1ページ 間宮委員提供資料A ○名古屋市子どもの権利擁護委員条例 平成31年3月27日 条例第23号 (設置) 第1条 子どもの権利を守る文化及び社会をつくり、子どもの最善の利益を確保するため、本市に市長の附属機関として、名古屋市子どもの権利擁護委員(以下「委員」という。)を置く。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 子ども 18歳未満の者その他これらの者と等しく権利を認めることが適当である者をいう。 (2) 子どもの権利擁護 子どもの権利侵害からの回復及び子どもの権利の保障のための措置を講ずることをいう。 (3) 保護者 親及び里親その他親に代わり子どもを養育する者をいう。 (4) 学校等 学校、保育所、児童養護施設その他子どもが学び、又は育つことを目的として通学し、通園し、通所し、又は入所する施設をいう。 (所掌事務) 第3条 委員は、第1条の目的を達成するために、次の職務を行う。 (1) 子どもの権利侵害に関する相談に応じること。 (2) 子どもの権利侵害に関する申立て又は自己の発意に基づき、調査、調整、勧告、要請等を行うこと。 (3) 勧告、要請等の内容を公表すること。 (4) 子どもの権利に関する普及啓発を行うこと。 (委員) 第4条 委員の定数は、5人以内とする。 2 委員は、人格が高潔で、子どもの権利に関し優れた識見を有し、かつ、第三者として独立性を保持し得る者のうちから、市長が委嘱する。 3 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、後任者が委嘱されるまでの間は、その職務を行うものとする。 4 委員は、再任されることができる。 (解嘱) 第5条 市長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき又は委員に職務上の義務違反その他委員としてふさわしくない非行があると認めるときは、これを解嘱することができる。 (兼職の禁止) 第6条 委員は、衆議院議員、参議院議員若しくは地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。 2 委員は、前項に定めるもののほか、公平かつ適正な職務の遂行に支障が生ずるおそれがある職と兼ねることができない。 (代表委員) 第7条 委員のうちから代表委員1人を置き、委員の互選により定める。 2 代表委員は、委員の会議を主宰し、委員を代表する。 3 代表委員に事故があるとき又は代表委員が欠けたときは、委員のうちから代表委員があらかじめ指名する者がその職務を代理する。 (専門調査員及び調査相談員) 第8条 委員の職務の遂行を補助するため、専門調査員及び調査相談員を置く。 2 次条の規定は、専門調査員及び調査相談員について準用する。 (令4条例17・一部改正) (委員の責務) 第9条 委員は、職務を行うに当たっては、子どもの権利侵害の予防及び早期発見に努めなければならない。 2 委員は、公平かつ適正に職務を遂行しなければならない。 3 委員は、関係する市の機関等と連携を図り、職務の円滑な遂行に努めなければならない。 4 委員は、相談又は申立てを行った者に不利益が生じないように、職務を遂行しなければならない。 5 委員は、子どもの権利に関する意識を高めるための取組を積極的に行わなければならない。 6 委員は、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。 7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。 (市の機関の責務) 第10条 市の機関は、委員の職務の遂行に関し、独立性を尊重するとともに、積極的に協力し、及び援助しなければならない。 (全ての者の責務) 第11条 何人も、委員の職務の遂行に関し、積極的に協力しなければならない。 2ページ 2 何人も、権利が侵害されていると思われる子ども又は子どもの権利を侵害していると思われる者を発見した場合は、速やかに、委員に相談又は申立てを行わなければならない。 (相談及び申立て) 第12条 何人も、全ての子どもの権利侵害に関する事項について、委員に対し、相談及び申立てを行うことができる。 2 委員は、相談又は申立てがあった場合には、相談に応じ、又は申立てを受理しなければならない。 3 委員は、相談又は申立てがあった事項が次の各号のいずれにも該当しないときは、適切な機関等に引き継がなければならない。 (1) 市内に住所を有する子どもに係るもの (2) 市内に通勤し、又は市内の学校等に通学し、通園し、通所し、若しくは入所する子ども(前号に規定する子どもを除く。)に係るもの(相談及び申立ての原因となった事実が市内で生じたものに限る。) (調査及び調整) 第13条 委員は、申立てがあった事項について、調査を行わなければならない。 2 委員は、子どもの権利が侵害されていると思われるときは、自己の発意に基づき、調査を行わなければならない。 3 委員は、申立てが当該申立てに係る子ども又はその保護者以外の者から行われた場合において調査を行うとき又は自己の発意に基づき調査を行うときは、当該子ども又はその保護者の同意を得なければならない。ただし、当該子どもが置かれている状況を考慮し、委員がその必要がないと認めるときは、この限りではない。 4 委員は、調査のため必要があると認めるときは、市の機関に対し、説明を求め、その保有する文書その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地に調査することができる。 5 委員は、調査のため必要があると認めるときは、市の機関以外のものに対し、必要な限度において、説明、資料の提出その他の必要な協力を求めることができる。 6 委員は、必要があると認めるときは、専門機関に対し、調査を依頼することができる。この場合において、委員は、依頼した事項の秘密の保持に必要な措置を講じなければならない。 7 委員は、調査の結果、必要があると認めるときは、子どもの権利侵害の是正のための調整を行わなければならない。 (調査の中止) 第14条 委員は、特別の事情があると認めるときを除き、申立てについて、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、調査を中止するものとする。 (1) 判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項又は裁判所において係争中の事項若しくは行政庁において不服申立ての審理中の事項に関する申立てであるとき。 (2) 委員の行為に関する申立てであるとき。 (3) 申立ての原因となった事実の生じた日から3年を経過した後にされたとき。 (4) 前条第3項の同意が得られないとき(同項ただし書に該当するときを除く。)。 (5) 前各号のほか、調査することが明らかに適当でないとき。 2 委員は、前項の規定により調査を中止したときは、申立てを行った者に対し、速やかに、理由を付してその旨を通知しなければならない。 (勧告又は要請) 第15条 委員は、調査又は調整の結果、必要があると認めるときは、市の機関に対し、是正等の措置を講じ、又は制度の改善を行うよう勧告をすることができる。 2 委員は、調査又は調整の結果、必要があると認めるときは、市の機関以外のものに対し、是正等の措置を講ずるよう要請をすることができる。 3 第1項の勧告又は前項の要請を受けた者は、これを尊重しなければならない。 (報告) 第16条 委員は、前条第1項の勧告をしたときは、当該市の機関に対し、是正等の措置又は制度の改善の状況について報告を求めるものとする。 2 前項の報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日の翌日から起算して60日以内に、委員に対して、是正等の措置又は制度の改善の状況について、理由を付して報告しなければならない。 3 委員は、前条第2項の要請をしたときは、当該市の機関以外のものに対し、是正等の措置の状況について報告を求めるものとする。 4 前項の報告を求められた市の機関以外のものは、当該報告を求められた日の翌日から起算して60日以内に、委員に対して、是正等の措置の状況について、理由を付して報告するよう努めなければならない。 (再調査等及び再勧告等) 第17条 委員は、前条第2項又は第4項(第4項において準用する場合を含む。)の規定による報告の内容等を踏まえ、必要があると認めるときは、改めて調査又は調整(以下「再調査等」という。)を行うことができる。 2 委員は、再調査等の結果、必要があると認めるときは、市の機関に対し、改めて是正等の措置を講じ、又は制度の改善を行うよう勧告(以下「再勧告」という。)をすることができる。 3ページ 3 委員は、再調査等の結果、必要があると認めるときは、市の機関以外のものに対し、改めて是正等の措置を講ずるよう要請(以下「再要請」という。)をすることができる。 4 前条の規定は、再勧告又は再要請の場合に準用する。 (公表) 第18条 委員は、第15条第1項の勧告若しくは同条第2項の要請をした場合又は第16条第2項若しくは第4項の規定による報告があった場合で必要があると認めるときは、その内容を公表することができる。 2 委員は、再勧告若しくは再要請をしたとき又は前条第4項において準用する第16条第2項若しくは第4項の規定による報告があったときは、その内容を公表しなければならない。 3 前2項の規定による公表をするに当たっては、個人情報等の保護について十分な配慮をしなければならない。 (活動状況の報告) 第19条 委員は、毎年、その活動状況について、市長に報告するとともに、公表するものとする。 (委任) 第20条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。 附則 (施行期日) 1 この条例の施行期日は、規則で定める。 (令和元年規則第25号で第1条から第9条まで及び第20条の規定は、令和元年9月1日から施行) (令和2年規則第1号で第10条から第19条まで及び附則第2項の規定は、令和2年1月14日から施行) (検討) 2 市長は、この条例の施行後適当な時期において、この条例の施行の状況、子どもの権利擁護に関する国の施策の動向及び社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 附則(令和4年条例第17号) この条例は、令和4年4月1日から施行する。