでありまして、相手の分からない、例えば投書ですとか電話ですとか、あと後程でてくるインターネットでの差別的な内容だとか。そういったところを今非常に困っているわけです。一番言いたいのは、まずは相談については、当事者が分かっている場合は当事者性を大事にしたいというのが私共の思いだといったことはおわかりいただけるとありがたいなというように思っています。以上です。 〇委員 今のご意見に私も本当に賛成で、やっぱり、人権侵害をされた方が相談に来る場合にですね、様々なこう、差別や偏見を日頃から受けていることで、なかなかこう、差別されている側じゃない人から見ると、ちょっと理解できないような部分があったりするわけですよね。これを医療的に言うと、ちょっと認知が問題なんじゃないかとかそういうレッテルを貼られてしまう。だけれども、それはそういうことではなくて、様々な差別を受けてきた体験の中から当然にそう感じるような内容ですので、そこがやっぱりわかる相談員ということになると、今言われたようなピアな関係性のですね、当事者の支援員っていうのも非常に必要になってくると思うんですね。ですので、もっともっと先の話だと思うんですけど、どんな方が相談を受けるのかっていうときにですね、相談を受ける側も多様性っていうのが必要かなと。そんなように思うところです。 〇座長 相談体制を作るっていう事は、相談のところが人権問題の最前線になってくるので、形だけではなくて、ちゃんと相談を受け止めるような体制っていうのが前提になってくると思いますし、おそらくそこは名古屋市の覚悟が問われるところだとは個人的には思っているわけなんですが、そのあたりは、きっちり体制を、人的な専門性、当事者性も含めた体制を整えるということが条文上もわかる形でお願いできたらな、ということですかね。具体的な細かいところまでは条例で書けないかなと思うんですが、そうしたことをきっちり体制のところで分かるように書くというところで。 アドボケイトの話もちょっと相談体制のところで出てきてるんですけど、おそらくこれは次の紛争解決のところに関連するところだと思うので・・・ 〇委員 今おっしゃってたことと被るのかもしれないですが、この相談窓口と、次の 21ページ 調査委員会との連携をどうするかっていうところが1つ核になってくるかなと思っています。で、先ほどお話しましたとおり、やはり相談は、例えば申立てに移行する元気がないけれども、そういう声があるっていうことが非常に、差別をなくしていくためには重要だというふうに思いますので、こんなに苦しい声があるんだっていうところを、きちんと相談の場で受けとめて、公表をしていくっていう、それを相談機関がやるのか調整機関がやるのか分かりませんけれども、そこの連携、相談を受けるのは相談窓口だけっていうことであれば、その相談っていうのは本当に、差別を作らない社会にしていく宝の山だと思いますので、それをどう活かしていくかというのを考えていただきたいというのが1点目です。 もう1点がですね、ちょっと条文そのものには関わることではないんですけれども、この専門性を有する窓口の人をどういう雇用体系にするのかというのは真剣に考えていただきたいと思っています。なごもっかの調査相談員は会計年度任用職員でして、附属機関の、私達の補佐をするという形になっているがゆえにですね、非常に専門性が高いにも関わらず、給料としては非常に低いです。そのために、他の職種に移っていくということが起きていて、私達非常に丁寧に育てていくわけですけれども、他の機関に移ってしまうということがここ数年ございます。やはりこの専門性がある人を市が重視して、きちんとした給与を払っていくっていうことはセットで考えていかないと、おそらく相談窓口が機能していかなくなるようになるかなと思っております。 〇座長 名古屋城の検証委員会のところでも、必要な人と予算をきっちりっていう話をさせていただいていたと思うんですけども、次の紛争解決のところも含めて、実際に実効性を高くやっていこうと思うとですね、人も当然専門性が高い人にお願いするので、予算も必要になってくるということが前提になると思うわけですが、それこそ、そこで名古屋市の覚悟が問われると思っておりますので、そのあたりも条例のところで、必要な人と予算を確保するっていうのは入れておく方向だと思うんですけども。ということですかね。それはまた後日、何回か後で議論できたらと思います。 〇委員 今、言われたとおりですね、この相談窓口っていうイメージからは、相談員の方が何人か雇われてですね、相談受けていろいろ話をすると。で、一定の方向性を示す。で、調整委員会っていうのが次に出てくると。これは弁護士さんとかが入ってですね、権限を持つみたいな、そんなイメージなんですけど、やっぱりギャップが大きいんですよね。相談窓口と調整委員会の間にあるようなですね、例えば関係調整会議みたいなものが、困難女性の支援法とかだと、そういったようなことがあったりするんですけれど 22ページ も、当事者から相談を受けて、その相談をどういうふうに解決に結びつけていくのかっていうのを、様々な方からの意見を聞いたり、関係団体が入ったりですね、で一定の方向性を持っていく、そこに相談者も主体的に参画ができるという、そういうテーブルのようなものですね、福祉だとケア会議とかね、そういう言い方になると思うんですけれども、そういうようなものがあって、で、さらに次の段階で紛争を具体的に、ある程度の強制力を持って解決しなきゃいけないっていうときに調整委員会、みたいな感じになった方のが良いのかなというふうに思いますので、できれば条例の中で、相談窓口っていうだけではなくて、もうちょっと、テーブルのようなことがイメージできるようなものを間に入れていただければな、というふうに希望いたします。 〇座長 具体的な相談の在り方っていうのと、相談の受け皿と、そこで簡単に解決できたらいいんですけど、なかなか難しい場合に、次の紛争解決の方の、調整委員会の方にあがるというときの、あがり方っていうのかな、連携の仕方について、スムーズに連携がとれるように考えないといけない、ということですよね。それについて、具体的な制度について次回以降ご検討いただいて、条例にそれを書き込むのか、それより下の規則っていうレベルで、運用規定の中で書き込むのかっていうところはあると思うんですが、いずれにしろ相談窓口で解決できなかったことを上にあげるときの仕組みですね、そこはきっちり丁寧に、次回以降検討していけたらな、というふうに思っております。 で、アドボケイトの話ですが、当事者が相談に来てくれたらいいですけれども、なかなか来れない方とか、いろいろあった場合に、代わっていろいろする人とかですね、そういう人も必要になってくるかと思うんですけれども。相談に来れない人に対応するためですね。それについては、この資料だと、相談窓口の方で、一度意見をもらって体制に反映させるとあるんですが、それについては紛争解決の方にも関係することなので、そちらで検討させていただけたらなと思います。 その他相談体制について何かございますでしょうか。 〇委員 政令指定都市の名古屋市は人口が多いということもあります。これは市が設置し運営する人権相談窓口というふうに解釈しているんですけれども、そうするとこれは、各区に設置をした方が良いのか、まあ最初だったら名古屋市でやると。ただ、あまり遠方だと気軽に相談することができないかなと思った時には、やっぱり区単位でそんな窓口があった方が良いのかなと思ってはいるんですが、それは条例ができてからでも構わないと思うんですけども、視野に入れといていただけたらというふうには思っていま 23ページ す。 〇座長 実際、相談を受け付けるときの物的な施設っていうんですかね、当然秘密にしたいこともあるので、どこでも聞けるわけじゃなくて、それこそ防音設備がいるとか、いろんな、多分具体化する時は必要になってくるとは思いますし、あるいはあんまり人がたくさん行き来するところはちょっとあれなのでとか色々とあると思うんですけれども、そういうところも含めて相談しやすい、実際にする以上相談にできるだけ来れるようにしたほうがいいと思うので、相談しやすい物的な施設とかについては、相談しやすいようにっていうことを条例には書けると思うんですけれども。具体的には難しいところもあると思うんですが、そうしたところについても配慮していただけたらいいなと思っております。 〇委員 今の意見に全く賛成なんですけども、今、DV相談については各区役所で相談窓口がありまして、ワンストップサービスを実施しています。そこまでかなりの相談員の方への研修ですとか力量をつけたりとなかなか大変で、この人権相談に関わっては、基本賛成なんですけれども、作るとなるとかなり市の職員さんのレベルアップというか、研修といいますか、そういったものが非常に必要になってくるというように思っております。そのあたりのことを十分考えた上での仕組みづくりが必要なのではないかなと、そんなふうに思っております。 〇座長 一応、確認ですが、ここの相談をする職員の人っていうのは、私のイメージは専門性が高くなるので、委嘱みたいな形が多くなるのかなというイメージもちょっとあったりするんですが、ここでのまとめはそういうイメージじゃない?名古屋市の職員の人が相談を受ける? 〇事務局 恐らくいろんな置き方があるのかと思っておりますので、今、確定的にこういう人材だというふうなのはありません。一般の職員だったり、会計年度職員だったり、人権擁護委員さんが委嘱されていますように、外部に頼るやり方など、いろいろあるかと思っています。 ただ、区役所となると、そこに場所とスペース、それに加えて16区もしくは6支所、22か所に、変わらず同じような対応ができる方がいてくれるのかだとか、今電話だとかネットだとか、やっぱり中央で集約すると事例蓄積され、より的確な対応ができるという部分もありますので、今後の検討課題とさせていただければと思っています。 〇委員 実は男女平等参画推進センターが名古屋に設置されたときに、それに合 24ページ わせて苦情処理設置があって、前も敷居が高いという話も出たと思いますので、私もちょっと気になって調べたんですが、ここのところ相談件数がゼロというところで、それはなぜかというご質問も前回検討会後にさせていただきました。やはり作ったはいいが、相談がないではどうしようもないというところで、条例ができたからすぐ相談窓口を設置しろということも必要なんですけれども、全区に広がるためにも、どうしたらいいかっていうことと、委託はもちろん必要かもしれないんですが、私やっぱり職員さんにスキルアップしてもらいたいんですよ、名古屋市の職員さんに。そういう意味では、すごく鍛えられる場所でもあると思うんですね。なので、できれば、頑張って、各区の中でも作っていただくと同時に、その苦情処理がなぜ今ゼロなのかっていうところを検証していただいて、多分そこに相談しにくさみたいなところのヒントがあるような気がするので、ちょっとそこの確認もお願いしたいかなと思っています。 〇座長 いずれにしろ相談窓口を作る以上は、相談しやすい体制、人の問題も、場所の問題とか、施設の問題とかも含めてということで、詳細は条例に多分書けない気がするので、適切な体制を作らなければいけないことを盛り込む方向なのかなというふうに考えております。特に聞く能力はすごく必要だと思うので、そのあたりは前提と思っております。 次の関連するところになりますが、8の紛争解決に関連する事項について、特に今日なごもっかのご説明があったと思いますが、それを踏まえながらご意見がございましたらお願いいたします。 〇委員 この点につきましてですね、資料のH−1というのを、今年出されております愛知県弁護士会の意見書の方を参考にしていただければと思っております。この意見書は、愛知県弁護士会の人権擁護委員会というところで全国の条例・判例等をもとに、どういう差別に対する規制をしたらいいかというところをまとめた資料になります。私が直接それに関与していたわけではないので、細かいことまでお話はできませんけども、わかりやすいものとしてもう1枚、H−2の方ですね、この一覧表がございますけども、これを見ていただくとわかりやすいかと思います。これはですね、差別の行為に対して3類型に分けて、それに対してそれぞれの規制のあり方を考えているということになります。違反行為に応じて、その回数等に応じて、規制の方もレベルアップしてくることになっております。で、勧告、それから禁止命令、公表等もというような段階で弁護士会の方では考えていて、最終的にBのですね、特に問題のある類型に関しては罰則を含めているというのが特徴でございます。当然、内容に応じてということで、こういったものに対しては罰則という抑制効果をつけるのが重要だということでこ 25ページ のような提案をしていることになります。ぜひですね、こういった点まで踏み込んで考えていただけるとありがたいなと思っております。 〇座長 次の9の公共の場所における不当な差別的言動への対応だとかインターネットのところとかの方にむしろ関わると思うのですけど、そこで議論した方が良いですか。 〇委員 主としては、ヘイトクライム・スピーチを前提にしておりますが、いわゆる部落差別問題のそういった公表に対しても一応これは含まれているという趣旨にはなります。議論としては次の方でしていただいても構わないと思います。 〇座長 ありがとうございます。まずは8の紛争解決に関連する事項のところで、先ほどいろいろ相談があって、いろいろ問題があった場合の対応ということで、助言やあっせんを行って、それでも効果がない場合にもう一つ厳しく勧告を行ってという流れですかね。市が問題を起こしている場合には市に対しても勧告が出せるということで、勧告を出したのに、市がちゃんとどういう対応したかっていう報告を60日以内・・・60日っていうのは後でまた検討すれば良いと思うのですが、行うということですよね。それでも勧告に従わなかった場合は、公表するということになります。市長に対しても意見を出せるという形になっているということだと思いますが、いかがでしょうか。 〇委員 最後の10番のところで、調整委員会が市の施策に人権侵害のおそれがあると認める場合における市長への意見提出とあります。これに対する尊重義務みたいなものをきちんと規定しておかないと、言ったけど叶えられないみたいなことが結構ありまして、それでは実効性が失われると思いますので、尊重義務を規定していただきたいなというふうに思っております、以上です。 〇座長 そうですよね、当然尊重していただかないといけない尊重義務っていうものを明記するということかなと思っております。この資料で見た場合、なごもっかの関係でいくと、一つは独立性を確保するための仕組みとして、なごもっかの方では参与というのを置いて独立性の監視ということがあったと思いますが、私としては独立性は非常に大事になってくるところだと思いますので、参与という表現で良いのかはあるかもしれませんが、なごもっかで言うところの参与的なところは入れた方が良いと思いますが、そこはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。あと、アドボケイトって言うんで 26ページ すかね、相談に来て受け身で対応するだけではなくて、いろいろモニタリングだったり、いろいろ問題を調査したりですかね。申し立てはないんだけれども、そうした調査を踏まえて問題があると思ったら発意して市に提言とかあっせんするとか。そうしたなごもっかで行われているような機能っていうものも加えた方が良いと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。そういうのがないと声があげられない人がなかなか、ということもあると思うんですけれども。 〇委員 今、座長が言われたように、やはり納得したものを作ってほしいと思いますし、本当に、言いたくても言えない障害者はいっぱいいると思うんです。私のようにこうして市の会議へ出席させていただく者は発言できますけど、多くの障害者は言いたくても言えない。なぜかっていうと、言うことによって不利益を被る。そういった方が、私はまだまだいると思います。そういった人のためにもこの発意、こういったもので勧告なりしていただくと良いなと思っております。私はこの検討会の中で最初に意見を申し上げたのは、こういった独立したもののほか、同時に、罰則規定をしてほしいと言いました。罰則をどこまでするかというのはなかなか難しいところなんですけど、公表だけでなく、なんらかの罰則、罰金とかそういったものを取り入れることはできないか、これはかなり難しいことだと思うんですけれど、そんなこともどこかで考えていただきたいなと思っております、以上です。 〇座長 罰則については、勧告にどうしても従わない場合のこともあるし、後で議論する公の場所での差別的言動について罰則を入れるかどうかということもあると思うんですが、それについてはまた改めて後日検討していけたらなというふうに思います。具体的な要件を、かなり絞りをかけないといけないということが罰則にはあると思いますので。あと、処分性とか、公表されたけれどもそれに納得できない場合に、それを行政不服審査とか裁判で争えるのか、あくまで公表は事実行為だから処分性がないとするのかとか、専門的なところも含めて考えなければいけないので、それは後日事務局の方で整理した上で検討できたらなというふうに思います。 〇委員 弁護士会でこういった意見書が出されたのは非常に心強いと思っております。またこの意見書として各自治体に条例策定の要望も出されておりまして、弁護士会、非常に今、頑張っていらっしゃるなと思います。ただ、私としてはこの罰則の関係は法律との関係もあると思いますし、私は素人ですので、十分な判断がそこはできませんけれども、やっぱり本当にあの、どうしようもない差別事件ってありまして、少しだけお時間いただきますと、私のところでも、「B地区にようこそIN愛知県」という差別ホームページが 27ページ 作成されまして、500ページを超えるホームページで、地域に出かけて行って、部落をアウティングして、「ここの地域は何々という姓が多い」とか、「ここの地域に行ったら殺される」とか。そういうようなことがネット上で出されました。それに対して、じゃあどうするか。名古屋市さんにも相談に行ったし、法務局さんにも相談に行ったし、解決のしようがなかった。で、私どもとしては、やむを得ず、犯罪人は作りたくなかったですけれども、相手が分からないというところで、名誉棄損の刑法で訴訟を起こしました。その結果は懲役1年執行猶予4年という判決が出されました。それに至る過程というのは、本当に素人の私たちにとっては本当に並大抵のことではございませんでした。そういった意味で私たちが裁判をやるっていうのは、すごく大変なことでありまして、ぜひ私としては、いろんな形で行政が関与することによって、解決につながっていけばいいと思うんですが、こういった相手が分からない場合も、差別事案をどうするかっていうところについては、ぜひ検討を加えていただきたいというように思っています。どうして相手が分かったかっていうと、名誉棄損で刑法で告訴いたしまして、その結果、愛知県警が相手を特定できたという経過がありますので、そういったことをなんとか条例の中に組み込めないかなっていうのが、今の私の思いであります。以上です。 〇委員 法律にあんまり詳しくない、一般庶民という視点から、お話しというか、質問にもなるんでしょうけれども、この相談窓口と紛争解決に関連する事項と、つながってるイメージがあると思うんですけれども、紛争解決に関する事項に関しては、独立した第三者機関を設置すると良いよというお話もあります。で、相談窓口も、もともと独立した相談窓口でなごもっかさんのように相談を受けながら紛争解決まで行くのか、今のお話を聞いていると、できるだけ、その区役所の中でうまく解決できるものはしていけるといいかなと思うと、ある程度のところは市が関与した窓口があって、それ以上ちょっと難しくなったり、複雑になってくると、第三者委員会で紛争解決という、相談からこうなっていく、罰則までという、一連のこう、一連というかすべてがそうではないと思うんですけれども、まずそこのイメージがつけられないというか、必要なんですけれども、なんかイメージみたいなものが、こう、それこそ軽いものから緊急重大なものまである中で、市がどこまで関与したらいいのか、もしくはもう全部独立した第三者委員会に相談から任せてしまうのか、ただ現実的にはもう障害者の人権相談の窓口も高齢者の権利擁護の窓口もあるわけなので、そこの相談窓口との関係性みたいなものと、ちょっとこうイメージを作っていかないと、いいものができないのではないのかなとちょっと考えました。 28ページ 〇座長 いろいろな名古屋市の相談機関を含めての連携のあり方ということですよね。それについては、こちらの方も、連携をイメージしてということになってくるのかなというふうに思っております。もともと人権擁護機関のイメージとしては、裁判とかすごい大変だから、被害を受けられている方の解決をちゃんとサポートしていかないといけないというところがあるので、そういうような要素を取り入れるということが、前提になるのかなというふうに思っております。 あと、なごもっかの関係でいくと、アドボケイトというようなところと、あと政策提言ですよね、予防的なところで、紛争の個別解決だけじゃなくて、一般的な政策提言というところも必要というところがあったと思うんですが、それも入れた方がいい、できるようにした方がいいと思っておりますが、よろしいでしょうか。第三者機関、独立した機関の中にどういう役割分担が行われるのかってところは議論があるところだと思いますが。それと関連で、アドボケイトの関係もありますし、そうした関係もあって、専門調査官的ないろんな状況を調べる人も当然、こうした機能を持たせるためには必要になってくると思いますが、基本的にはなごもっかをベースとした方向性ということで、よろしいでしょうか。細かいところはまた、次回以降、考えていけたらと思います。 ちょっと、時間の関係がありますので、次のところですね、基本施策に関連する事項のうち、(1)公共の場所における不当な差別的言動への対応についてなんですが、ちょっと今日は時間が押しているので、あまり時間がないんですが、次回以降、きっちり議論するということで、今、何かこの場でご意見、言っておきたいという方があれば、お願いします。 〇委員 まず、始めにですね、この項目だけに限らないんですけれども、こうやってたくさんの多様な意見を整理して丁寧にご回答いただいた事務局の方々には改めてお礼を申し上げたいと思います。 この意見提出したあとにですね、現在大きく話題になっていることで、一つ皆さんにも提案と、もし可能であれば質問という形で発言をさせていただきたいと思います。 皆さんご承知のとおり、現在行われている参議院選挙におきましても、一部の立候補者、また支持者の方からヘイトスピーチもしくはデマ、そして排他主義の扇動と思われるような言動が見られるというようなことがニュースでも日々あがっているかと思います。法務省のホームページにも、選挙の場面であろうとなかろうと、ヘイトスピーチは許されないということが書いてあるんですけれども、実際それが本当に実効性が持ってされているとは思えないような状況が本当に毎日、目にすることになっております。もし、これが、本当にこういったことに対してお咎めもなく、また、もしかした 29ページ らそういった方々の中にも議席を獲得される方がいらっしゃるということになるとですね、今後の名古屋市の市議会選挙だとか市長選挙でも、同様のことが起きないかということを強く懸念しております。そうしたことに関しますと、資料に書いてある項目ですね、(1)のところにも、そういった公の場にあることがもし見られた場合には、概要の公表だとか勧告だとか書いてあるんですけども、こういったものは、そういった名古屋市の市議会選挙、市長選挙においても、同様のことが行われるのか、それとも選挙ではまた別の取扱いになるのかといったところを一つ教えていただきたいと思います。以上です。 〇座長 事務局の方からそのあたりはお願いします。 〇事務局 基本的には、ヘイトスピーチが許されないという部分はおっしゃる通りでございますが、選挙につきましては、ちょっと別途、公職選挙法とかありまして、我々の方で、今この段階で、どこまで同じなのか、もしくは別の何らかの対応とか、調整が必要なってくるのかというお答えが、ちょっと今難しいところがございますので、また改めてということにさせていただければと思います。 〇委員 よろしくお願いいたします。 〇座長 時間がそろそろなので、今日は、あとお2人、、ご意見を伺って、その他、次回以降、改めて検討させていただくということでお願いします。 〇委員 ちょっと質問なんですけれども、罰則はなかなか難しいということで勧告と氏名の公表とかっていうことになると思うんですが、公共の場っていうことでいうと道路とか公園とか広場とかこれ全部、本来、許可がいるものになりますよね。なので、それの許可を、こういう人にはもう許可をしないというようなことで、罰則ではない形で強制力というのはできないものなのかなという、ちょっと素人でわかりませんけれども質問です。次回でも結構です。 〇座長 事務局からすぐ答えられるところだと思いますので、よろしくお願いします。 〇事務局 公の施設については、地方自治法で利用を拒否できないことになっています。ただし公共の福祉など正当な理由があれば別ですので、ヘイトスピーチがされないよう利用いただくということで、本日、参考資料のBにある 30ページ ように各施設管理者の方に周知をして何か起こりそうであれば相談いただくとか、そういったような実際の対応をしております。 また、条例でも、資料の責務のところに、そのようなことをちょっと出させていただいております。 〇委員 人権教育のところで、前回の会議で、そういうことは小さいころからの教育が必要だから、学校では、人権教育についてどのようにやってみえるか質問したんですけど、なかなか具体的なお話が回答の中でもなかったんです。教育要覧っていうのがありまして、その教育要覧を見させていただいたんですけど、その中の人権教育の中にはやっていますということが書いてあって、部落の問題もやっているし、障害についてはやっているかどうか書いてなかったですけども、それぞれがテーマを決めて、学校は子どもにもやっていますし、教員にも年度を決めてやっているというようなことが書かれていました。でも、問題はどのようなことをやっているかということだと思うので、この学校の中の教育だけではなく、他のところでも、先ほどありました名古屋市の職員さんへの研修ですとか、その他のものでも、どういうことをやったら本当に、すぐになくなるとは思いませんけど、やっぱり人権について、一人ひとりを尊重したことが考えられるようになるかっていう、そういったことが大事なんではないかと思います。本当に小学校は一番なんでも吸収する時期だと思いますので、そういうところで、これだけの、これとこれ、1番から何番とかっていう、それくらいのことはすべてやるべきみたいな、6年間かけて、プログラムを組んでいく必要があるのかなと思います。以上です。 〇座長 ありがとうございます。教育・啓発についてもすごく大事だということだと思います。逆に言うと多分、ヘイトスピーチの問題というのは、よく言論媒介行為って、よく言いますけど、表現そのものも問題ですが、それだけでなく、表現に影響されて、差別的な気持ちが生まれて、最悪、ヘイトクライムまで行きついたり、社会の分断とかを引き起こすということが問題になるので、きっちり対応しなければならないと思います。その一方で、今回は、いわゆる本邦外出身者の方に対する差別的言動に限らず、より広く、例えば、性的マイノリティの方とか、部落差別の問題とかですね、そういったものを含めて、対象とするかどうかっていうとこもございまして、そうなると対象がかなり広くなるので、広くなると、それに対する何らか罰則とかを設けるっていうことも、かなり対象が広がった関係で、要件をどうするのかというと難しくなるっていうこともありまして。対象を広げたうえで、広げた場合に、じゃあどういったことが可能なのか、それをベースとして、特に例えば、本邦外出身者の人に対象は絞ったうえで、いろいろ厳しい対応を 31ページ するかとかちょっと難しい問題がここはあると思っておりまして。そのあたりについて、次回以降ですね、事務局の方で整理していただいたうえで、検討していきたいと考えております。 私の不手際で申し訳なかったんですが、終了時刻が近付いてまいりましたので、これで今日は終わりたいと思っております。皆さま、活発なご意見ありがとうございました。この時間内だけで、意見を出し尽くすことはできませんので、本日の会議のあとに、改めて別添の意見提出シートにご記入いただきまして、事務局にご提出いただけたらと思っております。それでは、本日の議題については、以上で、事務局に進行をお渡しいたします。 〇事務局 皆さま、どうも長時間にわたり活発なご意見の交換ありがとうございました。また今後の条例の骨子に向けて、まだ、まだまだ課題がたくさんありますけれども、忌憚のない意見を今後もいただけたらなと思っております。 それでは事務局から、事務連絡、2点させていただきます。1点目ですけれども、先ほど座長よりお話をいただきましたが本日の時間の都合上、十分意見等発言ができなかったご意見ですとか、また改めて今日聞いて、ちょっとよくわからないなというようなことを事実の確認がしたいということございましたら、別添の意見提出シートにより、2週間後の7月28日までに事務局のほうへご回答いただければと思っております。なお様式につきましては、別途皆様にメールでデータを送らさせていただきますのでよろしくお願いいたします。 2点目ですけども、次回は、9月29日午後2時からを予定しております。また忙しい中、大変申し訳ございませんが、忌憚のないご意見をいただくためにも、皆さまのご出席をいただきますようよろしくお願いいたします。正式な通知は改めて差し上げますので、よろしくお願いいたします。 本日は本当に長時間にわたり、貴重なご意見ありがとうございました。 今後ともよろしくお願いします。ありがとうございます。