1ページ 未定稿(R7.5.15) 第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 議事録 令和7年4月14日(月) 午後3時00分〜午後5時00分 (各委員あいさつ) 〇小林座長 それでは議題に入ります。 会議では、皆様の自由闊達な意見交換を期待しておりますが、本検討会の性質上、人権に関わるデリケートな内容や表現が出てくることが想定されます。皆様には、あらかじめ申し上げるまでもないことかもしれませんが、発言にはご留意いただけるようお願いいたします。 また、先ほども少し話がございましたが、委員には、視覚障害の委員の方もいらっしゃいますので発言の際は、お名前を名乗ってから発言いただきますようお願いいたします。 なお、白柳委員におかれましては、他の用務があり、午後4時30分頃に退席されると伺っておりますので、委員の皆様にはあらかじめご承知いただければと思います。 それでは初めに、今後のスケジュールについて、事務局より説明をお願いします。 〇事務局(伊藤課長) スポーツ市民局人権施策推進部新たな人権施策に係る企画調整担当の伊藤でございます。それでは資料1、今後のスケジュール想定について、説明させていただきます。 時期、内容について表に掲げておりますが、まず、令和7年4月、本日でございます。意見聴取の進め方ということで、後ほど資料3でもご説明させていただきますが、次回、第2回会議においてお示しさせていただきます条例骨子、いわゆる条例の叩き台となるものを作成するために必要なご意見をいただきます。 次に7月から12月ということで、年内に第4回までの会議を想定しております。お示しする条例骨子に対しまして、委員の皆様からさらなる追加、修正、その他ご意見をいただいたり、様々な角度からの論点整理、そういったことを会議の都度、くりかえして、条例の内容を具体的していきたいというふうに考えております。 次に、令和8年の2月から3月でございます。検討会の5回目で条例骨子として固めることができればと考えています。 続きまして、条例骨子が固まったあと、令和8年度以降の想定でございます。 条例骨子が固まりますと、議会報告することになりまして、その直後に市 2ページ 民意見の聴取としてパブリックコメント、通常、期間は1か月間でございますが、こういったものを行います。その後、パブリックコメントで出た意見を整理するとともに、必要な修正や反映を行った条例素案として、改めて検討会で皆様から意見をいただきたいと考えております。そうしまして、最終的に市として正式な条例案を決定し、議案として議会提出という流れになります。 スケジュール想定につきましては以上になりますが、想定と書いてあるとおり、検討会での意見等から、さまざまな論点整理に時間を要し検討会の追加開催を行う必要が発生しうることもあると考えております。この条例案につきまして、市民誰もが理解し、大切に思える条例として取りまとめたものとして論点整理、意見を尽くしていただくことが重要と考えておりますので、スケジュール想定もそうした場合においては、柔軟に考えていきたいと考えております。 なお、事前に複数の委員の皆様から条例制定時期の見通しとしてのお問い合わせを度々いただいております。今回の想定としてお示しをさせていただいており中には、資料上具体的な数値として明確にお示しできておりませんが、8年度に入ってからパブリックコメントやその対応に必要な期間などを含みますと、名古屋市会の定例会は、6月、9月、11月、2月に開催されますが、年度初めの6月の定例会への提出というのはスケジュール上、困難かと考えておりますので、それ以降になるかと考えています。資料1の説明は以上でございます。 〇小林座長 委員の皆様より何かご確認やご意見はございますでしょうか。 〇明石委員 今回、資料も事前に送っていただきました。 その資料は、机上に置いてあるんですけれども、枚数が多いものを私自宅の方で受け取ると、印刷するのにものすごく大量になってしまって、パソコンで見るとちょっと文字がもう見づらくて、お金がかかってしまうかもしれませんが、できればちょっと郵送で1週間ぐらい前に、もし大量な資料であれば、送っていただけたらいいかなっていうことだけちょっとお願いしたいかなと。 今後、そんなたくさんの資料が出るかどうかわかりませんけれども、今回のような分厚い資料になるようでしたら、印刷をかけて送っていただけると、幸いかなとは思います。 〇事務局(伊藤課長) 皆様には大変なご負担をおかけしまして、申し訳ございません。今、お話ありましたとおり、基本的には1週間前には資料を郵送で送らせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 3ページ なお、今回は初回でございますので、皆様からご意見をいただく際について、委員ご自身で、資料など様々お調べいただくとそれは大変なご負担でございますので、辞書の索引としていただくような、参考資料という形でお送りしておりますので、今後、基本的には今回と同様な量の資料を送らないという見通しでございます。 〇小林座長 それでは続きまして、法体系における条例の位置付けについて、事務局より説明をお願いいたします。 〇事務局(伊藤課長) 資料2、法体系における条例の位置付けについての資料をお願いいたします。条例検討においてのご意見をいただくにあたりまして、法体系における条例の位置付けについて、あらかじめご説明させていただきたいと存じます。 条例につきまして、資料にございます通り、憲法と地方自治法に規定があり、法令や都道府県条例に違反してはならないことや地域における事務に関して制定できるものというふうにされております。 このことにつきましては、既存の法や県条例にない規定を設けるということであっても、その趣旨が、法令上の趣旨をさらに、より一層、進めるといったような規定につきましては、法令上の趣旨に反することではございませんので、例えば、愛知県にも人権条例がございますが、そうしたところにない規定として、差別解消を一層進めるものを定めることは認められるということでございます。また、名古屋市が処理する事務に関するものという点で言いますと、例えば、裁判所や刑務所、警察、入管など市が所管しない事務等について責務だとか規定を設けるということはできないということでございます。 裏面には、参考として人権に関連する法律の例ということでいくつか挙げさせていただいております。基本的には、限界や上限を定めたものでなく理念や基本的考えであり、条例はこういったものをより具体化していくようなものと考えております。説明につきましては、以上でございます。 〇小林座長 ただいまの説明について、委員の皆様より何かご確認、ご意見はございますでしょうか。 〇宮前委員 この体系のことについてはその通りだと思います。1つですね、せっかく参考資料@で、外国の条約等についても挙げられているので、条約は、当然条例よりも上の規範になりますので、そういった条約の趣旨とかも反映されるような形でつくっていくのがいいのではないかと思いますので、そのように意見を申したいと思います。よろしくお願いします。 4ページ 〇山崎委員 宮前先生のご意見と同意見なんですけれども、私も女性差別撤廃条約の、昨年10月にロビーイングに行って参りまして、日本政府への勧告が多々出されております。そういう中で、やはり憲法98条の2項からいたしまして、条約というのは、日本でいうと憲法に次ぐものという認識でございますので、ぜひ宮前先生のご意見に心から賛同し、私もそういった条約を解釈した条例にしていただければというふうに考えております。以上です。 〇事務局(伊藤課長) 条約を含めたご意見ありがとうございます。皆様から様々なご意見いただいた中で、具体的な条例に落とし込むに際しては、名古屋市民の方は、日本の法律だったり、愛知県の条例だったり、また条約も当然ながら適用されますので、その条例の内容についてどのような表現が相応しいか、具体的にどういうふうにしていくのがいいのかについて、皆様のご意見の中から我々が判断することもございますし、 また皆様の方からも、こうしたほうが具体的で分かりやすいというようなご意見もいただきまして、条約の理念、または書いてある表現とかそういったところもしっかり反映できるような形で、骨子の案を考えていきたいと考えております。 〇小林座長 条約のこともきちんと反映していくということで。その他何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。 では、引き続きまして骨子案作成に向けた意見聴取の進め方について、事務局より説明をお願いします。 〇事務局(伊藤課長) 資料3、骨子案作成に向けた意見聴取の進め方について説明をさせていただきます。 条例につきましては、皆様ご存じのとおり、愛知県や三重県にすでに人権条例というものがございますが、まず、前文がありまして、基本理念や責務などの総則規定があって、次に、差別禁止等や基本的な人権施策といった実体的な規定が定められています。具体的にそういった技術的にどこにどういったものを含めるかにつきましては、行政の方でさせていただくとしまして、まず、大きな方向性となる基本的な考え方、どういうふうな名古屋市を目指すか、なかなか包括的なということでは、基本的には我々、行政、包括的にと思ってやっていても、それが、手が届いてないところがあるようでしたら、やはり一人も取り残さずという観点からいくと、そういったような部分も非常に大事だと思っておりますが、まずもって、皆様自由に、いろんなご意見をいただきながら我々の方で、骨子案をつくっていけたらと思っております。 5ページ 資料にありますとおり、例として5点ですね、条例がめざすべき社会、条例の基本理念、条例で禁止する差別等や実際に差別が発生した場合にどういったような対応策を取るのか、そもそも差別が起こらないようにする予防が大事でございますので、そういった差別が起こらないように、申し出があってから対応するわけではなく、申し出がなくても地域で顕在化しているようなものがあれば、そういったものへの取り組みですね、そういったものを色々ご意見、様々な観点からご意見をいただければというふうに考えております。 また、会議時間は、だいたい2時間程度を予定しておりますが、必ずしも2時間以内に皆様の意見が出尽くすとは限りませんし、会議資料や当日の意見に対しまして、当日必ずしも決定というわけではなくて、改めて後日、それぞれの団体で少し再確認をしたいということや、持ち帰って役員の方と相談したいということもあるかと思います。そういうこともございますので、基本的には会議の終了後、約2週間の期間を設けまして、書面での意見提出を受け付けたいと考えております。そうして広くいただきましたご意見については、他都市や差別の事実調査が必要ということも発生してくる可能性もあると考えておりまして、他都市や関係各局ヘの調査に必要な時間も踏まえまして、資料の矢印があるところでございますけれども、各意見を条例形式に整理し骨子案を作成しまして、次回提示できればと考えてございます。その際は、先ほど申し上げましたように、会議開催の1週間前には委員の皆さまの手元に郵送で届くように準備させていただければと考えてございます。 資料1のスケジュールのところで少しご説明させていただきましたが、今後ですね骨子案、具体的な姿が出てまいりますので、その都度、皆様からご意見をいただきまして、論点整理をいたしまして、具体化していきたいというふうに考えてございます。 2ページの参考@でございます。こちらは、いわゆる名古屋城バリアフリーに関する市民討論会の検証最終報告書に記載されてございました提言の抜すいになります。委員の皆様のご意見をもとに骨子案を作成してまいりますが、合わせて、検証報告を受けて真摯に対応してまいる本市の姿勢として、これらを含めることを考えてございます。例えば、(基本的な考え方)というところにつきましては、差別の根絶には、社会構造的差別を含むということ、次の(体制の方向性)では1つめと2つめの「・」にありますけれども、単なる助言にとどまらない窓口の設置や差別相談の解決困難事例や市に人権上の疑義が生じている場合に市から独立した立場で市に対して必要な提言を行う専門機関を設置するだとか。3ページ、(取組みの方向性)では、1つめと下から2つめの「・」でございますが、ライフステージに応じた人権教育・啓発や、インターネット上の差別的言動への対応、こう 6ページ いったところを含めていきたいと考えております。 続きましてですね、4ページ参考Aでございます。太く枠がございますが、こちらは、なごや人権施策基本方針からの抜すいになります。これまでの名古屋市の人権施策に対する考え方として平成10年5月の名古屋市長宣言や基本理念等を参考にお示ししてございます。 続きまして、5ページの参考Bでございます。条例で規定する差別の禁止など言葉の整理は自治体ごとで様々でございます。参考に、三重県条例の逐条解説、分かりやすいものですから、こちらの方から人権問題、人権侵害行為、不当な差別の整理について資料を抜すいしてお示ししております。例えば、条例で禁止するものを人権侵害行為、具体的に行政が介入するものについて不当な差別というような扱いをするというような整理がされてございます。例えば、三重県でございますと、被差別部落にかかる身元調査について、差別的取扱いをする前の調査自体が不当な差別と言えるかどうかについて、人によっては複数解釈もありうると考えられるところ、三重県では身元調査は、不当な差別に直接関連するものであり、様々な解釈が生じないよう「不当な差別」というところのカッコ書きで、「属性収集等を含む」と条例で定義してございます。 いわゆる人権等の属性を理由とする不当な区別、排除または制限、そういったところに直接該当しないけれども、差別に直結する行為や事例もありましたら、挙げていただければと思っております。最近ですとインターネットに関係するものであったり、いわゆるアウティングもあるかと思います。それ以外にも本人が気づかないところで、差別の意図をもって行われて、本人以外の同じ属性の方々がそれを見てショックを受けるようなものもあるかもしれません。いろんなパターンがあるかと思います。そういったことについても、条例まで規定できるか、もし条例に規定できなかった場合も、いろんな啓発だとかに反映していくというものを検討していきたいと思っておりますので、様々な意見をいただきたいと考えてございます。 最後に、6ページから7ページにつきまして、資料4でございます。各自治体のいわゆる人権条例で明記されております、差別等の禁止の対象、相談の対象、実効性のある紛争解決の対象、いわゆる勧告とか公表、そういったものの規定を掲げております。多くの自治体の人権条例はいわゆる理念条例でございますので、差別に対する明確な禁止だとか紛争解決の手段を条例に明記していることは少ないということが実態でございます。主なポイント、資料の枠で囲ってあるところでございますが、差別禁止の対象については大きく分けて3パターンに分かれてございます。1つ目は、不当な差別的取扱いのみを禁止として明記しているもの、2つ目は、不当な差別的取扱いに加えて不当な差別的言動を明記するもの。3つ目には、不当な差別を含め人権侵害行為という、3パターンございます。次 7ページ に、差別相談の対象ということでは、やはりどの都市も相談者自身が差別かどうか判断するのは難しいですから、まず人権に関する問題と思えば、気軽に相談できるよう広く受け付ける内容となっています。最後に、実効性のある紛争解決の対象でございます。不当な差別的言動については、様々なパターン、暴言、誹謗中傷だとかありとあらゆる場合がございますが、実際に条例で規定しているものに関して言いますと、基本的には本邦外出身者に限定したり、表現活動の場を公共の場やインターネット上などに限定しているものが多いというふうになっています。また、三重県や佐賀県は、不当な差別や人権侵害として広く捉えてございますが、具体的に申し出があったということを聞いておりません。他の自治体の実例の中では慎重に審議会等で審査するといった実例がありませんので、またこれから具体化していく中でいろいろ確認しながら、我々の方で調べていきたいと思っております。また、差別的取扱いについては、差別行為者に差別をやめるよう勧告するという対応が通常でございますが、差別的言動については、ヘイトスピーチやインターネット上のものだと差別や偏見が一気に拡散する特性があるため、「行為者」を対象とした勧告、公表を行わず、それよりも速やかにそうした「言動」を対象として差別を否定する公表を行う例も多いようでございます。またいろいろ、ここで議論いただきながら市がつくる中で論点整理しながら考えていければと思っております。 また、参考として、別添の参考資料Aに人権条例の構成の他都市等比較などございますので、こちらもご覧いただければと思います。 それ以外の参考資料として、「人権に関する世界・国内の動き及び本市の取り組み」や近年制定された関連法律、やはり近年制定された法の内容には、直近のトレンドと言いますか、話題性も含まれるかと思っておりますので、掲載させていただいております。 あと、昨年度、無作為抽出で3000人の市民を対象に行いましたアンケート調査、あと各人権課題の解決に取り組む団体等に行いましたアンケート調査も提出させていただいておりますので、必要に応じお目通しいただければと考えております。 長くなりましたが、資料につきましては以上でございます。 〇小林座長 それでは委員の皆様よりご意見などがございましたら、よろしくお願いいたします。 〇宮前委員 宮前でございます。愛知県弁護士会の方ではですね、今年の2月に愛知県内の地方公共団体において、人種差別撤廃条例の制定を求める意見書というのを作成しております。名古屋市さんの方にも市長に手渡しに行ったというふうに伺っております。これは主に人種差別撤廃条例ということ 8ページ ですので、ヘイトスピーチとかに対するもので、非常に全国の都道府県あるいは政令指定都市それから全国の弁護士会の状況等も分析した上でかなり詳細にどういう範囲をとって、どういう形の制約を設ければいいかといったような辺りを非常に細かく分析してありますのでぜひこれも参考にして、骨子案の方つくっていただければと思っております。よろしくお願いします。 〇小林座長 事務局の方、よろしいでしょうか。 〇事務局(伊藤課長) 人種差別撤廃に関する条例の要望、そこに関連する内容につきまして、参考にしていきたいというふうに考えてございます。 〇広瀬委員 名古屋市精神障害者家族会連合会の広瀬です。事前に送っていただいた例とか読んで、ざっとですが、眺めてちょっと思ったんですけれども、神奈川県の相模原市のところにまずこれを作った経緯ということで事件のことが書いてありました。それをヒントに、やっぱりどういう差別をどういう人権侵害事例をなくしたいかということを、ある程度共有することが大事だと思うんですけれども。ただ問題は、今日見せていただいたこの人権についてのアンケート調査でも、それが非常に類型的なんですね。障害者に対する差別、そういう一言で対象を例示している。でも私が言いたいのは、もう少し具体的にもう少しイメージわくために、あえて例えば2つ例を出すとしますと、名古屋市精神医療審査会、措置入院とか保護入院に関連してですけれども、本人の退院希望が認められた例は1つもないと聞いてると。本当にそれでよかったのか。もう1つは、生活保護受給者が、窓口で新しい口座作りたいと言ったらば、生活保護を受けてる人は、新しい講座を開設することができないと言われたと。ちょっと余りにも小さ過ぎるかもしませんが、こういう今、こういう具体的な場面を各分野から出していただいて、それを見ながら、こういう文書あるいはこういう仕組みをつくって、それが本当に減らすことができるのかどうか。あるいは、こういうことでもめた場合にどうやったら、お互いハッピーで終われるのか。やはりそういう場面を想定することができなければ、やはりちょっと、どこも大して変わりのない文章を並べたものだけになってしまうのではないか。最初に座長が実効性のあるものとおっしゃったので、あえて発言してるんですけれども。そのために、実効性あるものにするために、皆さんで毎回集まるときには、机の上にこういうものをなくそうとしてると。すでに、事前のアンケートで、事例はたくさんあるんですけれども、その事例だけがまとまってないので、事務局にそういうまとめていただいてもいいですし、そういうふうに進めたらどうかという提案ですがいかがでしょうか。 9ページ 〇事務局(伊藤課長) 伊藤です。ご意見ありがとうございます。確かに、今おっしゃられたように具体的な事例が出てくると非常にわかりやすいです。市民アンケート調査につきましては、無作為抽出で聞いていますので、受け取った方がなかなかイメージができず、回答しづらいという面もあるんですけど、逆にですね、今おっしゃったようなこと、人権条例をつくっていく中で、市民に関心を持ってもらって、皆さんがこれが大事だと思うものを同じように共感をする、そういったことが大事になってくると思っています。当事者じゃないと気づかないこと、非常に多くあると思いますので、なかなか気づいてもらえないようなところ、具体例に出していただけますと、それをまとめて会議資料として公開していくと。そうすることで名古屋市民全体の人権感覚が高まっていくことにつながってくるかなと感じます。 最後に意見提出シートで自由にご意見をくださいという準備をしております。ここに参加いただいている団体の皆様やいろいろな団体から様々いただいている具体的な事例の中から我々の方で抽出をしまして、あわせて次回第2回の会議で出させていただきたいと思っておりますが、わかりやすい事例を会議終了後に出していただければありがたいと思っておりますので、ご協力いただければと思っております。 〇小林座長 では意見提出シートとかを踏まえて、次回具体的にどういうような人権課題があるかっていうことと、それを踏まえて、骨子案なり論点がどう対応して、どういう解決が想定されるのか、そこら辺をわかりやすい形で資料をつくっていただく方向でお願いできたらということですかね。 〇事務局(伊藤課長) 事務局伊藤です。次回、条例の骨子というものを出しますので、それと具体的な事例を合わせていきたいと。そうすることで骨子に事例の部分が反映されていないとか、逆に、これは間違いないとか意見いただければ。基本的には可能な限り骨子案に反映させたいと思いますが、大量に事例いろいろある中で、必ずしも全て対応できるとは思っていませんので、まずは骨子を出しますので、その中で具体的な事例の趣旨が含まれている、含まれていない、むしろこういう表現が必要だという声を次回いただく、そういうような繰り返しをしていけたらと思っております。 〇小林座長 もちろん、全部を条例に書き込むっていうものではなくて、条例に基づいて、要綱とかガイドラインっていうことも当然あり得るので、何を条例に盛り込むことにして、何をその下のところで、具体化するかとか、そこら辺をちょっとわかりやすい感じでつくっていただけたらと思います。ただ、いずれにしろ具体的な課題が出されたときに、それが解決できないと実効性が 10ページ ないので、きっちり解決できると。で、解決できるための根拠をきっちり提示できるような条例ができたらということで、そうした方向でわかりやすく整理していただくようにお願いいたします。 その他何かございますでしょうか。 〇間宮委員 子どもの権利擁護委員の間宮です。何点か意見を述べさせていただきます。まず1点目、先ほど条約も参照しながらというお話ありました。ぜひですね、それに加えて、各国連の委員会が出している一般的意見、それから、日本に対しての総括所見。そういうものもきちんと読んで、反映する形でつくっていただきたいと思います。日本は子どもの分野も障害者の分野もそうですけれども、なかなか総括所見が出ても、国は動きがないというところですので、これはきちんと、人権先進都市ということでやっていくのであれば、きちんと一般的意見及び総括所見のことも念頭に置きながら、骨子をつくっていただきたいというのが1点目です。 それから、全体像のお話ですけれども、やっぱり差別するやつは悪いやつっていうことではなくて、やっぱり、ここにいる皆さんもと言ってしまっていいのかわからないですけど、少なくとも私も差別心というものは、必ずどこかにあると思います。そういうふうにあるものだというふうに、自分を差別しないと思うことの方が非常に危険なことだと私は思っていますので、やっぱり差別は内在化して気づかないっていうこと。それから、やはり構造的な問題があるんだということ、この2点をしっかりですね、前文なり目的なり、基本理念なりに、入れていくことが重要だというふうに思っています。それから、条例の全体像なんですけれども、本日ですね2点私の方から資料を提供させていただいています。1つ目は机上に配布されておりますけれども世田谷区の子どもの権利条例というものです。これ、昨月ですね、子ども条例から、子どもの権利条例ということで改正がなされました。名古屋市も子ども条例から、子どもの権利条例というふうに変わりまして、その時にも私は委員させていただいてるんですけれども、見ていただくとわかる通りですね、これ本当の条例の条文です。皆さんお気づきになりますか、第1条とか見ていただくと「定めるものです」って、ですます調なんですね。やはり、これまでこういう条例っていうのは、名古屋市ではつくられてきませんでした。私は名古屋市の子どもの権利条例をつくるときにも、これ名古屋市さんですます調で作りたいということをお願いしましたが実現しませんでした。でもやはりですます調であるってのは非常に読みやすくなるんですね。豊田市は、2008年に子ども条例を、名古屋と同じ時期につくっているんですけれどもその時からですます調でふりがなつけています。なので子どもたちにそのまま配れるものになっています。わかる人がわかればいいというものではなくて、あらゆる人が読みやすい、わ 11ページ かりやすい条例を全体としては目指していく、ということがやはりこの人権に関わる条例であれば必要だというふうに思っています。 それから最後ですけれども、先ほどいろんな事例を出しながらというお話ありました。例えば昔はインターネットでの人権侵害とかなかったわけですよね。そういうものはやっぱりどんどんどんどん新しい形での人権侵害というのは生まれていくと思います。ですので、先ほど少し話題出ましたけど、市から独立した立場での調査をしたり勧告をする専門機関というものを、どのようにつくっていくのかというのが非常に重要になってくると思います。これは私たちが、子どもの権利擁護員条例というものに基づいて第三者機関を、独立した第三者機関をしており、なごもっかという相談窓口を持って活動しております。どういう形でこの人権という広いものを扱っていくのか、なごもっか、子どもに関する権利侵害に関わる対応してますが、相談も毎年、新規で400件を超えています。延べで動いた回数を入れると3,000件前後ですね毎年、それくらいありますので、これが人権というものが、全体でということになるとすごい数になってくる。そうすると、区役所の窓口との機能をどうするかという問題も出てくると思うんですけれども、その中にやはりですね、ひとつ我々擁護委員も非常に大事にしていることですが、やっぱりモニタリングの機能、きちんと、名古屋市が人権侵害を抑えるような活動をしているのか、人権が守られる社会にしていこうとしているのか、そういうのはやっぱりこんな人権侵害をされたっていう、苦しい思いの人たちからしか聞けないと思います。元気な人に意見聞くことは簡単ですけど、苦しい人たちに意見を聞くっていうのはすごく大変なことですので、だからこそその相談機関から受けた相談を、救済機関なのか何かわかんないですけど、その独立した機関がモニタリングして、市に提言するだとか、アドボカシー機能として、代わりに声を上げていくだとか、そういう制度をつくっていくことが必要だと考えています。以上です。 〇小林座長 はい、ありがとうございます。事務局から何かありますか。 〇事務局(伊藤課長) 事務局伊藤です。まず、様々な条約の国連意見つきましては、反映等したいと思っております。また、間宮委員から子どもの権利条例をご提供いただきまして、私も先日初めて見させていただきました。通常の条例の様式とは異なった様式になっております。条例をつくるとなりますと、我々の方でまず原案こういったものをつくるというふうになりますが、最終的に全ての条例、つくるうえでいわゆる法規審査というものがございます。法律上の審査を通していく中で、こういった様式も判断されるのかなと。世田谷区以外もこういう様式の条例は見たことがあります。それらの自治体も通常の条例はやっぱり法律用語など堅い表現かと思います。それは自治体 12ページ ごとの法規の考え方で、先ほど言った市民により親しみをもたせるということでの判断かもしれませんし、そのあたりはですね、今私どもの方で現段階では、できるとは申し上げられませんが、条例以外、いろんな啓発冊子とか条例の案内につきまして、通常の啓発冊子でも、例えばわかりやすい版として、子ども、外国人、知的障害者にもわかりやすいものを作成することはあります。いずれにしましても、まずはすべての選択肢を考えさせていただきたいと思っております。また、相談機関の話もありました。非常に重要な視点と感じております。実際に我々の方で相談機関をつくっていこうと思いますと、やはりそれぞれの分野、子どもの人権擁護委員であったり、障害者相談センターであったり、個別分野の相談対応となりますと、そちらの方がより専門性が高かったり事例の蓄積もあるので対処が的確にできることもあるかと考えています。専門性ということで言いますと、性的少数者につきましては、たしか電話相談やLINE相談がすでにあって対応されていると思います。そちらのほうが専門性など高いかと思いますが、仮に非常に悪質な差別事例が電話相談やLINE相談があった場合に、これは相手方に働きかけないといかんだろうというものだった場合に、こちらの方にどうやって引き継ぐのかとか。個別の相談窓口も、総合相談窓口もあり、連携など何らか対応、具体的な実働を考えていきたいと考えているところでございます。 〇山崎委員 解放同盟の山崎です。3つほど意見を述べたいと思います。 まず、ネット上の差別の問題です。多くの方が経験されているかと思いますが、被差別部落でもネット上でアウティングされて、それがやっぱり結婚ですとか就職ですとか、日常生活の安全性を脅かされるという事件が発生しています。私ども2007年に全国で初めて、「B地区にようこそin愛知県」という差別ホームページを立ち上げられて、それが名古屋市内の男性であるということがわかりました。そういったことから20年近くネット上のアウティングについて苦しめられているわけですけれども、これについては本当に解決すべき手段がございません。法務局に削除要請してもなかなか解決できない。また行政の皆さんもいろいろと啓発等の努力はされていますけど、なかなか本人に行き着くことができないというような問題がございます。ぜひ、条例を策定するにあたって、こういったネット上のアウティングに対して、ここが部落だというようなことを書き込まれたり、ここの部落の会社はどうだとか、そういった形で書き込まれるわけですけれども、行政の皆さんが苦労されてるのは十分承知しておりますけれども、ぜひ具体的にどういうふうに解決していくのかという、そういった条例にしていただきたいなと。それが1点目です。 それから2つ目は、三重県の条例で、今、三重県の教員夫婦による土地 13ページ 差別事件が起きておりまして、それで今、三重県の方は、県知事さんが説示をしているという段階です。そのあとどうなっていくのかっていうのが全く、私どもわからないわけですけれども、ぜひそのあたり、具体的に実効性を持たせるにあたって、参考になろうかと思いますし、行政の方でしたら三重県の方からも情報提供がいただけるのではないかと思いますので、ぜひ情報提供していただいて、そういった場合の実効性をどう担保していくのかというお話を聞いてきていただくといいんではないかなと思っております。 3つ目ですが、提言にも複合差別という形で、出されておりますけれども、今差別の形態は、1つの差別だけではなくて、被差別部落の中にも、LGBTQの方もいらっしゃるし、障害者の方もいらっしゃるし、外国人の方もいらっしゃるしいろんな方がいらっしゃいます。そういった差別が今非常に交差性の中であるという、そういったことをこれからどういうふうに取り組んでいくのかという視点も、必要ではないかなというように、私はこの間、いろんな相談事案の中で感じておりますので、そういったことも、入れていただけるといいかなというように思っております。以上です。 〇小林座長 事務局から何かありますか。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤です。今3点のご意見をいただきました。ネット上のものについては、SNSを確認しますと、非常に、誹謗中傷、特に差別や偏見を助長して煽ったり、更にそこから犯罪を煽るようなイメージしてしまうようなことがあって、非常に課題だと思っております。名古屋市で令和7年度にインターネット、試行的なモニタリング調査の予算を構えさせていただいておりますが、実際、何ができるのか非常に難しいことだと考えております。他の自治体もインターネットに関する対策は拡散防止措置、先ほど委員おっしゃいましたいわゆる削除要請であって、実際に書き込みをしている方に自治体の条例では届かない。一方、国レベルの問題でありますので、国も様々な法改正をして、何らか差別的な書込みをした者にアクションがしやすくするような改正もされています。なかなか難しいところ、インターネット上については他都市を参考にしつつも、なかなか参考にできるものがないのが現状、限界も感じている。先生方のお知恵をいただきながら何ができるか考えていきたいと思います。また三重県の件につきましては、先進的な人権条例の調査ということで私も三重県の方に行きました。実効性ということで言いますと、勧告や公表などの仕組みに至るのは極めて悪質な事例ということで、通常は差別の相談があった時に単なる助言のほかに相談機関が条例や法律とかいろいろな話を相手方にしまして、なるべく差別をなくす方向で一定ご理解をいただいているというパターン 14ページ が多いことを聞いております。指摘のような非常に悪質なもの、三重県さんに話を聞きながら、他の自治体にもそういったものがあれば情報交換をしながら、我々は後発の条例になりますので、いいとこ取りができるので一歩先進的な取組みができるよう考えていきたいと思います。また複合差別、差別の交差性の話をいただきました。こちらについて、いくつかの他自治体の条例でも、複合的な要因というような抽象的な表現、もしかしたら個別具体的なものもあるかもしれませんが、具体的な書き方がどうできるか、我々もう少し調査したいと思っております。子どもの障害者で外国にルーツのある方とかいろいろな複合があると思います。具体的にどういうふうな偏見だとか気づかないものも示していけるような条例もしくはガイドライン考えていければ。また、皆様よろしくお願いいたします。 〇小林座長 その他、ございますでしょうか。 〇橋井委員 名古屋市身体障害者福祉連合会の橋井でございます。先ほどもお話がありましたけど、国連の方から、例えば障害者に対しては、障害者権利委員会からの総括所見というのが一昨年から出ておりまして、日本政府が出したものに対してはすべて注文がつけられているところです。そんなところも、参考資料として出していただければいいのかなと思っております。外務省あるいはJDF日本障害フォーラムの方からも、きちんと翻訳文が出ておりますので、それを参考にして皆様にお示ししていただければいいのかなと思っております。今ひとつ、先ほどから事例のこともございましたが、私どもの団体は、私のような視覚障害の他に聴覚障害、肢体障害、内部障害と多くの障害の特性の方が入っている団体でございます。それを2週間ぐらいでの意見聴取っていうのはなかなかできないということで、できるだけ早く出していただければ私たちも集めてみたいなと思いますし、またどこかで団体によっては、伊藤さんの方から、オンラインとか、そういったものでちょっとヒアリングとかね、そういうのもやっていただけるといいかなと思っております。以上です。 〇小林座長 はい、ありがとうございます。事務局の方からお願いします。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤でございます。今、障害者権利条約の総括所見を資料にして提供いただければというご意見ございましたので、準備させていただきたいと思っております。そうしますと、間宮委員の方からも、先ほど国連の委員会の意見、条約に関する話がございましたので、そのあたりも、ちょっとどういったものを出せばいいのか、委員の皆さまに少し相談させていただきながら提供させていただければと思っております。また、 15ページ オンラインという話もございました。会議がありまして、2週間で意見をもらって、その後にまた集めては難しいという話でございました。やはり広く意見を伺っていくという中で、ここ以外でも、いろんな方のご意見聞くだとか、いろんなタイミングありますので、我々としては、本当にいろんな意見を尽くすことが大事だと思っております。また意見聴取もこの場に限らないと思っています。実は人権条例の会議を開く以前に、こういったところにアンケートをしたらいいとか、どういったところに意見を聴くべきじゃないかというご意見もいただきました。我々としては、利用目的に基づいた個人情報がないので、やはり、個別に聴取しないといけないですので、場合によっては、こういった当事者の意見を聴くことができるとかですね、ご助言を市へいただければありがたいと思っています。いずれにつきましても、スケジュール、様々なところで意見を伺っていきたいと思っておりますので、お願いいたします。 〇濱田委員 名古屋手をつなぐ育成会の濱田です。事前の調査の方も意見出させていただきましたけれども、障害のある子どものことで、先日もゴミ箱の中に立たせて先生が蹴ってって特別支援学級だったってことが本当に残念です。 学校で起こっていることは、言葉でしゃべれる子は、いろんな人に伝えることができますけど、言葉がしゃべれない人は、なかなか学校の中で起こっていることを伝えることができなくて、今学校の、一般の小中学校や、特別支援学校の中で、人権教育についてどのようなことが行われているかっていうことを、勉強不足なのですが、あまりわかっていないんです。学校の先生にお聞きしたことがあって、障害について、どのくらい授業をやってらっしゃるかって聞いたんですけれども。やっぱり学校によって違うから、一概には言えないと。なので、授業の中に最低のラインとして、これだけのことをやるっていうことが決められていないようなんですが、実際のところ今日教育関係の先生欠席ですのでお聞きできないんですけれども、そういう小さい頃からの人権教育について、ここで考えていっていただいて、子どもへの教育もそうですけれども、学校の先生に向けてのそういった人権教育みたいなことが改めて、いいものができればいいなというふうに思っています、以上です。 それで不登校の子がいっぱい増えてまして、障害がある子の不登校ですけども。なのでその子は学校でどういうことが起こっていて、だから行きたくないということが十分に言えなくて、一般のいじめ問題なんかで不登校になってる子もいるんですけれども。大抵は、やっぱり、支援者というか教育者からの暴言とか、暴力までは最近はあまりないですけれども、そういったことが原因になっていることもありますので、そこはなかなか解明ができないんです。本人が言えないので。そういったことも一緒に考えていた 16ページ だければと思います。以上です。 〇小林座長 事務局から何かありますか。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤でございます。学校における人権教育ということにつきましては、全学校において、学校教育活動全体を通じた中でやっているというふうには伺っておりますが、今私の方で回答ができませんので、いただきましたご意見に対しまして、また次回までに確認、回答させていただきたいと思っております。また、どこまでこの条例を議論するのか、少なくとも条例、市の職員の責務や人権教育だとか啓発と、そういったところも書かれると思っております。教員も市の職員の一部ではございますが、ちょっとどこまで、どういったところを書くのかという部分につきましては、また継続課題という形でよろしくお願いしたいと思います。 〇安間委員 PROUD LIFEの安間です。今日は第1回目ということでちょっと全体的なお話をさせていただきたいと思うんですけれども、今回バリアフリーの討論会ということからのこの条例ということで、この中にも本当にですね、社会に根づいた差別の解消というのが一朝一夕には解消しないと、そしてインクルーシブな社会を実現するために、多様性を認め合い包摂するというね、こういう話が出てきております。私たちもですね、性的少数者という1つの属性に基づく差別を体験しているわけなんですけども、条例として見たときに、例えば参考Aの、他都市の事例で、18ページ19ページのところに、差別禁止の条文についていろいろ書かれているんですけども、ちょっとこう、ぱっと見て対照的だなと思ったのが、1つはこの三重県さんの条例だとか、川崎市さんの条例のように、こういう属性に基づく差別というのを列挙しているところもあり、一方で佐賀県の方は人権侵害を禁止するということで、不当な差別、いじめ、虐待、プライバシーの侵害というような、一般的といいますか全体的な問題をされてるところで両方あるかなというふうに思うんですね。今回、名古屋市の包括的な人権の条例ということなので、もちろん分野別のあるいは個別の課題の人権問題ということが、差別問題ということが、とても大切なんですけれども、やっぱり人権を侵害してはいけないという普遍的なことが市民の中に浸透していく、社会の中に根づいていくということが大きな目的になっていく必要があるかなというふうに思っております。私たちも、本当に大きな、重大な権利侵害だとか、差別に直面するっていうことももちろんあるんですけど。私たちが日常的に苦しんでいるのはですね、いわゆるマイクロアグレッションといいますか、一人一人が、なんていいますかこう、詳しく理解されていなくてもいいんですけど、人として尊重して欲しいというね、当たり前のように尊重 17ページ されれば、極端な差別事案というのは発生しないというふうに思うんですね。ですから、そういったところがカバーできるような、全体的な、包括的なものになるといいかなと、そんなふうに思っております。 あともう1点ですね、私も相談の現場で相談対応しておりますので、先ほど相談窓口にいろいろな差別事案があったときに、どういうふうに、それを差別解消につなげていくのかというお話がありましたけど、それをもし本当にやっていただければ、非常に画期的なことになるかなというふうに思ってるんですね。やっぱりいろいろな相談、私も受託して運営しておりますけど、基本的には、例えば匿名であったり、1回限りの相談が非常に多いわけです。これは、守秘義務といいますか、そういうことからも必要なことなんですけども、でも本当はですね、そこで寄せられている声が救済に結びついていくような、そういった仕組みができるっていうことが、やっぱり相談をしてこられる方々の権利擁護ということにとっては重要だというふうに思うんですね。いろいろな権利救済の仕組みっていうのは本当に大変でですね、私も結構そういうのを使うのが好きなので、名古屋市の男女苦情処理制度とか利用したこともありますし、あるいは何かの審議会に不服申し立てとかですね、そういうのしたこともあるんですけど、めちゃめちゃ大変なんですよね。多分それを利用できる人は、十分、社会の中で生きていくパワーを持ってるので、たとえ差別事案があったとしても、自力ではねのけることができるぐらいのですね、そういったパワーがあると思うんですね。だけど、複合的であればあるほど、そして、課題が幾つも幾つもあればあるほどですね、生きることそのものが大変な状況に置かれている。そういった方たちが繋がっていけるのが例えば福祉の現場であったり、相談の現場だったりというか、そういうところに繋がってきますので、そこで起こっている人権侵害をですね、救済できるというのを、何か条例の中で盛り込んでいただけると、第一線の相談の窓口で対応している者にとっても心強い、そういったものになるのではないかなと、そんなふうに思っております。以上です。 〇事務局(伊藤課長) 人権担当課長の伊藤でございます。ご意見ありがとうございます。実際に相談機関は、いろいろご意見をいただいていると思います。また、先程、不服申し立ての話もありましたが、最終的に勧告とかその辺りの手続きになってきますと、ほんとに時間のかかるさまざまな手続き、他にも加害者の方にも色んな調査とかする中で、場合によっては、加害者の方から心無い言葉を浴びせられるというようなこともあり得るのかなとも思います。ただ現実的な部分では、多くの相談機関が助言に留まっており、最終的に本人に解決を求める。本人が助言を受けてもそこから加害者にはなかなか話しにくい。やはり今回は、本人に代わって行政が事実調査から、やはり 18ページ 問題があるとなれば相手方の説得をやる。そういった相談機関がまずは個別に動いて相手方に理解だとか協力を求めるというところで、そういうことを受け入れてもらうためには、相談員のスキルが重要だということもいろんな方から言われております。既存の相談機関もいろいろありますが、我々の方で、相談機関をつくっていく中では、やはり最終手段にいたる前段階で、本人から差別の事情聴取をして、本人に代わって相手方に聞いてですね、双方誤解だということがあれば誤解ですよと言う。喧嘩になるので話もできないという状況の発生を抑えることにもなると思っています。さらに具体的なところというのは、今後、引き続きよろしくお願いします。 〇東岡委員 先ほど濱田委員がおっしゃっていたことに賛同して、同じような意見を言いたかったです。私はホームレス支援を40年ぐらいしているんですけれども、野宿の方々を巡回して回って意見を聞いてるんですけど、昨年10月に天白川でホームレスの襲撃事件がありまして、それを訴えられて、それは大変なことだということで、すぐに名古屋市の教育委員会の方に報告したら、教育委員会の方がすぐにその野宿していらっしゃる方の近隣の3つの小学校と3つの中学校の校長先生に、人権は大切だという話と、それからそういうことがあったかどうかという、生徒さん1人1人の聞き取り調査をしてくださったら、ある子が、僕がやりましたっていうことを名乗り出てくださいました。その報告を受けて、その子を責めるのではなく、言ってくれてありがとう、でも人権って大事だよねみたいな話を学校の方でお願いしますって言ったら、その3つの小学校3つの中学校で、各クラスでいろんな人権の話をしてくださいました。それから、襲撃をしたお子さんとお母さんが、野宿の人を訪ねてすみませんでしたと謝る事例がありました。そこから襲撃はなくなりました。 そんなことが去年あって、その5年前に同じようなことがあったことを踏まえて、私はやっぱりその皆さんが今、つらい思いをしている方と寄り添っているいろいろな差別問題とか、差別事件は、やはりお子さんが小さいときとか、もう気がついたら人権の話を家でしてたとか、やっぱり教育ってのはすごい大事だなっていうのをひしひし感じて、仲間とともに、私たち各小学校にお話しに行ってもいいですよとか言って教育委員会さんに言うんですが、それはまた後程みたいな感じでスルーはされていますけれども、先ほど濱田委員がおっしゃったように、人権を侵害してはいけないことは当たり前なんだけど、これが人権侵害と思っていない人たちがいて、それを知らなくて育ってきた子どもが、ホームレスに石を投げたり、襲撃したりっていうことをするんだなと思って、人として尊重して欲しいっていうのを小さいときからお話したり、話題にしたり、ポスターを作ったり、絵本を作 19ページ ったりとかいうそういうことが大事だなと思ってるんですけど、ちょっとなかなか言いにくかったのは、今回の条例とどういうふうに教育が絡むだろうというのはちょっと、私自身もよくわからなかったので、一応事例を通して発題してみました。ありがとうございます。 〇小林座長 ありがとうございます。事務局からありますか。 〇事務局(伊藤課長) ご意見ありがとうございます。実際、教育現場で、どういったことを今されているかということにつきましては、濱田委員からの意見もありましたが調べて、そのあたりについては、まず現状ですね、一定の回答をいただきまして、まずは皆さまにお示ししたいと思います。それにつきまして、またご意見等あれば。 あくまで人権条例という中での人権教育という分野になりますので、人権教育のどこまでを議論するかっていうのはあります。あくまで人権教育を含めての人権条例と考えておりますので。あとは次回述べさせていただきます。 〇明石委員 明石です。皆さんの意見を聞きながら、私人権擁護委員ということで、今日欠席をしておりますが名古屋法務局と一緒に、そういった相談や、救済というところのお手伝いというか一緒に活動ということなんですけれども。 先ほど山崎委員からありましたように、法務局に多分そういう相談があって、なかなか解決できないというのが現状だというところと、安間委員が言われたように、敷居が高いというところがあるというのは確かだなあと。 私も電話で相談を取ったりすることはあるんですが、そこに人権侵害があるかどうかっていう見極めも、職員と一緒になって、職員の方で人権侵害だということがあれば、それを救済していくという形につなげていくんですけれども、いかんせん、ある議員が差別発言をして、認定が出たにもかかわらず、なかなか自覚してもらえなかったというのが現状だというところで、資料3の参考@の、人権に関する条例制定に向けた提言、基本的な考え方の中に、社会構造的差別という文言があったと思います。 もちろんここにいらっしゃる方たちは差別についてある程度、もう人権についてもわかっていらっしゃる方が多いと思うんですが、どう思ってるかっていうのは人それぞれというところもあります。 名古屋市が、この社会構造的差別というのをどのようにとらえているのかということを、次のこの会議の場で、皆さんと共有できるようにしたいなっていうのが1つ、お願いしたい意見になります。 それから、濱田さんが言われていた、障害者のことを知ってもらうための教育ということで、今日は社会福祉協議会の代表の方もいらっしゃってい 20ページ ますが、私もちょっと別件で、福祉学習ということで小・中学校へ、障害者の当事者とともに行ったりするんです。そこでですね、実は人権を使いたいんです。人権なんだよっていうことをお伝えしたいんですが、なかなか福祉教育と人権教育が、今も言った、テリトリーということで違うと。まあ違うとまで言いませんでしたけれども。一緒にしていく必要があるにも関わらず、それは多分LGBTQの問題もそうでしょうし、外国籍の方もそうでしょうし、実は、妊婦の方のそういった教育、学習なんかも学校でやるんですが、そういったところが、人権に結構繋がってるんだっていうところをしっかりと伝えられるような仕組みをつくっていけるといいのかなと思うので、社会福祉協議会の方もいらっしゃいますから、そういうところは共有して、共同して、福祉学習だ、人権教育だ、これは平和学習だっていうのではなく、どれにも人権が関わってるんだっていうところで、学校の現場に言っていただけるといいかなというふうに思っています。 本当でしたら、名古屋法務局の方に、今どういうふうな、その救済の仕方をしているのか、なかなかままならないものというのが現実的にあるというところも、少しちょっと、次参加していただけるなら、ヒアリングしていただけるといいのかなというふうに思っています。以上です。 〇小林座長 事務局から、お願いします。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤でございます。一つご意見いただいた中で確認を少しさせていただきたいのが、条例制定の提言の中の基本的考え方で、社会構造的差別の考え方をどう考えているか。市の考え方と言った時に、当然市って言った場合に、今回これ人権条例の話になりますと、我々が今所管課になりますので、我々のところで、我々の考える案を作成となるんですけど、それをお示しする形でよろしいのか、もしくは色んな、例えば我々じゃないところも含めた市という話になってくると、どういうやり方ができるのか、難しいところもあります。 〇明石委員 こんなようなイメージ図みたいなものをちょっと提示していただくと、多分全員の委員が、ここで考えている社会構造的差別というもののイメージができるかなと。その中に先ほど事例を挙げて解決したらどうだとか、こういった場合には、こういった社会構造的なものがあるんだぞというのを、イメージができるんじゃないかなってちょっと思ったものですから。はい。 〇事務局(伊藤課長) すみません、私が少し勘違いをしていたようです。皆さまに、情報共有する時にわかりやすい資料というものを、そういう形でご用意をさせていただきます。また、法務局さんの方にも、今回、たまたま代理の方も難しいと 21ページ いうお話がございました。今回、私どもも持ち帰ってお話させていただこうと思っております。 〇小林座長 その他、ございますでしょうか。 〇間宮委員 今いろんなお話を伺っていて、実は名古屋市の子どもの権利擁護委員がやっていることを、人権の方に広げたらカバーできるんじゃないかなって思うことも、実は、たくさんございます。学校に行っての権利学習、教員向けの研修、いろんなことやっています。学校の中ではやっぱりまだ、人権と優しさをセットで考えられている先生方も多くて、あと人権と義務をセットで考えられてる方も多くって、それ違いますよっていう話を、大分やってきているところです。 救済の仕組みっていうのは、救済でもあるし予防にも繋がっていくと思うんですね。名古屋市の子どもの権利擁護員制度って、実は日本で一番進んでいまして、今いろんな都市から視察に来ていて、実は4月22日も私登壇して、15分ぐらいで、名古屋市の救済機関何やってるかって話をすることになってるんですけど、ちょっと1度、次回ですね、15分ぐらい時間とっていただいて、名古屋市が今すでにある、子どもに関してですけれども、救済機関が何をやってるかっていうことをちょっと皆さんにご説明する時間をいただけると、救済について考えていくヒントになるかなと思いますので、もし可能でしたらそのようなお時間をいただければ私の方で準備はさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 〇小林座長 事務局の方お願いします。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤でございます。人権条例の提言の中で、紛争解決の専門機関について書いてあるんですけども、我々としても、今子どもの人権擁護機関のことを非常に参考にしたいと思っておりますので、ぜひご説明いただきたいと思いますとともに、幅広いご意見をいただくために、皆さんとそういったところも共有できればと思っておりますので、非常にありがたい提案です。次回ご用意させていただきたいと思います。 〇小林座長 それでお願いしたいと思います。その他、委員の方々からご意見ございますでしょうか。 〇土井委員 多文化共生リソースセンター東海の土井と申します。 今いろいろお話を伺ってですね、特に私が直接接している外国ルーツの方々の問題に関しましては、資料2のですね、条例制定権の範囲と限界っ 22ページ ていうところで、当然憲法があり法律があり、愛知県条例があり、その上で、名古屋市の中でっていう順番があるとは思うんですけども、そもそも、法律の段階で、あまり考えられていないところが結構ありまして。なので法律で規定されていないことを名古屋市で独自に規定するってなかなか難しいのかなと思う部分もあるんですけども、限界の範囲内だけでこうやってると、結局は解消されないということもありますので、条例に含めるかどうかはまた議論をするとして、条例ではこのようにここまでは言及できないけども、やはりこの委員会の中で、この部分に関してはやっぱりそもそも、その国の法律や、憲法などがまだ追いついてない部分があって、でも名古屋市としては、これはとっても大事にしていきたいというようなことを何らかの形で、国に提言とまでは言えないまでも、何かこう、メッセージとして発することができたらいいのかなというふうには思っています。なので、そういった機会をどこかの形で持っていただくと、プレスリリースでもいいですし、このメンバー間の共通認識としてでも。ただ、要は条例に入らないからオープンにならないということではなくてここで議論した中で条例にはそのまま入れられないけども、こういう記述を残して、今後いろんなとこに訴えていきたいみたいなところまで、考えていただけるといいのかなと思っています。意見です、はい。 〇小林座長 そうしたら事務局の方からお願いします。 〇事務局(伊藤課長) 人権担当課長の伊藤でございます。ご意見ありがとうございます。まさに今言われたこと、非常に大事なことだと思います。 条例の文章として書くことが可能なところを書いて、可能でないところは落とす形になるかと思いますが、ただやはり条例をつくっていく段階では必要な議論をしていただいて、文字としては条例に残せないけれども、啓発とか理念に書くことができれば。具体化しないことには浸透しないという意見もあるかもしれませんが。 ただ、本当に人権条例につきましては、包括的で実効性のある、あらゆる差別だとか人権侵害から守るということであれば、もしかするとそれが法律上、実は名古屋市ではなく国が全面的に所管して対応するものだということであれば、確かに名古屋市ではできないかもしれませんし、場合によっては、人権擁護委員さんが活動されているかもしれませんが、それでも例えば何か意見だとか要望だとかの事実行為として、市の方から国のほうに出すことは可能かと思います。 まずは困られてる方がいて、どういった問題が実際あって、それがどういう事例だったのか、名古屋市ができるのかできないのかというふうなところもご議論いただいて、それが仮に条例に反映されなかったとしても、そ 23ページ ういった部分が外部に周知され、対応可能なところの対応につながる、そういったことも非常に大事なことかなと思っております。 また、法律に書かれないことも、法律に書かなかった理由が、国民の議論が分かれてとか、解釈の合意が困難とか。それが市の方で一定的できるであろうという判断になれば市の条例で書くこともできますし、やはり国の方でも、相当様々な調査をしてかなり難しいだろうということで書けないかもしれません。しかし、やはりそういった問題が様々あるんだよということで提示いただく。市民の認知が低いだとか、そもそも関心がないという中で、そういったことが広がって認知や関心が高まる。そして先々に、合意できるような環境ができあがるかもしれませんので、幅広くご意見をいただければありがたいと存じます。 〇小林座長 条例の案をここで検討して、報告書を書くときに、ここで議論されたり問題提起されたことで、仕組み上、条例に乗らなかったとしても、当然、ご提案された課題を全く無視する報告はありえないので、それについては、どういう形で対応するのかとか、他の条例の問題だとか法律の問題だとか、あるいは、要綱でもっと柔軟にやることだとか、何か書くわけですよね、報告書で。 〇事務局(伊藤課長) 担当課長の伊藤でございます。行政がいろんな有識者、関係者の方からご意見いただく会議、いわゆる諮問に答申を出す審議会と、意見聴取の懇談会という2パターンあります。こちら懇談会の意見聴取という会議になっておりますので、いわゆる諮問機関、諮問や答申という形での報告書はないのですが、ただ、報告書形式ではないからと言ってですね、会議でいただいたものが消えていくわけではなくて、当然、それは会議の議事録とか資料にも表れて、ホームページにも載りますし、さらにそれを先ほど座長がおっしゃられたような、例えばその委員意見を、我々の方で整理をして、どういった形で出すのかと。そういったやり方は当然できればと思っておりますので、そういった方法等は、また座長と相談させていただきながらご対応させていただきたいと思っております。 〇小林座長 また、ここでいろんな意見とか議論をすることを通じて、啓発等々にもつなげていくというのが、この会の趣旨という理解ですね。 その他委員の方々から何かご意見ございますでしょうか。どうぞ、お願いします。 〇濱田委員 名古屋手をつなぐ育成会の濱田です。 条例をつくるとなると、何々しなければいけないとか、こういうふうにしまし 24ページ ょうっていう、いろいろ文がつくられていくわけですけれども、それを、できた後に、どうやって現場に生かすというか、さっきも言いましたけれども、最低ここまでは、何かこう、話したり、住民と理解し合う何かをやっていくとか、その実効性という話で先ほどの、条例をつくるだけじゃなくて、そのあと実行することまで話し合えればと思います。 〇小林座長 事務局からいきますか。 〇事務局(伊藤課長) 人権担当課長の伊藤でございます。条例ができあがった段階、本当はできあがる前段階で、やはり広く市民の方に関心を持っていただくという巻き込み方といいますか、一緒に考えていただくやり方も一つ課題と思っています。他の自治体では、タウンミーティングとか市民意見交換会とかいろんな現場に出て行ってやられたりしています。名古屋市では、どういうやり方が適切なのか、今後検討と考えておりますが、いずれにしましても、条例をつくって、それを地域や市民の皆さまにどう浸透させていただくかがまさに肝だと思っています。そこをしっかり検討するとともに、場合によっては皆さまにご助言いただきたいと思っております。 〇小林座長 実効性を高めるためには、当然、必要としている人に理解していただかないといけないので、条例自体の表現を、どういう形にするのか、あるいは何かパンフレットみたいにするのか、いろんな議論はあると思うんですが、そこも重要な論点として、今後話していくということですかね、わかりました。 その他、何かございますでしょうか。 〇橋井委員 名古屋市身体障害者福祉連合会の橋井でございます。この中で障害当事者は私と、あとあまりいないと思うんですけれど、自分のことあんまり話はしたくないんですが、私今、もう70代になっておりますけど、子どもの頃からずっと弱視でした。それこそ黒板の文字も読めない。でも、昭和30年代40年代というのは、障害者は、されることも黙って我慢するしかなかった時代です。今でも、私たちの団体の人たちは、やはり差別に関しては、どっちみちやってもらえないんだから我慢するしかないんだと、自分の障害を自分でもう理解するしかないという方も多くいます。私自身もそう思いますし、そういったものをなくしていこうとすればこんな条例も必要でしょうし、差別解消の件も必要だと思っておりますけど、やはり、一番大事なのは、何度も皆様からも出ておりますけれど子どものころからの総合学習の中での障害者との接し方とか、そういったことだとは思います。ただね、厄介なのは大人ですね。これが厄介ですわ。 25ページ 私も、何とか1人で、今日はね一緒に来ていただいておりますけど、東京でもどこでも1人で行く人間です。全盲ですけれど。でも、本当に皆さんが少しずつ声をかけてくださるように、10年ぐらい前から少し良くなりました。男性の方が声かけてくれるような時代になってきたところを新型コロナによってすべてなくなりました。あれはだって、接触したらいけない、声をかけて出したらいけない。1メートル前後離れて並びなさいとか、国がそんなこと言ったもんですから、私たち視覚障害者はあれで本当に困ってしまいました。でもコロナがちょっと収まり、最近、今日も、地下鉄に乗るときに、その乗るタイミングで乗らないと降りてくる人とぶつかりますので待っていたら、男性の方が「今いいですよ」って言いましたから、ありがとうと言って入ったわけでございますけど、そういった自然になるようなものはやっぱり僕は、啓発、周知だと思うんです。それ思いやりです。やっぱりそれがない限り、私たちの先輩の時代ってのはね、もう誰でも倒してでも、上へ登っていけという時代、今はそういう時代じゃない。私たちにとってはいい時代になったのかなと思いますけれど。でも、今、買い物行ったらほとんど外国人なんです。日本語しゃべれませんよ。例えば、おにぎりを欲しいときには、何か鮭のおにぎりと言ってもまずわかりません。そういう人を置いていかないといけない。それは仕方ないかもしれないんですけれど、やっぱり車椅子の人からあれを取って欲しいとか、視覚障害の人がね、あれ取ってほしい、探してほしいと。そういったことが、今も、経済の方からも、コンビニのところは、そういったところへ声かけると、もう仕方ないと。人がいないから我慢してくださいと。だから私たち今買い物難民です。でもそれ皆さんほとんどわからないですよね。自分たちはさっさっと取ってさって買いますので。でもやっぱり、どんな条例ができようが、皆さんがどんな施策をしてくださるようになろうが、やっぱり障害者はどこかで我慢するしかないんです。それが現実です。それは理解してください。以上です。 〇小林座長 検証委員会の最終報告でも、やっぱり、人権教育や啓発が必要で、人権文化をちゃんと確立していかないといけないと。名古屋市だけで頑張ってもできることは当然限界があって、名古屋市全体で、市民の方とか事業者の方全体で、やっぱりやっていかないといけなくてですね、そういう点で啓発・教育というものが非常に大事だということが謳われていて、ライフステージに応じて、きっちりやっていかないといけないと。これは、もちろん子どものときもあるし、あとは大人になってから当然アップデートをしていかないといけないんですよね。 昨日の人権の価値感が、今日の価値感じゃないし明日の価値観でもないので、それが大人になると、どっかで止まっちゃってて、にっちもさっちもいってないみたいなことがあって、逆にそういう立場の人が、子どもに教えち 26ページ ゃうので、ちょっとおかしい話になることもあるので、そういう点で、ライフステージに応じた形の教育というものが重要だということも書かれていたと理解しております。 〇明石委員 明石です。私も全盲の方と一緒にこの間福祉バスに乗って、お城めぐりをさせていただきました。彼もよく言います。今、我慢とおっしゃられたんですけれども、僕たちはすごく我慢強いんだっていうことをとてもおっしゃられました。そういう時代に生まれたっていうところもあるんでしょうけれども、でも、私もこれ障害がひょっとすると、これから先、起こりうるということがあると思います。目を怪我したりとかいろいろで。その時に、我慢ができるかっていうと、きっと我慢ができずにひょっとすると、もう本当にうちからも出なくなって引きこもりになっちゃうんじゃないかなってやっぱ思うんですね。そうならないための施策をつくっていただけるといいかなって思うことと、もう1つは、やっぱり今まで分断されてたんですよね。そういう人たちと一緒に出会うという場が全く、ほとんどなかった。今でも、その障害者の方と一緒に何かをするというのも、何かイベントをつくってやらなきゃいけなかったりとか、外国籍の方とも、どこで出会うかっていってコンビニで仕事される方もいらっしゃるんですが、そういったときにどういうふうに対応していくかっていうところが、私たちの鍵になるのかな。そういうインクルーシブ、インクルージョンな、そういった教育も含めるならみんなごちゃまぜになって、個別のサポートはもちろん必要なんですけれども、一緒になるっていうことがすごく大事なのではないかなというふうに思っているので、なんかそういうことが条文の中に1つ入るといいのかなと思いました。 〇小林座長 その他、何か委員の方々からご意見ございますでしょうか。そろそろ時間ですけども。 それでは予定のお時間ですので、本日は皆様にいろいろとご意見をいただきましたが、いずれも重要な論点でしたので、事務局の方で残らずというんですかね、取り残しのない形でちょっとまとめていただいて、次回、全部取り上げることは多分できないと思うので、順々にですね、その論点を検討していけたらなということと、あと必要な資料ですね、条約の話とか勧告の話とかもあったと思うんですが、そうしたものとか、他都市の事例、対応などをですね、集めて、提示していただけたらと思います。この会議の時間内だけですべての意見を出し尽くすことはできないと思いますので、本日の会議の終了後に、改めて別添の意見提出シートにご記入いただいて、後日、事務局の方に提出していただければと思います。それも踏まえた上で、事務局の方で、次回ですね、資料等々をまとめていただけたらと思います。それでは、本日の議題については以上でございます。事務局に 27ページ 進行をお返しいたします。 〇事務局(児玉部長) 皆様、長時間にわたりどうもありがとうございました。それでは、事務連絡ということで2点させていただきます。 1点目、先ほど座長よりお話いただきましたとおり、本日時間の都合上発言できなかったご意見や、改めて調査あるいは戻ってから会員の方へ確認して意見したい事項等ありましたら、別添の「意見提出シート」により、目途としては4月28日、2週間後に事務局へ提出していただきたいと思います。この様式については皆さまにメールにてデータで送らせていただきますので、そちらをご利用ください。 2点目ですけども、次回は、7月14日の午前10時を予定をしております。正式な通知は改めてさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは長時間にわたり、どうもありがとうございました。