資料6 非公開 1ページ目 田中検証委員長・小林委員による検討資料 人権条例の骨子(案) 〇本件事案により、多くの市民から市の人権に対する信頼を失った。 〇失った信頼を回復することは容易ではないが、今後の市職員はもとより、市全体による不断の努力が必要である。 〇その姿勢を広く市民に示すためには、人権擁護に関する新たな条例の制定とその条例を中心とした他都市を先導するくらいの意気込みを持った先進的な人権擁護体制の構築が必要である。 〇取り組みを進めるにあたっては、一過性の単なる掛け声に終わるのではなく、必要な予算と人員をしっかりと確保することが必要不可欠であり、強い決意をもって取り組まれたい。 〇人権擁護に関する条例は、既存の人権課題に対応する条例との整合性を図りつつそれらを補完する機能を備え、人権課題への対応を包括するものとし、少なくとも以下の内容を含むことが必要である。 ・前文で、人権が尊重される社会を構築する市と市民の決意を示すフレーズを明記する。   例:人権施策先導(先進)都市 ・条例の目的を人権文化の確立と社会構造的差別を含めたあらゆる差別の根絶とする。 ・社会構造的差別の解消のための積極的差別解消措置を市として積極的に行うとともに、事業者に推奨する。 ・市、事業者、市民の責務を明記する。 ・人権施策に関する市の基本計画の策定を明記する。策定にあたっては広く市民意見の聴取を行うとともに、後述の人権擁護機関の審議を経ることも明記する。 ・市の人権に関する適正評価手続(人権デュー・ディリジェンス)の策定と事業者の人権に関する適正評価支援を明記する。 例:認証制度等の創設 ・NPOなど民間の人権擁護団体を育成・支援するとともに、連携・協働して人権擁護活動を行う。 ・市施設の使用に関して、人権尊重と差別の禁止についての利用基準を後述の人権擁護機関の審議を経て定め公表する。 ・公共の場所における集会、デモ、掲示等による不当な差別的言動(本邦外出身者に対する不当な差別的言動に限らず、障害者差別や部落差別も含む)への対応を明記する。具体的には、罰則型、氏名・団体名と事実の公表型、事実のみの公表型などが考えられるが、施策の検討にあたっては、日本国憲法で保障する表現の自由その他の人権について十分に考慮して慎重に行うこと。 2ページ目 ・インターネットによる不当な差別的言動(本邦外出身者に対する不当な差別的言動に限らず、障害者差別や部落差別も含む)に関して、市に対策を義務付ける。 例:モニタリング、啓発動画 ・すべての人たちが相互に人権を尊重する社会を構築するための多様性憲章を制定と事業者への支援を明記する。 例:認証制度等の創設 ・市の情報発信のあり方として、市民が誤解し、偏見や差別が助長され人権侵害につながることがないよう、人権の視点で情報の質の保障に配慮する。 例:人権の視点からの情報発信の手引き作成など ・人権侵害に関する総合相談窓口開設と相談者の立場に立った必要な支援体制の整備を市に義務付けする。(複合差別などにも対応できる職員の能力や多様性に配慮) リーガルマインドの養成も含めて人権に関する市職員への研修を義務付ける。 例:大学等の履修証明制度等を活用し、人権に関する一定の資格認定を受けた職員を一定数養成し配置 ・市民や事業者に対する啓発と教育について市が実施目的等を明確化して行うことを義務づける。 具体的には、大学(院)等でのリカレント教育の支援・活用等が想定される。 ・人権に関する市の取り組み等に関する調査や、市からの諮問答申、市への施策提言、市民の人権侵害事案に関する認定等を行うための専門的かつ第三者的な機能を確保した機関を設置する。 ・条例の趣旨を実現するために必要な予算の確保と人員体制の整備を義務付ける。