1ページ 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会による検証のための聞き取り 発言記録 団体@ ●小林委員 まず書面で回答いただきました点で、特に補足などがございましたらまずお願いできたらと思います。 〇団体@ 特に補足はないです。 ●小林委員 わかりました。こちらの方から少し、書面でいただいた点について、ちょっとお伺いできたらと思うところがございますので、よろしいでしょうか。 〇団体@ はい。 ●小林委員 書面の方で、5階まで上がれる昇降機の話がちょっと出ていたと思うんですけども、これは、可能な限り上層階までということではなくて、具体的に5階までという説明が、名古屋市の側からあったということでよろしいでしょうか。 〇団体@ それは、その場で5階までのものが発表されたということです。 私は場に出るまでは、何階までのものが出てくるかわからないなと思って参加をしました。そしたら、5階までいけるものが、直通じゃないですけど、1階上がって、またちょっと歩いてまた上がってという、そういうもので、5階までいけるものが発表されたので、できる限り上層階ということでしたが、その場で5階までいけることがわかったので、もう5階まで可能になったんだなと。 もちろんできる限りということなので、名古屋市さんもいいものができたっていうふうに取っていただいたと思っています。 ●小林委員 5階までという話について具体的に説明したのは、名古屋市職員の方がしたって形でよろしいでしょうか。 〇団体@ 名古屋城の担当の方か準名古屋市職員さんかは覚えてないですけれども、その時の司会が誰で進行が誰で、参加者が何人いてどういう人がいてっていう記録がないっていうことがもうそもそもおかしいとは思いました。もちろん名古屋市さんがそこに出席していなかったとしても・・・でも、出席はされていたので、聞いてないとか、その 2ページ ときの記録がないのは、ね、自分たちのせいじゃないとか、そんなことは、有り得ない話だと思いました。 記録がないと思ってなかったですけど、結果が出たのですから、それはそのままもう、こうするのかと思っていました。 (事務局注:個別の団体意見聴取の記録は不存在。公募ワークショップでの個別意見の記録は存在し、第9回検証委員会で確認。) ●小林委員 ありがとうございます。そうですよね。 あと、次にちょっと別の質問なんですけども、別の団体の方からのご意見としてあったんですけども、職員の方の説明と、あと報道とか記者会見とかでの市長の発言が、かなりこう、違うというふうに受けとめてたところがあると思うんですけども、やっぱり職員の方から受ける説明と市長の考えが一致していないんじゃないかと具体的に感じたことは、【団体名】の方々も感じてらしたということでしょうか。 〇団体@ はい。 先ほども申しましたように、5階までいけるものが発表されたんですから、その時に、もう市長さんも、出てきたんだから、快く思わないかもしれないけど、でも、もう飲まざるをえないと思っていました。その5階までのものが発表されたので、どういうものか言えないけれども、もう私たちの役員には5階までのものが出てきたっていうことは話しましたし、そのあとで、あの報道がありましたので、もう愕然としました。 ●小林委員 あくまで念のためなんですけど、市長の考えはそれでいいのかということを、何かその場で職員に確認とかってことはあったかどうか覚えてらっしゃいますか。 〇団体@ それはなかったと思います。 ●小林委員 そういう説明の中でだから、当然そうだっていうことで。 〇団体@ そのような重要な場ですので、市長さんがこられるべきだと思いましたけど。見えなかったので。市長さんが来られたのは一番最初のときにおられたっきり、もうずっとこられてないですよね。 私は、その一番最初のときは、まだ名古屋城のことの意見を言う会議には出てなかったので、別の者がずっと出てましたけれども、その1回きりだし、今回の差別発言があった後でも、障害者団体の会と 3ページ か、施策推進会議とか、差別解消支援会議とか、局長さんや名古屋城担当の方とか、この差別担当の方が謝られましたけど、市長さんはこられてないですから。 それに関しては疑問に思っています。 ●小林委員 ありがとうございます。 ●浅田委員 今、差別担当の方とか、局長さんが謝ったと言われたのは、どの機会にどなたに謝られたか教えていただけますか。 〇団体@ 名古屋市の施策推進協議会の会議の場で謝られたのと、私は差別解消支援会議にも出ていますので、そこでも謝られましたね。局長さんは両方こられたかどうかすいません、きちっと覚えてないですけど部長さんかもしれませんが、とにかく名古屋市の幹部の方が、謝られましたね。 ●浅田委員 5階までいけるという話だったことについて・・・、市長の発言について・・・ですか。 〇団体@ 差別発言があったことですね、討論会の差別発言があって、その時に、名古屋市の誰もが止めることもしなかったということで謝ってみえました。 ●浅田委員 その団体の皆さんがおいでになっている場所にいらして? 〇団体@ そうです。 ●浅田委員 今お話があった差別発言、この差別事案について、特に、【団体名】の皆さんでどんなお話をされましたか。全部受けとめられて。 〇団体@ そもそも【団体名】は、この討論会が必要なのかっていうことを疑問に思ってまして。 5階までの技術が発表されたので、そのあとどうして討論会とか、アンケートが必要なのかっていうことを、ずっと思っていましたので。そんなことやったら、何か、無作為抽出なので、その中に障害者が1人も入らないかもしれないとも思っていましたし、絶対数が少ないんですから。みえたとしても少ないと思っていたので、そういう少数派の意見って、その方がうまくというか、普通はね、あんまり堂々と言える人は少ないと思いますので、気後れしながら参加さ 4ページ れるとは思っていましたけど、でも本当に少なかったので、その人を助ける人もいなかったでしょうし、私たちも身体障害の会ではないですけれども、やっぱり障害者差別っていうことに関しては、子どももいっぱい小さい頃からずっと、いろいろな差別を受けて辛い思いをしてきたこともありましたんでね。なので、他人事じゃないし、ひどいことが起こったなんていうのは、みんな会員は思っていました。 ●浅田委員 ありがとうございます。つらい思いをされたことを聞きまして、申し訳ありませんでした。私からは以上です。 ●田中委員長 ■■さんからのご説明で、市の方からはこの昇降技術であれば5階まで上がれますという、そういう説明に受け取られておられましたか。 〇団体@ はい。そうですね。その場におられた方はみんなそう思ったと思いますよ。 大学の先生も見えていて、お名前は忘れましたけど、2人ぐらい見えていて、その方も良かったって仰ってましたし、その時はグループ討論、グループで席に座っていたんですけど、それぞれのグループでも話し合いがあって、それについて、どうっていうこともありましたし、それ、最後の案だったので。始めの方は少し危険な案もあったんですよね。これはあっても危険だし、でもこれしかないなら、これしかないかなっていうふうに思っていたんですけど。 出てきた案は皆さんご存じですか。そのときに、4案か5案くらい出たんですけど。 資料出て、最後にそのすばらしい5階まで行けるというのが出たので、もちろんエレベーターじゃないから、箱型の昇降機なんで、その昇降機を、周りの風景と合わせて隠すようにするというそういうような話もありましたし、すごくいいものが、登れないより全然いいんでね。少人数しかそこに上がれないんですけど、今、すばらしいものができて、周り全員がそれを思ったかというと、1団体か2団体は、いやそれでもエレベーターをつけるべきだっておっしゃいましたけどね。【団体名】は、もういいものができたから、妥協というか、それはエレベーターが一番いいに決まっているんですけど、1度にバーッと上がって下がって、好きなところで降りれてというのがいいに決まってるんですけど。 でも箱型の昇降機で、手間はかかるけれども、一番上までいけるっていうことは、素晴らしいアイデアが出てきて、一番初めにエレベ 5ページ ーターつけないけど、アイデアを募集するって市長さんも言われて、名古屋城の方もそのようになって、その時に、新しい技術なんてあるわけないと思っていたんですけど。それがもう本当に1階までとか、あの頃ロボットとかが出るかもしれないって話だったので、そんな危険なものは使えないと思っていたんですけれども、でも時がたって、本当に公募したら、その技術が発表されて、本当にすばらしいのができて、みんなで拍手しましたからね。 ●田中委員長 ありがとうございました。 ●小林委員 あと、私から細かいちょっと確認をさせていただきたいんですけども、最初、そういう説明があって5階までという話になったけども、でも、じゃあ討論会やるのはおかしいんじゃないかという中で、今回のひどい事件もあって、差別発言については、もちろん幹部の方から謝罪があったっていうことだと思うんですけど、この何ですかね、5階だと言っていたものが、必ずしもそうではないというような流れになっていったことについての説明は、名古屋市の職員の方からございましたでしょうか。 〇団体@ それはなかったです。 ●小林委員 なかったですね。わかりました。 〇団体@ 名古屋市さんも、ここだけの話ですけども5階までいけるっていうふうに認識されてたと思うんです。でも市長さんが、いやそうじゃない、1階までって、ああやって言われたことでびっくりされたと思うんです。そう言われたから、名古屋市さんも、いや5階までいけるんですよみたいなことは強く言えなくなったんだと思うんですね。ですから、もう一遍、アンケートとか市民の声を聞こうとされたのだと思いますけど。 行けなくなったとは聞いてないし、その市長が急に言ったっていうことは聞きましたけど。市長さんが言われた発言から、このアンケートとかもできたし、でも、この間アンケートができたときの経緯を資料としていただきましたけど、初めにできたアンケートではなく、直前に市長さんの意見でひっくり返ったというか、上れなくてもいいっていうような内容が追加されたし、始めの方にそれが出てきたので、何かこう市民を誘導するようなね、自分たちの考えに誘導するような内容になったんだなって、すごくそれも悲しく思いました。 6ページ ●小林委員 わかりました。 最後に、何かこう、検証にあたって、思いとかちょっと言っておきたいことがもしあれば、受けとめたいんですけども。何かございますでしょうか。 〇団体@ 逆に聞きたいんですけど、この検証委員会さんで、本当は傍聴したかったんですけど、傍聴をさせていただけないのは、なぜかなっていうこと。意見言えなくても、どういうふうに流れていくのかを、本当は聞きたかったです。 一番初めに、傍聴を申し込みましたけど、ものの30分で退出してくださいってことで本題に入る前に退室になって、なのでそれ以降は傍聴のね、メールが来ても、またあのようなことになるぐらいだったら行ってもしょうがないと思って、もう申し込みもしませんでしたけど、傍聴を許されないのは、なぜかっていうことをお聞きしたいです。 それから、かなり時間がかかっていますけど、何がこの問題でこんなに時間がかかっているのかっていうことをお聞きしたいです。 ◆事務局(伊藤) 公開・非公開の関係について事務局伊藤からご説明させていただきたいと思っております。 まず、市の会議は原則として公開となっております。今回、検証ということで、様々な資料で差別事案の原因究明をして、一旦中間報告で皆様にお示しさせていただいております。 ただ、検証するに当たりましては、様々な観点で可能性を探るために、こういったところが問題ではないのかといろいろと探っていますが、中間報告では結果として問題があった点のみ挙げさせていただいております。そうすると、問題ではないかと調べた後に問題がなかったものもございますし、要は、1日の会議ですべて決着じゃなくて、やはり一定期間調査しますと、市民から相当注目度が高い内容でございますので、まだ確認中のものが、疑問という段階で、ある意味それが事実として、これが原因だったと。例えば、市長の発言でも、いろいろ調べていく途中で、結論として最終的に判断できてないものが、事実として上げられていくと、やはり最終的な公平公正な検証に影響が出てくるということがありますので、まずは、事実かどうかわからない部分は、やはり相当数ございますので、それを途中段階で、公開することにつきましては、かえって市民の誤解を招いてしまう。そういったこともありますので、検証の中身につきまして会議は非公開ですが、客観的な資料につきましては、変 7ページ わりうるものではございませんので、なるべく可能な限り市民の皆様にもわかるように公開しています。【団体名】を初め障害者団体の皆様に、各回の会議の日時をお伝えしまして、議論のやりとり、どの辺りに委員が疑念を感じているかといったところはお示しできていないんですが、どういった関係の調査をしているかにつきましては、公開している資料で、可能な限りお伝えをしているということもありますので、すいません、最終報告まで、こういったような状況が続いて、わかりにくいという点は重々承知しておりますが、可能な限り、客観的な部分、ここは資料として公開してまいりますので、よろしくお願いしたいと思っております。 〇団体@ 事情はわかりますけど、初めはそうかもしれませんけどね、何回かやられた後で、公開の検証会があってもいいと思います。 別にそこでね、私たちも叫んだり暴れたりするわけではないので、どのように進められて、どのようにある程度流れが、記録として上がっていると思いますけれども、やっぱりその文章だけだと、よくわからないですし、取り違えもありますし、何ていうか、誠意が伝わらないといいますか、そんなようなことを感じています。 ●田中委員長 差別発言を受けた障害者の方、障害関係団体の皆様の立場からいくと、少し時間がかかり過ぎてるという印象を持たれることもよく理解できます。 この検証委員会は昨年の8月30日が第1回で、そこからのスタートになります。各関係者のヒアリングの日程調整等もあったんですが、あまり時間をかけ過ぎてもいけないということで、原因究明部分については一旦、2月14日に中間報告を出させていただいています。なぜ差別発言が起こったかというところの原因究明部分については8割方、中間報告では出させていただいているということになります。 今、最終報告に向けてというところでは、再発防止策についての議論が中心になっているところですね。そういう点で少しご理解をいただきたいと思います。 中間報告を読んでいただけると相当な部分はわかるかと思いますのでというご説明しか現状できないというところでご理解いただけたらと思います。 〇団体@ 中間報告も読ませていただきましたけどね、大分進んではいると思いましたけれども。いつも思うのはね、名古屋市さんは、職員の方たちも、名古屋城の担当の方も、できることなら、やっぱり上がらせてあげたいっていう気持ちが伝わってくるんですね。 8ページ でも市長さんに限っては、全然それが伝わってこないですし、一番のトップなわけですからね。その方がやっぱり歴史的な建造物っていうことだけでその自分の思いを貫くっていうのは、もう、どうかと思います。 検証委員会が進まないのも、(市長が)わかりました5階までいけるものができたんだからつけますって言ってくださればそれで、検証委員会ももう終了して、今後は差別のないようにということで市民も納得すると思いますし、私たち障害者団体も、差別発言はあったけれども、市長さんわかってくれたんだなっていうふうに思いますけど。それが進まないのが、本当に残念ですね。 ●小林委員 ありがとうございます。 ◆事務局(伊藤) 1点、事務局から。 先ほど、■■■■■■からお話がありました能楽堂でプレゼンがあった技術の紹介、4案か5案、ご存じですかというお話ですが、これにつきましては、公開の議会資料がございましたので、ちょっと報告させていただきます。 今回、MHIの垂直昇降設備の他に、残り3点が出ておりました。 2つ目が、階段昇降機(いす型)というもので、技術としては、階段部にレールを設置し、そのレールの形状に沿って駆動する椅子型階段昇降機というもの。 3つ目が、アシストスーツ及び階段昇降機(自動昇降車いす型)というもので、装着者の姿勢や動きをアシストする装着型ロボット、そして平地と階段の両方を移動する搭乗型ロボットという内容の技術。 4つ目が、遠隔体験技術というもので、配信者が撮影している場内の映像を、大型ディスプレイ等を通じて、コントローラーや音声でコミュニケーションをとりながら遠隔退勤する技術、こちらはおそらくVRということだと思いますので最低要求水準未達となったようです。以上が、最終的に公募の審査に上がっておりました。 ■■■■■■からお話しいただいたものが、これ以外のものがあったかもしれませんが、基本的はこんな感じだったでしょうか。 〇団体@ そうですね。 この最後の遠隔体験っていうのは、おまけとして5階まで上がれる技術はあって、プラス、それでも上がれないような人がいた場合とか、行きたくない人は、こういった遠隔体験もできるっていうのが出ましたね。それはそれですばらしいと思いましてね、下からその 9ページ 上のものがわかるわけですから。 でもそれがすべてではないと。それしか出なかったらもうね、それも致し方ないのかもしれませんけど。 市長さん初め、多くの市長さん側の意見の市民の方は、これがあれば別にいいじゃないか、我慢せいっていうそういう意見ですからね。これもどうかと思いますけど。 ●田中委員長 お聞きしたいと思っていたことは以上となります。ご多忙のところ時間を調整いただいてありがとうございました。 〇団体@ なんか、検証委員会が進んでいって、私は、こうやって5階まで上がれるものが出てきたっていうことをもう1回確認し直されるっていうのは想像もしてなかったので、そんなところで、名古屋市さん側は、5階までいけるっていう、5階までのものがつくれるっていうふうに思ってみえなかったんだっていうことがもうびっくりです。 なので、その時のしかも記録がないという、どっかにあると思うんですけど。そんな大事な会議を、記録がないなんてことは、もうそれも責められるべきですし、責めてもしょうがないですけど、私たちだって、時間を割いて、そこで発言しているわけですし、いろんなものが出てきて、すごく良い会になったんですね、最後はね。 でもそれがなかったかのように行っているっていうことにびっくりしました。 皆さん記憶はね、曖昧なので、高齢の方もたくさんいらっしゃいますし、詳しく覚えてないっていう方もいらっしゃるでしょうけど。 そんな大事なことは、これまでもいろんなことありましたけど、記録されるべきですよね。なぜ記録がなかったのかが、私としては、それも疑問です。すみません。お時間取っていただいてありがとうございました。 ●小林委員 ありがとうございました。 〇団体@ このことは、今後どのように発表ですね、他の方にもヒアリングがありますよね。あとヒアリングは必要ないっていう方もいらっしゃるし、この前、このときはどうだったかっていう確認をされた文書も、最終報告の中では、文章にしていただけるんですか。 ◆事務局(伊藤) 団体の皆様の書面はすでに、検証委員の皆様に確認いただきまして、これからまた皆さんのヒアリング結果も踏まえまして、文章化していく中で、いわゆる差別事案の原因究明に関係する部分という 10ページ ところを、検証委員の先生方に記述いただくことになると考えています。 〇団体@ 発言させていただきましたので、ぜひまた記録に残していただきたいと思います。ありがとうございました。