1ページ 間宮委員提供資料@ 世田谷区子どもの権利条例 改正 平成13年12月10日条例第64号 平成24年12月10日条例第82号 平成26年3月7日条例第14号 令和2年3月4日条例第11号 令和7年3月5日条例第68号 目次 全文 第1章 総則(第1条-第3条) 第2章 子どもの権利(第4条-第9条) 第3章 子ども・子育てを支え合う地域づくり(第10条-第14条) 第4章 基本となる政策(第15条-第24条) 第5章 子どもの権利擁護(第25条-第35条) 第6章 推進計画・推進体制・評価検証など(第36条-第39条) 第7章 雑則(第40条) 附則 (子どもの意見表明) 1.子どもの思い 私たちは、自分の意見や思いを受けとめてもらったとき、喜びを感じます。 きれいで自然豊かな世田谷を守っていきたいです。 私たちの未来にもっと希望をもちたいです。 自分で様々な選択をして自分らしく生きたいです。 子ども同士が交流し、つながる機会を増やしたいです。 安心できる場所を増やしたいです。 自由に、やりたいことにチャレンジして、学びを深め、成長していきたいです。 大人に意見や思いを届けたいです。 こんな思いがかなう世田谷にしたいです。 2.大人へのメッセージ 大人世代の「あたり前」は、子ども世代の「あたり前」とは違います。 大人たちには、自分が子どもだった時の気持ちを思い出して、子どもと同じ目線に立って向き合ってほしいです。 子どもはきっとこう感じているという決めつけではなく、私たちの言葉や思いを信じてください。 そして、言葉や思いをしっかり受けとめた上で向き合ってください。 みんなが意見や思いを尊重し合って、何かを恐れずに、自由に発言や表現できる環境が欲しいです。 個性が認められ自分らしく生きたいので、多様性が尊重されることが必要です。 好奇心がくすぐられる体験、機会など、ワクワクを育ちや学びに取り入れてほしいです。 すべての子どもが安心でき、教育を受けられる多様な環境が欲しいです。 いろんな不安をもっている子どもの味方になってくれる人がいる場所を増やしてください。 「できるかできないか」だけを見るのではなく、「やっている姿」も見てください。 私たちがどんな進路を選んでも、一人ひとりに合わせた応援をしてください。 (区や大人の決意表明) 子どもは、生まれながらにして今を生きる権利の主体です。 子ども時代に、周囲の人に意見や思いを受けとめてもらった経験は、子どもの安心や自信につながり、その後を生きる大きな力となります。 私たち区や大人は、子どもの思いを大切に受けとめ、子どもにとって一番よいことは何かを真剣に考え、対話し、応えていくよう努力します。 子どもたちがこの条例を通じて、自分に権利があること、また、大人や他の子どもにも権利があることを知ることは、社会における責任のある生活を送る上で、大切なお互いの権利の尊重や、信頼関係の構築につながります。 私たち区や大人は、今と未来をつくるパートナーである子どもの声を聴き、対話しながら、地域が子どもを支え、子どもが地域を豊かにし、誰もがつながり支え合う地域づくりに努めます。 この条例は、日本国憲法、子どもの権利条約(平成元年(1989年)11月20日に国際連合総会で採択された「児童の権利に関する条約」をいいます。)と、こども基本法の理念に基づき制定します。 私たち区や大人は、子どもが権利の主体として、一人ひとりの子どもが豊かに育つことが保障され、自分らしく幸せな今を生き、明日からもよい日と思える社会を実現していきます。 第1章 総則 (条例制定の趣旨) 第1条 この条例は、子どもの権利が当たり前に保障される文化をつくり、一人ひとりの子どもが、今を自分らしく幸せに生きて、明日に希望を抱きながら、豊かに育つことができる社会をつくるための基本的な事柄を定めるものです。 (言葉の意味) 第2条 この条例において「子ども」とは、次の人のことをいいます。 (1)また18歳になっていないすべての人 (2)この条例の趣旨を踏まえ、まだ18歳になっていないすべての人と同等の権利を認めることが適当であると認められる人 2ページ 2 この条例において「大人」とは、過去に子どもであったすべての人のことをいいます。 3 この条例において「保護者」とは、子どもの親や祖父母、里親その他子どもの親に代わり養育する人のことをいいます。 4 この条例において「学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者」とは、区内において、子どもが育ち、学び、活動したり、過ごしたりすることができる場所やこれらを支援する組織団体・法人のことをいいます。 5 この条例において「区民・団体・事業者」とは、子どもが地域の中で関わる多様な大人や子ども・地域で活動する組織団体・法人のことをいいます。 6 この条例において「区」とは、区長部局のほか、教育委員会などの行政委員会も含めたすべての執行機関のことをいいます。 (条例の目標) 第3条 この条例の目標は、次のとおりとします。 (1)子どもが考える「一人ひとりが笑顔で自分らしくチャレンジできるまち」をつくります。 (2)子どもは、生まれながらにして今を生きる権利の主体であり、自分らしく、幸せに生きる権利をもっています。私たち区や大人は、子どもの思いや意見を受けとめ、子どもとともに、子どもにとって最もよいことを考え、実現していきます。 (3)子どもが身を置くあらゆる場において、子どもに関わるあらゆる人によって、子どもの権利を実感できる文化と社会をつくり出し、発展させ、継承していきます。 第2章 子どもの権利 (基本となる権利) 第4条 平成元年(1989年)11月20日に国際連合総会で採択された「児童の権利に関する条約」(以下「子どもの権利条約」といいます。)に定める4つの一般原則をもとに、次に掲げる権利を定めます。これらの基盤となる権利は、年齢、発達、性別、LGBTQなどの性的指向とジェンダーアイデンティティ、国籍、障害の有無など(以下「年齢など」といいます。)にかかわらず、すべての子どもに保障されなければなりません。また、これらの権利を実現するための政策の実施に当たっては、年齢などに十分に配慮しなければなりません。 (1)いかなる理由でも差別されない権利 (2)子どもに関係のあることが決められ、行われるときは、子どもにとって最もよいことが何かを考えられる権利 (3)生きる権利と成長・発達する権利 (4)自分に関係のあることについて、自由に自分の意見や思いを表明する権利 (自分らしくいられる権利) 第5条 子どもは、自分らしくいられます。そのためには、主に次に掲げる権利が保障されなければなりません。 (1)自分らしくいられ、個性が尊重される権利 (2)公正に評価される権利 (豊かに過ごす権利) 第6条 子どもは、様々な経験を通して、自分を豊かに成長・発達させることができます。そのためには、主に次に掲げる権利が保障されなければなりません。 (1)今も将来も豊かに生きることができる権利 (2)自分のやりたいことを追求できる権利 (3)思い切り遊び、自分にとって楽しいことをする権利 (4)自分が知りたい情報を得られる権利 (5)心や身体が疲れた時に休息することができる権利 (社会から守られ、支援を受ける権利) 第7条 子どもは、安心して過ごすため、社会から守られ、支援を受けることができます。そのためには、主に次に掲げる権利が保障されなければなりません。 (1)安全で安心して生きることができる権利 (2)健康に暮らせる権利 (3)生活環境と自然環境が守られる権利 (自分で自分のことを決める権利) 第8条 子どもは、自分に関することを自分で決めることができます。そのためには、主に次に掲げる権利が保障されなければなりません。 (1)自分で選択して自由に自己決定できる権利 (2)自分らしく学び、成長・発達できる権利 (3)様々なことに挑戦して失敗できる権利 (意見を表明し、参加・参画する権利) 第9条 子どもは、自分の意見や思いを表明し、自分に関わることに参加・参画することができます。そのためには、主に次に掲げる権利が保障されなければなりません。 (1)意見や思いを様々な方法で表すことができる権利 (2)対話をして協働する権利 (3)地域に参画する権利 第3章 子ども・子育てを支え合う地域づくり (保護者の役割など) 第10条 保護者は、子どもの権利を守るため、子どもにとって最もよいことを第一に考え、子どもの意見を聴き、その実現に向けて子どもに寄り添い、成長・発達を支え、子どもの身近な安全基地となる大切な役割を担います。 2 保護者は、子どものためを思い、良かれと思ってすることが、子どもの意思に反していたり、成長・発達の機会を奪うことになっていたりしないかを、子どもの意見や思いを聴きながら、子どもとともに考えます。 3 保護者自身も安心して、自分らしく、幸福であることが大切です。保護者は地域で子育てを支えられ、必要な支援を受ける権利が保障されます。 (学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者の責務) 3ページ 第11条 学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者は、子どもが人間性を豊かにし、将来への可能性を開いていけるよう、子どもの主体性を尊重し、子どもの権利を保障する責務があります。 2 学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者は、子どもの権利を保障するため、区や区民・団体・事業者と連携・協力する責務があります。 3 子どもに関わる事業者は、その雇用する労働者が子育てをしやすい環境を整備するとともに、地域の子どもが自分らしく、豊かに育つことができるよう配慮しながら事業活動を行う責務があります。 (区民・団体・事業者の役割) 第12条 区民・団体・事業者は、地域の中で、子どもと子育てをしている家庭を見守り、ともに住みやすい地域をつくっていくという意識をもち、子どもの権利が保障された地域づくりを担います。 2 事業者は、その雇用する労働者が子育てをしやすい環境の整備に努めるとともに、その事業活動が子どもの権利の保障につながるよう、配慮に努めなければなりません。 (区の責務) 第13条 区は、子どもの権利を保障するための政策を総合的に実施する責務があります。 2 区は、子どもについての政策を実施するときは、保護者、学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者、区民・団体・事業者と連携・協働し、子どもへの支援を展開します。 (地域の中で支える子どもにやさしいまちづくり) 第14条 区や子どもを含むすべての区民は、地域の中で支える子どもにやさしいまちの実現に向けて、誰もがつながり、助け合いながら、自発的な活動が継続できるよう必要な取組を行います。 第4章 基本となる政策 (子どもが参加・参画できる機会の確保と意見や思いの尊重) 第15条 区は、様々な場面や機会で、子どもの多様な意見や思いを受けとめ、対話しながら、子どもとともに子どもの権利を実現します。 2 区は、子どもが主体となって、安心して意見表明をすることができる会議を実施するとともに、会議以外の意見表明の場も確保し、子どもが地域社会の主体となって参加・参画することができる仕組みづくりに努めていきます。 3 区は、様々な工夫のもとで、意見表明が苦手な子どもや意見表明の場があってもなかなか意見表明ができない子どもの声を聴き、乳幼児など意見表明の手段が限定される子どもの思いを受けとめ、子どもの意見を尊重するよう努めていきます。 4 区は、子どもの意見や思いを大切に受けとめて、その意見や思いの実現などについて検討した結果と、その理由について子どもに伝えていくよう努めていきます。 (子どもの居場所づくり) 第16条 区は、子どもが必要と考える、多様な居場所づくりと居場所の質の確保に努めていきます。 2 区は、子どもが居心地よく安心して過ごすことができることに加え、子どもとの対話を重ねながら、次の複数の要素を取り入れた子どもの居場所を実現するよう努めていきます。 (1)子どもの権利の視点から、自由があり自分らしくいられること。 (2)場の一員である実感がもて、意思を伝えようと思え、伝えた意見が受けとめられたと感じられること。 (3)自分のことを自分で決められること。 3 学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者は、連携を強化することで、子どもが多様なコミュニティの中でのびやかに育つことができ、安心して過ごすことができる居心地のよい環境の整備に努めていきます。 (虐待の予防など) 第17条 誰であっても、子どを虐待してはなりません。 2 区は、虐待を予防するため、学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者などと連絡をとり、協力しながら、子育てをしている家庭に対し、必要なことを行うよう努めていきます。 3 区は、虐待を早期に発見し、子どもの命と安全を守るため、児童相談所と子ども家庭支援センターとの協力な連携のもと、子どもや子育てをしている家庭に対する適切な支援と適格な子どもの保護に努めていきます。また、すべての区民に必要な理解が広まるよう努めていくとともに、学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者などと連絡をとり、協力しながら、虐待の予防に努めていきます。 (いじめや差別の予防など) 第18条 誰であっても、いじめられたり、差別されたりすることなく安心して過ごすことができる権利があります。 2 区は、いじめや差別を予防するため、すべての区民に必要な理解が広まるための普及啓発を推進し、未然防止や早期発見に努めていくとともに、いじめや差別があったときに、速やかに解決するため、保護者や学校、子どもに関わる施設・子どもに関わる団体・子どもに関わる事業者などと連絡をとり、協力するなど必要な仕組みを作るよう努めていきます。 (貧困などの対策) 第19条 誰であっても、貧困などに関連する生まれや育った環境などにかかわらず、安心して育つことができる権利があります。 2 区は、貧困などの防止と解消に向けて、子どもの現在と将来がその生まれや育った環境に左右されることがないよう、すべての子どもが自分らしく豊かに育つことができる環境の整備に努めていきます。 (健康と環境づくり) 4ページ 第20条 区は、子どもの健康を保持し、増進していくとともに、子どもが自分らしく豊かに育つための安全で良好な環境を整備するよう努めていきます。 (子どもの権利学習の支援) 第21条 区は、子どもが子どもの権利について学習するための支援に努めていきます。 2 区は、子どもに関わる大人が子どもの権利について理解し、子どもに教えることができるようになるための支援に努めていきます。 (子育て支援ネットワークの形成) 第22条 区は、子どもの育ちや子育てを、子どもや保護者個人の責任とはせず、地域社会全体でともに支え合い、子ども一人ひとりの権利が保障される地域づくりを推進していきます。 2 区は、多様な主体による子育て支援ネットワークの形成における、中心的な役割を担います。 (人材育成) 第23条 区は、子どもの意見形成や意見表明を支援するため、必要な人材育成に努めていきます。 2 区は、子どもの意見形成や意見表明を支援する人材を継続的に育成するとともに、支援を受けた子どもが次の担い手となる循環が生まれる環境の整備に努めていきます。 (普及啓発) 第24条 区は、この条例の存在と理念について、すべての区民に理解してもらうよう努めていきます。 2 区は、様々な工夫をしながら、乳幼児を含めた子どもに対してだけでなく、大人に対しても、この条例の普及啓発を実施していきます。 3 区や大人は、子どもが自分らしく生きていくことができる社会において、自ら考え責任ある生活を送るために、自分自身に子どもの権利があることや、お互いを認め合い尊重することの大切さを伝えていきます。 4 区民が子どもの権利について理解と関心を深めることができるよう、子どもの権利条約が国際連合で採択された11月20日を、「世田谷区子どもの権利の日」として定めます。 第5章 子どもの権利擁護 (世田谷区子どもの権利擁護委員の設置) 第25条 区は、子どもの権利を擁護し、子どもの権利の侵害を速やかに取り除くことを目的として、区長と教育委員会の附属機関として世田谷区子どもの権利擁護委員(以下「擁護委員」といいます。)を設置します。 2 擁護委員は、5人以内とします。 3 擁護委員は、人格が優れ、子どもの権利について見識のある人のうちから区長と教育委員会が委嘱します。 4 擁護委員の任期は3年とします。ただし、再任することができるものとします。 5 区長と教育委員会は、擁護委員が心身の故障によりその仕事ができないと判断したときや、擁護委員としてふさわしくない行いがあると判断したときは、その職を解くことができます。 (擁護委員の仕事) 第26条 擁護委員は、次の仕事を行います。 (1)子どもの権利の侵害についての相談に応じ、必要な助言や支援をすること。 (2)子どもの権利の侵害についての調査をすること。 (3)子どもの権利の侵害を取り除くための調整や要請をすること。 (4)子どもの権利の侵害を防ぐための意見を述べること。 (5)子どもの権利の侵害を取り除くための要請、子どもの権利の侵害を防ぐための意見などの内容を公表すること。 (6)子どもの権利の侵害を防ぐための見守りなどの支援をすること。 (7)活動の報告をし、その内容を公表すること。 (8)子どもの権利の擁護についての必要な理解を広めること。 (擁護委員の務めなど) 第27条 擁護委員は、子どもの権利を擁護し、子どもの権利の侵害を取り除くため、区長、教育委員会、保護者、区民、事業者など(以下「関係機関など」といいます。)と連絡をとり、協力しながら、公正かつ中立に仕事をしなければなりません。 2 擁護委員は、その地位を政党や政治的目的のために利用してはなりません。 3 擁護委員は、仕事をする上で知った他人の秘密を漏らしてはなりません。擁護委員を辞めた後も同様とします。 (擁護委員への協力など) 第28条 区は、擁護委員の設置の目的を踏まえ、その仕事に協力しなければなりません。 2 保護者、区民、事業者などは、擁護委員の仕事に協力するよう努めなければなりません。 3 区は、附属機関としての役割を担い活動する擁護委員の独立性を尊重しなければなりません。 (相談と申立て) 第29条 次に定める者は、擁護委員に、自分の権利への侵害について相談することやその侵害を取り除くための申立てをすることができます。また、誰であっても、擁護委員に、次に定める者の権利の侵害について相談することやその侵害を取り除くための申立てをすることができます。 (1)区内に住所を有する子ども (2)区内にある事業所で働いている子ども (3)区内にある学校、児童福祉施設などに、通学、通所や入所している子ども (4)子どもに準ずる者として規則で定める者 (調査と調整) 第30条 擁護委員は、子どもの権利の侵害を取り除くための申立てに基づき、また、必要に応じて、子どもの権利の侵害についての調査をするものとします。ただし、擁護委員が特別の事情があると認めるときを除き、規則で定める場合においては、調査をし 5ページ ないことができます。 2 擁護委員は、関係機関などに対し調査のために必要な書類を提出するよう求めることや、その職員などに対し調査のために質問することができるものとします。 3 擁護委員は、調査の結果、必要と認めるときは、子どもと関係機関などとの仲介をするなど、子どもの権利の侵害を取り除くための調整をすることができます。 (要請と意見など) 第31条 擁護委員は、調査や調整の結果、子どもの権利の侵害を取り除くため必要と認めるときは、関係機関などに対してそのための要請をすることができます。 2 擁護委員は、子どもの権利の侵害を防ぐため必要と認めるときは、関係機関などに対してそのための意見を述べることができます。 3 要請や意見を受けた区長や教育委員会は、その要請や意見を尊重し、適切に対応しなければなりません。 4 要請や意見を受けた区長と教育委員会以外の関係機関などは、その要請や意見を尊重し、対応に努めなければなりません。 5 擁護委員は、区長や教育委員会に対して要請をしたときや意見を述べたときは、その対応についての報告を求めることができます。 6 擁護委員は、必要と認めるときは、要請、意見、対応についての報告の内容を公表することができます。この場合においては、個人情報の保護について十分に配慮しなければなりません。 7 擁護委員は、その協議により要請をし、意見を述べ、また、この要請や意見の内容を公表するものとします。 (見守りなどの支援) 第32条 擁護委員は、子どもの権利の侵害を取り除くための要請などをした後も、必要に応じて、関係機関などと協力しながら、その子どもの見守りなどの支援をすることができます。 (活動の報告と公表) 第33条 擁護委員は、毎年、区長と教育委員会に活動の報告をし、その内容を公表するものとします。 (擁護委員の庶務) 第34条 擁護委員の庶務は、子ども・若者部で行います。 (相談・調査専門員) 第35条 擁護委員の仕事を補佐するため、相談・調査専門員を設置します。 2 相談・調査専門員は、子どもの声を聴く専門家として、子ども本人などからの相談に応じ、必要に応じて擁護委員に報告します。 3 相談・調査専門員は、子どもの権利に関する普及啓発活動を実施します。 4 擁護委員に準じて、第27条の規定は、相談・調査専門員に適用します。 第6章 推進計画・推進体制・評価検証など (推進計画) 第36条 区長は、子どもについての政策を進めていくための基本となる計画(以下「推進計画」といいます。)を作ります。 2 区長は、推進計画を作るときは、当事者である子どもや区民の意見が生かされるよう努めなければなりません。 3 区長は、推進計画を作ったときは、速やかに公表します。 (推進体制) 第37条 区長は、子どもについての政策を計画的に進めていくため、推進体制を整備します。 (国、東京都などとの協力) 第38条 区は、子どもが自分らしく、豊かに育つための環境を整備するため、国、東京都などに協力を求めていきます。 (評価検証など) 第39条 区長は、子どもについての政策において、子どもの権利を保障するため、第三者機関による調査と評価検証を行う体制を整備します。 2 区長は、評価検証などに当たっては、当事者である子どものや区民の意見が生かされるよう努めなければなりません。 第7章 雑則 (委任) 第40条 この条例を施行するために必要なことは、区長が定めます。 附則 この条例は、平成14年4月1日から施行します。 附則(平成24年12月10日条例第82号抄) 1 この条例中第1条の規定は、平成25年4月1日から施行します。ただし、同条中世田谷区子ども条例第2章の次に1章を加える改正規定(第19条から第23条までに係る部分に限ります。)は、規則で定める日から施行します。(平成25年5月規則第64号で、同25年7月1日から施行) 附則(平成26年3月7日条例第14号) この条例は、平成26年4月1日から施行します。 附則(令和2年3月4日条例第11条) この条例は、令和2年4月1日から施行します。 附則(令和7年3月5日条例第68号) (施行期日) 1 この条例は、令和7年4月1日から施行します。 (世田谷区地域保健福祉推進条例の一部改正) 2 世田谷区地域保健福祉推進条例(平成8年3月世田谷区条例第7号)の一部を次のように改正する。 第28条第1項第4号中「世田谷区子ども条例」を「世田谷区子どもの権利条例」に、「第19条」を「第29条」に改める。